インタビュー

Sadieインタビュー

Sadie

絶望と希望。相反するものに秘める心の叫びとは。Sadieが初の両A面シングル『双刻の艶』で描き出す闇と光。

結成8周年目を迎えたSadieが世に送り出す作品は、「斑-まだら-」「雪月花」という2曲を掲げた初の両A面シングル。ヘヴィーチューンとメロディチューンという両極とも言えるサウンドが収められた今作は、Sadieが元来持つ魅力を存分に堪能できる作品となっている。サウンド面のみならず、対照的なコンセプトを持つその世界観をじっくり味わっていただきたい。絶望と希望を表す今作について、初登場となるSadieの5人に語ってもらった。

◆絵物語が見えるような様にしたかった(真緒)

――今作はSadie初の両A面シングルですが、作品タイトルを楽曲名の『斑-まだら-/雪月花』とせずに、『双刻の艶』という別タイトルを付けた理由とは?

真緒:今作の前提に4月から2daysツアーを決行する流れがあって、そこから両A面シングルを作ることにしました。ただ、両A面であってもパッケージする際に何か統合性や明確な看板がほしかったのが理由ですね。

亜季:完全なバランスをとるためです。

美月:両A面の意図を考えたらそうなりましたね。

――このタイトル『双刻の艶』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか? また、どのような意味が込められているのでしょうか?

真緒:テーマは儚さを軸に二つの道の想いを意味しています。“双刻”という言葉自体は造語で意味深なタイトルにさせていただきました。

美月:Sadieとして初めての試みの両A面。「生きる上で希望と絶望があることから目を背けないで」という意味です。

――作曲者はバンド名義ですが、原曲は「斑-まだら-」が真緒さんと美月さん、「雪月花」が剣さん、「face to face」が亜季さんが作られたそうですね。それぞれ最初に原曲を聴いた時の印象はいかがでしたか?

真緒:第一印象は世界感のあるもの、ストレートなもの、激しさの中に旋律のあるものですね。

亜季:それぞれの個性というか、コンセプトがはっきりと感じられたから分かりやすかったです。

剣:「斑-まだら-」はダークなイメージの楽曲で、和のテイストを感じました。

美月:「雪月花」は彼(剣)らしい王道のメロディチューンでしたね。入りやすい曲でした。

剣:メロディを重視した楽曲になっています。「face to face」は仕上がりと原曲とはかなり違いがありますが、骨太なイメージがありました。

美月:「face to face」は亜季くんらしいヘヴィーさとコード回しで、原曲は今ほど全体がヘヴィーではなかったですが、感じるものがありましたね。

景:「斑-まだら-」はSadieの奥深い部分を、「雪月花」は光の部分を、「face to face」はその間の子で、上手く表現ができているなと感じました。

――それぞれ、どの部分から生まれたのでしょうか? そこからどのようなテーマで制作に臨みましたか?

美月:「斑-まだら-」は世界観ですね。

真緒:この曲の原曲を作る際、美月くんと意志疎通ができていたのでイメージは割りとすぐ固まりました。

美月:真緒くんと制作する中で、彼にはメロディがあったんだろうけど僕はフレーズから固めていった感じですね。

真緒:出したいトップキーが絡むメロディがあったのでキー調整もして、曲中メロディに抑揚や物語のような起承転結も作りたかったので、様々なアプローチができる構成を織り交ぜました。絵物語が見えるような様にしたかったのが一番のポイントです。

剣:「雪月花」に関して言うと、メロとテンポなどのリズムが最初に浮かんできました。そして、そのメロディが一番生きるコード進行を選びます。ここまでが一番大変ですね。逆にここまでできれば後はアレンジなので、ポンポン作業が進みます。テーマは、上質なメロと展開。ですが、あくまで骨太なロックが根底にあるので、そこは意識しています。

亜季:最初にテーマというか全体像があって。楽曲の流れに沿って制作していくので、どの部分から生まれたかと聞かれると、初めの音からになるかな。

◆本当はギターなんかよりヴォーカルに酔いしれてほしい(剣)

――楽曲制作の中で、一番苦労するのはどんな時ですか?

亜季:正解がないこと。言葉では説明が難しいこと。それぞれ感じ方が違って当たり前のことなんだけど、それを楽しむようにしています。

景:5人全員が納得できる良いものにすることと、あとは時間です。

剣:楽曲っていうのは、大体でいいなら曲の長さだけの時間で作れてしまいます。なので、苦労はいつもしていますね(笑)。メロとコード。正解がたくさんあるので、今の自分にできる最高のイメージを具現化するのが一番苦労します。

――今回はいかがでしたか?

真緒:両A面という試みの中で、タイプは違えど同じ空気感に仕上げるということです。各々テーマが決まっている上での統一感みたいな部分ですね。

美月:「斑-まだら-」は、構成と複雑さですね。一度ではわからない構成になっています。

――歌詞は両A面の「斑-まだら-」「雪月花」で、それぞれどのようなテーマで書かれたのでしょうか?

美月:ヴォーカルさんにお任せしております。

真緒:「斑-まだら-」は絶望に浸る視界、「雪月花」は希望を望む視界です。

――「斑-まだら-」はサビのキーが高く、デスヴォイスやファルセットもあり、様々な声を使い分けていらっしゃいますが、真緒さんは今回のヴォーカル録りは順調でしたか? 気をつけた点はありますか?

真緒:声色やトラッキングはこだわりましたね。聴きやすくも聴きにくいような、何度か聴く上で段々と絵が見えるような感じを想定しました。声の切り替えと高低さが多いので、幅広く堪能していただけたら幸いです。

――サウンド面で今回新たに取り入れてみたことなどはありますか?

真緒:アクセンティブなシャウトやデスヴォイスで抑揚や雰囲気を描きました。

美月:アコースティックギターワークですね。ここまでシングルに入れたことはなかったので。

亜季:前回のツアーから、メインのベースが新しくなって。「雪月花」では、新しいベースでレコーディングしました。

剣:特に変わったことはしていません。曲が生きるアレンジを大事にしています。とは言うものの、意外と3曲とも聴こえてくるよりも難しいことはしていますね(笑)。

――では、ご自身のパートの「ここを聴いてほしい! ここをがんばった!」という聴きどころを教えてください。

真緒:「斑-まだら-」は高低差のあるメロディでの起承転結、「雪月花」は中域の声のうまみ、「face to face」はスピード感のあるリズミカルなシャウトです。

剣:「斑-まだら-」は重厚感と細やかな世界感を演出する音選びなど、「雪月花」はソリッドなエッジのあるギターリフ。それとギターソロでしょうか(笑)。本当はギターなんかよりヴォーカルに酔いしれてほしいですが。「face to face」は右チャンネルから聴こえるAメロの刻み! 命!

美月:「face to face」のAメロは気に入ってます。

景:「斑-まだら-」は特に場面場面の展開が激しいので、景色が浮かぶもの、おどろおどろしさや激しさ、色気な部分が表せるようにがんばりました。

亜季:楽曲として聴いてもらえたら嬉しいです。

――ご自身以外のメンバーの、「ここすごいな! ここがんばってたな!」と思う聴きどころやレコーディング中のエピソードがあれば教えてください。

剣:そうですね。いつも皆がんばってますよ。エピソードは集中してたことぐらいです。

景:皆、Sadieの中でフレーズにしろ曲にしろ、新しいものを持って来るのでいつもすごいなと思います。良いものを作ろうとぶつかったりすることもありますが、最終的には更に良いものになっているところでしょうか。

真緒:どの曲も原曲から各々の血が入りSadie になりましたね。オケに関しては注文やアレンジも見事だと思いました。

美月:真緒氏の「斑-まだら-」のサビの高音キーですね。

◆たくさんあって言えません(景)

――ところで、初回限定通常盤には、吉祥寺CLUB SEATAでの「Sadieと初めての共同作業!?~特別企画!3.27発売シングルの特典映像用の曲を一緒に作ろう!」が特典映像として収録されますが、この初体験の感想はいかがでしたか?

真緒:ぶっつけ本番の奮闘ですね。第三者からの歌詞を即興で歌うのは初めてなのと、何が来るかわからないのでドキドキしました。

美月:いつも数週間ほどかかる作業を数時間でやるので大変でしたが、皆と作るというのは楽しかったですね。

亜季:遊びです。観に来てくれた人が喜んでくれたのなら、それで良いかなと。

景:すごく楽しかったです♪ 初めはどんな風になるかすごく不安でしたが、最終的には皆と一緒に力を合わせて良いものになったので良かったです。

――楽しそうですね。ぜひ見どころを教えてください。

剣:なんとも不思議な企画でしたね。歌詞をファンが書いた中からくじ引きでひいて繋ぐなんて。前代未聞です(笑)。見どころは、その歌詞を作成するところでしょうか。

景:見どころは…たくさんあって言えません(笑)。見てのお楽しみ的な感じです♪

――今回、衣装とヘアメイクも両A面の楽曲に合わせて2パターンありますよね。それぞれテーマとお気に入りポイントを教えてください。

真緒:「斑-まだら-」は修羅的なイメージです。「雪月花」は自然体なイメージです。

剣:「斑-まだら-」は個人的にはゴシックでヴィジュアリーなイメージ。「雪月花」は今回MIDASさんから提供していただきまして、オリエンタルなイメージです。

美月:「斑-まだら-」は妖艶さですね。衣装もすごいことになっております(笑)。

――確かに(笑)。

美月:「雪月花」はスタイリッシュさ。髪型も初のおだんごです(笑)。

亜季:「斑-まだら-」は和をテーマに。髪型が気に入っています。「雪月花」はカジュアルがテーマ。ブランドのスタイリストさんのトータルコーデのバランスが気に入ってます。

景:「斑-まだら-」のお気に入りは、少しヒラヒラしてるところ。「雪月花」のお気に入りはフードです。

――世界観の違うヴィジュアル面も注目していただきたいですね。

◆全会場がそれぞれ唯一なライブだから(亜季)

――さて、今作を引っさげた全国ツアーが4月から始まりますが、初日の赤坂BLITZには思い入れはありますか? どんなライブになりそうですか?

美月:BLITZは好きなアーティストを観に行った場所でありSadieとしても演らせていただいて、ここでライブができるのが嬉しいですね。

剣:BLITZは過去にワンマンをしたライブハウスですが、“THEライブ”って感じができそうなイメージが個人的にありますね。どんなライブになるのかは僕自身も楽しみです。

亜季:どこの会場でも、特別扱いはしません。全会場がそれぞれ唯一なライブだから。今までのツアーの中で、最高の初日になるはずです。

景:Sadieでも2つのコンセプトがある中でのライブは初めてなのですが、きっとオーディエンスの皆に楽しんでいただけるようなライブになると思います。

真緒:当日のみのセットリストで、「奈落」での「斑-まだら-」と「蒼天」での「雪月花」を凝縮した初日公演にする予定です。

――初日以外は全て2days公演で、1日目が“「謳歌乱舞」-奈落の艶- ~痛みと悲しみの果てに見える絶望の轟音~”、2日目が“「謳歌乱舞」-蒼天の艶- ~救い求める掌に贈る希望の声~”という、対照的な演出プランとなっているそうですね。どんな内容になるのか、ファンのみなさんに少しだけヒントをお願いします。

美月:ヒントですか(笑)? 8年やってきた幅広さを見せますよ。それしか言えないですね(笑)。

剣:ヒントとすれば、「同じことは2度起きない」ってことでしょうか?

真緒:言えることは、同じ曲はこの両日を通じてしないです。「奈落」では「斑-まだら-」の世界感に精通する曲目を、「蒼天」では「雪月花」に精通する曲目をと考えています。

亜季:絶望と希望。Sadieのライブの闇の部分と、光の部分にそれぞれフォーカスした感じかな。

景:個々それぞれ皆さん自身のSadieを見せてあげられると思います。

――35本というロングツアーですが、ライブ前やツアー前にする、特別な体力作りやジンクスなどはありますか?

真緒:打算や計算はいらないですね。考えたりすることよりかは本番にどれだけ自然体で酔いしれるかだと思ってます。

剣:ライブ前にすることは、香水をふる。普段あまりしないんですが、ライブの前はいつからかするようになって、お決まりの行動ですね。それとステージ袖でスタンバイしているときは、「これからが俺たちアーティストが一番楽しめる時間だ! 大いに楽しむぞ」って奮い立たせます。

亜季:ツアー前からツアー中も、体力作りは常にしています。

景:ライブの前日は、十分な睡眠をとることです。

美月:加圧は続けてます。ライブ前に特にというのはないですが、勝負パンツはあります(笑)。

――(笑)。ツアー中、旅のお供に欠かせないものはありますか?

真緒:パジャマです。ホテルのガウンのようなものがなんだか受け付けなくて。

剣:目薬でしょうか(笑)。充血がひどいので(笑)。

美月:延長コードは何より大切(笑)。枕元で携帯充電したいもの(笑)。

亜季:ライブ会場やホテルの部屋で飲む紅茶と、本は必ず持っていきます。

景:ノートパソコンです。

◆いつかいつかと待っておりました(美月)

――最後に、初登場ということで、Vifをご覧のみなさんにメッセージをお願いします。

真緒:この度はご閲覧いただきありがとうございます。この場を通じてSadie の世界感に触れていただく機会があれば幸いです。哀しみの代弁者として誰かの心を救わせてください。

美月:はじめまして。結構拝見してるんですよ(笑)?

――なんと(笑)。ありがとうございます!

美月:でもって、いつかいつかと待っておりました(笑)。今後ともよろしくです。

剣:読んでいただきましてありがとうございます! これからもよろしくお願いいたします! そしてVif様、今回このような場をいただきまして誠にありがとうございました!

――こちらこそ、ありがとうございます!

亜季:最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

景:今回、2つのコンセプトの中で、Sadieをより深く伝え、より知っていただき楽しんでいただけると思いますので、ぜひライブの方へ遊びにSadieを体感しに来てください!

(文・金多賀歩美)

Sadie

<プロフィール>

2005年、大阪で結成された真緒(Vo)、剣(G)、美月(G)、亜季(B)、景(Dr)からなるロックバンド。2011年リリースのシングル『Rosario-ロザリオ-』は、オリコン週間シングルチャート12位、インディーズシングルチャートで1位を獲得。2012年10月、3rdフルアルバム『THE BLACK DIAMONDS』をリリースし、全国20カ所ワンマンツアーを展開。2013年3月16日には地元大阪のなんばHatchにて、全38曲を披露する8周年アニヴァーサリーライブを成功に収めた。通算15枚目となるニューシングル『双刻の艶』を引っさげ、4月6日の赤坂BLITZを皮切りに全35公演の全国ツアーの開催が決定している。


■オフィシャルサイト
http://www.sadie-web.com/


【CDデータ】

【初回限定盤A】
MRS-0049
(CD+DVD)
¥1,890(tax in)

【初回限定盤B】
MRS-0050
(CD+DVD)
¥1,890(tax in)

【初回限定通常盤】
MRS-0051
(CD+DVD)
¥1,890(tax in)

【通常盤】
MRS-0052
(CD)
¥1,575(tax in)


『双刻の艶』
2013年3月27日(水)発売
(Majestic Records)
結成8周年目を迎えたSadieの15thシングル。ヘヴィーチューンを存分にアプローチした「斑-まだら-」と、軽快なビート感に切なさを表現した「雪月花」の両A面。

【収録曲】
[初回限定盤A]
CD
1. 斑-まだら-
2. 雪月花
DVD
「斑-まだら-」MUSIC CLIP

[初回限定盤B]
CD
1. 雪月花
2. 斑-まだら-
DVD
「雪月花」MUSIC CLIP

[初回限定通常盤]
CD
1. 雪月花
2. 斑-まだら-
3. face to face
DVD
特典映像(2013.2.2 吉祥寺CLUB SEATA「Sadieと初めての共同作業!?~特別企画!3.27発売シングルの特典映像用の曲を一緒に作ろう!」)

[通常盤]
CD
1. 斑-まだら-
2. 雪月花
3. face to face