インタビュー

NIGHTMARE

NIGHTMARE

記念すべき15周年のアニバーサリーイヤーを迎えた
NIGHTMAREの10枚目のアルバム『CARPE DIEM』の魅力に迫る!

今年、結成15周年という記念すべき年を迎えたNIGHTMAREが10枚目のアルバムを完成させた。タイトルは『CARPE DIEM』。古代ローマの詩人ホラティウスの詩に登場するこの言葉は「その日を摘め」と訳される。咲人(G)曰く、「作詞作曲した人のリアルな感覚が出ている」という彼らの楽曲に込められたのは“今というこの瞬間を一番大事にしたい”という思い。この作品について、「唯一、一緒に飯を食いに行くメンバー」だという咲人とNi~ya(B)の二人に話を聞いた。今回もコメント動画と併せて存分にお楽しみいただきたい。

◆自分なりに自分たちのバンドを見て感じたこと(咲人)

――今回のアルバムタイトルは、咲人さんの案ですか?

咲人:お、わかるようになってきましたね(笑)。タイトルは何案かあったんですけど、最後まで決まらなくて。最終的に、それぞれの曲の歌詞を考えて、共通するワードは何だろうと思ったらこれがふさわしいなと思ったんです。言葉というより、その曲の精神性かな。

――「CARPE DIEM」という言葉は「その日を摘め」という意味だそうですが、「今という時を大切に使え」という教訓的なニュアンスと、「今この瞬間を楽しめ」という刹那的なニュアンス、どちらの意味合いで付けましたか?

咲人:自分たちへの警告も含めているので、どちらもですね。でも方向性としてはポジティブで、自分なりに自分たちのバンドを見て感じたことです。

Ni~ya:自分もポジティブな意味合いで捉えました。俺は最初にこのタイトルを聞いたとき、これしかないなと思ったんですよ。自分が知らない言葉だったせいか、すごく惹かれたんですよね。パッと聞いた時、知っている言葉より知らない言葉の方が嬉しいじゃないですか。なのでこれだなと。

――このタイトル、ある意味、達観したタイトルにも思えます。

咲人:達観はしていないですよ。むしろ将来への不安要素しかないから、自分たちに言い聞かせている部分がありますね。今回の曲だけじゃないんですけど、歌っていることとか表現しているものって、現時点で起こっていることや思っていることが出ていると思うんです。時間軸はそれぞれ違ったとしても、作詞作曲した人のリアルな感覚が出ているので、今というこの瞬間を一番大事にしたいなと思って。

――それが「CALPE DIEM」という一言になるというのはさすがのセンスです。

咲人:いやいや。でもこの言葉、ちょっと哲学をかじっている人とか、過去に一度でも中二病を発症した人は知っているワードだと思いますよ。

――ということは、この言葉を知らなかったNi~yaさんは、これまでに中二病を発症していないということですね。

Ni~ya:そういうことですね!

咲人:俺は今でも慢性中二病なので(笑)。最近、中二病という言葉が市民権を得たせいか、にわか中二病が多いじゃないですか。俺はナチュラルボーン中二病ですからね。だから本とか読んでいても、ちょっとカッコいい言葉があるとすぐiPhoneにメモっちゃうんです。人の曲を聴いて、これは良い言い回しだと思ったらメモる。メモの中身は恥ずかしいから見せられないですけど。

Ni~ya:俺もメモの中身を見せてもらったことはないな。ある意味ネタ帳だからね。

◆お互いをどこかしら認めつつライバルであること(Ni~ya)

――このアルバムの方向性はどの段階で決まったんでしょうか?

Ni~ya:最後だったよね。

咲人:そうだね。相変わらずコンセプトから決められないバンドなので。こんなこと言うのはアレですけど、辻褄合わせだけがどんどん上手くなっていくんですよ(笑)。

Ni~ya:今度はタイトル先行でやろうか。やったことないよね。

咲人:アルバム『NIGHTMARE』(2011年発売)の時くらいかな。でもまぁ5人それぞれバラバラな性格だから、その方法でやると大変だろうなとは思っているんですけど。

――性格はバラバラですか。今回のMVは「五つ子」を意味する「Quints」ということで、5人が似ているからこのタイトルなのかと思っていました。

咲人:いや、似ていないからこそですよ。うちは一卵性というより五卵性くらいバラバラですけど、それでもずっとやっている意味を考えての言葉ですね。それぞれ好きなところや嫌いなところがたくさんあると思うんですけど、それでも一緒にやっている意味というか、やって来られた理由というか。

――15年間というと生まれてから高校生になるまでの時間ですよね。一緒に活動するというのはなかなか難しいことだと思いますが。

Ni~ya:そう考えるとすごいよね。

咲人:でも年を取ってからの10年15年は意外と早くて、あっという間ですよ。スケジュールに追われて頑張っていたら、いつの間にか時間が経っていた感じです。一緒にやる秘訣は、夢がないですけど「あんまり干渉しない」ってことですかね。男は多分、それぞれが自分のやりたいようにやっていて、細かいところは気にしないという部分が大きいと思うんです。女子は上辺だけの付き合いのような気がするんですけどね。よく思うのが、女の人が言う「カワイイ」と男が思う「カワイイ」は全然違う。「誰々ちゃん可愛いじゃん!」って言葉を聴くと「出た、女子」と思うわけです。

Ni~ya:あはは、女子のカワイイは本当にあてにならないからなー(笑)。例えがすごいけど確かにその通り(笑)。

――Ni~yaさんは15年続けられた秘訣はなんだと思いますか?

Ni~ya:先輩に話を聞いて、長く続ける秘訣って、お互いをどこかしら認めつつライバルであることだと思ったんです。ただの仲良しだったらなあなあになりがちだし、尊敬する部分がないとできないですからね。俺は咲人の音楽的センスも、ギタリストとしても尊敬していますから。

――お二人はプライベートで遊んだりは?

咲人:唯一、飯を食いに行きますね。2~3週間前にも肉料理のお店に行きました。

Ni~ya:機材の話とか、割と音楽的なことを話してるよね。

――喧嘩はしますか?

咲人:ないですね。うちのバンドは喧嘩が起こらないんですよ。面と向かって言わない人が多いから。

Ni~ya:ゾジー(YOMI/Vo)は言われっぱなしだけどな。

咲人:そうだね(笑)。

Ni~ya:ゾジーは、ツッコまれるポイントがありすぎるんですよ。彼が完璧主義者だったら誰も何も言わないんですけど、やっぱり言ってあげなきゃ!と思って。彼はバンドの顔ですしね。

咲人:でも打ってもあんまり響かないよね…。

Ni~ya:響けばいいんだけどね…。

◆全員歌えるって、強いし新しい(Ni~ya)

――今回の収録曲は、どのくらいの候補の中から選びましたか?

咲人:収録曲の倍くらいあったかな。

Ni~ya:選曲の段階では曲の並びは考えずに単純に良いものを選んで、あとから咲人先生が調整する感じです。

――原曲から大幅に変わった曲はありますか?

咲人:そんなにないですね。みんな、デモの段階から結構作り込んでくるし。

――Ni~yaさんは前回のシングル『blur』で、RUKAさんから「スラップやって」と要望があったようですが、今回のアルバムでは?

Ni~ya:いや、あの時だけですね。細かいところを咲人から言われることもありますけど、基本的には俺に任せてくれるので。俺が今回のレコーディングで一番大変だったのは「Quints」の歌録りです。本当に大変でしたよ。だって一人でブースに入って歌うなんて初めてですもん。しかもゾジーが先に歌入れしていたから、そのテンポ感とかビブラートの揺れ具合とか意識しないとハマリが悪くて。苦労しました。

――先にYOMIさんが歌っているとハードルが上がりそうですね。

Ni~ya:上がります! 先にゾジーが主メロを入れて、別日に柩、咲人、俺で歌を入れたんですけど、俺はみんなが歌っている間、一人ですっげー練習してましたからね。本当に難しかった。

咲人:英語だから難しかったかもしれないね。俺も自分で書いた歌詞だけど、MVを撮ってる時に間違えましたからね。

Ni~ya:英語の発音は日本語と違って舌を使うからニュアンスが難しかったし、そもそもレコーディングで、こういう形で歌うことはなかなかないですからね。でもすごく良い経験になりました。

――また次回歌う機会があったらやってみたいですか?

Ni~ya:うーん…あんまり難しいのじゃなければ(笑)。

咲人:歌うのは好きだもんね。

Ni~ya:うん。歌うのは楽しいじゃないですか。カラオケでも歌うし。

咲人:ファンクラブ旅行でも、予定になかったのに急に「俺、歌うわ」って言って弾き語りやったしね。

Ni~ya:今までそんなことをやったことはなかったんですけど、前日に急にやろうと思い立って。それも自分にとっては良い経験になっていますね。この曲はライブが楽しみです。CDで聴いていてもテンポ80のパンチ力って威力があるじゃないですか。自分はライブを観る立場ではないんですけど、これはお客さんにとってリスニングポイントが高い曲だと思います。

――前回のアルバムの収録曲「TO BE OR NOT TO BE」では全員で歌詞を書き、今回は全員で歌とは。

咲人:RUKAさんだけは最後まで抵抗して歌いませんでしたけどね。自分の声が嫌らしくて。

Ni~ya:絶対歌わないよね。俺も聴いたことないもん。でもこの前、KISSのライブを観に行ったんですけど、あのバンドは全員が歌えるじゃないですか。あれは強いなと思って。

咲人:全員歌えるってやっぱりすごいよね。THE BEATLESもそうだし。

Ni~ya:生で観て尊敬しました。

――観ている側はコーラスでもキュンと来ますからね。

Ni~ya:わかるわかる。最近の日本のアーティストってそういうことをやる人がいないじゃないですか。ドラムはドラム、ベースはベースで、歌はヴォーカルに任せる。古臭い考えかもしれないけど、今は逆に全員歌えるって新しいし強いかなと。うちもそうなれるといいなと思います。

◆ツアーの中で何か見えてくれば(咲人)

――「the DOOL」は「the FOOL」のシリーズものと考えて良いのでしょうか。

咲人:そうですね。ああいう短い曲があってもいいよねということで。最初ドラムだけ作ったものを投げてもらって、そこに俺がコードやメロを乗せました。この曲、多分過去最短ですよ。「the FOOL」は45秒で今回は43秒ですから。どんどん更新したいですね。俺、高校の時にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの6秒くらいの曲を聴いたとき衝撃を受けたんですよ。

Ni~ya:それより短いと5秒か。…むっず!

咲人:5秒だと難しいかな。あ、でも5秒の曲を作って作曲しましたって何か申し訳ないから、印税は等分します(笑)。

Ni~ya:(笑)。その長さだと、まとまらないだろうな。逆に長い曲だったら、10分くらいならいける気がしますね。

咲人:長い曲はちょっとやってみたいよね。

Ni~ya:NIGHTMAREの曲は大体4~5分でまとまってるからね。

――ところで、「Demand」は「Cherish」(アルバム『NIGHTMARE』収録曲)のアンサーソングになるんでしょうか。

咲人:そうですね。あれが女目線なら「Demand」は男目線です。これまでに「惰性ブギー」(2005年リリースのシングル『時分ノ花』c/w曲)と「メビウスの憂鬱」(2007年リリースのシングル『DIRTY』c/w曲)みたいに続きものの曲はあるんですけど、完全な対の曲は初ですね。「Cherish」を作った段階で作ろうとは考えていなかったんですけど、最近、昔の曲に対するオマージュがあって、対になる曲もあってもいいかなと。

――今回は「Quints」が映像化されましたが、それ以外の収録曲で映像化してみたい曲はありますか?

咲人:うーん、作りたいと思うと、同時に予算のことが頭に浮かんじゃうんですよね(笑)。変な話、お金をかければ何でもできちゃうじゃないですか。だからむしろ限られたルールの中で最大限の効果を発揮するということがテーマなんです。映像化するなら「入滅」かな。ヘヴィな話ですけど、原発のことが頭にあって、崩壊した街とか、むしろ映像の方がすごくメッセージ性が強いものができるんじゃないかと思います。

――この曲は映画のような作品になりそうですね。咲人さんは以前「状況を思い浮かべたときにぼやけるように歌詞を書く」と言っていましたが、この曲はむしろ画が浮かびます。

Ni~ya:確かにそうかもね。

咲人:そういう気持ちも少なからずありました。

Ni~ya:俺は映像化するなら「Siva」かな。スケール感がある広大な場所で、まだ薄暗い朝5時くらいに撮りたい。夕日って感じじゃないですよね。

咲人:そうかも。「Siva」は多分シヴァ神のことだと思うんですけど、俺が好きな神様の一人なんです。使っているフェンダーのギターの後ろにシヴァ神のステッカーを貼ってますからね。ガネーシャが多いから珍しいかも。

Ni~ya:ガネーシャって象のやつ?

咲人:そう。あれはシヴァ神の息子で、シヴァ神が間違って自分の息子の首を落としちゃって、間に合わせで象の首をくっつけたっていう。ヒンズー神話ってすごいからね。

Ni~ya:すげぇ(笑)。シヴァ神うっかりしすぎだろ。もうちょっと緊張感持ったほうがいいよ。

――(笑)。アルバムの話に戻りますが、C typeの最後は中国語で「道」を意味する「Tao」で終わりますね。

咲人:この曲は一番古い曲で、アルバムタイトルも全く考えていなかった時に作ったんですけど、この曲を最後にして良かったと思いました。

Ni~ya:すごくまとまった感じがするよね。

――A typeとB typeは「極上脳震煉獄・弐式」で終わりますね。このシリーズはどこまで続く予定でしょう?

咲人:しきがまえの漢字がある限りなので7までですね。それ以外の漢字は使いたくないんです。10まで行きたいところですけどね。

――この曲も含め、ライブが楽しみな曲揃いです。

Ni~ya:今回は前回のアルバムを上回っている気がします。家でプリプロしている時から、ライブの画が見えてましたから。

――これを引っ提げて、4月4日から長い長い全国ツアー(NIGHTMARE 15th Anniversary Tour「CARPE DIEMeme」)が始まります。

咲人:そうですね。でも過去最長ではないんですよ。過去に36カ所回るツアーをやっているので、どうしてもその印象があって。その頃はまだみんなで車で回っていて楽しかったので、久々にその感覚もほしいですね。今回、細かく回ろうという考えが最初にあったので、ツアーの中で何か見えてくればいいなと思っています。

Ni~ya:毎回アルバムを出すたびにツアーをやっていますけど、ライブで演奏して、オーディエンスとどういう一体感が生まれるのか、どういう風に曲が育つのか、どういった化学反応が起きるのかがすごく楽しみなんです。さらに今回は久々に行くところも初めてやる会場もある。どういうツアーになるか、色々と楽しみにしています。

(文・後藤るつ子)

NIGHTMARE

<プロフィール>

YOMI(Vo)、柩(G)、咲人(G)、Ni~ya(B)、RUKA(Dr)によって2000年に結成。2003年にメジャーデビュー。2010年に結成10周年を迎え、記念アルバム『GIANIZM』をリリース。2011年、avexに移籍し、2014年3月19日、ニューアルバム『TO BE OR NOT TO BE』をリリース。ロングツアーNIGHTMARE TOUR 2014「TO BE OR NOT TO BE:That is the Question.」を行い、6月15日にツアーファイナルを東京国際フォーラムホールAで行った。同月、映画『奴隷区 僕と23人の奴隷』の主題歌となるシングル『TABOO』をリリース。2015年には結成15周年アニバーサリーイヤーを迎え、4月4日(土)より全国ツアーNIGHTMARE 15th Anniversary Tour「CARPE DIEMeme」をスタートさせる。


■オフィシャルサイト
http://www.nightmare-web.com/


【リリース情報】

A type
(CD+DVD)
YICQ-10356/B
¥3,600+税

B type
(CD+DVD)
YICQ-10357/B
¥3,600+税

C type
(CD ONLY)
YICQ-10358
¥2,800+税


『CARPE DIEM』
2015年3月25日(水)発売
(HPQ)
結成15周年アニバーサリーイヤーを迎えたNIGHTMAREが放つ通算10枚目となるオリジナルアルバム。

【収録曲】
[CD]
01. Siva
02.僕の嫌いな君が死んだら、僕は笑うのだろうか
03. TABOO
04.恍惚
05. Quints
06.入滅-entering nirvana-
07. blur
08. Demand
09. NAMELESS
10. fade
11. the DOOL
12.極上脳震煉獄・弐式
13. Tao(C typeのみ)

[DVD](A type)
「Quints」Music Clip

[DVD](B type)
NIGHTMARE FC Limited Live 2015 @ EX THEATER ROPPONGI
01. blur
02. Such a Nonsense System
03. Buddies