DaizyStripper

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待望のニューシングル『4GET ME NOT』が遂に完成。新たなるDaizyStripperの魅力が世に放たれる!

バンド始動から10年目に、メジャーデビューという大きな飛躍を見せた2017年のDaizyStripper。2018年の幕開けは、彼らが敬愛するKen (L’Arc〜en〜Ciel)をサウンドプロデューサーに迎えて完成したニューシングル『4GET ME NOT』。壮大なタイトル曲「4GET ME NOT」と、目まぐるしく表情を変えていくc/w曲「ラビットファンタジーパレード」というベクトルの異なる2曲で構成されたこの作品で、彼ら自身も初めて対面するという新しいDaizyStripperの魅力が世に放たれる。バンドにとって大きなターニングポイントとなるであろうこの作品について、5人に話を聞いた。

◆俺たち自身も自分たちの新しい一面を見られた(なお)

――前作シングル『AGAIN』のリリースから半年が経ちましたが、振り返っていかがですか?

夕霧:早かったです。あっという間でした。

Rei:ファンの子から「メジャーに出て嬉しい」という言葉を聞けたし、その上でリリースした第1弾シングルにもすごく注目が集まったと思うし。企画的にもすごく満足したものができて、それを世に出せたことを誇りに思います。再出発できた感がありますね。

まゆ:ライブで「AGAIN」をやる機会が多かったんですけど、再出発の曲だからか、夕霧が力強く前を向くような視線でサビを歌っていたのがすごく印象に残っています。

夕霧:みんなで作った大事な曲ですからね。

――年末はアコースティックツアー(”天体観測”)も開催され、忙しかったようですね。

夕霧:そうなんです。ヴィジュアル系で、アコースティックでのワンマンツアーをやるバンドはあまりいないんじゃないかな(笑)。東京ではインストアイベントの一環でアコースティックライブをやることもあるんですけど、地方ではやったことがなかったんです。今回ツアーができてすごく良かったし、継続してこれからもやっていけたらなと思っています。

まゆ:それに、過去に出したミニアルバム、アルバムツアー(DaizyStripper アルバムコンセプトツアー2017 「11 CHRONICLES」)で、各タイトルに合わせて各地を回れたので、未来も過去も網羅できました。

――忙しくも充実した半年間だったんですね。今回のシングルをどういう作品にするか、いつ頃考えたんですか?

風弥:今回は曲調よりも先に、「Kenさんにプロデュースしていただきたい」という話がメンバー間で出たんです。それで、各々が曲を作って、選曲会の段階からKenさんに入っていただきました。そこでDaizyStripperはもちろん、今後この音楽シーン全体にどうやったら波を起こせるか、そのためにはどういう曲が必要なのかという話をしたんです。

夕霧:Kenさんは6月5日のライブ(10th Anniversary 47都道府県TOUR 2017 GRAND FINALE「KISS THE FUTURE~僕らの帰る場所~」)も観に来てくださったんですよ。

風弥:そのライブでDaizyStripperがどういうバンドに見えたか、というKenさんの話も含め、次のシングルの方向性を決めました。

――どういう縁でKenさんにプロデュースしていただくことになったんでしょう?

風弥:みんなKenさんが好きだからです(笑)!

――わかりやすい(笑)。でも、好きという気持ちからプロデュースが実現するというのはすごいことですね。

風弥:自分たちが気付いていないDaizyStripperの可能性に気付きたいという思いもあって、「プロデューサーを立てたい」という話は前々からあったんです。それで、具体的に誰にお願いしようかと考えたときに、皆の口からKenさんの名前が出て。でも雲の上の方だし、本当にダメ元でした。受けていただけて、本当に幸せです。

なお:今回、俺たち自身も自分たちの新しい一面を見られたと思っています。最初にメンバーで選曲して、これがいいよねと決めてKenさんに30曲ぐらい提出したんですけど、Kenさんからは全く違う曲が返ってきたんですよ。でもそれで不安にはならず、むしろ「これがどうやって進化していくんだろう!」という、新たな世界が見られそうだなという期待が強かったです。メンバーは、今まで選んできたような基準でいいなと思った曲を出したんですけど、Kenさんはそういう曲よりも、「これは今までのデイジーでも作っていたよね。俺が入るんだったら、逆にもう少し違う雰囲気のものを作れたらいいなと思ってる」と選んでくれたみたいです。

――ちなみに今回の2曲は、元々のデモの状態と最終形で大幅に変わりましたか?

風弥:「4GET ME NOT」は、入っていた音を消したり、逆に新たな音を入れたりということがメインで、一つひとつの音や細かいアレンジがすごく洗練された感じです。c/w曲の「ラビットファンタジーパレード」は、選曲会で出した段階では、普通のバンドの曲だったんですけど、Kenさんに「パレードみたい」というキーワードをいただいてから俺が大幅に変更して、全く違う方向性のアレンジにしました。

◆夢に向かって続けていればいつかこんなことも起こり得る(まゆ)

――初めてプロデューサーを迎えたことで、苦労したことはありましたか?

なお:うーん、苦労と幸せは紙一重だからな(笑)。でも今回、Kenさんとずっと一緒にいて、ありがたいことにギターの構えから教えてもらえたんです。

――Reiさんが、「レコーディング中に感動しているまゆなおを見ていて可愛いなって思いました」とTweetしていましたよね。

Rei:そうなんですよ。同じプレーヤーのギタリスト同士、二人とも憧れている方にゼロから教えてもらって羨ましい限りです。なかなかできないことだと思うし、そこで得たものは大きいんじゃないかな。

――まゆさんはKenさんに憧れて、最初のギターはストラトを買ったんですよね。

なお:めっちゃ詳しい(笑)!

まゆ:正にそうなんですよ。自分のルーツなんです。ストラトを買った時は、将来一緒に作品を作るなんて想像できなかったですけどね(笑)。これを読んでくれている人達に伝えたいんですけど、いろんな夢に向かって続けていればいつかこんなことも起こり得るんです。今回の自分たちの経験が、誰かの励みになったら嬉しいです。

――キッズたちが勇気づけられますね。そして、今回ベースも過去最高に良いものが弾けたそうですが。

Rei:自分でもすごく満足しています。どういう方向性にするかということも、Kenさんや風弥やエンジニアさんとみんなで煮詰めていって。今までと違うことと言うと、音数の少なさですね。それによってヴォーカルの出方も変わってくるし、セクションごとに聴こえるものも、世界観、情景、見え方が変わってくるから、「4GET ME NOT」のストーリーが音でもすごく感じられる。ちゃんと支えている感が一番強く出ているから、過去最高にいいものができたなと思いました。

――音数を減らしたんですね。

Rei:引き算の方法で考えていきました。つい、できることは全て入れ込みたいという気持ちが出てしまいがちですけど、大切なのは何を聴かせたいかなんですよね。今回、それがさらに洗練されたし、Kenさんにサウンドプロデューサーもやっていただいて、色々と新たな発見ができたレコーディングでした。Kenさんが色々教えてくれたのは、本当に氷山の一角だと思うんですけど、そこから自分たちが学んだことを、どんどん広げていけたらなと思います。いい意味で一歩大人になれたかな(笑)。

――夕霧さんは今回いかがでしたか?

夕霧:実は歌を録る以前に歌詞が結構大変で(笑)。今までは、俺が書いた歌詞をみんなに送って、「ここはもうちょっと違う言い方ないかな」と言われたらちょっと直して、あとは当日揉もうか、という感じだったんです。でも今回歌詞を書く前にKenさんと方向性を打ち合わせて、その上で書いたものを見ていただきました。そうすると、「この1行は、見ている景色は素敵なんだけど、ちょっと天井が低いから、もう一段階天井を上げる言葉にできる?」とか「もうちょっとこの1行で風を感じたいんだけどできる?」とか、具体的なアドバイスをくださって。そこから5回ぐらい書き直して、時間をかけて書き上げました。

――とても丁寧に見てくださったんですね。

夕霧:そうなんです。レコーディングでは、音数が一番少ないのが最初のAメロで、そこはヴォーカルがすごく裸になるんですよ。なので、そこから録り始めたんですけど、一番時間がかかりました。ここだけで、3時間ぐらいかかっているんです。自分なりに色々やってKenさんに聴いていただいたら、「これはこれでいいんだけど、主人公の影みたいなものをもうちょっと声で出せないかな」というアドバイスをくださって。そして、それを言い残してKenさんはギター隊のところに旅立って行きました(笑)。

なお:Kenさんはずっとこっちにいてくれたからね(笑)。

夕霧:「あ…あっちに行っちゃうんだ…」と思いつつ。そこから2~3時間かけてエンジニアさんと揉んで揉んで、もう一回Kenさんに聴いていただいたら「めちゃくちゃ良くなったじゃん!」と言っていただけたんです。そして、「この調子で頑張って! じゃ!」と言って、Kenさんはまたギター隊の部屋に旅立って行きました。

全員:(笑)

夕霧:でもすごく楽しかったし、俺も夕霧という楽器の鳴らし方をKenさんに教わって。俺はこういう声も出たんだという新しい発見がたくさんありました。

――新しい発見があったのはやはりAメロですか?

夕霧:そうですね。〈あの頃 覚えてる?〉から〈笑ってた 僕が居た〉までの4行が、この曲の中で、強弱という意味でのヴォーカルのダイナミクスが一番激しく出ていると思うので。すごく弱く歌っているように見せて、隠し味みたいなものもたくさん入っているんです。これがカラオケで入ったら、普通にサラッと歌っても、「あれ? あの色気が出ないな」って多分高校生は悩むと思います(笑)。そしてそこは悩んでほしい(笑)。

――この部分によってこの曲はより壮大な感じになっているのかもしれませんね。

夕霧:デイジーの曲は音数が多いのが魅力だと思うんですけど、今回は引き算の美学と言うか。サビはバンッといくけど、それ以外のところでサビをより際立たせるために引き算していると感じました。特にAメロは引き算の究極系かなと思うので、ぜひ高いヘッドフォンで聴いていただいて、耳元で息づかいを感じてほしいです。

◆プロジェクションマッピングを見ているような4Dの曲(夕霧)

――タイトルの「4GET ME NOT」を4の表記にしたのはなぜだったんですか?

夕霧:これは特に意味はないんです。Kenさんと話していて、「FORGETでももちろんいいんだけど、ちょっと変わった表記があれば夕霧の個性になるし、俺はそういうのがあれば面白いと思う。何かアイディアがあれば頂戴」と言われて。でもこうやって引っかかってくださる方がいて、ファンの方にもすごく聞かれるので、正にこちらの作戦通り。引っかかってくださって本当にありがとうございます、という感じです(笑)。

なお:俺もこれのほうが好きだな。

夕霧:ちょっと意味が分からなくていいよね。読んで一瞬、「何!?」ってなるから。

――すごく意味深な感じです。

夕霧:確かに。曲が持っている怪しげで意味深な雰囲気には、このタイトルがすごく合っているかな、と思います。

――ところで、先ほど歌詞をかなり書き直したということでしたが、最初は大きく異なる内容だったんですか?

夕霧:方向性はこの感じです。ただ最初に俺が書いた歌詞を見せたときに、「夜景が見えるような、すごく大きな窓を開けて愛し合っている感じ。風が流れていて、空があって、星があって…って言うのは?」、という指摘を受けたんです。俺もそういうものを思い描いて書いたつもりだったんですけど、ちょっと天井が低かったみたいで。それで自分なりに、もっと高さを出したり、風通しを良くしてみたりしたんです。それが結構大変な作業でした(笑)。

――その甲斐あって、とても立体的で、奥行きを感じました。

夕霧:プロジェクションマッピングを見ているみたいな4Dの曲ですよね。これを書いたことで、自分はこういうふうに書けるんだっていう発見がありました。

――風弥さんは苦労した点はありましたか?

風弥:言ったら全部苦労だったんですけど、「4GET ME NOT」はプリプロの段階から、Kenさんといつもお世話になっているエンジニアさんにも加わっていただいて、3人体制で組み立てていったんです。プリプロに入る前に、一度自分でアレンジをある程度仕上げて行ったんですけど、自分の発想にない音使いや、逆にこれはこれで良かったんだというものが多すぎて、どうやったらそんな発想が出てくるんだろうという疑問が浮かんで、すごく面白かったです。レコーディングの日からずっと、自分がそのステップに行くためにどうしたらいいかということを考えていて。大きな課題を突き付けられたわけなんですけど、それは俺にとってすごく幸せなことなので、次の作品に生かせる気がします。

――風弥さんの血肉になっているんでしょうね。

風弥:自分の意識もあの日から大きく変わった気がしていて、それが今回3Dや4Dのような立体感に繋がったと思っています。楽曲もサウンドメイクもスケールを大きくしたい。それは簡単ではないけど、できる気もしているんです。この1曲にはそういう苦労がギュッと詰まっています。

――「AGAIN」のときは、聴こえない音まで入れているというお話がありましたが。

風弥:今回もそういう音がたくさん入っています。むしろ聴こえる音を減らして、聴こえない音を増やしているんです。「AGAIN」の頃から、それはすごく意識してやっていたんですけど、その頃抱えていた疑問の答えが「4GET ME NOT」でたくさん見つかった。だからこそ、すごく楽しかったと思えるんだろうな。

――この曲のコンセプトは、“インスタ映えする曲”ということですが。

風弥:高層階から見る夜景のような感じですね。インスタグラムは自分をお洒落に見せて、自分の中での立ち位置や格を上げるような役割をすると思うんです。この曲を聴くことによってみんなの日常が何か一つお洒落になって、ちょっと気取れるような気分にさせられたらいいなと思っています。

――この曲のMVもこれまでにない作風で全貌が気になっています。ショートVer.は謎が多すぎて!

夕霧:それは見てのお楽しみということで(笑)。

――ショートムービーのようですよね。

まゆ:そうですね。映像もすごく綺麗だし。

夕霧:映画みたいだよね。Kenさんは映画が好きで、すごくたくさん観ているそうなんですけど、俺は「4GET ME NOT」に入っているシーケンスの音も、映画の効果音のイメージがあるんですよ。今回、音もMVも自分たちが過去にやったことのないようなトライをしたので、きっといい意味で衝撃的な映像になっていると思います。

◆アルバム分ぐらいの曲の楽しみ方がある曲(Rei)

――2曲目の「ラビットファンタジーパレード」は、6分47秒という長さの中で目まぐるしく展開していきますね。

風弥:実はこれはひたすらに展開できてしまうから、やろうと思えば15分を超える曲もできちゃいそうだったんですよ(笑)。

まゆ:朝方、「今回のカップリングの曲は大作になります」みたいなLINEが来たしね(笑)。

風弥:作っていて自分でも興奮するような出来になって。この思いをどうしよう、という (笑)。だからTwitterにも、「今すごい曲ができちゃった!」と書いたんです。作っているときに興奮する曲は、出来てからもその興奮が色あせないんですよ。それが聴いている人にも伝わったらいいなと思って。

夕霧:作曲していく面でそう思うことって大事だよね。マンネリとの闘いでもあるし。

風弥:そうなんだよね。同じバンドを10年やっているから。デイジーらしさは、基本的に何をやっても出るんですけど、新しいことに挑戦しつつ、今までやってきた一つひとつのことにもっと時間をかけて突き詰めていったら、デイジーのそのベクトルのまま、またステップアップするんじゃないかと考えながらやってみました。具体的に言うと、例えば今までなら1時間かけて作ったサビのストリングスパートに半日かけるような。一つひとつを本当に丁寧に作りこむことが、3Dや4D感に繋がったと思うので。そしてこの曲は、オーケストラだけじゃなくて、吹奏楽でもできるようになっています。ラッパが入っていたり、俺の親戚の人にティンパニを叩いてもらったりして。

――この曲ではどれぐらいの楽器を使っているんですか。

風弥:いわゆるオーケストラと同じ楽器数です。ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、コントラバス、ヴォイシングを4声でやって。それ以外は、トランペット、トロンボーン、ホルン、あとはピッコロ、フルート、あとはオーケストラパーカッションです。

なお:これは裏話ですけど、風弥君がすごく作り込んでくれたから、Kenさんも入れてのプリプロのときに、ギターを入れるところがないということになって(笑)。Kenさんからは「なくていいんじゃないの? ライブのときは、ギター隊はコードをジャーンといくとか?」と言われました(笑)。

まゆ:でも俺はKenさんの、ギタリストだけど無理やりギターを入れる隙間を見付けるんじゃなく、曲全体を見て音を抜くという判断はすごいなと思って。

なお:確かにそうだよね。そして毎回毎回思っているけど、風弥君がそれぐらい作り込むことが単純にすごいと思った。普通に尊敬。

風弥:一応アレンジの段階ではギターも入れていたんだけどね(笑)。

――結局レコーディングでは入れなかったんですね。

なお:ギターが入っているってわかるのはギターソロくらいだよね(笑)。

まゆ:うん。お互いソロを弾いているんですけど、Kenさんが「ここに全精力を傾けて、このフレーズをどう聴かせるかを一緒に考えよう」って言ってくださって。

Rei:この曲は構成自体もすごく複雑だし、このコード進行を考えた風弥はすごいなと思いました。一番の心配は、「やろうと思えば15分を超える曲もできちゃいそう」という言葉通り、これ以上長くならないようにということですね(笑)。でも、やるんだったら、ギネス級ぐらいの長さで作ってしまえばいいのにとも思ったり(笑)。この人が次の作品でどんなものを持ってくるのか楽しみなんです。

――次はX JAPANの「ART OF LIFE」(29分)を超えるかもしれないですね。

Rei:それなら、ベースは曲中でお休みさせてもらうかもしれない(笑)。でも、この曲はいろんな可能性を秘めていて、新たなチャレンジだと思います。だからライブでどういうふうにしていくかということは自分たちの課題でもあるんです。今回のシングルは「4GET ME NOT」と「ラビットファンタジーパレード」の2曲ですけど、この曲の中にいろんなセクションがあるのでアルバム分ぐらいの曲の楽しみ方があるのかなと思っているんです。いろんなセクションの段階を見て、世界観を感じてくれたらなって。

――楽しみ方も無数にありそうですね。それにしても、大曲で音も高いので、夕霧さんは大変だったのではないでしょうか。

夕霧:確かに初めてレコーディングで歌ったときに、自分が想像していたよりもキーが高いかもと思いました。

風弥:一人でいろんな役柄を演じているから、いろんな歌いまわしをしているしね。この表現力を真似できる人はいないと思います! この曲をアレンジしていたときにヒントになったのは、夕霧がソロアルバム『DREAM LOVERS』で、1人で50人ぐらいの合唱を重ねて録った曲なんです。

夕霧:50回歌って、50人分の歌を俺が4パートで合唱した「家族」(平成6年度NHK合唱コンクール中学生の部課題曲)という曲があって。

風弥:夕霧は合唱のちゃんとした発声で、テノール歌手のようにも歌えるんです。色々できるから、これを生かしたいと思って。それもあって、いろんな楽曲の展開ができたんですよ。

――実に多彩な歌声ですが、〈寂しいと死んじゃいます〉のところは可愛くてキュンとしました。

夕霧:何しろうさぎですからね(笑)! 〈(ホップ×3)〉や最後の〈Bye now! 〉は、全部俺の声をエンジニアさんと風弥と一緒に、「一番アニメっぽくバカっぽく聴こえるやつにしよう!」と言って加工したんです。それをKenさんに聴かせたら大爆笑して、「めちゃくちゃいいじゃんこれ!」って(笑)。その場で、Kenさんもアイディアを出してくださって、一緒に話しながら作りました。

――「4GET ME NOT」とは全く異なる振り切り方ですよね。

夕霧:そうですね。今回の2曲でヴィジュアル系というジャンルの定義が一つ歪むなと思いました(笑)。余談なんですけど、俺は小学校のときに体操を習っていて、その時のクラブ名が「ラビット体操クラブ」だったんです。調べたら、今もちゃんと福島県いわき市内にあって。そこでこの曲をテーマソングにしたらって思ったんですよ。体操は床や鉄棒で6種ぐらい競技があるんですけど、目まぐるしく展開が変わる感じがこの曲にすごく似ているし。

――子供たちも喜びそうですよね。

夕霧:そうそう。子供が好きそうな曲だから、合唱コンクールとか運動会とか、マーチングしながら小学生がやってくれたら…パパ泣いちゃうな!

全員:(笑)

◆みんなでワイワイとパレードを続けていきたい(風弥)

――この新曲たちをライブでどう演奏するのかが目下の関心事です。

なお:今、超話してるところ! 壮大な画が見えているよね。曲がいいから欲が出てきて、いろんな案を出しまくっているんです。

夕霧:ライブの演出は、思い描いている景色が100点だとしたら120点でやりたいんです。でも、小さい会場だとできない演出もあるじゃないですか。そういうものをどこまでやれるかというところが悩みどころでもあります。

――さらに、リクエストにその場で答える特別企画デモンストレーション動画を見て、期待が高まりました。

夕霧:この企画は大晦日に1度やったんですけど、当たったのは偶然俺と同じ出身地の男の子で。その子がちょっとマニアックな「DANCING QUEEN」(2012年12月リリースのシングル『東京ホライズン-Day&Day-』c/w曲)をリクエストしたんです。そうしたら会場がすごく沸いて。その流れもすごく楽しかったので、ある意味それが今回のメインの一つです。演奏できなかったら、メンバーが土下座をする可能性もございますので…(笑)。

全員:(笑)

夕霧:予定調和じゃない。これがライブだな、生きてるな、という感じがめちゃくちゃ楽しみです。

――最後に今年のDaizyStripperはどうなっていくのか、展望を聞かせていただけますか。

夕霧:10周年はおかげさまで大成功だったので、11年目は10年間支えてくれたファンのみんなと、最近知ってくれた新しいファンのみんなに感謝できる1年になればいいなと思っています。その第1弾として、今までにないような『4GET ME NOT』という素敵な作品ができました。高級ブランドのバッグは高いですけど、この曲は¥2,000で高級ブランド以上の高級感が手に入るので、身に付けて街を歩いてほしいなと思います。さらに6月5日には11th Anniversaryファン感謝祭「KISS THE FUTURE〜Perfect Request Live〜」が行われますので、こちらも楽しみにしていてください。

まゆ:2018年は一つひとつのことを大切に磨いていきたいです。2017年は周りに対しての感謝の気持ちがすごく感じられたし、素敵な出会いもいっぱいあって。勢いではなく、大事に大事に磨きながら、2018年は輝いていけたらいいなと思っています。

なお:自分が音楽を好きになるきっかけになったKenさんにプロデュースしていただいて、色々教えていただいて。Kenさんはもちろん、その関係を作ってくれた、デイジーに関わる全ての人に本当に感謝です。でも、本当の感謝は言葉で伝えるんじゃなく、デイジーの5人が一皮も二皮も剥けることだなと。敵は自分だから、昨日の自分を超えなきゃいけない。だから、もがき苦しみながら、戦いながら大きくなって行きたいです。強くなったことによって、今までよりもファンの子をライブで照らしていきたいと思います。

Rei:メンバーも得たものがすごく大きいので、それが発揮される年になるのかなと思います。俺たちも見たい景色があるので、その目標に近づくためには、もっと引き締めていかなくてはいけなし、日々挑戦していきたいと思っています。

風弥:今年は特にライブにおいても、作曲においても、もっと自分たちを客観的に見て、自分たちの気付いていない可能性に色々気付きたいなと思っています。「ラビットファンタジーパレード」のように、みんなでワイワイとパレードを続けていきたい。リアルラビットファンタジーパレードにしていきたいですね。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

DaizyStripper

<プロフィール>

夕霧(Vo)、なお(G)、まゆ(G)、Rei(B)、風弥~Kazami~(Dr、Piano)の5人からなるロックバンド。2007年3月結成。2008年2月1stシングル+DVD『ダンデライオン』をリリースし、以降20枚のシングル、7枚のフルアルバムを始めとする数々の作品をリリースしながら、精力的にライブ活動を展開。バンド始動10年目の2017年6月5日にTOKYO DOME CITY HALLで10th Anniversary 47都道府県TOUR 2017 GRAND FINALE 「KISS THE FUTURE~僕らの帰る場所~」を成功させ、シングル『AGAIN』でメジャーデビュー。現在DaizyStripper Tour 2018「4GET ME NOTパレード」を開催中。

■オフィシャルサイト
http://daizystripper.com/

【リリース情報】

4GET ME NOT
2018年1月24日(水)発売
(CJ Victor)

4GET ME NOT
初回限定盤A
(CD+DVD)
VIZL-1304
¥1,800+税
amazon.co.jpで買う
4GET ME NOT
初回限定盤B
(CD)
VIZL-1305
¥1,800+税
amazon.co.jpで買う
4GET ME NOT
通常盤
(CD)
VICL-37350
¥1,200+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

■初回限定盤A
[CD]
01. 4GET ME NOT
02. ラビットファンタジーパレード

[DVD]
・「4GET ME NOT」MUSIC CLIP
・MAKING

■初回限定盤B
[CD]
01. 4GET ME NOT
02. ラビットファンタジーパレード
※豪華フォトブックレット

■通常盤
[CD]
01. 4GET ME NOT
02. ラビットファンタジーパレード

※1月24日より主要ダウンロードサイトほか定額制聴き放題サービスにて配信開始。

【ライブ情報】

●DaizyStripper Tour 2018「4GET ME NOTパレード」
1月12日(金)渋谷WWW X
1月26日(金)仙台MACANA
1月27日(土)仙台MACANA
2月2日(金)福岡BEAT STATION
2月3日(土)福岡BEAT STATION
2月10日(土)アメリカ村 FANj twice
2月11日(日)アメリカ村 FANj twice
2月17日(土)札幌COLONY
2月18日(日)札幌COLONY
2月24日(土)伏見 JAMMIN’
2月25日(日)伏見 JAMMIN’
3月3日(土)club SONIC iwaki
3月4日(日)club SONIC iwaki
3月10日(土)下北沢GARDEN
3月11日(日)下北沢GARDEN

●11th Anniversaryファン感謝祭「KISS THE FUTURE〜Perfect Request Live〜」
6月5日(火)マイナビBLITZ赤坂