インタビュー

ダウト

ダウトが7か月ぶりに放つシングルは、ライブで会場を熱狂させた「ざんげの花道」。ダウト節が炸裂する最新作の魅力に迫る!

7周年ライブを終えたダウトが放つシングル『ざんげの花道』。タイトル曲はリリースに先駆けて、3月1日にZepp Tokyoで行われた“絶頂 Zepp TOUR’14 「(再)教育」”ツアーファイナルで初披露されたが、客席の熱い反応と相まって、大いに盛り上がったことが記憶に新しい。たった一度聴いただけで耳に残る彼らの音楽。その魅力がパッケージされた1枚について5人に語ってもらった。

◆人工的にやろうと思ってできるものじゃない(玲夏)

――今作は昨年10月リリースの『感電18号』以来、久々のシングルですね。

幸樹:いつも通り選曲会の中で一番ピンときたもの、というのを大事にしました。あと、意識的に重心を下げた印象はあります。あとサウンド的にも…あ、そこはヴォーカルが言っちゃうのもな。他のメンバーに言ってもらおう。

威吹:言えばいいじゃん(笑)。

――ではそのあたりのお話はリズム隊のお二人に。

玲夏:うちのサウンドは、割と音が軽い印象があったんです。単純にその直感だけですね。でも重くするっていうのは、人工的にやろうと思ってできるものじゃないんだなと改めて思いました。こだわりの塊でできるもので、言ってしまうと人の成長ですからね。

――今回ベーシストとして意識的にやったことはありますか?

玲夏:今回何もやっていないんですよ。特に表題曲は。

――いつも何かしらの技を入れる玲夏さんが、こと表題曲に関して何もやっていないというのは珍しいですね。

玲夏:うん、その方向性がこの曲にはマッチしていたんです。これはこれでありだなと思いましたね。

ミナセ:そういえば今回、ベースを録りじゃない日に録ってたよね。俺が録り終わったあと、急に弾き始めたんですけど、ただ鳴らしているにしては何か違うなと思ったら…録ってました(笑)。

玲夏:ハプニングなんですよ。別に録る気はなくて、何回も「これ、本チャンですか?」ってプロデューサーに聞いたんです。そうしたら「アーティストはいつだって本番なんだよ」って言われて、確かにそうだなと。

全員:(笑)

――ドラムはいかがでしたか?

ミナセ:8分の出し方が大変でしたね。みんなそうなんですけど、ギターなんかは楽器をやり始めたばかりの頃に練習するような譜面通りの音じゃなくて…

ひヵる:基礎をしっかりしなさいってことですか?

ミナセ:うーん(笑)。楽器をやり始めた頃は、ちゃんと譜面通りにやればそれでできている気がしちゃうんですけど、実は違うんだなと。昔、○○○(某大御所アーティスト)とか×××(こちらも大御所アーティスト)のこういう音を聴いて、簡単でつまんねーなと思ってたんですけど…

玲夏:あ、これ載せてくださいね(笑)!

幸樹:どっちも高校の学祭のカラオケの定番よ!?

ミナセ:あ! えーと、その本当の難しさがわからなかったけど、ここに来て再発見したってことです(笑)。

◆綺麗ごとじゃなくて、選択肢をちゃんと与えるのがリアル(幸樹)

――ギター陣はいかがでしたか?

ひヵる:今回の腰を据えたサウンド作りは難しかったですね。今は、そのときの音を踏まえて、探り探り、反省点も見えています。「もっとこうできたな」っていう反省はありますね。今後こうしていこうという指針は見つかったので、何かで形に表したいと思っています。

威吹:僕は今回、3曲通して「音に重点を置く」という課題を持っていたので、音作りの時間をちょっと増やしました。難しいっすね。僕はいつもアンプだけで音を出していたんですけど、今回は出し方を変えてエフェクターをかませてみたりしました。もちろん、曲によって「これは直の方が良い」と思ったものはそのままの音を生かしたり。

――面白い発見がありそうですね。

威吹:そうですね。そのために機材も新しく買ったし、今までの自分と違う音が出せるなと。色々な発見がありました。

――ギターのレコーディングは二人で録るんですか?

威吹:二人でやりますよ。一緒にレコスタに入って、どちらかが先に録るんですけど、録っていないほうが隣で「ここ、よれてるよ」とか、「ここピッチずれてるよ」って指摘します。弾いているとちょっとハイになっているから気付かないことがあるんですよね。

――幸樹さんは?

幸樹:俺は、普段なら出ないような高音が出たりしたので、発見はありましたね。高音が自分の武器だとは思っていないんですけど、だからといってそこをおろそかにはしたくなくて。録りはこの曲が一番早く終わりました。表題曲っていつも力を入れて、丁寧に時間をかけて録ることが多いんですけど、これまでのレコーディングの中でも早く終わったほうだと思います。自分が作っているから歌いやすいっていうのもあるかもしれませんけどね。

――意外です。表題曲は時間をかけてそうですけどね。

幸樹:でもね、何回やっても同じ! レコーディングの場って、それまでの積み重ねが出るところだから、そこで何回もやったからって劇的な違いは出ないんですよ。何なら仮歌とか、のど慣らしで歌ったときの方が良い時もありますからね。

ひヵる:確かにそうだよね。ものによりますけど、やればやるほど良いものができるわけではないです。

幸樹:根性論じゃないからね。納得できるかできないかなんですよ。

――ところで今回の歌詞、幸樹さんいつも以上にぶっちゃけている気がしますが。

幸樹:そうですね。この曲はひねくれた応援ソングなんですけど、言葉遣いをもっとわかりやすくできたら花丸だったなと思います。

――〈花丸とれば御の字だ〉ですか。

幸樹:そうそう。どっちも良さがあるんですよね。歌詞をちゃんと読んで刺さる良さもあるし、逆にパッと聴いて伝わる良さもあるし。ただ、幅広くないかもしれないけど、共感できる人にはより刺さるというか。そこは意識しました。

――ストレートな応援ソングよりもじっくり読む方が深く刺さる気がします。それに、〈俺を頼ってくれないか〉なんてなかなか出てこない言葉だと思いますよ。

幸樹:その視点が面白いということもありますよね。僕が背中を押すから、みたいな綺麗ごとじゃなくて、選択肢をちゃんと与えるのがリアルなのかなと。

――綺麗事ではない感じもリアルです。

幸樹:逆にそういうのも書いてみたいですけどね。虫唾が走るような綺麗事。あと、最後の1行で「という夢でした」ってオチで終わらせる歌詞とか。今、弟からもらって読んでいる小説が、最後の1ページのたった1行に、全てのオチが集約されている、という短編集なんですけど、俺もそういうのを書いてみたいなと。

◆バンドに何かを持って帰りたいじゃないですか(ひヵる)

――この曲は「五月病」がコンセプトだそうですが、皆さんは五月病にかかりますか?

幸樹:かからないですね。あれは生活習慣ですから。なるとしたら、ライブが続いた後かな。ライブがあると幸せなんですけど、それが途切れた時とか。

――もしメンバーが弱っていたら〈俺を頼ってくれないか〉と言いますか?

幸樹:いや、僕は万事屋ではないので、何でもかんでもやるわけじゃないんです。最後の砦でいたいんですよ。例えば五月病なら、重度か軽度かで処方が変わってきますね。「ちょっと歯が痛いんですー」って言われたら「歯医者へ行けー」(笑顔)って言います。

全員:(笑)

威吹:当たり前の一言だ(笑)。

――バンドの万事屋的な方はいないんですか?

玲夏:ひヵるです。でも、心をケアしてくれるんじゃなくて、作業的な意味で。

ひヵる:ごみを片したりとか(笑)。

――素晴らしいですね!

威吹:悪く言ったらパシリですよ(笑)。

玲夏:あ、苛めじゃないですからね!

幸樹:彼は人が嫌がることをやるんです。そこを評価します。僕が教官だったら時給10円くらい上げちゃう。

威吹:もうちょい上げろよ(笑)。

――ひヵるさんの知られざる一面を知りました。

幸樹:そういえばひヵる、ポールリードスミス(※最高の品質基準をもつ米国Paul Reed Smith社のギター)買ったんだよ。

玲夏:は!?

幸樹:楽器屋に行って「ただ弾くだけ」って言ってたのに買いよった。めっちゃ高いのに。俺、こういう男なところが好きなんだよね。

ひヵる:だって、バンドに何かを持って帰りたいじゃないですか。それが冒頭で話した表題曲の反省の一つです。こういう方向性だったら、こういうギターも持っていたほうがいいなと。もちろん、色々研究はしたんですよ。自分が持っているギターでこういう周波数のギターでズンズンくるのがないなと思って買ったんです。

――初お披露目はいつ頃でしょう?

ひヵる:まだまだです。

威吹:おニューのギターに傷つけたら大変ですからね(笑)。

◆めちゃくちゃ怒られた記憶があります(威吹)

――通常盤のみ収録される「ストロベリィ」はジャジーかつブルースっぽいフレーズが心地よいですね。

幸樹:この曲は、良くも悪くもプロデューサーの岡野さんが俺らに好きにやっていいよと言ってくれたんです。だから、あえてあまり手を加えていません。でも、岡野さんの中にもこういうアレンジの趣向はないんだなっていう良い発見になりましたね。専門的ではないかもしれないけど、綺麗にまとまっていない感が、良い意味でアクになっているなと思います。

――この曲は幸樹さん作曲ですが、ご自身で曲の細かい展開まで決めていたんですか?

幸樹:大体の方向性や空気感は決めていました。あとは各々に任せています。

――それを受けての各々の作業はいかがでしたか?

威吹:この曲だけ録るのに時間があったんですよ。色々試す時間があったので、マイブームだったブルージーなフレーズを入れてみました。

ひヵる:シャッフルは難しいなと思いましたね。

玲夏:俺は、シャッフルは苦手じゃないし、むしろ好きなほうだと思います。この曲はBメロに命をかけてます。Bメロだけずっと頭の中にフレーズがあって、他のところはレコーディングのちょい前に付け加えた感じ。ああいうメロディとスレスレのやり取りが好きなんですよね。本当は数学的な計算式になっちゃうんですけど、あとは聴覚で。

ミナセ:初期の頃はこういうドラムが結構あったので、その時できなかったことをやったりとか、つなぎ目とか展開が変わるところで運べるようなフレーズを考えました。

――c/wの「妄想天国」もドラムが耳に残ります。

玲夏:やったじゃん!

ミナセ:言っておきます。

全員:誰に!?

ミナセ:エンジニアさんとかに(笑)。良いドラムっていうのは、ミックスとかそういうのもありきですから。

――そこはミナセさんの功績だと思いますよ。

ミナセ:ありがとうございます。聴いていると、結構音が流れていく感じなんですけど、意外とパターンが変わっている部分もあるんです。玲夏の曲は特に、どこかしらそういう要素が入っているので遊べましたね。

ひヵる:さっきも幸樹が言ったように、c/wは岡野さんがバンドがやりたいようにやってってスタンスなんですけど、ギターは録りの時に現場で変えようって言ったのを覚えていますね。フレーズを弾いて、そこに「これ足してみようか」っていう作業が楽しいなと。

威吹:僕はキャビが壊れて、岡野さんにめちゃくちゃ怒られた記憶があります。「何で早く言わないんだ!」って。ひヵるのキャビで二人で録ったんですけど、「何でもう一台ないんだ!」って…。

――そういえば、中野のライブ(2013年11月29日に行われた「活劇ブロードウェイ~武者修行ツアー」GRAND FINALE@中野サンプラザ)の時も壊れませんでしたか?

ひヵる:レコーディングはその前だったんですよ。1回壊れて直したんですけど、また壊れた(笑)。もう直りましたけどね。

◆どこかのサイトのニュースで俺の年齢が出ていたようです…(ミナセ)

――「妄想天国」は玲夏さん曲ですが、どんな曲にしたいと考えていましたか?

玲夏:単純にパーティチューンにしたいなと思っていたんです。ラウド・パーティみたいな。

――今回、ダウトには珍しい女声コーラスが入っていますね。サビのハモリの美しさとの対比が際立っています。

玲夏:女の人の声を入れたいと思っていたんです。

幸樹:世界観の中で痛い感じがでたからいいなと思いました。歌詞については〈ワタシ〉という言葉が出てきますが特に女性目線というわけではないです。タイトルは「妄想ってポジティブで良いなー」と思ったので。自分に都合の悪い妄想はしないじゃないですか。そこが実にポジティブだなと(笑)。

――どれもダウトらしい3曲が収められた1枚が完成したかと思えば、ミナセさんが卒業を発表したりと驚かされっぱなしです。今回はミナセさんに締めの言葉をお願いします。

ミナセ:卒業を発表して、ライブでファンの方に自分の口から伝えて、その後、いろんなところでニュースにしてもらいました。そして、今日知ったんですが、どこかのサイトのニュースで俺の年齢が出ていたようです…。

全員:(笑)!

幸樹:ほんまの年齢?

ミナセ:うん(笑)。それを今日知りました。衝撃です。これにて締めの言葉とさせていただきます。

全員:(笑)

(文・後藤るつ子)

ダウト

<プロフィール>

幸樹(Vo)、威吹(G)、ひヵる(G)、玲夏(B)、ミナセ(Dr)の5人からなるロックバンド。2011年にメジャーデビュー、2012年12月には国立代々木競技場第二体育館でワンマンライブを行い、2013年6月からスタートした「ダウト 自作自演 武者修行ツアー中巻 -我愛你Tour 2013-『ASIA DISCO』」では、ダウト史上最大規模となるアジアツアーを成功させた。11月29日(金)、中野サンプラザホールにて「ダウト 自作自演 武者修行ツアー下巻-GRAND FINALE-『活劇ブロードウェイ』」を実施。2014年2月には、「ダウト絶頂Zepp TOUR’14『(再)教育』」、「ダウト弾丸韓国サランヘヨ単独公演『MATSURI A GO! GO!』」を成功に終え、6月からは「~ダーツの刺さった都道府県で馬鹿騒ぎライブをします~『第一回ダ!ダ!ダ!ダーツの旅ツアー』」が決定している。


■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/d-out


【リリース情報】

初回限定盤A
CD+DVD
TKCA-74076
¥1,806+税

初回限定盤B
CD+DVD
TKCA-74077
¥1,806+税

通常盤
CD
TKCA-74078
¥1,500+税


『ざんげの花道』
2014年5月21日発売
(発売元:徳間ジャパン)
キャッチーなメロディとサウンドが織りなすダウトの7thシングル。

【収録曲】
初回限定盤A
[CD]
01. ざんげの花道
02. 妄想天国
03. ざんげの花道(カラオケ)

[DVD]
・「ざんげの花道」MUSIC CLIP
・バラエティーメイキング映像

初回限定盤B
[CD]
01. ざんげの花道
02. 妄想天国
03. 妄想天国(カラオケ)

[DVD]
・「ざんげの花道」MUSIC CLIP~ダウト主人公ver.~幸樹編・威吹編・ひヵる編・玲夏編・ミナセ編~
・ダウト(祝) 七周年記念祭マ ンスリーサーキット!「ZENSHINZENREI LUCKY(7)」 厳選MC・名場面集

通常盤
[CD]
01. ざんげの花道
02. ストロベリィ
03. 妄想天国