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結成15周年&メジャー10周年記念作品『Narrow Escape』が示すDの情熱。いずれ行き着く墓場まで、孤高の船「Night-ship“D”」は突き進む。

2018年4月に結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎え、ニューシングル『Narrow Escape』を引っさげたアニバーサリー東名阪ワンマンを開催中のD。バンドを孤高の船「Night-ship“D”」に例え、宇宙をテーマにした壮大な物語が広がる「Narrow Escape」、ばら星雲をイメージした「Rosette Nebula」という前後編の物語でもある2曲で、現実と向き合いながら力強く生きることを示す、まさにこの節目に相応しい記念作品が完成した。ソールドアウトした品川インターシティホールでのファイナル公演を控えるメンバー5人に、バンドの15年と最新作についてじっくりと話を聞いた。

◆何となく大丈夫、なんて無責任なことは言いたくない(ASAGI)

――結成15周年&メジャーデビュー10周年おめでとうございます!

全員:ありがとうございます!

――年数を重ねた実感はありますか?

HIDE-ZOU:MVの画角が違うんですよ。

全員:そこ(笑)!?

Ruiza:言葉も、MVじゃなくてPVだったしね。

HIDE-ZOU:そうそう。年月の差を感じるなと思って。先日「Narrow Escape」のトレーラーを作っていて思ったんですよ。歴代のMVを集めた時に画角が合わなくて。そこを何とか調整しました。

HIROKI:ていうか、それ時代の流れだよね(笑)。でも、あっという間でしたね。1年が365日で、それが15年ということは、ものすごい日数になるわけですけど、その期間活動してきたと思うと感慨深いです。

Tsunehito:とにかくいろんな経験をさせてもらっているな、という実感がありますね。

ASAGI:感謝という言葉に尽きますよね。支えてきてくれたファンの皆や関係者の方々、メンバーへの感謝を改めて思いました。それから一つひとつの作品を作るたびに悩んで苦しんで、その都度壁を超えて納得いくものを世に出す。この繰り返しで成長してきましたから、ある意味様々な壁にも感謝です。

――今、結成・加入当時の自分にアドバイスするなら何と言いますか?

HIDE-ZOU:「時間を無駄にするな」とか?

Ruiza:「もっと色々頑張れるはずだ」とか。

Tsunehito:作曲の方法やテクニック、物事の考え方とかも今だからわかることがあるので、教えてあげたいですね。「こうやっておいたほうが良いよ」って。

HIROKI:変装して、15年前の自分に…

HIDE-ZOU:いや、「自分なんだよ」って言わないと、多分信じないでしょ。

全員:(笑)

HIROKI:「俺、15年後のお前なんだよ」って言うの(笑)?

HIDE-ZOU:そう。自分だと言ったほうが、アドバイスをちゃんと受け入れるかもしれないから(笑)。

ASAGI:僕は今までの作詞、作曲を全て渡して楽をさせてあげたいです(笑)。

――今回の新曲2曲はASAGIさんの作詞作曲ということで、皆さんは最初にデモを聴いた時、歌詞を読んだ時の印象はいかがでしたか?

Tsunehito:「Narrow Escape」は15周年というこのタイミングでしか出せない楽曲なんだなというのがすごく伝わってきて。「Night-ship“D”」(2004年1月リリースのミニアルバム『PARADOX』収録)というDの代表曲の一つでもある楽曲と世界観が繋がっていて、Dの歩みとか様々な部分でリンクする歌詞になっているので、本当に胸が熱くなりましたし、頑張って突き進んでいきたいなという気持ちにもなりました。このタイミングでのDが詰まっている楽曲ですね。

――冒頭2行の言葉の力が強くて、最初からとても引き込まれました。

ASAGI:常にこれが最後かもしれないという意識はありますし、自分自身もいつ何が起こって、もう音楽ができなくなるかわからないですからね。その瞬間瞬間を大事にしていきたいんです。15周年を迎える今のDが詰まっていると思います。

Ruiza:僕も頑張らないとなという気持ちになりましたし、すごく背中を押してくれるような強さを感じましたね。15年やってきて、今のタイミングに相応しい楽曲だし、この曲でまた一つ扉を開き、新たな道を突き進んでいくんだなという印象を受けました。すごく好きな曲ですね。

HIDE-ZOU:10周年の時に「Night-ship“D”」のコンセプトでやっていたんですけど、そこから5年経って15周年という節目で、今この「Narrow Escape」というのは良いタイミングだったなと思いますし、より一層、高い志を持って、ここからまた頑張っていきたいなという気持ちになれました。すごく深い歌詞ですし、熱くなれますね。

――〈死〉〈最後〉という言葉を使いながら、真逆の〈生きる〉〈未来〉を感じさせるのが素敵だなと思いました。

ASAGI:ありがとうございます。それらは常に隣り合わせのことだと思いますし、現実から目を逸らさないことでより強くなれると思うんです。何となく大丈夫、なんて無責任なことは言いたくないし、どう向き合って未来を目指すのか、そこに焦点を当てました。

HIDE-ZOU:そうですね。絶望だけじゃなくて、希望もあると思っています。

HIROKI:疾走感がある曲ですし、強い意思を感じる歌詞だったので、すごく感銘を受けました。15周年のタイミングで打ち出す楽曲という部分で、バンドを続けるにあたってのアーティストとしての気持ちを再認識しましたし、よりアーティスティックに今後も活動していきたいと思いました。レコーディングもそういう気持ちで取り組めたので、音に表れているんじゃないかなと思います。

◆ものすごいスピード感が感じられると思う(HIROKI)

――アニバーサリーに相応しい壮大なイントロがありつつ、ライブでは盛り上がる楽曲ですよね。名古屋、大阪公演での感触はいかがでしたか?

Tsunehito:旗を使う曲なんですけど、ライブではASAGIさんの先導でファンの子たちも旗を振っていて、やっぱりDのライブで旗は象徴的なものだと思うので、新曲ながらお客さんの掴みは早くて、すごく綺麗な景色でしたね。

ASAGI:そうですね、15th記念フラッグも追加された景色は感動的でしたね。いつも世界観を考えている時はライブの景色をイメージしているのですが、実際に思い描いている景色を目の当たりにしてこの曲で15周年を迎えられて良かったと心から思えました。

――細かい部分ですが、アウトロの最後のキメがカッコいいなと。

Ruiza:ありがとうございます!

HIDE-ZOU:そこはASAGIさんのアイディアで旗の振りのキメを15回で揃えてますよね?

ASAGI:そうなんです。最後のキメを考えている時に15周年の意味合いをそこに込めたくて。15回旗を打ち付けるキメにしよう!と。

――そうなんですね!

ASAGI:やってみたら意外と速いんですけど、決まったらスッキリしますよ(笑)!

HIDE-ZOU:振り付け動画(数量限定盤のスペシャル特典)に僕が数字を入れておきました。

Tsunehito:編集は俺だ!っていうアピール(笑)?

ASAGI:入れておきましたっていうか、こう入れてね!って俺が言ったんじゃん(笑)!

――(笑)。では、それぞれご自身のパートの聴きどころを教えてください。

HIROKI:…速いです(笑)。

全員:(笑)

HIROKI:BPM227で、16分で進行しているのでむちゃくちゃ速いです(笑)。AメロBメロはハーフでとっているので、テンポ感的にはそんなに速くないんですけど、サビでオンビートになるのでそこから疾走感が増すというか、16分でガシガシ進んでいくので、ものすごいスピード感が感じられると思います。

――この曲はHIROKIさんの得意分野だろうなと。

HIROKI:あっ、わかります(笑)? 速い中でもドッシリしたものを心掛けました。自分は溜めるドラマーでもあるので、ドッシリさは上手く出せたんじゃないかなと思いますね。キックとスネアの兼ね合いが前のめりになると前屈姿勢のような感じになっちゃうんですけど、逆に背筋を伸ばしてどんどん進んでいくという感じを上手く表現できたと思います。

HIDE-ZOU:全体を通して重厚感があってリフが強烈にカッコよくて、かつ難易度がすごく高いんですけど、その緻密さと、その中にワイルドな感じが散りばめられていて…

Tsunehito:ハーモニクスじゃないの(笑)?

HIDE-ZOU:そうですね、ピッキングハーモニクスの絶妙さを聴いてもらいたいです。

Ruiza:イントロのメインリフがものすごく難しくて、ハーモニクスに関しても、いろんなパターンのものが散りばめられているので、コントロールもものすごく難しいですし、ダイナミクスの付け方もそうです。今までいっぱいギターを弾いてきて、培ってきたものが出せているんじゃないかなと思いますね。だからある意味、すべて聴きどころでもあるのかなと。今だから弾けたと思います。

HIDE-ZOU:確かに。15年前の自分だと弾きこなせなかったかもしれません。

Ruiza:15年前だとこのニュアンスを出すことはできなかったと思いますね。

Tsunehito:チューニングがいわゆる5弦ベースと7弦ギターのレギュラーチューニングのさらに1音下げになっているんですけど、ベースの低音域でゴリッという感じというか、ちょっと金属的なアタックを意識しながら弾いたので、ベースサウンド全体が聴きどころだなと思っています。サビの入口の2小節は、ドラムがすごく速くて、最初はそれに合わせてベースのフレーズも刻もうか迷っていたんですけど、プロデューサーの岡野(ハジメ)さんとも相談しながらアレンジしていって、8分でゆったりした感じのメロディっぽいものを弾きました。今までにやったことのないアプローチだったので、この曲ならではのフレーズが弾けたと思います。

ASAGI:確かに疾走感、重厚感は意識しました。「Night-ship“D”」号が宇宙を行くイメージだったので。ギターリフも難しそうだなと思いながらも(笑)、船ならではの緻密さや、金属の感じ、無重力感、それらとリンクするものを考えました。もちろん歌詞、曲全体のイメージでもあるので、ギターだけではないですけど。

◆Dが好きだという気持ちは変わらない(Tsunehito)

――「Rosette Nebula」はライブで暴れられる楽曲ですよね。

Ruiza:これはヘドバンがすごい(笑)。

Tsunehito:イントロではヘドバン、Aメロは声も上げてもらいつつ、ギターソロで「Oi Oi」という感じですね。

ASAGI:「Narrow Escape」が前編であるならば、「Rosette Nebula」は後編に当たる曲。新曲は1曲の予定だったのですが、楽曲のイメージが溢れてきましたし、前後編があるからこそ今の思いを伝えられると確信したので、それこそ「Narrow Escape」の意味通り、納得のいく形に作り込んで間に合わせました。「Narrow Escape」で現実と向き合った上で、そこからさらに突き進む曲が「Rosette Nebula」なのですが、宇宙を旅する中で目にしたばら星雲を胸にも咲かせよう、という感じですね。語りが多いのですが、キャプテンのセリフのイメージで、ギターソロ前は船の中のスピーカーから流れている雰囲気を出したくてエフェクトをかけました。

――ギターソロもかなり聴き応えありますね。

Ruiza:そうですね。すごく気に入っています。一人ずつ弾いて、最後は二人でハモるという、ライブもその通りにやっていますね。

HIDE-ZOU:このソロフレーズは全部ルイちゃん(Ruiza)が考えたんですけど、速いですねぇ。多分、自分史上一番速いと思います。でもメロディアスで、弾き心地がすごく好きですね。あと、これもリフがすごく気持ちいいです。

Ruiza:ギターを弾いていて楽しさもありますね。速度と言い、ヘヴィな感じと言い、すごく弾き応えがあります。ライブでの手応えもありますし、このタイミングで「Narrow Escape」と一緒に出せて良かったなと思います。

ASAGI:この曲はギターから考えたので、結構ギターがフィーチャーされていますよね。

Tsunehito:スピード感のある楽曲なので、それをすごく意識してレコーディングに挑んだんですけど、事前に台詞の部分も全部入っているASAGIさんの仮歌を聴かせてもらって、その力強さというか男らしさ、熱量を聴けたので、ベースを録る時も力強さを込めることができて、よりゴリゴリした感じになっていると思います。

HIROKI:Aメロでは倍のテンポでとっている部分もあるんですけど、基本的には「Narrow Escape」と比べるとそんなに速くなくて、タイトなビートで進んでいる感じです。グルーヴィーな楽曲になっているので、そういうところを心掛けて録りました。ツーバスのパワー感を全力で出せるテンポ感でもあったので、その音圧をライブで感じられるんじゃないかなと思います。

――〈不変である過去と可変である未来〉という歌詞にグッときました。この15年で変わったこと、変わらないことを教えてください。

ASAGI:変わらないものは信念ですね。Dの絶対的な世界観は自分にしかできないことだと思います。それには誰が何と言おうと誇りを持っていますから。変わったことは、考え方が良い意味でより柔軟になってきているってことかな。

HIROKI:気持ちは15年前と変わってないですね。何だろう…体力の衰えは若干感じていますけど(笑)。

全員:(笑)

――今でも5Daysができちゃう体力があるじゃないですか!

HIROKI:冗談は置いておいて、まぁそうなんですよね(笑)。何事もやってみなきゃわからないところってあると思うので、経験してきたことによって、昇華できているというのもあります。Dは色々なことにチャレンジしてきたバンドなので、今後も良い意味でお客さんの期待を裏切っていきたいですね。

Tsunehito:Dが好きだという気持ちは変わらないです。変わったなと思うのは、最初の頃はベースプレイや曲を作る時の視野が狭かったなと。今でも色々なものを見たり聴いたりして、どんどん吸収しなきゃなという気持ちがあるので、もっともっと勉強しなきゃという意味で、変わってきてるんじゃないかなと思います。

Ruiza:活動をスタートした時から、良い意味で全然変わってないと思います。例えば、メンバーと一緒にいる時の雰囲気も、全然変わってないんですよね。よく「Dって仲良いよね」と言われるんですけど、自分は普通に感じていて。でも、それって改めて考えたらすごいことなのかなぁと思って。小学校でずっと同じクラスになれたとしてもMAXで6年間じゃないですか。その倍以上の時間なので、すごいなと思ったりしますね。もっと自分から進んでやっていかなきゃいけないなとか、できることに手を伸ばしてみようという気持ちになれたことは、変わってきた部分かなと思います。

HIDE-ZOU:良い意味で変わってないですけど、大きく変わってきたのは、15年間という中で電化製品とかも進化していくじゃないですか。その時代に合わせて、僕らも変わってきているというか。例えば曲の作り方も、シーケンスのリズムマシーンから作っていたのが、DTMに移行していってPCで曲を作っている、そういう変化はありますよね。その都度、僕らは変わってきたなと思うので、これからも変わり続けていく、進化し続けていくというのが、一番の目標ですね。もちろん、核となる部分は変わらずに。

Ruiza:そういえば、Dが始まった時、Mac持ってなかったよ。

HIDE-ZOU:僕も持ってなかった。原稿チェックもFAXだったよね。

Tsunehito:写真チェックも、その場かプリントアウトしてもらったやつだったもんね。

HIDE-ZOU:変わりましたよね。それによって、時間の使い方も変わってきますし。

ASAGI:色々バージョンアップしてるってことだよね、僕らも(笑)。

◆ステージから見える景色がものすごく新鮮で嬉しかった(Ruiza)

――ところで、「Narrow Escape」はDの代名詞とも言える「Night-ship“D”」に繋がる世界観で、今作の数量限定盤にも「Night-ship“D”」の2018 Remix ver.が収録されていますが、この楽曲を初披露した時のことは覚えていますか?

HIDE-ZOU:鹿鳴館だよね。僕が加入した一発目のライブ(2003年11月27日「Believe or not Believe」)だったんです。

Ruiza:すごく覚えてますよ。フラッグをグッズで出すことになったんです。Dのフラッグ、初披露。当時、そういうことをしているバンドは自分が知る限りいなくて、めちゃくちゃ面白いなと思ったんですよね。早速物販で買ってライブに臨んでくれた子もいて、ステージから見える景色がものすごく新鮮で嬉しかった記憶もありますし、これがいつか会場を埋め尽くすようになったらいいなと思いました。HIDE-ZOUくん加入の時のワンマンというのと、その約1ヵ月半後に『PARADOX』が出たので、新たな一歩を踏み出した感がものすごく感じられたんですよね。

ASAGI:僕もはっきり覚えていますね。「船と言えば旗だ」と閃いたのですが、すごい勢いで「Night-ship“D”」号のクルーが増えてとても嬉しかったです。これからも会場を埋め尽くしていきたいですね!

――今の皆さんにとって「Night-ship“D”」はどんな存在ですか?

ASAGI:代表曲の一つですし、Dという船、そのものだと思います。メンバー、ファン、関係者みんなが乗り込める船であり、全員が船の一部。15周年を迎える今は当時とは違う感覚もあって、今は船自体が心を持っていると感じています。

HIDE-ZOU:ライブでほぼ毎回セットリストに入ってきた曲なので、一番演奏してきているんじゃないかなというのもあるし、加入してから初めてギターソロを弾かせてもらったので、自分にとって思い入れも強いです。それを15年ずっとやってきて、感慨深いですよね。実は、リハーサルで僕らが一発目に音を合わせる曲が「Night-ship“D”」なんです。だから、体に染み込んでいる、一番入り込んでいる曲ですね。

HIROKI:Dを代表する曲でもありますし、今後もずっと披露していくと思います。初めてやった時の旗の光景の衝撃が本当にすごかったんですよね。Dは旗を使う唯一無二のバンドというのを提示できている曲だと思います。

Tsunehito:自分が加入する前の対バンとかで外からも見ているので、あの旗の景色はすごいなと思いましたし、曲タイトルの中にバンド名が入っているので、まさにDを象徴する1曲だなと思っています。そこからこの世界観に通じる楽曲もたくさん生まれていて、その中に自分が作曲した曲も入っているので、こうやって世界観が広がっていくスタートの曲というのは感慨深いですし、これからもさらに広がっていくんじゃないかなという楽しみもありますね。

◆自分たちの未来を良いものにしていきたい(HIDE-ZOU)

――昨年のZepp Tokyoでの14周年記念フリーライブの映像もDVDリリースされました。あのライブの「GOD’S CHILD」(2005年9月リリースのアルバム『The name of the Rose』収録)前のMCでASAGIさんが、メンバーで有限会社GOD CHILD RECORDSを立ち上げ、バンドでありながら法人として活動してきたことに触れ、「その時の思いは変わらない。己を貫く」と言っていて。ソロアーティストが個人事務所の代表という形とは違って、法人としてメンバーで業務分担をしつつバンド活動を成立させるというのは、当時としては珍しいことでしたよね。

Ruiza:自然な流れだった気がしますね。どこにも所属せずに始まったバンドなので、あるべき姿というか。ASAGIくんの提案に賛成でした。

ASAGI:当時は日本では割と珍しいスタンスだったんですけど、海外では結構当たり前にあって。だけど、一概にそれが正解とは言えないんですよ。業務分担というのは特にしていなくて。自分が発案して設立したからには自分が責任を持って成功させなければならない、その一心で、できることは制作中やツアー中も雑用から何から色々やってきました。だけど、Dとしてはそれが自分の音楽、アートを貫く上で一番良い形だと思っています。具体的に表現したい世界があるけど、形にするまではそれは簡単に伝わることではないから、まず先に完成した形を提示しなければならない。だから今のスタンスはDには向いているかな。

――なるほど。

ASAGI:もちろん、バンドによって向き不向きがありますし、事務所と信頼関係があって音楽に専念できる環境があれば、それはそれぞれのスタンスのベストな形だと思いますね。実際のところ、メインコンポーザー兼社長という形は今も様々悩みは尽きませんから。ただ、この形だからこそ15年やって来られたんでしょうね。

HIROKI:活動するにあたって、自分たちで色々と構築していったほうが、活動範囲も広がると思いましたし、ASAGIくんからの提案で満場一致で設立に至りましたね。Dの前のバンドで色々な経験をしてきましたし、その経験を生かした活動ができるので、タイミング的にもすごく良かったんじゃないかなと思います。

Ruiza:今も、わからないことや失敗もたくさんあります。まだまだ、これからもより一層頑張らないとなという思いです。

――14周年ライブはステージも豪華でしたし、各メンバーがDで初めて作った曲、初めてMVを作った曲、メジャーデビュー発表をした時の曲など、様々な節目の楽曲が披露されて、とても周年ライブらしいライブだったので、15周年ライブのハードルが上がるという話を前回しましたよね(笑)。4月22日の品川インターシティホール公演は、名古屋、大阪とは異なる内容になるのでしょうか?

ASAGI:ファイナルならではのプラス要素というか、演出含めより良いものを見せたいです。

Ruiza:場所がライブハウスではないので、雰囲気も一味違うものになると思いますね。

――15周年ならではの見どころが用意されているということですね。

ASAGI:もちろんです! 告知含め、期待していてください。

――楽しみにしています。GWには高田馬場AREAでの5Daysがあり、その後には東北三兄弟(公私共に親交のある東北出身ヴォーカリスト、長男・ASAGI(D)、次男・樹威(GOTCHAROCKA)、三男・yo-ka(DIAURA)による主催イベント)のツアーも控えていて、今年も盛りだくさんですが、15周年はどんな1年にしたいですか?

HIROKI:今年も精力的に活動できていると思うんですけど、15周年という節目を迎えられたことを本当に嬉しく思いますし、この先もDの可能性を提示できるようなライブ活動を、そして、より元気を与えられるアーティストに成長できるように、もっともっと頑張っていきたいなと思います。

HIDE-ZOU:15周年を迎えられたことは本当に有り難いことですし、今までを振り返ってみて、色々なことを学んだり、大変なことや反省もあって、それを生かせるように、自分たちの未来を良いものにしていきたいですし、そうするには今やるべきことを精一杯、努力を惜しまずやっていきたいですね。

Ruiza:節目の年なので、素敵な1年にしたいなと思いますし、力を合わせてここまでやって来られたので、ここからまた着実に一歩ずつ進めるような1年にしたいですね。思い返すと、本当に色々な経験をしてきて、Dをやっていなかったら間違いなく見られなかったことや感じられなかったことはたくさんありますし、出会えなかった人も絶対にいると思うので、色々なことに感謝を忘れず、頑張りたいなと思います。

Tsunehito:バンドが15年続くというのはやっぱりすごいことだと思いますし、ただ続けているわけではなくて、様々なことを積み重ねて歴史を作り上げてきて、今回15周年を記念した音源を出して、東名阪ワンマンをやっているので、それが当たり前のことではないと思っていますし、応援してくれているファンの皆と色々な方々のお陰でやれているので、とにかく感謝の気持ちを忘れず、このメモリアルイヤーを突っ走りたいなと思います。

ASAGI:15年続けられるバンドはなかなかいないと思いますし、それには自分たちの頑張りだけではなくて支えてくれるファン、スタッフを含めた関係者、皆さんのお力添えあってこそですから、これからもその感謝の気持ちをずっと忘れずにいたいです。そして口で言うのは簡単なので、どんな形であれ、行動で他の人にもどう頑張っているのか、どういう思いで音楽をやっているのか、それをはっきりわかるように示すのは当たり前だし、何よりも僕らは音楽をやっているわけですから、期待を裏切らない芸術作品を作り続けていくことが一番大事なんじゃないかなと思っています。もちろん、ライブでもそこでしか感じることのできない感動を与え続けていきたいですし、アーティストとしても人間としてももっと成長していきたいです。まだまだ学びたいことも表現したいこともたくさんあるので、船が墓場に辿り着くまでは命がけでいきたいと思います。

(文・金多賀歩美)

ARTIST PROFILE

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<プロフィール>

2003年4月、ASAGI(Vo)とRuiza(G)を中心に結成。2005年に現メンバーASAGI、Ruiza、HIDE-ZOU(G)、Tsunehito(B)、HIROKI(Dr)となる。世界観を重視した物語性を持つ作品で、次々とオリコンインディーズチャート1位を獲得。2008年5月、シングル『BIRTH』でavexからメジャーデビュー。これまでに世界10ヵ国のワールドツアーや47都道府県ツアーなど、ライブ活動も精力的に展開してきた。2017年4月、14周年公演としてZepp TokyoにてD史上初のフリーライブを開催。2018年4月、結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎え、シングル『Narrow Escape』を引っさげたアニバーサリー東名阪ワンマンを開催。さらに、高田馬場AREAでの5Days、東北三兄弟(トリオ)主催イベントツアーも決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.d-gcr.com/

【リリース情報】

●New Single『Narrow Escape
2018年4月12日(木)発売
(GOD CHILD RECORDS)

Narrow Escape
[CD+DVD数量限定盤]
1CD & 2DVD/CDブックレット・DVDブックレット・スリーブケース付き
GCR-164 ¥10,000(税込)
※数量限定生産、通販未定
デも/demo
[CD通常盤]
CD/ブックレット付き/トレカ7種ランダム封入
GCR-165 ¥1,500(税込)
※後日通販あり、開始日未定

【収録曲】

【CD+DVD数量限定盤】
[CD]
01. Narrow Escape
02. Rosette Nebula
03. Night-ship”D”(2018 Remix)
04. Fanfare
05. Bon Voyage!
06. DEAD ROCK
07. 時空航海記 ~光の彼方へ~
[DVD(2DISCS)]
D 14th Anniversary Special Premium "Free” Live 2017.4.23 at Zepp Tokyo(LIVE DVD)

[スペシャル特典]
Night-ship”D”(Music Video)
Narrow Escape スチール撮影メイキング映像
NYASAGIさんによる旗曲振り付け動画
・Narrow Escape 編
・Night-ship”D” 編
・Fanfare 編
・Bon Voyage! 編
・DEAD ROCK 編

【CD通常盤】
01. Narrow Escape
02. Rosette Nebula

●LIVE DVD『D 14th Anniversary Special Premium "Free” Live 2017.4.23 at Zepp Tokyo
2018年4月12日(木)発売
(GOD CHILD RECORDS)

D 14th Anniversary Special Premium "Free” Live 2017.4.23 at Zepp Tokyo
2DISCS / ブックレット付き
GCR-166 ¥5,000(税込)
※後日通販あり、開始日未定

【収録曲】

[DISC1]
-OPENING SE-
7th Rose~Return to Zero~
7th Rose
闇の国のアリス
闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア
光の庭
名もなき森の夢語り
Night-ship”D”
花摘みの乙女~Rozova Dolina~
三角お屋根と哀れな小熊
Vampire Missa
花惑
Lost breath
~Dr.solo・リズムセッション~
Desert Warrior
In the name of justice
鬨の声
GOD’S CHILD
君が見る夢の中
Leukocyte
黒薔薇の騎士
Dark fairy tale

[DISC2]
-ENCORE1-
太陽を葬る日
Wonderland Savior~太陽と月の歯車~
Pride
-ENCORE2-
Dearest you
EDEN
春の宴
-ENDING SE-

●D 15th Anniversary 「Narrow Escape」スペシャル会場限定セット
2018年4月12日(木)、13日(金)、22日(日)限定発売

¥15,000(税込)

3会場限定販売の特別価格となり、「Narrow Escape」Special Limited Edition CD & DVDと、「Narrow Escape」ツアーパンフレット+15th記念フラッグ+15th記念腕章+15th記念不織布バッグ+15th記念特典(プレミアムチェキ5枚入り オリジナルパッケージボトル)がセットになった、スペシャル会場限定セット。
※プレミアムチェキにはランダムでサインが入ります。
※通販なし:会場物販にてご購入ください。

【ライブ情報】

●D 15th Anniversary Special Premium Live 2018 東名阪ワンマン ファイナル公演
4月22日(日)品川インターシティホール ※Thank you,sold out!!

●GOD CHILD RECORDS Presents「SESSION Party vol.10~11」
4月29日(日)高田馬場AREA
4月30日(月)高田馬場AREA
出演:Ruiza、HIDE-ZOU、Tsunehito、HIROKI、他

●D 結成15周年 メジャー10周年記念 Special Premium Live 高田馬場
5月1日(火)高田馬場AREA「Bring it with all your strength!」~Produced by HIROKI~
5月2日(水)高田馬場AREA「激赤」~Produced by Tsunehito~
5月3日(木・祝)高田馬場AREA「I’ll protect your backs!!」~Produced by HIDE-ZOU~
5月4日 (金・祝)高田馬場AREA「K.M.N.S~今年も皆で猫になって叫ぼうぜぇぇぇ!!」~Produced by Ruiza~
5月5日(土・祝)高田馬場AREA「L’amour de Vampire IV」~Produced by ASAGI~

●東北三兄弟(トリオ)主催「MICHINOKU THREE KINGDOMS vol.2」
5月31日(木)仙台CLUB JUNK BOX
6月2日(土)郡山CLUB #9
6月3日(日)秋田Club SWINDLE
6月7日(木)名古屋Electric Lady Land
6月8日(金)umeda TRAD(旧:梅田AKASO)
6月15日(金)新宿BLAZE