インタビュー

ケンゾ×怜

ケンゾ(彩冷える)×怜(BAROQUE)

ケンゾ(彩冷える)×怜(BAROQUE)。両バンドによる初のツーマンライブを間近に控えた二人のスペシャル対談!

BAROQUEのライブでその屋台骨を支えているケンゾ。彼がここ数年開催しているバースデーイベント「VIVA LA KNZ」が今年も開催される。タイトルに“SPECIAL”の文字が躍る今回は、これまでとは趣向を変え、自身の所属する彩冷える、そして彼が惜しみなく愛を注ぎサポートを務めているBAROQUEとのツーマンライブが実現。彩冷える復活の年にふさわしい、華やかな一夜となること請け合いだ。12月9日に開催される「VIVA LA KNZ SPECIAL 〜KENZO Birthday 2MAN LIVE〜」、この記念すべきイベントに先駆けケンゾと怜の二人に、そのパーソナリティについて、そして音楽についてじっくりと話を聞いた。

◆形は変われど、ずっと続けてきている強さ(怜)

――Vifでは初の顔ぶれとなるお二人の対談です。

怜:この組み合わせでインタビューってあんまりないからね。そういえば、そろそろ誕生日らしいじゃん(笑)。

ケンゾ:そうなんだよね(笑)。元々僕の誕生日はプライベートで友達に祝ってもらっていたんですけど、誕生日に普段とは違うライブなどをしたら皆が楽しめるのではないかということでやり始めたんです。怜と圭(G)にも何度か出てもらっていて。

怜:でも、2017年の仙台だけ呼んでもらえなかったんだよね。

ケンゾ:その日はGREMLINS(ケンゾとNIGHTMAREの柩(G)によるユニット)の仙台公演だったからね。「VIVA LA KNZ」というバースデーイベントをやるようになったのは3~4年前なんですけど、せっかくやるなら怜と圭に出てほしくて。

怜:ほぼほぼ全通してます。

ケンゾ:BAROQUEとして出てもらうと大所帯になってしまうので、最初は二人だけだったんですけど、去年はシークレットゲストでBAROQUEとして出てもらいました。そして、今年はついにバンド名を出して、さらに彩冷えるが復活したのでツーマンということになったんです。

――彩冷える復活の年にふさわしいツーマンですね。ところで、「VIVA LA KNZ」はVol.1~3はナンバリングでしたが、今回は「SPECIAL」と銘打たれています。

ケンゾ:そうなんです。「VIVA LA KNZ」はいつも僕のレーベル主催でやっているんですけど、今回は彩冷えるの立ち上げた会社(合同会社Cold Color)主催で、彩冷えるとしてBAROQUEさんをお誘いしたんです。関係性は変わらないんですけど、タイトルだけちょっと変えて。

怜:俺らも、彩冷えるが復活したらいつか対バンをとは思っていたんだけど、まさかこのタイミングでできるとは思っていなくて。うちに欠かせない存在のケンゾちゃんがやっているバンドのライブが観られるのは楽しみだよね。

――彩冷えるとBAROQUEは、これまでに接点はありましたか?

怜:ないよね。個々のメンバーさんには前にケンゾちゃんのバースデーで会ったけど、バンドとしての対バンは今回が初だし。

ケンゾ:バンドとしてはないですね。葵君(Vo)とかタケヒト(G)とも僕のバースデーで共演はしてもらってるけど。元々彩冷えるにとってBAROQUEは先輩だし、BAROQUEが一度解散してから結成しているので、接点はないんです。

怜:インテツ君(B)には写真と、「何千何万何億の君への想い2018」のMV(2018年12月リリースのシングル『YOU』c/w曲)の撮影をお願いしたんだよね。

ケンゾ:インテツはバンド活動以外の時間はフォトグラファーとして活動しているからね。インテツが撮った僕のソロMVを観て、使ってみようって言ってくれたらしいんです。

怜:すごく良かったんだよね。…ところで、今年のバースデーはドラムソロはあるんですか。

ケンゾ:え!?

怜:「SPECIAL」って書いちゃったからねー。どうなの? 何かしら考えてるの?

ケンゾ:せっかくだから、同じステージ上で絡めるように何かできたらいいなと…。

怜:BAROQUEもケンゾちゃんが参加してくれるようになってからツーマンが多いけど、ただセッションをやっても仕方ないからね。今回、俺はドラムソロが楽しみ!

ケンゾ:推すねぇ(笑)!

怜:と、妄想膨らんじゃいましたが、BAROQUEでケンゾちゃんを知って、今回初めて彩冷えるを観る子もいると思うんだよね。そういうきっかけになったら嬉しいし、お互いのファンがこのツーマンを喜んでくれているといいなと思って。

――ケンゾさんが両バンドのハブになっているんですね。

ケンゾ:そうだといいですね。昔のBAROQUEは知っているけど、今を知らない人もいるかもしれないし、彩冷えるも8年活動していなかったから、「最近復活したんだって?」っていう人もいると思う。そういう意味でもお互いのきっかけになれたらいいなと思いますね。

怜:お互い長く活動を止めてから復活したバンドだからね。

ケンゾ:どちらも数奇なバンドだと思うんですよ。普通に活動して解散という流れではないし、人の出入りも多いし。歴史を見るとすごく紆余曲折あって。

怜:気持ちが一致しないとできないよね。形は変われど、ずっと続けてきている強さってあると思う。

――彩冷えるは今年5月に見事復活を遂げました。

ケンゾ:僕らも当時のわだかまりは解けている中で、復活するきっかけを探していたと思うんです。解散や活休ということを明確に提示していなかったから、ちゃんと自分たちの中でけじめを付けたくて。その正式な声明を出したのがたまたま今年だったんです。

怜:もうツアーもやったんだよね。

ケンゾ:うん。でも、まさかアルバムを作ってツアーを回るなんて思ってもいなかった。

怜:しかもアルバムを作った期間がすごく短かったよね。「作るんだ」って聞いてから完成まで、めっちゃ早かったよ。

ケンゾ:短かった。集中して作ったし、みんな当時5人の彩冷えるとして出したかった曲のストックもあって、それもみんなに届けたかったから。もちろんアレンジはし直したけど、当時の思いが詰まったままの、本当の意味での5人の続きの楽曲になっていて。それプラス今回復活するにあたって作った新曲を混ぜてパッケージしました。ストックしていた楽曲も、他のバンドで使おうと思えば使えたはずなんですけどね、この曲はこの5人でやりたいと全員が思っていたんでしょうね。そういう曲が詰まったアルバムです。

――BAROQUEも7月にアルバム『PUER ET PUELLA』をリリースしたばかりなのに、次のアルバムがまさかの半年後リリースという驚異的な展開を見せています。

ケンゾ:そう! それね! 4年間アルバムを出さなくて、俺も「そろそろアルバム作ろうよ。一緒に作りたい」って思っていたから、その願いが叶ったのは嬉しい。でもね…次が早ぇ! 半年後て!

怜:だよね(笑)。元々圭も『PLANETARY SECRET』(2015年5月リリースの前作アルバム)の時から3枚作ろうとは言っていたんだけど。

ケンゾ:もうちょっと期間があると思ってた。そうしたら「レコーディングいつできる?」って聞かれて、「え、何の?」って(笑)。

怜:今回もドラムのある曲はケンゾちゃんが叩いてくれたんだよね。

――ケンゾさんがツイートしていた「ずっと欲しかったこのシンバル。まさか初録りがBAROQUEになるとは。」というのはこのアルバムのことだったんですね。

ケンゾ:そうそう、あれを使った曲も入っています。むしろ、まだBAROQUEのレコーディングでしか使っていないという(笑)。

怜:いただきました(笑)。

――それにしても、ケンゾさんはもうしっかりBAROQUEの一員ですね。

ケンゾ:そう感じて頂けると嬉しいですね。色々なところでサポートなどもやらせてもらっていましたけど、BAROQUEでは特にメンバーだと思ってやらせてもらっているんです。サポートにもいろんな考え方があると思うんですけど、僕は良くも悪くも自身を出せるところでしかできなくて。ビジネスライクというよりヒューマンライクなところでやりたい。そうすると当時叩いていた人とアレンジも変わってくると思うけど、「ケンゾが叩くことで、ちゃんと今のBAROQUEになっているね」って言ってもらえるのがドラマーとして一番嬉しいですから。

――怜さんから見て、ケンゾさんはどんな人ですか?

怜:同い年ですね。

――それは奇遇!

怜:でしょ? あと、ドラマーとしての付き合いが一番長いけど、歌も歌うので、楽屋で歌の話もするし。それに、ドラムから見たヴォーカルを知っているので、貴重な意見がもらえます。

――ケンゾさんてオールマイティーですよね。

怜:うん。そろそろ踊るかな。

ケンゾ:それな(笑)。 みんな「そろそろ踊ったら?」とか「ラップしたら?」とか言うんですよね(笑)。

怜:去年のバースデーイベントの時は、ドラムを叩きながら歌ってたよね。それがすげーカッコよかったから、いつかやればいいのにと思って。

ケンゾ:去年はドラマーとしてサポートに専念するためにソロを止めていたんですけど、怜も言ってくれたし、自分の一番の武器はやっぱりドラムだと思うので、次にBVCCIHAYNESを動かす時は、ライブで叩きながら歌うというのも新しいパフォーマンスとしてやってみたいなと思ってるよ。

怜:個人的にも観たい。それくらい印象的だったから。

ケンゾ:この前対バンさせてもらった首振りDollsのナオちゃんがドラムを叩きながら歌う人で、観ていて改めてカッコいいなと思ったしね。そういうところから派生させた違ったパフォーマンスやエンタテインメントで、今までとは違うものが見せられたらファンの人たちも面白いのかなと。

怜:じゃあ、今回のバースデーはそのきっかけとして、叩きながら歌うということで。

ケンゾ:そういう振り!?

怜:あのドラムを鳴らしながら自分で歌えたら最高に気持ちいいじゃん。俺は作詞しかしないけど、ケンゾちゃんは作曲もできるしさ。圭ちゃんのソロもそうだけど、能力を持っている人はやったらいいと思うんだよね。

ケンゾ:じゃあバースデーでドラムソロ+叩きながら歌う…って俺は一体何を歌えばいいの(笑)?

――大好きなKISSあたりいかがでしょう?

ケンゾ:まさかの!? でもKISSだったらいけますね。プロンプター(演説やコンサートの際に、電子的に原稿や歌詞などを表示する装置)もなしで(笑)。

◆怜がBAROQUEで歌っていたから、こっちの世界でちゃんとやってみようと思った(ケンゾ)

彩冷える

――今、お二人ともBAROQUEのツアー「THE BIRTH OF LIBERTY」真っ最中ですね。

怜:彩冷えるは、今年はあと何本ライブがあるの?

ケンゾ:12月24日にクリスマスライブ(Christmas Special Live「雪纏う人展」)で、31日にカウントダウンイベント(「FINAL2019」。いずれも高田馬場AREAで開催)がある。

――クリスマスライブは全員白を着るそうですね。

怜:お! いいねぇ。

ケンゾ:その衣装をどうするか悩んでるんだよね。

怜:僕らも『PUER ET PUELLA』のライブ(4月に日本橋三井ホールで行われたワンマンライブ「VISIONS OF // PEP」)で白を着たけど、それ以降着てないな。

ケンゾ:そのライブは、本当は僕も出させてもらいたかったんだけど別件でどうしても出られなくて。そのライブ用に白い衣装も買ってたんです。その後、夏のツアーを半分回らせてもらうことになったから、「白い衣装あるからこれで行けばいいよね!」って言ったら、「ううん、白じゃなくていいよ」って圭に言われて。「今回のアルバムのテーマカラーは白なんちゃうんかい!」と(笑)。

怜:(笑)。でも、白い衣装のBAROQUEはすごく良くかったから、いつかまたやりたいな。

ケンゾ:じゃあ衣装はその時に使うわ。わざわざ海外から取り寄せたし。

怜:え、そうなの?

ケンゾ:テーマ的にも素材感的にも、旅人っぽい衣装がほしくて。日本にはなかなかなくて海外のサイトでポチっと。

怜:なるほどね。ところで、ドラマーって全身運動でしょ。動きやすい衣装じゃないと大変なんじゃないのかってすごく心配しているんだよね。

ケンゾ:ドラムを叩く時はスポーツしているのと一緒だから、半袖短パンが一番楽。ただ、僕は撮影の時はカッチリしたいから、昔はスーツで叩いていた時もあったんですよ。でも、正直パフォーマンス的にも技術的にも落ちる。サポートをやらせてもらって、ドラマーとしてまたちゃんとやろうと思った時から、見た目よりも音やパフォーマンスを重視した衣装になりました。

――ヴォーカリストは?

怜:俺は気分ですね。レザーを着たり、寒い日に半袖を着たり。ある程度は決まっているけど、その日その場所に行って、その時のムードやカラーで、これを着たらいいなって自分の感覚に従っている感じかな。

ケンゾ:でも、最近はギターを弾いたりしてるから、袖が長い服は着られないね。

怜:そうなんだよね! 袖、切っちゃうか(笑)。

――ギターヴォーカルをやることで、また新しい怜さんが見られますね。

怜:曲の一部を違う表現でできるのは楽しいよね。特に「ヒトのイロ」(2004年リリースのアルバム『sug life』収録曲)は変わったなと思う。サポートがケンゾちゃんと高松ちゃん(THE NOVEMBERSの高松浩史/B)になってからリアレンジされて、古い曲の中では最近一番ライブでやっているんじゃないかな。新しいアルバムも出て、曲が出揃ってきたというのもあるけど、「我伐道」とかはやらなくなってきたよね。

――ところで、ケンゾさんから見て、怜さんはどんなヴォーカリストですか?

ケンゾ:僕は中学くらいでKISSを好きになって音楽を始めたんですけど、その頃はハイスタとかミッシェル、ブランキーみたいなメロコアが流行っていて、友達と一緒にコピーしたりしていたんです。その後、僕もヴィジュアルシーンでやってみようと思うようになったんですけど、当時はエナメルとか白塗り全盛の時代で、そういうのにはあまり惹かれなくて。でも、2002年頃にちゃんとヴィジュアル系をやってみようと思った時にBAROQUEを知って。「この人、デニムとパーカーで髭生やしてる! しかもヴィジュアル系なのにメイクしてねえ!」と(笑)。その時に「これだ! よし、このバンドに入ろう」と思ったんです。

――まさかの展開。

ケンゾ:当時のヴィジュアル系は癖のある歌い方の人が多い中で、BAROQUEはすごくポップで時代感も先取りしていて、なにより声が好きだった。大きく言うと、怜がBAROQUEで歌っていたから、俺はこっちの世界でちゃんとやってみようと思ったんです。

怜:照れるなー(照)。

ケンゾ:僕がヴィジュアル系の専門店に初めて行ったら、BAROQUEとNIGHTMAREがちょうどデビューした頃で。まだどのバンドがどうとかもわからなかったので大きく飾ってあった2バンドの看板を見て、その音源を聴いてみようと思ったんです。でも面白いことに、その1年後くらいに後輩を通じてNIGHTMAREのYOMIと出会うことになって、更にそこから共通の友人を通じて彩冷えるを紹介してもらってサポートをすることになり、そこから加入する流れになったんですよ。

――すごい流れ。そして、ケンゾさんの人生を変えた怜さんと、今一緒に音楽をやっているというのも運命的です。

ケンゾ:ありがたいです。最近はいろんな音楽を聴いていますけど、当時はそんなにたくさん聴いていたわけではない中で「この人カッコいい!」と思いましたからね。

怜:青春時代に聴いていたものって染み付いてるよね。俺は学生時代、女性アーティストで言うと、椎名林檎さんやCharaさんみたいな声質の人が好きだったんだけど、それが自分の中に色濃く残っているんだよね。大人になればなるほど、いろんなものに触れられるようになるし、世の中もどんどん変わっていって音楽も取り入れやすくなっているけど、昔はそうじゃなくて、友達がアルバムを買ったら「ぜひ貸して!」みたいな感じだったもんね。

ケンゾ:そうだったね。

怜:だから今回のイベントは、ただケンゾちゃんに誘われたからやるんじゃなくて、そういう縁もあるという志でやりたいな。どこにでも行ける世の中で、お客さんが、この日この場所を選んでくれたってことも大切にしたいと思うんだよね。それに、彩冷えるで叩くケンゾちゃんの姿には刺激を受けると思う。ステージに上がっている時は俺も彼をメンバーだと思っているし、そのメンバーがメンバーしているところが見られるってすごいことでしょ? お互いにとってすごい刺激になると思うし、彩冷えるのメンバーさんにも「やってよかったな」って思ってもらえたらいいな。その気持ちがお客さんにも伝わると思うし。

ケンゾ:そうだね。ただ、俺は年も一緒ということもあって、怜や圭とこういう関係でやらせてもらっているけど、うちのメンバーからしたら「BAROQUEさんと対バン」だから、そこが面白くて(笑)。

怜:そうか。どうする? 入りしたら俺が「ケンゾさん、おはようございます! 今日もよろしくお願いします! あ、コーヒー淹れておきました!」って言ったら。

ケンゾ:それ、やりづらいなー(笑)。

◆ケンゾちゃんは素直で真っ直ぐ。そういうところに惹かれるし、彼が叩くと心が躍る(怜)

BAROQUE

――お二人は知り合って長いと思いますが、出会った頃と印象は変わりましたか?

怜:ケンゾちゃんのイメージは大きく変わらないなぁ。

ケンゾ:怜はねぇ…

怜:最初怖かったんじゃない(笑)?

ケンゾ:(笑)。この人たちが超破天荒なバンドだって後から知ったんですよ。当時は先輩後輩の縦割りの関係性が少しだけ残っていた時代だったし、怜は僕がまだ名もない頃からシーンでブイブイ言わせている存在でしたからね。でも、そういうところにもロックを感じたし、だからこそ一緒にやりたいなという気持ちも芽生えたんですけど。

怜:ケンゾちゃんて素直で真っ直ぐなんですよ。そういうところに惹かれるし、彼が叩くと心が躍りますね。俺はどちらかというとシャイだし、普段は人とも然程会わないんだけど。人の感情などに敏感なタイプだと思うんです。目をみたらわかるといえばいいかな。ドラムってそういう力があるけど、それは元々人が叩いているものだからで、ひいてはケンゾちゃんの心がそうだからなんだろうな。

――音には人柄が出るんですね。

怜:うん。誰が嫌とかじゃなくて、波長が合う合わないなんだよね。

――怜さんはそういう感覚が敏感な印象があります。

怜:すっごく敏感。違うと思う時はちょっと波長に距離があるのかもしれないね。

ケンゾ:一つの音を一緒に出すには、より波長が近いほうがいいからね。

怜:うん。それこそ素っ裸を見せるようなものだからね。

――怜さんの音楽人生の始まりは何だったんですか?

怜:俺もヴィジュアルシーンを知っていたわけじゃなかったな。高校の時に一緒にやっていたバンドの子がLaputaとかL’Arc〜en〜Cielが好きでコピーしてましたね。そのバンドでオリジナル曲もやってたりはしてたんですけど。そんな時に圭ちゃんに対バンで会ったんだよね。圭ちゃんはヴィジュアルシーン詳しかったから、俺も掘り下げていって。俺、小学校の頃転校が多くていじめられたりしたんですよ。道を見失ってあんまり学校も行かなくて。でも、歌う時だけはみんなが夢中になってくれた。中学の頃、先生に初めて目が合った瞬間からお前は嫌いだったと後ほど言われるほど、目の敵にされたこともあり、より学校にはいかなくなっていて。初めてカラオケで歌ったときにみんなが見てくれた、その感じが好きだったんだよね。ケンゾちゃんは人生で最初にカラオケで歌った曲、覚えてる?

ケンゾ:俺は多分、中2か中3の時に歌ったT.M.Revolutionの「HIGH PRESSURE」だったと思う。

怜:俺も中2くらいだったと思うんだけど、当時音楽にさほど興味がなかったから歌ったこともなくて。そんな時に、先輩にカラオケで歌えよって言われて歌ったのが「ツッパリ High School Rock’n Roll」(横浜銀蝿)だったの。

ケンゾ:えーー!

怜:それが本当の最初。マイクで声を出すのって最初怖いでしょ。でも、それで声を出すことを知って、当時聴いていた曲を歌うようになって。そうしたらみんなが見てくれるようになった。最初は渋々歌ったんだけどね(笑)。

――怜さんの音楽人生は意外な形で始まったんですね。

怜:そうだね。ずっとやりたいことを探していて、そんな時に「この人すげーな!」と思って、恋じゃないけど心底好きになったのが圭で。彼の曲を歌い世の中に知らせたいって、より大きなところで歌いたい。それでバンドをやろうって決意をして、ヴィジュアルシーンのことは深く知らなかったけど、この音楽をこの人とやりたいから勉強していった。でも、ルールはいらないんじゃないかと思ったし、メイクも「色を使えばいいじゃん!」とか、みんな服にこだわっているなら服屋さんとコラボすればいいのにと思ってh.NAOTOとコラボしたり。そうやって、気づいたらこうなっていた感じかな。

◆彩冷えるとBAROQUEが対バンするという事実を楽しみたい(ケンゾ)

――ケンゾさんがドラムを始めたきっかけは何だったんですか?

ケンゾ:最初KISSのジーン・シモンズが好きで、ベースをやろうと思ったんです。でも、弾けなくて(笑)。当時15~16歳だったんですけど、「俺ベース買ったんだよね!」って言ったのに弾けないとカッコ悪いじゃないですか。練習云々じゃなくて、カッコいいかカッコよくないかだったんですよね。しかも、ベースを持って立ってみたら似合わなくて(笑)。その時点で「よし、KISSは聴くものだ」と思ってたんですけど、色々なバンドを好きになっていくうちにやっぱり何か音楽をやりたいなと思っていたんです。そんな時に、友達とスタジオに入って。当初ヴォーカルをやろうと思っていたんですけど、「ケンちゃん叩いてみたら?」と言われてドラムを叩いてみたら叩けたんですよ。それで、「じゃあ俺ドラムやるわ」っていう流れですね。当時、本当にアマチュアだったから、持っていくのがスティックだけでよかったというのもあったし(笑)。

怜:ヴォーカルなんてそれこそ何もいらないじゃん。

ケンゾ:うん。だからヴォーカルとドラムをやろうと思ったの(笑)。「なんで俺が重いもの持たないといけないんだ!」って思っていたんだけど、そのうちにツインペダルだ、シンバルがどうだってことになってきて…なのでそれこそ彩冷えるに入る1年くらい前まではヴォーカルをやっていたんですよ(笑)。

――最初のドラムセットはいつ頃手に入れたんですか?

ケンゾ:最初にスタジオで叩けた時に、親に「俺、ベース弾けなかったし、スタジオで叩けたからドラマーになるわ!」って言って、自分でドラムセットを買いました。

怜:マジ!? めっちゃ恵まれてるね。

ケンゾ:それで最初、家のリビングにドラムを置いたんです。でも、シンバルがチャチくて、スタジオと音の鳴りが違って。「良い音じゃないと叩きたくねー」と思ったし、当時好きだったドラマーがTAMAを使っていたので、1年後くらいに自分の部屋を防音に改造して、ちゃんとしたTAMAのドラムを買って、シンバルも今使っているセイビアンにして。

怜:すごいな!

ケンゾ:それからみんながスタジオ代わりにうちに集まるようになったんですけど、今思うと家でドラムが叩けたというのはスキルアップの面ですごく影響が大きいと思いますね。ドラマーは練習するにもスタジオに行かないといけないんですけど、お金がかかるじゃないですか。それが家でできたわけだから。

怜:バンドって何をやるにもお金がかかったからね。俺も高校時代に組んでいたバンドのドラムの子は家に離れがあったから、そこにみんなで集まって練習してた(笑)。それにしても、いきなり防音も何もないリビングにドラムセットを置くっていうのが不思議だわ(笑)。

ケンゾ:妹に超怒られたよ。「マジでうるせー」って(笑)。

怜:俺は、最初家族に音楽活動を反対されたね。元々高校に入った理由もやりたいことがなかったからで、興味があることが見つかったら辞めるとは言っていたんだけど。卒業が決まってる時期にいきなり学校を辞めて道を決めた!と話したので、しばらく勘当されましたね。おばあちゃんは俺の歌を好きでいてくれたけど、俺が病んで休んでいる時に「俺、またこの後音楽やるんだ」って言ったら「やらないで!」って言われて。歌は好きだけど、賛成はされなかった。

――でも今はちゃんとステージに立っているんですね。

怜:そうだね。みんなの前に戻る前に弟のバンドの音楽に歌詞を書いたりメロをつけたり、カラオケに行って練習したんだけど、よしもう大丈夫、いくぞって時に、俺が癌かもしれないと病院に言われ検査の日々を経て、そのタイミングで、おばあちゃんの癌が発覚してね。時間が許される限り近くに居たんだよね。その時に生まれて初めて拙い曲だけど、曲を作ってプレゼントしたり、おばあちゃんに当時のkannivalismの曲を歌ってプレゼントしたんだよね。技術的なことは練習すれば何とでもなるけど、歌は気持ちだからそういうのを大事にしたいなと思う。ところで、彩冷えるの中のケンゾってどういう存在なの?

ケンゾ:うちはいろんなキャラクターのメンバーがいて、タケヒトと俺は一番男っぽいかな。でも、BAROQUEの時もそうですけど、素の状態でいられるから、変に気取ったりキャラを作ったりしなくてよかったなと思いますね。

怜:BAROQUEは今二人になってすごくシンプルになったことで、圭はコンポーザー、俺はその曲の歌い手として、俳優というか、何にでもなれるような存在、ってすごくはっきりしているんだよね。でも人数がいるバンドで、いろんな曲を作るメンバーがいて、その時のケンゾってどんな感じなんだろうって思ったんだよね。

ケンゾ:俺が入った時は涼平がコンポーザーで全ての作詞作曲をしていたけど彼がいなくなって夢人が入る時に、彩冷えるという名前はあれど楽曲も使えなかったから、0から新しいバンドをやるに等しかったからね。拙いけど、頑張ろうって向き合って、伝えようとする気持ちがファンの方々に伝わって先に進むことができたんだと思いますね。みんなで良いものを作り上げてきたって感じなんですよ。時が経って、メンバーで話すよりもマネージャーやレコード会社の人経由でメンバーとやり取りするようになった頃から、溝ができていってしまったけど。

怜:長く一緒にいると、言わなくてもわかっちゃうことってあるからね。だからこそ距離が空いたように感じることもあった。でも今アルバムを作っていて、びっくりするくらい密に連絡を取り合ってる。俺はコミュニケーションが得意なほうではないけど、今のBAROQUEに関わるみんなへ、より心が裸でいるのかもね。そうすると歌にも気持ちが入って、良くなるんだよ。

――どちらのバンドも今すごく良い状態なんですね。メンバー間の密な関係性が伝わってきます。

怜:だからこそ、今回のバースデーライブに意味があると思うし、楽しみにしてるんだよね。

ケンゾ:復活した自分のバンドと、自分が好きでサポートして、メンバーだと思ってもらえるくらい支えさせてもらっているBAROQUEが対バンするのは自分にとってすごく感慨深いし、一つ夢が叶ったなという思いがあります。いい意味で緊張はないし、彩冷えるとBAROQUEが対バンするっていう事実を単純に楽しめればいいなと思います。

怜:ケンゾちゃんがきっかけでこういう縁があって。3回目のバースデーに誘ってくれることが嬉しいし、BAROQUEとしてのケンゾちゃんと同時に、彩冷えるとしてのケンゾちゃんが初めて観られるのがすごく楽しみ。うちのファンの子たちにも知ってほしいな。お祝いしたい気持ちってすごく柔らかいし綺麗だなと思うんだよね。それができるバースデーライブってすごく良いなと思う。自分は照れくさくて難しいんだけどね。自分サイズのケーキ出ないかな、とか期待もしちゃうし(笑)。

ケンゾ:(笑)

怜:バンドとしてもいい状態ですし、必ずいい日になるよ。

彩冷える×BAROQUE“VIVA LA KNZ SPECIAL 〜KENZO Birthday 2MAN LIVE〜”

(文・後藤るつ子)

【ライブ情報】

●彩冷える×BAROQUE“VIVA LA KNZ SPECIAL 〜KENZO Birthday 2MAN LIVE〜”
12月9日(月)Shibuya WWW X
OPEN 18:00 / START 18:30
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

ARTIST PROFILE

彩冷える

<プロフィール>

ケンゾ
葵(Vo)、夢人(G)、タケヒト(G)、インテツ(B)、ケンゾからなるロックバンド・彩冷えるのドラマー。NIGHTMAREの柩(G)とのユニット・GREMLINSの他、BAROQUEやAkiなど交流のあるバンドやプロジェクトにも参加している。ソロプロジェクトのBVCCI HAYNESではヴォーカリストとして活動。彩冷えるは2004年5月に結成し、2009年にメジャーデビュー。2010年をもって活動を休止していたが、2019年5月8日より活動を再開した。8月24日にアルバム『辞するモラトリアム』をリリースし、同名のツアーを実施。2020年春にミニアルバム『色纏う人展』のリリースが決定している他、3月13日より彩冷える15th Anniversary Final Tour’20 「色纏う人展」がスタートする。

■オフィシャルサイト
https://ayabie.info/

【リリース情報】

Mini Album『色纏う人展
来春リリース
(Cold Color)

色纏う人展

辞するモラトリアム
2019年8月24日発売
(Cold Color)

辞するモラトリアム
[音楽配信ver.]
amazon.co.jpで買う

・iTunes Store・Apple Music・amazon・amazon music・レコチョク・music. jp・LINE MUSIC・Google Play他
[M Card(ダウンロードカード)ver.]
・OFFICIAL SHOP(https://ayabie.official.ec/)にて販売中。
・カードデザインは全7種(ランダム封入)
・アルバム音源9曲「辞するモラトリアム」+ツアーファイナル9月26日(木)赤坂BLITZ公演のデジタルライブ写真集がダウンロード可能

【収録曲】

音楽配信ver.、M Card(ダウンロードカード)ver.共通
01. query
02.ミルク
03.さめざめ
04.アンビバレントワールド
05.プロポーズ
06.前戯
07.透明ゆえに色を選べずに
08.あなたに
09.君は、アジテーター

【ライブ情報】

●Christmas Special Live「雪纏う人展」
12月24日(火)高田馬場AREA

●彩冷える15th Anniversary Final Tour’20 「色纏う人展」
2020年
3月13日(金)高崎club FLEEZ
3月14日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!!
3月19日(木)札幌cube garden
3月20日(金・祝)札幌cube garden
3月22日(日)仙台darwin
3月28日(土)金沢AZ
3月29日(日)長野CLUB JUNK BOX
4月4日(土)高松DIME
4月5日(日)神戸VARIT.
4月11日(土)大阪BIG CAT
4月12日(日)福岡DRUM Be-1
4月16日(木)四日市Club Chaos
4月18日(土)名古屋Electric Lady Land
4月19日(日)岡山IMAGE
5月1日(金))渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)

ARTIST PROFILE

BAROQUE

<プロフィール>


怜、圭(G)からなるロックバンド・BAROQUEのヴォーカリスト。2001年に結成し、2003年にメジャーデビュー。同年8月、結成から2年3ヵ月という史上最速で初の日本武道館公演を行う。2004年12月に解散し、2011年7月17日に横浜赤レンガ倉庫野外特設ステージでフリーライブを行い、9月に正式に復活を発表した。2019年12月25日にLIVE Blu-ray & DVD『VISIONS OF // PEP -LIVE at NIHONBASHI MITSUI HALL 2019.04.30-』を、2020年1月28日にはニューアルバム『SIN DIVISION』をリリースする。現在、ツアー「THE BIRTH OF LIBERTY」を敢行中。2020年1月10日にツアーファイナルとしてハーモニーホール座間公演が決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.pigmy.jp/

【リリース情報】

LIVE Blu-ray&DVD『VISIONS OF // PEP-LIVE at NIHONBASHI MITSUI HALL 2019.04.30-
2019年12月25日発売
(Manufactured & Distributed by FWD Inc.)

VISIONS OF // PEP-LIVE at NIHONBASHI MITSUI HALL 2019.04.30-
[Blu-ray]
PGSK-029
¥6,800+税
amazon.co.jpで買う
VISIONS OF // PEP-LIVE at NIHONBASHI MITSUI HALL 2019.04.30-
[DVD]
PGSK-030
¥5,800+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

Blu-ray/DVD共通
01. BIRTH OF VICTORY
02. PUER ET PUELLA
03. STARRY BOY
04. FLOWER OF ROMANCE
05. ヒトのイロ
06. SKY WALKER
07. SKY FITS HEAVEN
08. SWALLOW THE NIGHT
09. SILENT PICTURE
10. AN ETERNITY
11. CELEBRATE
12. LAST SCENE [Acoustic Ver.]
13. PURIFY
14. PLANETARY LIGHT
15. DREAMSCAPE
16. G I R L
17. YOU
18. RINGING THE LIBERTY
19. PERFECT WORLD
20. BONUS FOOTAGE

Album『SIN DIVISION
2020年1月28日(火)発売
(Manufactured & Distributed by FWD Inc.)

SIN DIVISION

【収録曲】

01. RITUAL
02. END VISION
03. SIN QUALIA
04. REDME
05. FALLEN VENUS
06. SUCCUBUS
07. SABBAT
08. GLOOMY LILITH
09. FROZEN ABYSS
10. COCYTUS
11. I LUCIFER
12. INFERNO

【ライブ情報】

●BAROQUE THE BIRTH OF LIBERTY
12月8日(日)埼玉県・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
12月14日(土)石川県・金沢GOLD CREEK
12月15日(日)長野県・LIVE HOUSE J
12月22日(日)大阪府・ESAKA MUSE
2020年2月11日(火・祝)埼玉県・西川口Hearts ※10月13日振替公演

●BAROQUE THE BIRTH OF LIBERTY -FINAL-
2020年1月10日(金)神奈川県・ハーモニーホール座間