今年1月よりスタート、バンドの結成15周年を祝した「Ism」ツアーも、3月に入り、残り数本の時点で中断(現在は延期公演が決定)。他のアーティストの方々と同じように、NoGoDも表立った活動を止め、「#stayhome」を合言葉に、メンバー各々が自宅で出来ることへ勤しんできた。

中でもヴォーカルの団長は、リモートで出来るあらゆる可能性を模索。積極的にオンライントークを行い、自身でも番組を作り、配信することで、自らが情報メディアとなり発信するアーティストとしての新しい表現スタイルを示した。他にも、無観客ライブという形のもと、無料配信や投げ銭方式など様々な有料配信のスタイルも実践。Next Phaseを迎える新しい音楽ビジネスの有り方をいろいろ模索しては、目の前の状況へ暗澹としていたミュージシャンたちに、サバイブしていくための方法を自ら実践することで伝授。アーティストとして生き続けるための新しいやり方を先頭に立って実践し続けている。

SNSなどを通しオンラインメディアを用いた精力的な活動を示しながら、同時に団長は、新たな音源制作も行っていた。それが、6月下旬よりWEB SHOP限定で発売する団長初のソロアルバム『凡人歌集』だ。

この15年間、NoGoDのために人生を捧げ、NoGoDを通して思いを伝えるために楽曲を作り続けてきた団長が、なぜソロアルバムの制作に踏み出したのか。その理由を、本人の言葉を通してお伝えしたい。

「NoGoDの音楽を待っていてくれている人たちのためにとNoGoDの活動の延長として、5年くらい前から、NoGoDとして足を運ぶには難しい地域や(小規模の)会場を舞台に、アコギの弾き語りによる団長個人としてのライブ活動も始めました。
僕は今でもNoGoD以外で音楽活動をする気持ちはないように、ソロでのライブは、あくまでもNoGoDの活動から派生した+αの行動。だから、ソロ作品など作る意識は毛頭ありませんでした。だって、そこに時間を費やすなら、少しでも多くNoGoDの楽曲を届けたほうが絶対に良いわけですからね。
当初はソロライブでも、NoGoDの楽曲をアコースティックなスタイルで演奏していましたが、いつしかアコースティックだからこそ活きる曲をと作り出し、NoGoD用に作りながらもバンドで演るのは違うなという曲をソロライブのときにやっていました。そこで披露していた曲たちも、いつしか10曲を超えるくらいにまで増えていましたが、特に音源化を考えることなく、あくまでも「個人の曲制作に時間を費やすくらいなら、NoGoDのために」という気持ちでずっと活動をしてきました。
でも、今回のことがあり、NoGoDとしての表立った活動を4月と5月は止め、新曲制作を含め、各メンバーが各々自宅で出来ることに没頭。自分の場合はオンライン上を通し、活動を止めることなく積極的にアピールし続けてきましたが、僕らの本分は音楽を届けてこそ。この時期、先にKyrieがNoGoDの曲をアコースティックアレンジしたミニアルバム『紡-Acoustic Instrumental Selection-』をWEBショップ限定で発売したことから、自分もこの時期だからこそ出来る活動として、初めてのソロ作品の制作を決意。アコギの演奏にshinnoさん、パーカッションにK君を誘い、溜まっていた楽曲や自粛期間中に作ったアコースティックなスタイルが似合う新曲の中から6曲をセレクトし作りあげたのが、ミニアルバムの『凡人歌集』になります」

ミニアルバム「凡人歌集」に収録したのは、ここ5年内に生まれた曲たち。とはいえ、コロナ自粛期間が明けた今聴くことで、それぞれの楽曲に詰め込んだ団長の思いが、自粛期間を乗り越えた人たちの心に、ときに皮肉として、ときに弱い心へ共に寄り添う”女々しいけど前向き”な歌として響いていく。
人よりも秀でたものもなければ、思いとは裏腹に行動にも起こせない。でも、ほとんどの人が凡人なんだから、そんな自分を認めて生きようと歌う「凡人哀歌」。
「凸凹」と「希望の朝」では、お互いに惹かれあっているのに、でも、考え方や価値観が違っている。それを求めあえる喜びを「凸凹」に記せば、最後に希望を示しながらも、互いの価値観の擦れが別れに繋がる現実もあることを「希望の朝」に記し、同じ状況下でも、その人次第で先の答えが変わっていくことを団長は伝えてきた。
「続くといいね」では、ファン側が抱くバンドに対する思いと、バンド側からのファンへの気持ちを描写。「好き」と熱狂しつつ離れてしまう人たちへ向けた切ない皮肉と、変化を求めないファンに向け、僕らは変わり続けたいとバンド側の持つ本音を比較するように記しながら、「人の価値観が変わっていくのは仕方がない。でも、好きだった気持ちまで否定はしないで欲しい」と、団長は歌いかけていく。
経験を重ねるごとに知る、理想と現実との違い。それでも生きていくしかない現実に向けて吠えた「冗談じゃない」。心が、どんなに掻き乱れようと、誰にでも等しく「前を向ける明日が来る」ことを、願いを込めて歌った「good night」。ここには、NoGoDのとき以上にストレートな言葉で思いをぶつける団長の“女々しくも前向きな心模様”が綴られている。これらの歌を希望と受け止めるのか、今の世の中や人々の心情をあざ笑った皮肉と捉えるのか、そこは、一人一人の心に委ねたい。

ミニアルバム『凡人歌集』について、団長はこうも語ってくれた。

「この作品で言いたかったのは、世の中の9割5分は凡人。自分も含め、みんな特別秀でているわけでもなければ、人と違うこともない。「わたしだけが息苦しい」じゃなくて、それもみんなの中へ等しくあること。日々の悩みだって「キミだけに起きた特別なこと」ではなく、みんなが持っていること。さらに言うなら、”凡人だろうが、天才だろうと、生きていかざるを得ないように、そこに何も違いはない。要は、「だから頑張って生きていこうぜ」ということ。この作品を聴いて、少しでも心の荷物を下ろしてもらえたら嬉しく思います」

先にも触れたように、本作はWEB SHOP限定での発売になる。気になったら、ぜひ「手に入れる」という行動に出て、stay homeしながら、自宅に届くのを待っていてもらいたい。

最後に、NoGoDの近況をお伝えしておこう。4月と5月に関しては一切の活動を止め、メンバー各々のスキルを磨く時間や、未来を見据えた創作活動へ費やしてきたNoGoDだったが、6月と7月はライブハウスから精力的に配信ライブを行い、8月以降より、ソーシャルディスタンスなど諸条令を守ったうえで、リアルなライブ活動を再開するための準備も始めている。バンドの今後についても引き続きお伝えするので、続報を待っていてほしい。

(文・長澤智典)


【リリース情報】
団長(NoGoD)初のソロ作品をWEB SHOP限定にてリリース ! ACギターでshinno(全曲)、パーカッションでK(4曲)も参加したアコースティックなミニアルバム。

●ミニアルバム『凡人歌集』
APCRD-2002G ¥2,300+税

[収録曲]
01.凡人哀歌
02.凸凹
03.続くといいね
04.希望の朝
05.冗談じゃない
06.good night
*ART POP WEB SHOPでの限定販売となります。
予約受付:6月8日(月)0:00~
申し込みURL:http://artpop.org/ticket/apcrd2002g.html
発送予定:6月下旬より

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