ライブレポート

2019.5.6
DAMY@TSUTAYA O-WEST
DAMY LAST ONEMAN TOUR FINAL「この場所で僕らは消える。」

2014年の結成以降、5年に渡って活動してきたDAMYのラストライブがTSUTAYA O-WESTで行われた。目覚ましい成長を遂げている最中の突然の解散発表に、多くの動揺と悲しみの声があがったが、解散に際して寄せられた4人の声明に、彼らの思いの強さを感じた人も多かったのではないだろうか。

鳴り響くSEに、ざわめいていたフロアが静まり返る。スクリーンに映し出された「2019.05.06 TSUTAYA O-WEST」の文字を食い入るように見つめ、間髪入れずに沸き起こった特大のメンバーコールとハンドクラップが、4人を迎え入れた。フロアの緊張と興奮がないまぜになり、それがピークに達した瞬間、「始めようか!」という椋の咆哮と共にCO2が噴出。DAMYの最後のライブの幕が切って落とされた。

幕開けは「chilled.」。メロディアスな楽曲が纏う空気を、海青が打ち鳴らすドラム、颯熾のヘドバン、そして椋のキレの良いアクトが彩る。続いて、妖しい魅力に満ちた空のギターリフが印象的な「milk」、フロアからの特大のコールとハンドクラップがメンバーを迎え撃つ「トモダチごっこ」、気迫に満ちたコール&レスポンスが繰り広げられた「喰らい殺す」…1曲終わるごとに、会場には悲鳴にも似た歓声が響き渡った。

事前に、この日のライブでDAMYの全楽曲が演奏されると告知されていた通り、セットリストには彼らのライブに欠かせないキラーチューンから、既に音源は入手不可能なレア曲まで、ずらりと名を連ねていた。怒涛の勢いで展開していくライブの熱に酔いしれていると、
「こっちは人生で初めてちょっとだけ緊張しているから、もっともっと距離を近づけたいんだよ! いいかい?」
と椋が不意に発した本音にドキリとさせられる。

勢いはさらに加速し、「君たちと僕はもう家族同然じゃないか」という言葉と共に「解剖家族の真意」を、さらに「調教」、「撲殺サマンサ」という必殺チューンを立て続けにドロップ。ここで、爪弾く空のギターが空気の色を変え、「溺愛公園三丁目」「溺愛公園四丁目」、そして「誰か僕の為に息を引き取って誰か僕の為に死ねますか」へ。暗転と沈黙を切り裂くように、真っ赤な照明に照らし出された空がヘヴィなギターをかき鳴らし、椋が天を仰ぎ見て歌い上げる。ラストは跪いた空がギターをかき鳴らしながら倒れ、劇的なシーンを作り上げた。

暗闇の中、海青の打ち鳴らすフロアタムに、憂いを帯びた熾のベースが静かに絡み合ってスタートした「深海」。ここまでパワフルなステージを展開してきた彼らだったが、やわらかな歌声を響かせていた椋が堪え切れないように目元を拭い、声を詰まらせる姿に、彼らと同じ時間を共有できる最後の場なのだということを改めて思い知らされる。
続いて奏でられたのは「キンセンカ」。初めてこの会場で披露されたときには椋の独唱だったが、今回はラストアルバム『自己中心的リミッター』にも収録されたバンドアレンジで、美しくも壮大なバラードが感情を揺さぶる。椋が溢れる涙を振り払うように首を振り、気丈に歌い上げると、静まり返ったフロアには、すすり泣きだけが聴こえていた。

そんな空気を打ち破るように、「心髄」で咆哮と轟音を響かせ、メドレー形式で「ままごと」「奈落」「僕らの言葉」「以上」という殺傷力の高い楽曲を次々投下。加速度的に勢いを増しながら、「きみのわるぐち」ではフロアを煽り倒して特大のサークルモッシュを作り出し、「りありすと」ではCO2が噴出する中、ステージに押し寄せるファンを迎え撃つ。
「お前らと作り上げたこの場所が滅茶苦茶好きだ!」
椋の飾らない言葉には、ファンへの偽りのない気持ちが凝縮されていた。そして、粗削りで生々しく真っ直ぐな、まさに“戦闘民族DAMY”の神髄ともいうべきステージで、彼らが生きた証を刻み付けるような本編をノンストップで駆け抜けたのだった。

沸き起こるアンコールに応えて姿を現したのは颯熾と海青。本編を振り返り、「海青君の靴下に三つ穴が空きました」と、なごやかにトークを展開していると、遅れて登場した空から、「泣きそうだった?」という質問が。照れたのか、「最近、年のせいか叫ぶと涙が出るんだよね」(颯熾)、「俺は泣いてないよ」(海青)と嘯く二人に、空は「俺は『りありすと』でギターが止まったとき、泣きそうでした」と本音を覗かせたのが印象的だった。さらに空が、海青がSNSに「最後は笑顔で」と記していたことに触れると、海青が満面の笑みを浮かべる一面も。この予想外の展開にはメンバーもファンも虚を突かれ、会場内は笑いに満ちたのだった。

そんな和やかな空気の中、「最後の楽器隊セッション、みんなで楽しめるか!」という空の絶叫で、勢いよく後半戦がスタート。「君に幸あれ」でステージに躍り出てきた椋が指先一つでフロアを右に左に攪乱し、
「今日本当に全部置いていくから、お前らも全部置いて行ってくれ。懐かしい曲、もっともっとやりたいよ」
と、「醜態」「故」「Garnet」「うつせみ」「空白」「孤独」という息苦しさすら覚えるようなヘヴィな楽曲たちのメドレーを展開。本編とはまた違ったDAMYの魅力を次々と展開していく。ジャケットを脱いだ椋が大きく両手を広げると、エッジの聴いたギターが鼓膜を揺らした「この指トまれ」、明滅する閃光の中で激しいヘドバンの応酬が行われた「嘘吐き」、〈首吊りました〉のコールが沸き起こる中、3人が所狭しとステージを動き回った「首吊り少女」と、全員が本気でぶつかり合い、ステージとフロアの熱量が交錯する。海青のバスドラムの鏡面にはそんなフロアの熱狂が映し出されていた。

「僕たちを結んだのは、音楽だったんだなって実感できました」
アンコールのラストを飾ったのは「蕣」(あさがお)。〈もう二度と会えないけど忘れはしないから〉〈涙が涙が溢れた〉…感情をふり絞るように奏でる4人を拍手が包み込み、メンバーは頭を深々と下げ、ステージを後にした。

さらに大きなアンコールに呼び込まれて始まった2度目のアンコールでは、突き上げられた拳と大歓声に彩られた「しりとり」でスタート。ここまでの時間で温まりきっているフロアは、いきなりの激しいナンバーにも臆することなく応戦。椋は、「おい、どうした! そんなぬるいモッシュ教えてねーぞ!」と愛ある檄を飛ばしてフロアを引っ掻き回し、「汚物」「アスペルガー崩壊」という暴れ曲で、徐々に迫りくる別れの時間を振り払う。
「あと何回やりたい?」という問いに、「30!」「40!」「100!」と次々と上がる競りのような声に、「俺マグロじゃねーし(笑)! じゃあ俺が済むまでやりましょうか」と客席に身を乗り出してファンの上を転げ回ると、颯熾も客席にダイブし狂騒を煽る。そのままなだれ込んだ「パラサイト」では、CO2ピストルを手にしたメンバーがフロアに打ちまくり、椋はフロアに降り立って視界を真っ白に変えていく。海青も、椋に「鉄砲撃ちたいの?」と問われてコクリと頷くと、CO2ピストルを構えてお立ち台に仁王立ちになり、その両手を高々と上げ、容赦なく噴射! 全員でカオスなお祭り騒ぎを堪能した。

いつまでも続くかに思われた極上の時間。その終わりが近づいてきた時、「メンバーが話すのを2階席から見たい」と椋がステージから去ると、空、颯熾、海青が口を開いた。
海青は、「解散が決まってからこれだけは伝えたいと思っていたことがあって」という前置きをし、「すごくシンプルに言うと、現実を受け入れることができるようになろうと伝えたくて。解散という現実を受け入れることによって未来がちゃんと見えてくると思うから」という言葉を投げかけた。
颯熾は、DAMYは“家族”だと語り、「5年と2週間、日にちにしたら約1900日なんだよ。寝て起きてを1900回繰り返すんだよ。色々あったけど、こいつらとそれをやったんだよ。ここまで俺たちは走ってきたの。家族で」という言葉を。
空からは、「颯熾が空って名前を付けてくれて、俺をDAMYに誘ってくれた。彼がいなかったら俺はここにいなかったんだよ」という感謝の言葉、そして、「海青に『バンドメンバーって友達かなぁ』って聞いたら、『家族だろ』って言ってくれたんだ」というエピソードが、一言一言噛み締めるように伝えられた。

「俺たちはこのDAMYっていう音楽で繋がっていることを忘れないでください。DAMYの最後の音楽です」
そう言って投下されたのは、極上のメロディーが心に刺さる「雨音」。〈別れの言葉。言わないで また会う日まで『』〉〈声を枯らして歌を歌おう いつかまたキミに届くようにと〉…涙で声を震わせながら歌い上げた椋が「みんなありがとう!」と絶叫し、彼らの5年間の軌跡である楽曲43曲を締めくくった。

しかし、ここでしんみりとは終わらない。「俺らそういうのじゃないじゃん。最後、かっこよく終わろうか!」そう言って投下されたのは、この日2度目となる「理由」。溢れる涙を吹き飛ばすような渾身のアクトはまさに圧巻だ。
「お前らを見て安心しました。5年間、本当にありがとうございました。俺たちはずっとそばにいるから。またどこかで会いましょう」

時間にして実に5時間35分。万雷の拍手に包まれ、DAMYの1900日に及ぶ旅は幕を閉じた。これからそれぞれの新たな旅が始まる4人に、「雨音」の〈いつかまたここで会えますように〉――そんな祈りにも似た言葉を胸に抱かずにはいられない。

記憶に残る一夜となった彼らのフィナーレは、6月30日にDVDとしてリリースされることが発表されている。自らの音楽を真摯に突き付けたDAMYの最後の作品、そこであの日の熱をぜひもう一度、追体験していただきたい。大切な記憶と共に、その先の未来への一歩を踏み出すことができるはずだ。

◆セットリスト◆
01.chilled.
02.milk
03.トモダチごっこ
04.喰らい殺す
05.解剖家族の真意
06.調教
07.撲殺サマンサ
08.御別レノ謠
09.世界は回る
10.溺愛公園三丁目
11.溺愛公園四丁目
12.誰か僕の為に息を引き取って誰か僕の為に死ねますか
13.深海
14.キンセンカ
15.心髄
16.ままごと
奈落
僕らの言葉
以上
17.終止符
18.きみのわるぐち
19.りありすと
20.理由

EN
楽器隊インスト
21.君に幸あれ
22.永久にパペット
23.醜態

Garnet
うつせみ
空白
孤独
24.言訳
25.この指トまれ。
26.嘘吐き
27.首吊り少女
28.虚言癖
29.吐瀉と代償
30.蕣(あさがお)

EN2
31.しりとり
32.汚物
33.アスペルガー崩壊
34.パラサイト
35.雨音
36.理由

(文・後藤るつ子)


【ライブ情報】
●DAMY LAST ONEMAN TOUR FINAL 2019.05.06 SHIBUYA TSUTAYA O-WEST「この場所で僕らは消える。」LIVE DVD発売決定・予約受付中!
完全限定生産の為、予約は下記期日までとなります。
予約受付〆切:5月31日(金)まで

2019年6月30日(日)発売予定
DMRD-002 ¥8,640(Tax in)
DAMY OFFICIAL ONLINE限定販売
DAMY LAST LIVE 約3時間収録予定
※完全限定生産 ※収録曲後日発表

ご予約はこちらまで DAMY ON LINE SHOP https://damyofficial.shop-pro.jp/

DAMYオフィシャルサイト http://damy-official.com/

DAMYオフィシャルTwitter https://twitter.com/official_damy

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