2015.7.5
Crack6
TSUTAYA O-WEST
Crack6 12th Anniversary TOUR
Change the World

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PENICILLIN千聖(G)のソロプロジェクトCrack6が、7月5日TSUTAYA O-WESTにてツアーファイナルを迎えた。今ツアーは6月3日にリリースした自身初のコンセプトミニアルバム『Change the World』を引っさげて行われたものであり、事前のインタビューにおいて、「ストーリーを持たせた展開ができたら」「ファイナルは視覚的な効果もできたらと思っている」とMSTR(千聖)は語っていた。

会場に足を踏み入れると、ステージ上のスクリーンには空や葉、月などのモノクロ映像が流れ、開演前から『Change the World』の世界観を漂わせていた。定刻を過ぎ場内が暗転すると、SEと共に順にアーティスト写真が映し出され、メンバーが登場。JIRO 6(Dr)が愛らしい投げキッスをオーディエンスへ贈れば、TENZIXX(B&Cho)は持ち前のエナジーをみなぎらせ、SHIGE ROCKS(G&Sound Producer)は悠然とメロイックサインを掲げる。より大きな歓声がMSTRを迎え入れると、ドラムセットを中心に4人が手を合わせ、掛け声と共にライブはスタートを切った。赤の光に照らされ「NEO」で勢いよく幕を開けると、「“Change the World”ラスト、行くぜ!」とMSTRの第一声。続く「衝撃~warning666~」ではフロント3人が頭を左右に激しく振り乱しながらプレイ、「破壊不可能」ではフロアに無数の拳が上がり、序盤から一気に熱を上昇させたのだった。

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MSTRは「僕らはどこから来て、どこへ向かうのか」という最新作のコンセプトについて述べ、それぞれの人生の主人公は自分であること、そして「失敗してもいい。恐れずに突き進んでほしい、ということを伝えたかった。懸命に生きている、それだけで素晴らしいことだと思う」と話すと、その思いを託した「白い百合の咲く丘で」を披露。柔らかな光に包まれながら、MSTRの温かな歌声がそのメッセージをまっすぐに届けてくれた。次いでプレイされたのは2007年リリースの1stミニアルバム『get fired up』に収録されている「Carry on」。後のMCでMSTRも話していたが、この楽曲には〈その手がたとえ空に届かなくても咲いた花〉という一節がある。生命の輝き、力強さを、花をモチーフに描いた『Change the World』と見事にリンクし、MSTRの変わらぬ思いをも感じ取ることができた。

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ここでJIRO 6のドラムソロからTENZIXXとのリズム隊セッションを挟み、SHIGE ROCKSとMSTRが再び姿を現すと、4人の音が重なり合い、今作中もっともヘヴィーなナンバー「Catastrophe 666」へ。スクリーンには〈背徳からエナジー〉〈悲劇のカタストロフィー〉等の歌詞が映し出され、視覚からも刺激を与える。さらにMSTRが恍惚のギターインストゥルメンタル「Re-Born」を奏で、表題曲「Change the World」へと移れば、フロアにはオーディエンスの手が軽やかに揺れた。

ギターを拡声器に持ち替え「Mr.A2Z」で後半戦への序章を見せ、「僕が感じたことだけど、みんなSEXが終わった後の顔をしてる。疲れてるんだけど心地いい…」(MSTR)と話しているところでJIRO 6から警告音が出されるも、「ノリノリの曲しか残っていません。もう1回SEXするつもりで盛り上がりましょう!」という言葉を口火に「キラ☆キラ」「Crazy Poker Face」を連投。さらに「この曲、久々にやります」と披露された2003年リリースの1stシングル曲である「Zion」、イントロが流れた瞬間に歓声が湧いた「Loveless」をもって本編を終えた。

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すぐさまフロアからは「Crack6! Crack6!」とアンコールを求める声が響き、その声援に応え再びメンバーが登場。「ステージに立つとみんなが求めてくれるから、俺はここにいていいんだって安心感がある。求め合うというのが大切なことなんじゃないかと。いつどうなるかわからないけど、最期の日が来るまでこの気持ちで駆け抜けていきたいと思う」とMSTR。様々な花が咲いていく様子を背景に「THE END OF THE WORLD」を、続けて「RISING SUN」を披露し、例え滅びても必ず次に繋がっているから無駄じゃない、という今作の核となるメッセージをオーディエンスへ贈り、優しい笑みを浮かべステージを後にした。

鳴り止まぬ声に応え、ダブルアンコールでは「東西南北 Crack6!!!!!!」「マリーゴールド」とフロアにタオルが舞い、騒ぎ倒したところで終演かと思いきや、さらなる声援に「何か1曲やる? 「マリーゴールド」の歌詞で〈まだ終われない〉って自分で言ってるしね(笑)」と最後に「770R」をプレイ。Crack6フラッグを手にしたMSTRの〈Rolling Rolling〉に合わせ、クルクルと回ったり飛び跳ねたりと、笑顔で楽しむオーディエンスの姿が印象的だった。MSTRは何度も「ありがとうございました」と感謝の思いを口にし、全21曲約2時間半に及ぶツアーファイナルは幕となった。

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メンバーがステージを去った後、既にアナウンスされている10月24日の主催イベント「Crazy Monsters ~HALLOWEEN PARTY 2015~」@新宿ReNYの他、11月21日、23日、29日のツーマンライブ、さらに12月27日の年末公演開催など、新たな情報も発表となった。PENICILLINの活動と並行して精力的な展開を見せるCrack6。「クリスマスでも忘年会でもかかってきなさい!!」と“気愛”の入ったメッセージもあったように、今後も突き進んで行くことは間違いない。心して臨みたいところだ。

◆セットリスト◆
01. NEO
02. 衝撃~warning666~
03. 破壊不可能
04. Trickster
05. 未来パラドックス
06. 白い百合の咲く丘で
07. Carry on
~Dr Solo~Session~
08. Catastrophe 666
09. Re-Born
10. Change the World
11. 飛桜花
12. Mr.A2Z
13. キラ☆キラ
14. Crazy Poker Face
15. Zion
16. Loveless

En1
17. THE END OF THE WORLD
18. RISING SUN
En2
19. 東西南北 Crack6!!!!!!
20. マリーゴールド
21. 770R

(文・金多賀歩美/写真・小林裕和)