ライブレポート

 2011.07.17

baroque@横浜赤レンガ倉庫野外特設ステージ
『お代は結構要りませんから』

 

ヴィジュアル・シーンの歴史を大きく塗り替えた伝説のバンド・baroque(バロック)が7月17日に約7年ぶりのライブを横浜赤レンガ倉庫野外特設ステージで開催。雲一つない晴天の下、完全無料ライブという形で贈られた久々の再会に、1万人が熱狂した。

 

2001年の結成から2年3ヶ月で史上最速となる日本武道館公演を成功させながら、人気絶頂の2004年末に“baroqueは君たちに預ける”の言葉を残し、Zepp Tokyoでのワンマン公演で解散した彼ら。そのオフィシャル・サイト上に、“お預けしておりました『バロック』に関しまして、この度、ご返却して頂きたくお願い申し上げます”という謎の「督促状」が現れたのは6月9日のこと。同時に完全無料ライブ『お代は結構要りませんから』を行うことが告知され、ファンのみならずシーン界隈では大変な話題になっていた。

 

ライブ当日も入場整理券を求め、炎天下にもかかわらず、大勢のファンが朝から長蛇の列に。午後5時半の開演時には、整理券不要のフリーエリアを含めて、その数は約1万人に膨れ上がっていた。巨大モニターでのカウント・ダウンに続いて登場したメンバーも、ビッシリと人で埋め尽くされた観覧エリアを感慨深けに見渡し、怜(Vo)は「メッチャ嬉しいな。ホントに返しに来てくれたんだ。いっぱい育ててくれたんだな。ありがとう」とポツリ。以降、ヒット曲・代表曲を押さえたセットリストで、彼らの特徴であるスタイリッシュなミクスチャー・ナンバーを、力いっぱい鳴らしてゆく。

 

baroqueをシーンの寵児に押し上げ、後続のバンドに多大な影響を与えた独自のセンシティブかつエモーショナルなサウンドの復活と、7年のブランクを感じさせないアグレッシブなステージングには、オーディエンスも大興奮。拳を振り上げ、飛び跳ね、大合唱する1万人にメンバーも喜びを隠せない様子で、ステージ上で互いにじゃれ合い、怜は“やっと会えたね!”“ありがとう!”と繰り返す。中盤の「あなくろフィルム」では、7年前と同じくオーディエンスと共に鍋をおたまで叩いて、リズムを取る場面も。こんな奇想天外なアイディアでファンを楽しませるのもbaroque流だ。

 

アンコールを含めて全14曲を2時間にわたって届けた最後、怜からは“また、こうやって集まれたらいいね。それまでバイバイ”という約束が。具体的に、それがいつになるのかは明らかにされなかったが、今回のライブ開催の理由を問われて“せっかくメンバー元気なんだし、やれるときにやったらいいんじゃないか”(圭/『FOOL’S MATE』8月号)と答えていた彼らのこと。今後の動向から目を離せないことだけは、間違いなさそうだ。

 

(文・清水素子)