2010.12.23
清春@横浜Bay Hall

2010 FINAL

 

 

クリスマスイヴイヴの12月23日、恒例になりつつある清春の横浜Bay Hall公演。2010年はサッズとしての活動を精力的に行っていた清春にとって、久しぶりのソロライブとなった。18時30分過ぎ暗転。年内最後となる関東公演「2010 FINAL」のステージがついに幕を開けた。

 

清春はドレープの美しい全身白の衣装で登場。煙草をくわえギターを鳴らし「petty」の重厚なサウンドでスタート。初っ端からロックスターオーラをまざまざと見せ付けた。新曲を挟み、「ようこそ“club HELL”へ!」
「久しぶり。」と一言発し、「カーネーション」「cold rain」「輪廻」で会場をしっとりと包み込んだあとは、深く静かに訴えかける、独特の切なさをもつ清春ならではと言える楽曲「christmas」を披露。

 

「次のブロックは眠くなると思うので充分に寝てください。」という前置きは清春本人の言葉だが、無論そんな言葉は不要だった。「枸橘」でのマイクスタンドに絡めた腕、“羽根”を表現する動き、煙草を燻らす指…その繊細で妖艶な仕草、言葉一つ一つを噛み締めるように歌うその姿は、一瞬たりとも目が離せないものだった。

 

そして会場を和ませるMCから一転、アコースティックギターの軽快なサウンドが印象的な大人ロックチューン「五月雨」へ。会場の空気感が変化してくる。「JUBILEE」の頃には会場の熱が上昇。「Alien Masked Creature」で煽る清春に対し、オーディエンスはメロイックサインで応える。「COME HOME」で会場はさらにヒートアップし、熱気充満の状態で本編終了。

 

アンコール、清春はグレーのロングスカートに、スカーフを纏ったようなトップスで登場。静と動を感じさせる「光」、しっとりと歌い上げる「I Know」、重厚なロックナンバー「LAW’S」、ストレートなロックチューンの「狂った果実」と、全くテイストの違うラインナップで魅了した。

 

次いで、白シャツネクタイにダークグレーのコートジャケットという姿で登場。「いつでも会いに来てください」という清春の言葉で始まった「マークはバタフライ」から、オーディエンスとの合唱が印象的な「HAPPY」へ。隅々まで見渡し一人一人に歌いかける清春。2度目のアンコールは、笑顔に包まれた最高にHAPPYな空間だった。

 

3度目のアンコールではファンに黒夢のシングル「少年」のカップリング曲である「Merry X’mas I Love You」のプレゼント。最後のアンコールは、白のライブTシャツに黒のハット姿で登場。「久しぶりに何も付かない【清春】でした。笑って帰って。」と言い、恒例のアンコールナンバー「HORIZON」「EMILY」「あの詩を歌って」を歌い上げ、場内は優しく温かい気持ちに包まれたのだった。清春の「Peace!」という言葉に会場いっぱいのピースサインが溢れた。「幸せです。また会いましょう。愛してます。」と清春は想いを告げ、ステージは終幕を迎えた。

 

気が付けば時刻は23時。35曲4時間半にも及ぶロングライブだった。アンコール中のMCで清春が口にした、「いつでもホーム(ソロ活動)に帰れるように、あと2つ(サッズ、黒夢)は思いきりやろうと思う。」という言葉にも象徴される通り、ここにはいつも変わらない愛が在る。そう感じた長くて短い夜だった。

 

2011年は黒夢としての活動をスタートする清春。2月9日(水) 黒夢NEW SINGLE「ミザリー」リリース、2月26日(土) 国立代々木競技場第一体育館でのライブは注目だ。そしてもちろん今後も孤高のアーティスト【清春】の活動に期待したい。

 

◆セットリスト◆

01. petty
02. 新曲
03. club HELL
04. カーネーション
05. cold rain
06. 輪廻
07. Christmas
08. ever
09. たったひとり
10. 枸橘
11. innocent
12. 堕落
13. 五月雨
14. 妖艶
15. lyrical
16. 首輪
17. JUBILEE
18. バラ色の夢
19. Felling High
20. Alien Masked Creature
21. COME HOME

 

ENCORE-1
22. 光
23. I Know
24. LAW’S
25. 狂った果実

 

ENCORE-2
26. DARLENE
27. 星座の夜
28. マークはバタフライ
29. HAPPY

 

ENCORE-3
30. Merry X’mas I Love You
31. FAIDIA
32. confusion

 

ENCORE-4
33. HORIZON
34. EMILY
35. あの詩を歌って

 

(文:金多賀歩美)