「vistlip10周年✕Vif」第2弾 Vol.2 智✕海✕Tohya
2017年に10周年を迎えたvistlipのアニバーサリーツアー【10th Anniversary Tour Encounter the Phantoms】。仙台、福岡、名古屋、大阪、東京、金沢、札幌の7ヵ所で行われた、過去のライブの再現ツアー。後半は智、海、Tohyaにこのツアーを終えた今の思いを聞いた。10周年を迎えた2017年を終えて、彼らはどんな進化を遂げたのだろうか? そして2018年のvistlipの未来とは?
◆当時の公演を観た人も初めて観る人も共に満足できる内容に(Tohya)
10月21日(土)仙台RENSA 〜[Left side LAYOUT[idea]]〜
セットリスト
- To be awake is to be alive
- Period
- My second B-day
- Catastrophe
- REM SLEEP
- World is mine
- Laser
- Another one step
- By the rain
- Idea
- Jack
- ROACH
- Scapegoat
- Good girl gone bed.
- LAYOUT
EN
- GLOSTER IMAGE
- 瞳孔
- HEART ch.
- Reincarnation
- LION HEART
――初日は、2015年6月22日、EX THEATER ROPPONGIでのライブが再現されました。当時の思い出から聞かせていただけますか?
海:この時、その年の12月にやった国立代々木競技場第二体育館でのライブ(2015年12月18日、「Right Side LAYOUT[SENSE]」)を決めていたので、そのライブとの住み分けありきのツアーでした。EX THEATER ROPPONGIは、アルバム『LAYOUT』で始まって『LAYOUT』で完結するみたいなライブだったので、全曲に映像を入れるということをやったんです。今までやってなかったことをやってみて、成功もあったけれど、反省点も多かったんですよね。試行錯誤していた時期ではありました。そのライブをもう1回やるとなった時に、当然上手いことやらなきゃいけないなと思って。
智:まだ自分が固まっていなかった時期で、結構とげとげしい自分で挑んだ感じでしたね。
海:めちゃくちゃあがいていた時期だよね。
智:うん。
Tohya:このツアーでダイエットをしていて、スタッフに「すごく痩せたね」と言われていましたね。
―― 仙台で再現をしてみて、いかがでしたか?
智:今の自分でもう1回できたことで、『LAYOUT』という作品をしっかりと奥の方まで、伝えることができたんじゃないかなと思います。
海:一番今に近いライブだったので、今回の再現ツアーの中ではやりやすかったんですけど、もう一度やって、良い意味で塗り替えることが一番難しいだろうなと思っていて。でも、上手いことできて良いスタートになりました。
Tohya:再現ツアーの初日ということで、このツアーがどういうツアーになるのか、やらないとわからないところも多かったんですけど、一番今に近いライブだったから、演奏面や楽曲を再び掘り返すっていう意味ではやりやすかったですね。仙台では現地の人はもちろん、いろんな場所からお客さんがたくさん集まってくれました。これはこのツアーを全て終えてから感じたことなんですけど、ファンも「その時のことを思い返したい」とか、「今のvistlipがあの時のライブをやったらどうなるんだろう?」ということに興味を持ってくれて、集まってくれたんだなということを仙台で感じられたからこそ、その後の公演もこうしようああしようと考えることができましたね。
――Tohyaさんは、このツアーで仙台が印象に残っているそうですね。
Tohya:全部終えた今だからこそ思うんですけど、『LAYOUT』という作品をちゃんと表現しようとしたライブだったなと。例えば今回、『ORDER MADE』とか、『CHRONUS』の再現もあったんですけど、当時のセットリストを反省する場面がすごく多くて。ちゃんとアルバムをライブにしているという意味では、この仙台のライブが印象に残っています。今年リリースしたアルバム『Bitter Sweet』のツアーでは、『LAYOUT』でのライブの経験を活かせて、アルバムを表現していたと思いますね。ちゃんとアルバムをライブで表現したということを振り返れたからこそ、今後作品を出す上でもライブのことを考えながら作っていこうと思いました。
11月3日(金)福岡DRUM LOGOS 〜[Ⅶth anniversary tour “Progress Jack Pot” ]〜
セットリスト
- FIVE BARKIN ANIMALS
- XEPPET
- closed auction
- GLOSTER IMAGE
- CLASSIC OPERA
- Dr.Teddy
- TWISTER
- STRAWBERRY BUTTERFLY
- 零
- NEXT
- EDY
- Dead Cherry
- 深海魚の夢は所詮、
- HEART ch.
- LION HEART
- 彩
EN
- Evil Rider(アコースティックVer)
- Tohya solo
- 夜
- THEATER OF ENVY
- Recipe
- ‒OZONE-
――福岡DRUM LOGOSでは、2014年12月21日、TOKYO DOME CITY HALLでのライブが再現されました。この当時を振り返って思い出すことは?
海:このツアーの時が7周年で。vistlipは7が色々とキーになっているところがあるので、もうお祭りみたいなライブだったんですよ。何より楽しもうということが主になっていました。このツアーの初日が福岡で当日まですごくバタバタしていたので、すごく強く残っています。
智:7周年までに夢を叶えられなかったっていうことがあったので、正直悔しい思いもいっぱいありました。vistlipを結成した頃には、7周年で日本武道館という気持ちもありました。今はすごく前向きですけど、その当時はすごく複雑な心境だったと思いますね。
Tohya:母親の誕生日が近くて、ライブを観に来ていたんですよ。このツアーで、海とYuhが弾き語りをやっていて。俺も何かやりたいと言って、各地で弾き語りみたいなことをやってきたんですけど、最終日には母親の誕生日を祝う「ふさ子の歌」の弾き語りをしました。
――福岡で再現をしてみていかがでしたか?
Tohya:ステージのセットも可能な限り再現されていたし、セットリストもファン投票で選ばれた人気曲で構成されていたので、当時の公演を観た人も初めて観る人も共に満足できるような内容になったんじゃないかなと思います。
海:今回の再現しているライブの中でも内容的にシリアスなコンセプトがなかったので、難しいことを考えないで楽しめました。実際今回のツアーの中では、唯一頭で考えることをせずにやったライブかなと思っています。ファンにも純粋に楽しんでもらえたんじゃないかな。当時やっていた弾き語りもやったんですけど、Yuhが予定していなかった曲を何曲か弾いてくるという高度な無茶振りをしてきて…見事にやられましたね(笑)。
智:福岡辺りから、「今回のツアーはたくさんお客さんが来てくれているよ」ということを耳にし出したんです。前回のアルバムツアーから、みんなで一丸になってがんばろうとまた新たに歩き始めたところだったので、お客さんがたくさん来てくれているという現実も嬉しかったですね。とにかく7周年の時は僕がネガティブになっていたので、今回改めて楽しんだという気持ちはありました。あの時とは真逆の気持ちでこのライブができたっていうのは、すごく嬉しかったですね。
◆「夜」をやれて、本当に良かった(海)
11月16日(木)名古屋DIAMOND HALL 〜[FBA]〜
セットリスト
- Devil’s whisper
- 瞳孔
- Inbreed
- EVE
- GROSTER IMAGE
- 深海魚の夢は所詮、
- HEART ch.
- 思い出CG
- 影鬼
- CLASSIC OPERA
- XEPPET
- Specter of kingdom
- Pinocchio
- Reincanation
EN
- android’s dream
- FBA
- Dead Cherry
- 偽善MASTER
- LION HEART
W EN
- 夜
――名古屋DIAMOND HALLでは、2013年2月1日、東京国際フォーラム ホールAでのライブが再現されました。当時を振り返って思い出すことは?
Tohya:このツアーのセットリストの1曲目は「Devil’s Whisper」でした。シリアスな曲でツアーが始まるぞ、ファイナルはフォーラムだ!ということで、メンバーも身構えていたところがありました。そのツアーの初日となった名古屋DIAMOND HALL。「Devil’s Whisper」のバンドインで、ドーンとドラムが入るんですけど、その一発のドーンでペダルがぶっ壊れて、次の曲にいけなくなってしまって(苦笑)。普段だったら絶対壊れないものが壊れちゃったから、もうどうしようもなくて1曲目で止めちゃって。良くも悪くも、ものすごく張り詰めていた空気も壊れて、緊張感は解けましたね。
海:実際すごく雰囲気が硬くなっていたところもありました。ミニアルバム『GROSTER』は攻撃的なところがすごく強い曲が多かったので、やっているこっち側も観に来てくれる子たちも、いろんな意味で緊張感があったんですよ。それを1曲目のトラブルでいつもの空気に変えたと思います。
――名古屋の再現でもトラブルがあったそうですね。
Tohya:「Devil’s Whisper」で、今度は智がトラブったんですよ(笑)。それまで絶対間違えてなかったのに、歌が入る場所を間違えちゃって。この名古屋のライブの前に、ファンの子からも「ペダル壊さないでくださいね」とか「トラブルも再現するんですか?」とか言われていて(笑)。それも名古屋で再現したから、「Devil’s Whisper」は呪われているなという話になりました(笑)。その時にYuhが「どうする?」と言い出して、じゃあバンドインで合わせようとなった時に、「俺バンドしてるな!」と思いました(笑)。そこに瑠伊も合わせようとしたんだけど、瑠伊は智につられてしまって(笑)。
智:ある意味バンドしてた(笑)。
Tohya:その後、そういえば海そっちのけだったということになって(笑)。
海:どっちに行くのかわからなくて(笑)。「どうしようかな?」って思っていました。
Tohya:サビで戻ったんですけど、その後「瞳孔」をやって、「Inbreed」では俺がカウントを入れ忘れてギターが入れなくて、そこは智で持ち直したんです。1曲目は智で遅れましたけど、3曲目は智で戻ってきたので、改めてバンドしてるなって思いました(笑)。
――智さんの当時の思い出は?
智:過去を振り返ると大体ネガティブなんですけど。
海:この時一番だよね?
Tohya:怒ってたもんね。
智:そもそも『GROSTER』が怒りの反動で出したようなミニアルバムだったので。フォーラムという初めてのすごく大きな会場でできることは誇りだったんですけど、そこから先が急に見えなくなったという現実もありました。ファンとの意思疎通もできていなかったので、最後の曲の「夜」も、当時の印象は「すごく悲痛でした」というファンの声もありました。
――再現ツアーの名古屋で歌った「夜」はいかがでしたか?
智:最高でした。本当にもうこんな「夜」が歌えるんだなっていう印象がすごく大きかったです。
海:僕の中では、名古屋のライブが再現ツアーの中での肝だったんですよ。
Tohya:福岡のライブ終わりに海と二人でラーメンを食べに行く時、歩きながら海が名古屋についてすごく語ってました。
海:当時、ツアーをやっている時から反省点があるライブだったんです。智が歌っている感情もそうだし、自分たちが出すものや、観に来てくれている子たちとのすれ違いもあった時期でもあったし。噛み合わせが上手くいかなかったライブだったと、個人的に思っていて。それをもう一回やるとなった時に、名古屋でのライブが良いものにならないんだったら、このツアーは下手すると失敗じゃないかと思うくらいでした。最後の「夜」に関しては智次第ですし。どれだけ僕らが空気を作ろうが、最終的に、智の歌声がダイレクトに伝わる曲だと思うので。今の智だったら大丈夫だろうと思ってはいたんですが。実際にやってみたら別の曲になっていましたね。「夜」をやれて、本当に良かったです。
Tohya:叩きながら泣きそうになりましたね。
◆記憶に残る曲をちゃんと作れていた(Tohya)
11月24日(金)大阪BIG CAT 〜[Sequence of chronograph]〜
セットリスト
- TELESCOPE CYLINDER
- WEB
- RESET CIRCLE
- Dead Cherry
- CHIMERA
- aqua marine
- Dr. TEDDY
- Pray Shadow
- 深海魚の夢は所詮、
- HEART ch.
- GLOSTER IMAGE
- B
- Making of day 1.
- LIFE
- Hameln
- Recipe
- Arrythmia
EN
- 瞳孔
- 偽善MASTER
- 彩
- LION HEART
――大阪BIG CATでは、2013年7月31日、渋谷公会堂でのライブが再現されました。この頃の思い出は?
Tohya:当時のアーティスト写真を見たら、すごくぶりっ子をしていて甘い感じになっていたので、「当時の俺どうしたんだろう?」と思いました(笑)。
海:渋公でやるのが個人的な一つの目標だったので、それが達成できた。渋谷公会堂は、ステージの使い勝手が良いので、セットのデザインも全部やって、初めてこうしたいと思う空間的なものをやらせてもらえたライブでした。
智:この時が、この10年で一番しんどかった時期ですね。
――大阪で再現してみていかがでしたか?
智:その当時もこのライブや、『CHRONUS』を作り終えた時に、すごく気持ちが前を向いていた時期ではあったんです。今回改めて思ったのはvistlip✕世界観というのはすごくいいなって思って。いろいろやっぱり今後のことを考えさせられたなと思いましたね。これからどういうバンドになっていこうと考える中で、このツアーの中に『CHRONUS』の再現のライブが飛び込んできたのはすごく良い要素でした。
Tohya:このツアーで『CHRONUS』を聴き直して、自分たちは良い曲を作っているんだなと振り返ることができました。アルバムとしてすごく良い。ファンから「『First DIMENSION[Instrumental]』をライブで聴いた時に、音を聴いただけで当時の思い出がすごく蘇るんです。SEってすごいですね」と言われて。音だけで表現する曲で、思い出が蘇ってくると言われた時に、自分は記憶に残る曲をちゃんと作れていたんだなと思って、すごく嬉しかったです。あと、大阪の日に「衣装がパツパツじゃね?」となって(笑)。思っている以上に太っていたことに気づいて、大阪公演の後からダイエットが始まりました。
――海さんは、このツアーで大阪が印象に残っているそうですね。
海:今回一番変えたライブなんですよ。セットリストも変わっているし、当時なかった映像を付けたりもして。当時、試行錯誤しながらアルバムの世界観を出して、曲の持っているものをできるだけ映像や照明も含めて打ち出そうとしていたけど、まだわからなかったことや、できなかったことがあった。でも、大阪では全部ちゃんとできたんじゃないかなと思って。楽曲の映像は全部一番新しいものに変えて、完全に作り直したグラフィックを使ったりもしました。
◆自分にとってはすごく大事な曲です(智)
12月1日(金)豊洲PIT 〜[the end of ORDER MADE]〜
セットリスト
- B
- RETRO
- XEPPET
- the surface(Re:birth)
- the wonderland from LAB.
- closed action
- flash back blanky
- Mr. Grim
- Drama Queen
- SINDRA
- PERFECT CRIME
- Recipe
- Dead Cherry
- 偽善MASTER
- Hameln
- トロイ
- EVE
- Night Parade
- Little Fabre
- FIVE BARKIN ANIMALS
- LION HEART
- ORDER MADE
- -OZONE-
EN
- Underworld
――豊洲PITでは、2012年7月7日、TOKYO DOME CITY HALLでのライブが再現されました。今振り返って思い出すことは?
Tohya:当時は『ORDER MADE』のツアーだったんですよね。全曲をアレンジして、各会場のBGMとして流すことをやっていて、今回開場した時にそれも再現しました。みんなセットリストがむちゃくちゃだと言っていたんですけどね(笑)。当時、自分たちはツアーが上手くいっていないと思っていて、ライブが盛り上がらないからと、『ORDER MADE』の大事な曲を全部外してしまったんです。二部制にした発想は良かったんですけど、もうちょっと突き詰めれば良かったですね。それからこのツアーで、PUC(「パンダうさぎコアラ」。Tohyaのソロコーナーのテーマ曲)が生まれたんです。
海:色々やっていた時期で、二部制のセットリストもそうだし、ライブでは毎回必ずドッキリを仕掛けられていましたね。「LION HEART」が延々終わらないとか。でも、そういうのが結果として、今のライブに活きるアイディアに繋がったから、色々やってみるもんだなと思いますね。
智:自分たちがバンドとして一番成長する時期で、当時すごく大事なツアーでした。だからこそ、セットリストをいじくり回しちゃったり、一本一本のライブの大切さが、間違った作用を生んでしまったんだろうなと思います。過去の自分には、「そういうステップアップの時期だったからこそ、『ORDER MADE』という世界をしっかり当時見せてあげて欲しかったな」って言いたいですね。
――豊洲で再現をしてみていかがでしたか?
Tohya:『ORDER MADE』のやりたい曲があったのにセットリストがもったいなかったなと。「android’s dream」や「Evil Rider」を豊洲PITでやったら、すごく良かっただろうし、気持ちよかっただろうなと思います。
海:豊洲はこのツアーで唯一反省だらけだったライブでした。このツアーの中で一番ややこしいライブだったと思うんですよ。構成的にもそうだし、やっていることもそうだし。再現をすることの意味を、観に来てくれた人たち全員にちゃんと伝えられたのかというのが疑問に残っていて。メンバーのキャラクター性もわかった上で観たらわかるだろうけど、あの日初めてvistlipのライブに来てくれた人にはわからなかったこともあったんじゃないかと。そういうことを冷静に見直す機会でもあったと思います。
智:昔の自分に怒りながら、どうしてこんなセットリストにしたのかと。もう本当に『ORDER MADE』を観せてあげたくて仕方なくて。『ORDER MADE』だけもう一回やりたいぐらいの気持ちでした。その一方で、「Underworld」ができるという最大の日でもありました。
――7月7日のライブの再現となった豊洲と金沢では、七夕のライブでしか演奏されない「July Ⅶth」に代わって、「Underworld」が演奏されました。「Underworld」を歌おうと思ったいきさつは?
智:『Bitter Sweet』というアルバムを作り上げる時期に、バンド自体が急速に変わっていったんです。僕自身が一番変わったかなとは思います。どこか、現状という殻の中に篭もってしまったというか、今後のこととか、未来のこと、スタッフを動かせるだけの気持ちが足りてないのかなと思いだしたんです。僕らがどういうバンドかということをまず理解して、どういう音楽をやりたいかというところまで辿り着いて。どんなスタイルでいくかとか、色々細かいところまで考えた結果、やっぱりみんなで笑っていたいよねという結論に至りました。その結論と同時に、急速に動き出して、vistlipはどこまで行きたいのか、俺たちの夢は何だということになって。それはもちろん当時夢に描いていた、1万人以上の規模で演奏することだっていうことになるじゃないですか。だから、Zepp Tokyoで毎年ライブがやれているというのはすごいことなんだけど、それが隠れ家というか居場所みたいになっちゃっている。それって、前に進むにはぬるま湯に浸かった状態だなと。そういう気持ちを描いたのが「Underworld」という楽曲です。俺たちの夢というものがあって、俺たちはZepp Tokyoからまた大きな場所を目指して、夢を追って。いつのまにか見なくなったその上というものを、星や空に例えている曲なんです。それを見るためにまたがんばっていくから見ていてねという気持ちを歌詞に込めた、自分にとってはすごく大事な曲です。
――その想いが込められた「Underworld」を10周年の再現ツアーで歌えたというは、大きな意味がありますね。
智:大きいですね。「Underworld」がどうして「July Ⅶth」と並ぶのかということに対して、みんなが「?」だったとは思うんですけど、豊洲と金沢のライブでは今語ったような思いをしっかり伝えられたし、ファンがすごく理解してくれました。
海:これまでは、智がMCで伝えようとして、言葉を付け加えていって、それが逆効果になってわかりづらくなって、伝わりきらなかったりすることもあったと思うんですけど、今回のライブではしっかり伝わったと思います。何があろうが、豊洲では「Underworld」があったから良かったというのはありますね。
◆ヴォーカルとしての役割というものが果たせた(智)
12月3日(日)金沢EIGHT HALL 〜[revelation space]〜
セットリスト
- -OZONE-
- NEXT
- Dead Cherry
- FIVE BARKIN ANIMALS
- EVE
- B.P.M. Derection
- Mr. Grim
- 墜落
- chapter.ask
- SINDRA
- 想い出CG
- LION HEART
- Hameln
EN
- 彩(Zepp Ver)
- 零
- NIGHT PARADE
- 偽善MASTER
- Underworld
――金沢では、2011年7月7日、Zepp Tokyo でのライブが再現されました。当時の思い出は?
Tohya:心ここにあらずの状態だったので、Zeppに立っていたのも不思議なぐらいの気持ちでした。
海:その当時は一番がむしゃらになっていた感覚が残っています。
智:vistlip史上一番大切だったライブ。何があっても多分それは揺るがない。僕らに今があるのは、本当この瞬間のおかげだったし、最もファンに支えられた時期だったと思います。
――金沢で再現をしてみていかがでしたか?
Tohya:金沢こそ再現というよりは、新しいライブという気持ちでやっていました。ファンがたくさん集まってくれて、気持ちよくできました。当時は心ここにあらずだったから、ちゃんとこのセットリストでしっかりできて。「墜落」や「chapter:ask」も、当時どんな気持ちで叩いていたかはわからないですけど、今はちゃんと、一発一発に思いを込めて叩ける。ファンの反応もすごく良くて、このライブを再現できて良かったと思います。
海:金沢でやった意味もしっかりと表せただろうし、金沢の会場では映像とかは使えなったけど、ステージを通して、曲やこのライブが持っているものを表現できたんじゃないかなという手応えがありました。
――智さんは、このツアーで金沢が印象に残っているそうですね。
智:この日はその当時を知らなかった人たちにも、すごく気持ちが伝わったなと感じられるライブでした。「Underworld」も歌えたし、ヴォーカルとしての役割というものが果たせたなと思います。
12月13日(水)札幌PENNY LANE 〜[GATHER To the THEATER]〜
セットリスト
- THEATER OF ENVY
- FIVE BARKIN ANIMALS
- Dead Cherry
- Mr. Grim
- Sara
- CLASSIC OPERA
- TWISTER
- 偽善MASTER
- STRAWBERRY BUTTERFLY
- 浮世グラフィティ
- LION HEART
- -OZONE-
EN
- 星屑、ボクと君へ。
- EGOIST
- EVE
- サワー
- EDY
- 音のカケラ
――さて、ツアーのファイナルとなった札幌PENNY LANEでは、2010年3月19日、赤坂BLITZでのライブが再現されました。今回のツアーで、最も過去にあたるライブですが、どんな思い出がありますか?
Tohya:とにかく若かったなという思いがあって。昔は、すごくカッコつけようとしていたんでしょうね。自分が確立できていない状態だったと思います。
海:vistlipの初めてのツアーでした。当時は、ワンマンツアーのやり方っていうものがまだわかっていなかった状態だったなと思います。どうするべきものなのかわからないまま、あがきながらやっていたけど、映像や当時の資料を見ると未熟でしたね。
智:赤坂BLITZのライブは、カラオケの映像にもなっていたりするので、印象的だな思います。この映像でvistlipを知った人も多いはず。当時はただがむしゃらにやっていたというイメージですね。
――札幌での再現はいかがでしたか?
Tohya:再現ツアーのファイナルという気持ちでやっていたので、名残惜しいなと思って。『THEATER』の時のライブを再現しようというよりも、楽しくやろうという気持ちが強かったです。曲数が少なすぎたので、もうちょっとやりたかったなという思いもありましたけど、純粋にライブを楽しめました。あと、当時の衣装は入りませんでした(笑)。
海:ファイナルということで、当時エンドロールを流していた部分で、演出として新しく作った今回のツアーの全スタッフのエンドロールを流しました。再現をしてみて、当時はアルバムを何とか表現しようと試行錯誤をしたんだなという感じがわかりやすかったです。「こうやったら盛り上がると思ってこうしたんだろうな」という昔の自分たちの意図を感じました。
智:「音のカケラ」をファンが歌えるようになっていたのが、すごく嬉しかったですね。これまでみんな声を出さなかったんですけど、札幌ではしっかりとファンの歌声が聴こえてきました。
海:智が先導して歌ったり、ファンに歌わせようとマイクを外したりしていました。その智の気持ちに応えようと、ファンがしっかりと歌っているところを見て、ツアーの最後がこの曲ですごく良かったなと思いました。
◆2018年も怒涛になると思います(海)
――最後に、10周年を迎えた2017年はどんな年でしたか?
Tohya:この再現ツアーがあって、自分たちの成長やこれからどうあるべきかということが振り返れた1年でした。来年も対バンツアーやワンマンツアーもあるので、今年感じたことを活かすことでさらに進化できるものが見えると思います。
海:怒涛でした。すごく色々詰め込んだし、環境やスタッフが変わるという周囲の変化もありました。足並みを揃えようとして、2018年のための準備にあてた時間もあります。来年は告知できているもの以外のその先のことも考えているので、2018年も怒涛になると思います。
智:バンドが一番良い状態だと思っています。作品もきっと良いものが作れる。あとは自分たちの活動プランを、いかに最高の形で実現させていくかというところになってきているんですよね。今の自分たちならそれができる、そんな期待をしています。
(文・武村貴世子 / 写真・コザイリサ / 編集・後藤るつ子)
vistlip
<プロフィール>
智(Vo)、Yuh(G)、海(G)、瑠伊(B)、Tohya(Dr)の5人からなるロックバンド。2008年4月、ミニアルバム『Revolver』でデビュー。2014年4月にリリースしたシングル『Period』では初のオリコンチャート9位を獲得。2015年12月18日には国立代々木競技場第二体育館でワンマンライブ「Right side LAYOUT[SENSE]」を成功させた。2016年3月にミニアルバム『SENSE』を、11月にシングル『Snowman』をリリース。2017年7月7日にZepp Tokyoにてvistlip 10th Anniversary LIVE『Guns of Liberty』、10月にはvistlip 10th Anniversary Tour「Encounter the Phantoms」を行った。
■オフィシャルサイト
http://www.vistlip.com
【リリース情報】
『vistlip 10th Anniversary LIVE DVD [Guns of Liberty] 2017.07.07 @Zepp Tokyo』
2018年1月31日(水)発売
(発売元:マーベラス、販売元:ソニー・ミュージックマーケティング)
【収録予定】
01.SINDRA
02.My second B-Day
03.I am…
04.-OZON-
05.墜落
06.ORDER MADE
07.THEATER DF ENVY
08.Dead Cherry
09.FIVE BARKIN ANIMALS
10.WIMP
11.EDY
12.MONOGRAM
13.Sara
14.alo[n]e
15.drop note
16.Idea
17.STRAWBERRY BUTTERFLY
18.B
19.HEART ch
20.SIREN
21.LION HEART
EN
01.星一つ灯らないこんな夜に。
02.GLOSTER IMAGE
03.Hameln
04.July Ⅶth
※内容は、制作の都合上変更する場合もございます。
10周年記念限定BOX【完全生産限定盤】
Disc1: LIVE DVD
Disc2: Off Stage映像DVD
【Special Goods】
・豪華限定仕様10th Anniversary Special Box
・10th Anniversary Logo ジャガードバスタオル
・10th Anniversary Logo ドッグタグ(表:10周年ロゴ打ち出し/裏:シリアルNo.)
・10th Anniversary One Man LIVE Special Support Pass
・10th Anniversary Live Photo クリアフォルダー(メンバーコメント封入)
【リリース情報】
『Timer』
2017年12月6日発売
(発売元:マーベラス/販売元:ソニー・ミュージックマーケティング)
【収録曲】
LIMITED EDITION
[CD]
01. Timer
[DVD]
ROUGH the vistlip (花やしき大好きvistlip)
vister
[CD]
01. Timer
[DVD]
Music Clip『Timer』&Making Movie
lipper
[CD]
01. Timer
02. LEVEL 1
※初回生産仕様:メンバートレーディングカード(全10種類) 3タイプのパッケージを同時発売!
【ライブ情報】
●SUPER Good vibes CIRCUIT Ⅱ
2018年
4月12日 高田馬場AREA
4月13日 高田馬場AREA
4月16日 札幌club cubegarden
4月18日 青森QUARTER
4月19日 仙台darwin
4月23日 郡山CLUB #9
4月24日 高崎club FLEEZE
4月30日 神奈川NEW SIDE BEACH
5月13日 京都FANJ
5月14日 大阪MUSE
5月16日 神戸VARIT
5月18日 名古屋SPADE BOX
5月21日 浜松窓枠
5月23日 新潟JUNK BOX BLACK
5月24日 金沢AZ
5月28日 広島SECOUND CRATCH
5月29日 岡山IMAGE
5月31日 松山サロンキティ
6月2日 鹿児島SR HALL
6月3日 熊本DRUMBe-9
6月4日 福岡DRUMBe-1