The Benjamin

02.ベンガルタイガー(作詞・作曲:Minemura Akinori)

この曲のタイトルがとても気になっていたのですが、もしや寅年だからとか…?

Miney:そうです(笑)! 過去曲で、動物曲を集めたら、十二支がそろそろ揃いそうだったんですよ。去年は丑年でMashoeが「ビーフシチュー」という曲を作って、今年は寅年だから俺が記念に寅年の曲を作ろうと。

虎なのに、ちゃんとBで始まるタイトルなのが素晴らしいですね。

Miney:ベンガルに辿り着くまでは大変でしたけどね(笑)。

この曲もライブが浮かぶ曲でした。ライブの反応も想定通りでしたか?

Miney:大体想定通りでしたね。でもそうなったのはやっぱりオーディエンスのおかげで、彼女たちは本当にすごいなと思います。俺たちの夢を形にしてくれるのは彼女たちなんだなとつくづく思いました。

Mashoe:「Bark in the Garden」よりこっちの曲のほうがファンの皆さんはライブで声とか出したいだろうなとも思いましたね。

Aメロは不思議な浮遊感があって、入りが少し早いせいか歌うのが難しそうな印象なのですが。

Miney:不思議に聴こえるのはハモがたくさん散りばめてあって、三声ハモとかにしているからかもしれませんね。譜割りとしてはずっと16分の音がタタタタタタって続くだけなんですよ。

Tacky:でも確かにちょっと先に声だけ入るから、難しそうに聴こえるかもしれませんね。

Miney:エンジニアさんに「音、三つくらいしか使ってねーな!」って言われたけどね。

Tacky:音符で見ると実はっていう(笑)。

TackyさんとMashoeさんはこの曲を最初に聴いたときの印象は?

Tacky:ライブがすぐに想像できましたよね。「Bark in the Garden」が1曲目に入るっていうのがわかった上で聴いたので、こっちも攻めていくんだなという意思を感じました。

Mashoe:最初にデモをもらって再生する瞬間ってドキドキするんですよね。イントロはどんなのがくるのかなとか、ハイハットから始まるのかなとか。そうしたら「ヒットから来た!」と思って(笑)。

全員:(笑)

Mashoe:この音、久しぶりに聴いた!と思いながら聴き進めましたね。でも1番は、サビの最後の〈思うように進まないのがじれったい(・・)()…〉っていうところです。タイガーに絡めて憎いの入れてくるなと。

Miney:言葉遊びですね。

Mashoe:1曲目をガチガチで作っているので、違う方向の遊びが入ったなと。こういうことがあるからデモを聴く瞬間って、すごく楽しいんですよ。あと、ベースは弾いたものが入っていることが多いんですけど、また難しいのだったらどうしようかとドキドキしました。今回「これは俺わからんぞ!?」という箇所があって3回くらい聴きました。

わからんのはどこでした?

Mashoe:Aメロのベースのフレーズですね。自分だったらこういうのは作らないなと思うんですよ。とは言え、ベースはこういう感じでという意味で入れてくれているので、そこからそれを自分だったらどう弾くかなと考えるんですけど。

自分だったら作らないフレーズが入っているのは面白いですね。

Mashoe:そうですね。最低ラインを作ってもらっている感じなんです。これよりダサかったらダメだよっていう基準として。

Miney:ベースって作っているとき楽しいんですよね。

Mashoe:ギターと違って1本で良いし、コードを分解していくと面白いですからね。特に、コードを知っている人がベースフレーズを作るとすごく面白いんですよ。ベーシストってそこを弾かないな、というところにどんどん行くので。

Miney:ミーハー的に作れるからいいんですよね。こういうベースカッコいいなという憧れというか。本物はMashoeに任せればいいですからね。Mashoeにしてみれば、曲を重ねるごとに俺のミーハー度が増していって、どんどんいろんなことをやり始めてる!と思うのかもしれないけど。

Mashoe:Mineyは最初ベースを打ち込みで作っていたんですよ。それが、ちょっと弾いてみたとなり、スラップも入れ始めて(笑)。だからこの辺のポジションで弾いてほしいのかなとか、ベーシスト以外の人が聴いたときにこういうのをカッコいいと思うのかなとか、新たに知れる部分があります。僕は元々ベースが好きで始めたわけではないので、憧れているベーシストもいない状態だったんです。だからこの人みたいに弾きたいというのがなくて。

まっさらな状態でベース人生が始まったわけですね。

Mashoe:こういう人は結構多いんじゃないかな。バンドをやろうと思ったときに大体ヴォーカルとギターを先に取られちゃって、「お前ベースやれよ」みたいな。ドラムは「お前家広いからドラムな」って決められる(笑)。

Tacky:あるある(笑)。

Mashoe:なので今すごく面白いです。

バンド内で刺激を受けられるというのは理想的ですね。Tackyさんのギターも、ある程度Mineyさんが作った状態で渡されるんですか?

Tacky:そうですね。ある程度は作られています。

Miney:でもソロだけはTackyのセンスに任せているんです。俺、ソロのセンスないんですよ。なので、小学生みたいなギターソロを弾いて渡しています(笑)。今回の「ベンガルタイガー」のギターソロはTackyのセンスが光っていて、さすがやなと思いました。

みんなで褒め合っていてあったかいです(笑)。

Tacky:いいでしょ~(笑)? 僕は、ちょうど曲の雰囲気がマイブームと重なったんですよ。今、ワウペダルが自分の中で流行っているんですけど、ワウペダルでギターに悲鳴みたいな音を出させるプレイの仕方があって、それがすごく好きなんです。ちょうどベンガルタイガーが吠えているのと重なって、いいタイミングで良い曲が来たなという感じでした。

絶対楽しいと思ってもらえるはず(Mashoe)

The Benjamin「Bark in the Garden」Mashoe
ツブク“Mashoe”マサトシ (Vo、B)

ところで、今回の新衣装はヘアメイクにかかる時間が過去最長だそうですね。

Tacky:僕らにしてみればかかったほうですね。

Mashoe:僕は1時間半くらいかかりました。エクステを付けたりしていたので。

Miney、Tacky:すげぇ!

Miney:俺はいつもよりちょっとかかって30分くらいかな。でもその後、雪が降っている中で遊んでいたら髪がぺったんこになっちゃって、ヘアメイクさんにめちゃくちゃ怒られました。俺、長野県民なんですけど、長野では雪が降っても傘は差さないんですよ。雪はそんなに濡れないという認識なので。だからそんなに濡れていないと思っていたんです。

Tacky:いや、ベッチャベチャでしたよ! 帰って来たのを見て「あー!」って思いましたもん。

Mashoe:大雪でしたからね。

Miney:なのに平気な顔で帰ってきたっていう。でも、久々にこういう煌びやかな衣装とメイクにしてみて、やっぱり似合うなと思いました。ただ、自分たちにも流行りがありますからね。音楽も衣装も短い周期で飽きちゃうんですよ。でもそれが、バンドが長く続いてきた秘訣でもあるんです。

Tacky:常に新しいものを求め続けてきたから続いてきたというのはあると思います。

Miney:世の中には良い音楽がたくさんあるので、ああいう音楽をやってみたい、こういう音楽をやってみたいという気持ちがどんどん生まれるんですよ。でも、バンドはそれ自体がストーリーなので、ファンの子たちは作品だけでなく、ストーリー自体を追いかけてくれることが楽しいんじゃないかと思います。だから俺たちもその中で嘘は吐かないようにしようと。とは言え、サービスとのバランスはとらないといけないですけどね。

新しいThe Benjaminが感じられるCD音源と共にBadeggBox presents「BATTLE FEVER TOUR 2022」、そして5月には7周年ワンマンライブが原宿RENONで開催されますが、The Benjaminのライブの魅力は何だと思いますか?

Miney:今までだったらハッピーで楽しいです!って言葉で片付ければよかったんですけど、これから新しい俺たちが生まれようとしているので、どう化けていくか自分たちでもわからないんです。だから明確なことは言えない。でも、もしかすると化け物みたいなバンドが登場するかもしれないから、その期待だけをもって足を運んでもらっても損はないかなと思います。この2曲をライブでやって、ファンの子たちもたぎって化けてくれているので、ライブは非日常感を肌で感じて、日常の嫌なことを発散する場所なんだと改めて感じてもらえると思います。なのでライブに足を運んできてもらえれば、すっきりした気持ちで帰れると思いますよ。魂を削りに来てほしいです。

ツアーでは全国各地を回りますね。

Miney:地方でも皆に居場所を作ってあげないといけないと思うんですよ。そうしないと愛すべきバンドやライブをする場所がなくなってしまうんです。それって悲しいじゃないですか。でも今、地方を倦厭するバンドさんが多い。いろんな理由があるのはわかるけど、俺たちはやれることならやらなきゃいけないと思うので、できるだけ地方に行くんです。今年1年はできるだけいろんなところに行きたいなと思っているんですよ。

ワンマンライブのビギナーズチケットが500円というところにも、そんな気持ちが表れている気がします。

Miney:初めての人に足を運んでもらいたいなという気持ちと、ライブハウスにもっと人が戻ってきてほしいなという気持ちからですね。たくさんの人たちの前で演奏するというのは夢なので、そのきっかけになるなら安くしてもいいでしょと。とりあえずここが初めてでいいんです。とにかくThe Benjaminに触れてもらえたらと思いますね。

Tacky:ライブでは、僕らとお客さんの間で、良い意味でのせめぎ合いがあって、それだけでも見る価値があると思います。そしてそれに参加してくれたら最高です。見に来てもらえたら後悔はないかなと思います。

Miney:Tackyはルックスが良いのでそれを見るだけでも得した気分になれますよ!

Mashoe:全員が歌うバンドって面白いし、ヴィジュアル系では珍しいと思うので、このシングルでまた違ったライブ感を感じてもらえると思います。気軽に来てもらえれば絶対楽しいと思ってもらえるはず。お待ちしております!

(文・後藤るつ子)

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The Benjamin

ミネムラ”Miney”アキノリ(Vo、G)、ウスイ”Tacky”タクマ(Vo、G)、ツブク“Mashoe”マサトシ(Vo、B)

オフィシャルサイト

リリース情報

New Single『Bark in the Garden』
2022年3月1日(火)発売
(BadeggBox)

The Benjamin「Bark in the Garden」

(CD)BDBX-0082 ¥1,500(税込)

収録曲

[CD]

  1. Bark in the Garden
  2. ベンガルタイガー

ライブ情報

●BadeggBox presents「BATTLE FEVER TOUR 2022」
4月7日(木)福岡INSA
4月9日(土)大阪Varon
4月10日(日)HOLIDAY NEXT NAGOYA
4月22日(金)宇都宮HELLO DOLLY
4月23日(土)仙台spaceZero
5月1日(日)渋谷 Spotify O-WEST

●The Benjamin 7th ANNIVERSARY ONEMAN SHOW 「Bark in the New Garden」
5月7日(土)原宿RENON