5人が作り上げた極上のロックンロール! 新生THE SLUT BANKSの最新アルバム『NOIZ THE RIPPER』に酔いしれろ!
今年結成22年目を迎えるTHE SLUT BANKSが、最新アルバム『NOIZ THE RIPPER』を完成させた。今回の作品には、これまでにも数々の名曲名盤を生み出してきたヴォーカルのTUSK(板谷祐/ex.ZI:KILL、CRAZE)、ギターの参代目ACE DRIVER(坂下丈朋/ex. sads)、ベースのDUCK-LEE(戸城憲夫/ex.ZIGGY)に加え、HAYATO(Moi dix Mois)とTAKAURA TOMMY(たかうらみつたか/ex.TEDDY)という二人のドラマーが参加。新たな顔ぶれの5人による最強のアルバムが完成した。パワフルなサウンドと耳に残るメロディ、そしてキラリと光る歌詞…高い完成度を誇る極上のロックンロールを骨の髄まで堪能していただきたい。
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――Vif初登場ということで、隣のメンバー紹介をお願いします。
ACE DRIVER:ドラマーのHAYATO君は見ての通り髪が赤くて、ドラムの職人です。まぁ、うちは二人とも匠なんですけどね。HAYATO君とは1年くらい前のD’ERLANGERのイベントで知り合って、その時から大変お世話になっているんです。
HAYATO:いやいや、こちらこそお世話になりっぱなしで。
ACE DRIVER:いやいや、ありがたいことですよ。
――今回のアルバムタイトルやジャケットの印象とは真逆の、優しさ溢れる紹介ですね。
TUSK:あはは! そうだよね。アルバムはRIPPERな感じだもんね(笑)。
HATATO:切り裂かれると思ったのに(笑)。
ACE DRIVER:今年はHAYATO君と一緒にツアーに行って、たくさんライブをやるので、期待していただければと思います。
HAYATO:多分そのツアーで切り裂かれるんだと思うんですけどね(笑)。では自分はTUSKさんを紹介します。TUSKさんとはセッションでお会いしたのが最初だったかな。元々大好きなヴォーカリストで、THE SLUT BANKSの前からよく聴いていたので、実際に一緒に音を出せることになったのがすごく嬉しいんです。TUSKさんの声がモニターから聴こえてくると、胸のあたりにボッと火が点く感じがするんですよ。TUSKさんの後ろに見合うようなドラマーになっていきたいと思っています。
TUSK:では、TAKAURA君を紹介しますね。THE SLUT BANKSは2018年の後半にドラマーが脱退したりして色々あったんですけど、HAYATO君とTAKAURA君が手伝ってくれて、こうして無事にアルバムができました。ちなみに、TAKAURAくんは何と24歳なんです!
――ピッチピチですね!
TUSK:だから俺、本当に良いのかと。本当にやってくれるのか、本当に我々の音楽を良いと思ってくれているのかと何度も念を押して…返事は聞かないまま今に至ります。
全員:(笑)
TUSK:でもすごく良いドラマーで、いろんなところでプレイしているんですよ。ツアーはHAYATO君メインで回ることになると思うんですけど、TAKAURA君が参加してくれるライブも何本かあります。その時ぜひ着眼してほしいのが、24歳の裸体。
TAKAURA:いや、脱がないですよ!
TUSK:リハとかで熱くなると、グワーッと脱いだりすると思うんですよ。我々も40~50代という年齢だから、20代の上半身裸にゾクゾクするんですよね。なので、これはリスナー、すなわちお客さんたちと共に感じていきたいなと。
TAKAURA:絶対脱がないですけどね! 絶対脱がないですけどね!!
TUSK:いやいや、こう言っている彼を脱がせてなんぼじゃないですか。彼を脱がせられるかどうかは俺たちとみんなにかかっているので、彼がTHE SLUT BANKSのステージに上がるときは脱がせられるように、2019年は頑張っていこうと思います。何ならこの取材で脱がせてもらっても良いです。
――じゃあ今日帰るときにはパンイチになっていただこうと思います。
ACE DRIVER:そこまで脱がせるの(笑)!?
TAKAURA:パンイチにはならないですけどね! ではDUCK-LEEさんを紹介します。下手すると父親よりも年上なんですけど…
DUCK-LEE:否めないね(笑)。
TAKAURA:皆さん先輩なんですが、いくつになっても変わらないというか。バンドって新しいものを作って、リリースして、ツアーをやってというサイクルなんですけど、それを長く続けて、今が最高だっていうことをやり続けている。その姿勢がカッケーと思うんです。いつまでも夢を追い続けて、何かに向かって最高を更新し続ける、そんなカッコイイ背中を見せ続けてくれている先輩です。
DUCK-LEE:じゃあ俺は坂下さんを紹介します。坂下さんとは長いからね。相棒みたいなところもあるし、俺がこうしてああしてって言ったら、無茶な注文にも頑張ってついて来てくれるし。
TUSK:戸城さんと丈朋君が出会ったのは、二人がThe DUST’N’BONEZってバンドをやる前だと思うんだけど、丈朋君はその頃sadsだったわけじゃない。警戒心とかなかったの?
DUCK-LEE:いや、最初から仲良しで、普通の友達みたいな感じだった。
TUSK:へー! 最初からこんな感じだったんだ!
ACE DRIVER:毎日飲みに行っていたよね。
DUCK-LEE:うん。何年も前からの友達みたいで、関係性はそれから変わらずだね。
ACE DRIVER:でも、実は俺が最初に戸城さんに会ったのはZIGGYの時なんだよ。その頃、俺は土方さん(ギタリストの土方隆行)の弟子で、ドラムが青山純さん、ギターが土方さんでZIGGYのレコーディングしている時に機材のセッティングをしていて、初めて近くで見たの。
DUCK-LEE:全然覚えてないや(笑)。俺、その時に梅宮アンナと羽賀研二のサインを持ってるんだって自慢したんだっけ?
ACE DRIVER:いや、般若ベースができたって自慢してたよ(笑)。「すげーだろ、ピックアップごとペイントされてるんだぜ!」って言ってた。
DUCK-LEE:般若ベースか。俺、梅宮アンナと羽賀研二とスタジオが一緒になったことがあって、その時ピックガードに二人からサインをもらったんだよ。当時、二人は毎日ワイドショーに出ていたんだけどさ、オウム事件で全部そっちに話題を持っていかれちゃったんだよね。
全員:(笑)
ACE DRIVER:もう25年くらい前の話だよね。
TUSK:その頃TAKAURA君はまだ生まれてないよ。
ACE DRIVER:本当だ(笑)!
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――バンドに付けられた「愛と真心のバンド」というキャッチコピーがとても気になっていたのですが。
DUCK-LEE:それはね、何となく(笑)。それも最近、「愛と涙のバンド」に変わったんだけどね。ちょうど1年くらい前に、ずっと俺らのツアーのスケジューリングをしてくれていたタケ(竹下氏)のガンが発覚して、10月に亡くなって。元々TUSKの中学時代の同級生だったんだけど、俺らが無理やり引きずり込んで、ツアー行くのもどこに行くのも一緒だったんだよ。だから亡くなった時、「レコーディングどうする?」「今後どうする?」という葛藤で、ちょっとしたドラマがあったんだよね。ボヘミアンラプソディーな感じというか…観てないんだけどさ。
全員:(笑)
DUCK-LEE:年末とか春先のライブを、誘われたもの以外一本もやっていないのはそれも影響しているんだよね。すごく短い間に、いろんなことがありすぎた。歳を取ると、ときめきが少なくなるから時間を早く感じるらしいんだけど、俺はこの1年を珍しく長く感じたな。「俺たちもいよいよか…」って言う気持ちにもなったしね。でも幸いにも、いろんな人が「バンドをやった方がいいんじゃないですか?」って尻を叩いてくれたんだよ。驚いちゃうよね。俺たち税金対策バンドじゃね?って感じなのに、ありがたいなと思ってさ。
ACE DRIVER:そこにこのドラマー二人が現れたわけだからね。
DUCK-LEE:うん。だから、「悲しい涙と嬉し涙の、愛と涙のバンド」だね。
――この作品ができるまでに、カネタクさんの脱退、タケさんの死去、そしてドラマー二人の加入と、本当に色々あったんですね。お二方が入ったのは、どういう経緯があったんですか?
DUCK-LEE:カネタクが辞めるって話を聞いたのか、俺と仲のいい友達で、彼らの先輩や師匠にあたる人が紹介してくれたの。「THE SLUT BANKS、潰させねえよ?」みたいな感じでね。
――素晴らしいですね。それにしても、HAYATOさんはゴシックメタル、TAKAURAさんはポップスロックと、かなりジャンルの違うところからのチャレンジになったと思うのですが、お二人はTHE SLUT BANKSへの参加をどう感じていたんですか?
TAKAURA:いやもう、飛び込んでみようというか、未知の世界に挑戦という感じです。
DUCK-LEE:そもそも音楽ジャンルが全く被ってないもんね。
ACE DRIVER:だって「好きなドラマーは誰?」って聞いたら、スティーヴ・ガッド(フュージョンドラマー。ジャズやソウルの他、ジェイムス・テイラーやポール・サイモンなどのサポートとしても有名)ですって言うんだもん。「何!? ロックでもなんでもないじゃん!」と思って。
TAKAURA:とにかくできることがあればやります!という感じだったんです。
HAYATO:僕は菊地哲さんからお話をいただいて、紹介していただきました。すごいバンドなので、機会があればぜひということで課題曲をいただいて、スタジオで実際に合わせたんです。でも、バンドなので一度ライブをやってみないとわからないねということで、ライブをやって、レコーディングをするという流れになり今に至ります。
――HAYATOさんは昨年10月27日の梅田amHALLから、TAKAURAさんは12月9日のRock Joint GB(吉祥寺)から参加されていますが、実際叩いてみた印象はいかがでしたか?
HAYATO:自分は、元々そこまで手数が多いドラマーではなくて、テンポが速いときの引き出しの少なさが課題やなと思っていたんです。なので、今現在もツアーに向けて引き出しを増やしている最中です。皆さん大先輩なので緊張感はありますけど、すごく優しいので非常にやりやすいです。
――Moi dix MoisのHAYATOさんとは違う、新しいHAYATOさんへと進化しているんですね。
HAYATO:はい! 全く違うと思います。様式美な感じではないですから(笑)。
TAKAURA:僕も今までとは全く違う速さと音量と、とにかくアドレナリンがすごく出ている感じがあって。ライブは体力的にギリギリというか、運動した後みたいな感じなんです。今までそこまでのライブをしたことがなかったので驚きました。
――24歳の体力をもってしてもギリギリとは、さすがTHE SLUT BANKSですね。
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――今回のアルバムのレコーディングは、いつ頃から始まったんですか?
DUCK-LEE:今年の1月だね。
――漠然と、皆さんは作業が速い印象があったのですが、本当に短期間で完成させるんですね。
DUCK-LEE:10日間くらいかな。いつもそんな感じだよ。金もないしね(笑)。
ACE DRIVER:経費削減(笑)?
HAYATO:自分がこれまで経験してきた中で、一番早いレコーディングですね。皆さんキャリアもあるし、期間が短くてもちゃんと仕上げる方々ばかりなので、圧倒されました。本当にものすごいところに入ってしまったと思って。
ACE DRIVER:いやいや、でも二人だってドラムは1日しか録ってないからね。
DUCK-LEE:まぁ、ちんたらやるバンドじゃないからね。それに長くやればいいっていうわけじゃないし。キリがなくなっちゃうからさ。
ACE DRIVER:でも短い作業の実績を作っちゃうと、次回もっと短くなる可能性があるよね。前回できたんだから今回は…って(笑)。
全員:(笑)
――作曲は戸城さんが全曲担当されていますが、今回やってみたいと思っていたことや、テーマはありましたか?
DUCK-LEE:今回は鍵盤を入れるのはやめておこうと思ったんだよね。あとはギターのダビングは極力避けて、できるだけ生っちい感じでやろうかなと。自分が子供の頃好きだったバンドの匂いが出せればなと思って。
――前々作アルバム『ROXY BABY』(2016年4月リリース)も、戸城さんのルーツの香りがする作品でしたよね。
DUCK-LEE:うん。でも、今回はそれよりもっとだね。
――より原点に迫る作品なんですね。他の方にはアルバムの方向性を伝える際、「この方向で行きたいからよろしく」とお願いするんですか?
DUCK-LEE:お願いはしてないけど、させちゃった(笑)。
ACE DRIVER:俺も戸城さんと好みが似ているから、理解できるんだよね。もちろん違う人間だから、実際に戸城さんの理想に近づけるのはなかなか難しいんだけど、アルバムの方向性が決まっていって、音やプレイも決まっていって、どんどん近づいていくのが面白い。毎回面白味があるよね。完全に合致することはないと思うんだけど、融合できる感じは毎回少なからずあるから、それが楽しみ。毎回勉強になるし、この年になっても知らない世界が見えることもある。そういうところがやっぱりすごく新鮮だね。
――今回のアルバムを聴いて、きっとTHE SLUT BANKSのレコーディングは楽しいんだろうなと感じたのですが。
ACE DRIVER:そうそう! そうなんだよ。毎回すごく楽しくやれているのがいいんだよね。
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――TUSKさんは、どういう気持ちで今回のアルバムに挑んだんですか?
TUSK:さっき『ROXY BABY』も戸城さんのルーツの香りがするって話をしてくれたように、毎回大体そうなんだよね。でも戸城さんは「そうだ!」って言ったり、「違う!」って言ったりする芸術家みたいな人なんで…俺はあんまり話を聞いてないっす(笑)。
全員:(笑)
TUSK:その中で俺は俺のやるべきことをやろうと思って、楽しんでやってます。今回はバンドとしてもドラマーが二人だったり、曲も色々あったりしたので、曲をどうこうというよりも、二人への刺激になればいいなと思いながらやっていました。試行錯誤を重ねて、良いものができましたよ。
――愛が詰まっていますね。ところで、TUSKさんの歌詞は、男臭い言葉の中にすごく優しい言葉が入っていてハッとさせられるのですが、今回は特に、「痛み止めとアルコール」の〈目じりの皺〉というワードにグッときました。
TUSK:お! 嬉しい着眼点ですねぇ。戸城さんはよく、「やっぱ初期衝動だよ!」って言うんだけど、いやいや、俺もう初期衝動なんて大分忘れちゃってますから…ということでこういう歌詞になっていくんですよ。だけど、それはそれでいいかなと思って。
DUCK-LEE:とは言え、俺も歳を取ってからブルースでもやろうと思って、渋いブルースに〈目じりの皺〉なんて歌詞がきたら、それはそれで「何かおっさんくせぇバンドだな」ってなっちゃうから、いいんじゃないかなと思ってね(笑)。
ACE DRIVER:確かにバランスがね(笑)。
TUSK:でも、その歌詞はすごく嬉しい着眼点だよ。
――「人形姫」の〈クリームパン〉も素晴らしいと思いましたが。
TUSK:あはは! 〈クリームパン〉ね! 確かに妖しげな感じでクリームパンが入ってくるからね。
――そして、今回もメロディがとにかく良い曲が揃っています。ノイジーなのに耳から離れないという。
TUSK:あぁ、そこはさすが戸城さんという感じでしょう。
DUCK-LEE:そこは変わらず心がけてるからね。
――聴けば聴くほど味の出る良曲揃いでした。
DUCK-LEE:するめかぁ。それじゃダメだなぁ。大ヒットには瞬発力が大事だからね。
TUSK:戸城さんて、こんなアルバムを作っておきながら、そういうことを言うんだよね。それ自体が俺からしたら頭おかしいよ(笑)。まぁ、そこがこの人のすごいところなんだよね。
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――今回はドラマーのお二人がそれぞれ叩き分けているんですよね。どの曲をどなたが叩いているんですか?
TUSK:7~11曲目がHAYATO君、それ以外がTAKAURA君です。
DUCK-LEE:ちなみに分け方はね、適当(笑)。
――え、てっきりDUCK-LEEさんが、お二人の適性を冷静に見極めて割り振ったんだと思っていたのですが…。では今後のライブは、どちらのドラマーが叩くかによってセットリストが変わったりは…
DUCK-LEE:それも全然考えてない!
全員:(笑)
DUCK-LEE:なので二人にはこちらに合わせてもらうしかないという。
ACE DRIVER:そういうとこがすごいよなぁ(笑)。
――「HELLO MARDER」の最初のカウントはHAYATOさんの声なんですね。
HAYATO:はい!
TUSK:お! 着眼点がいいねぇ。
DUCK-LEE:あの「1、2、3」のカウントはぜひ欲しかったから、「言って」ってお願いしてやってもらったんだよね。
――ドラマーの方が声をレコーディングされるというのはあまりないことだと思うのですが、緊張しませんでしたか?
HAYATO:いや、ライブでも結構声をガンガン出す方なので、むしろ大好きです。
TUSK:欲しがってたんだな(笑)。
ACE DRIVER:だってライブ中、めっちゃ声が聴こえてくるもん(笑)。あの爆音の中から聴こえるってすごいよ。
――欲しがっていたんですね(笑)。では皆さんが思う、今回のアルバムの聴きどころを教えてください。
ACE DRIVER:俺は12曲目の「病んでんのさ」の平歌のAとBのパートを何回も弾きました。ダメ出しの連続で、なかなか大変だったんです。
DUCK-LEE:ジミヘンが降りてこなかったんだよな。
ACE DRIVER:うん、全く降りてこなかったね(笑)。フルシアンテ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズの元ギタリスト)も降りてこなかった。30回くらい弾いたかな。最後OKテイクが盤に入ったんだけど、途中、「あぁもうどうしよう!」ってなってたね。別になんてこともないフレーズなんだけど。
――イントロからAメロでガラリと表情を変える1曲でしたが、その先にそんなトラップがあったんですね。
ACE DRIVER:そうそう。あの病んでる感じからいきなり変わるからね(笑)。ともかく、僕は頑張りました。
HAYATO:自分は、イテマエ系で気持ち良くできたのは「Trap」で、一番難しかったのはボーナスCDの「死に顔にサクラ花びら」ですね。あとはやっぱり「HELLO MARDER」です。イントロで声も出させてもらいましたし。
TUSK:主張するねぇ(笑)。
――「HELLO MARDER」はリズム隊がとても楽しそうですよね。
DUCK-LEE:実は今回のアルバムで一番やりたかった音像というか、音の感じはこの曲の感じなんだよね。
全員:へぇ~!
ACE DRIVER:初めて聞いた!
DUCK-LEE:この、このライブな感じというか、その辺で「せーの!」でやっている感じ。
ACE DRIVER:ガレージっぽい質感?
DUCK-LEE:そうそう。ここに近づける感じかな。とりあえず自分の希望としてはこの何とも言えないガレージ感。20代前半の人みたいな感じの音ね。
ACE DRIVER:ここに、まさにその年齢の人がいるけどね(笑)。
――TUSKさんは?
TUSK:これは全般に渡って言えることなんだけど、今回のアルバムのコーラスを首振りDollsのナオちゃん(Vo&Dr)がやってくれていて。ボリューム的に、そこまでナオちゃん感は出せていないんだけど、僕と良い感じに相俟っているので、そこを聴いてもらいたいですね。
――絶妙な声の絡みでした。
TUSK:そうなんですよ。彼はさすがなんです。
DUCK-LEE:彼、上手いからね。だからコーラスやってって頼んだんだけど。
――それにしても、TUSKさんは先ほどから後輩を引き立てるような素敵なコメントばかりですね。
ACE DRIVER:あはは! みんなで盛り上がっていくぜ的なね。
DUCK-LEE:首振りDollsは、5月にキングレコードから2ndアルバムを発売します!
TUSK:そこ、太字でお願しますね! じゃあ次は、脱ぐというより大分ボタンを締め始めたTAKAURA君に聞こうか。
TAKAURA:(笑)。僕は、唯一ボス(戸城)と分かち合えた曲が、最後の「かったりぃ日々抜け出して」だったので…
――え、“唯一”なんですか?
TAKAURA:お互いルーツが違う中、「こっちのほうに行けばいいのかな…?」と思いながらやっていたというか。それで、納得してくれると「あぁよかった!」と思うという(笑)。ルーツ的な意味で唯一分かち合えた曲です。
――テイク数も少なかったんですか?
TAKAURA:テイク数的には全部同じくらいですね。
DUCK-LEE:全部1回とかだよ。長くやればいいってもんじゃないからさ。
――戸城さんは今回のアルバム全体を振り返って、どんな作品でしたか?
DUCK-LEE:今回、意外と弾き倒しているんだよ。だから、これが昭和の時代にできていたらなぁと思って。俺、昔プロデューサーに「もっと地味にルートだけ刻んでろ(巻き舌)」って怒られたことがあって、それがすげートラウマになっていてさ。今回、昭和の時代に似たようなことをやっていた曲もあって、その点では俺って変わらねぇなと思うんだけど、逆にベースに関してはすごく弾いているんだよ。だから、「普通は段々落ち着くのに、逆じゃん!」と思って。あ~、昭和に戻りてえな。昭和に戻ってもう1回あの曲を弾かせてほしいよ(笑)。
全員:(笑)
――さて、このアルバムをリリース後、5月には全8本に渡る「“切り裂きノイズ”ツアー」が開催されます。全国8公演の内、3公演はワンマンライブ、5公演は首振りDollsとのツーマンライブということで、一体どんなツアーになるのか楽しみです。
TUSK:そうなんだよね。面白いツアーになると思うので、ぜひ観に来てほしいです。
――最後に、これからの新生THE SLUT BANKSはどうなっていくのか、展望を聞かせてください。
DUCK-LEE:変わらないね。でもまぁ、頑張ろうかな(笑)!
ACE DRIVER:「The Rolling」な感じでね!
(文・後藤るつ子/写真・土田紘)
THE SLUT BANKS
<プロフィール>
1996年に結成し、2000年に惜しまれつつ解散するも、2007年大晦日のライブで復活を遂げる。TUSK(Vo・板谷祐/ex.ZI:KILL、CRAZE)、参代目ACE DRIVER(G・坂下丈朋/ex. sads)、DUCK-LEE(B・戸城憲夫/ex.ZIGGY)、そして2018年よりHAYATO(Moi dix Mois)とTAKAURA TOMMY(たかうらみつたか/ex.TEDDY)の2名のドラマーが加わり、精力的に活動中。結成20周年を迎える2016年4月にメジャー再デビューアルバム『ROXY BABY』をリリースし、12月にはアニバーサリー作品『1996 FIND MY WAY』を発表。2019年4月に最新アルバム『NOIZ THE RIPPER』をリリースし、5月より“切り裂きノイズ”ツアーが開催される。
■オフィシャルサイト
http://slutbanks.jp/
【リリース情報】
『NOIZ THE RIPPER』
2019年4月10日(水)発売
(発売元:KING RECORDS)
【収録曲】
01.BRUSH MAN
02.イガイガ
03.me and
04.痛み止めとアルコール
05.見苦しいほど狂おしいほど
06.涙をそっと流しているかい
07.The Rolling
08.人形姫
09.丸こげ
10.Trap
11.HELLO MURDER
12.病んでんのさ
13.美貌
14.かったりぃ日々抜け出して
【ライブ情報】
●“切り裂きノイズ”ツアー
5月11日(土)吉祥寺ROCK JOINT GB
5月17日(金)新潟GPブラック
5月18日(土)長野J
5月19日(日)高崎FLEEZ
5月25日(土)名古屋UPSET
5月26日(日)神戸art house
5月28日(火)広島second clutch
5月30日(木)福岡 DRUM SON
6月1日(土)岡山desperado
6月2日(日)大阪KINGCOBRA
6月9日(日)仙台FLYING SON
6月14日(金)横浜bayside
6月15日(土)稲毛K’sDream