10年の月日を映し出す、ナイトメアの6枚目のベストアルバム「Historical〜The highest NIGHTMARE〜」。
YOMIと柩が語る、ナイトメアの軌跡、そしてこれから…
Vifの記念すべき第1回目の特集に、今年めでたく10周年のアニバーサリーイヤーを迎えたナイトメアからヴォーカルのYOMIとギターの柩が登場! 奇しくもVifのオープン日と同じ2010年10月20日にリリースされた10年の活動の集大成ともいうべきベストアルバム「Historical〜The highest NIGHTMARE〜」について、10年分の思いを込めてディープに語ってくれました。長きにわたる信頼感が生み出した抱腹絶倒+感動のトーク、ご堪能ください。
◆まさに“この上ない”という感じです(柩)
――今回のベストアルバム「Historical〜The highest NIGHTMARE〜」では、全24曲のうち12曲が再録ですが、昔の曲に今回改めてレコーディングという形で向き合ってみて、いかがでした?
柩:テンポが早いなと(笑)。ライヴでは自分のテンションも上がっているので、あんまり早いとは感じないんですけど、冷静にレコーディングしてみるとそんな印象がありましたね。アレンジは、ライヴアレンジに近くなっています。
――ファンにはたまらないですね。
柩:そうかもしれませんね。オリジナルにはオリジナルの良さがあるんですけど、ライヴを見たことがない人たちには「あ、こういう風になっているんだ」って感じてもらえるんじゃないかな。
YOMI:今回録り直した曲の中には、当時自分の歌に納得できなかった曲がかなりあったので、自分的にはリベンジできたと思える作品ですね。ファンの子は昔の(オリジナル)を聴いたり、今の(ベスト)を聴いたりするのかもしれないけど、俺は新録しか聴かない!って思えるくらい満足度が高いです。
――今回のレコーディング秘話があればぜひ教えてください
柩:新曲と同じ日にレコーディングしたりしてバタバタでしたね。でも、基本ナイトメアのレコーディングってハプニングとかないんですよ。何かあったらいいなと思うんですけど(笑)
YOMI:あったらやばいですけどね(笑)。今回、いつもレコーディングしているスタジオではないところで録ったんですけど、自分的には環境の違いがかえって良かったです。レコーディング中あまりたくさん人がいると気が散っちゃうんですけど、今回は少人数だったので、集中して気持ちよくレコーディングできました。
――今回タイトルが「Historical〜The highest NIGHTMARE〜」ですが、6枚目のベストはこのタイトルにふさわしいという自信作ということで。
柩:そうですね。まさに“この上ない”という感じです。もちろんいつも良いクオリティのものを目指してるんですけど、新録は元々のオリジナルのクオリティで収録したものをライヴで何度もやっているので、クオリティを上げやすいし。レコーディング自体すごく楽しかったです。…でもこれ、できれば2010年10月10日に出したかったよね。2010年10月10日に10周年。
YOMI:(マネージャーさんに)そうだよ! なんでそこ気付かないかなぁ。
マネージャー:いや、間に合わなくて…
YOMI:間に合わなかったんだ! 俺のせいか! …じゃあしょうがない!(笑)
柩:(笑)。日付はちょっと惜しいですけど、次につながる一枚になってると思います。
◆勝手に自分とバンドの将来を妄想してました(YOMI)
―― 10周年て、すごく良い節目の年ですよね。
YOMI:そうなんですよ。うちらは結成日も元日でめっちゃ区切りが良いんです。
柩:メンバーと知り合ったのはもっと前だし、ライヴやったりスタジオ入ったりもしてたんですけど、その頃はまだ遊び半分だったんですよ。でも俺たちいつバンド始めたんだろうってことになったとき、自分たちも忘れたくないし、周りにも覚えてもらいたかったので、1月1日バンド結成ということで正式に活動し始めたんです。
YOMI:それを考えると、区切りの良いナイトメアとしてはリリースは2010年10月10日にできなかったのが惜しいね(笑)!
―― 10年たった今も、バンドのコンセプトは結成当時から変わらない?
柩:最初は暴れる曲ばっかりだったんですけど結成1~2年たったあたりで聴かせる曲もちゃんとやらなきゃと思って。そこからはあんまり変わってないですね。あ~でもどうかな。メジャーになってからライヴで下ネタ言うようになりましたし(笑)
――そこはぜひYOMIさんのご意見もお聞きしたいです(笑)。
YOMI:そうですねぇ。自分的にはちゃんと止めてくれる人が周りにいるので、大丈夫だろうと思っているんですけど。
――最近あんまりメンバーさん止めてないような…(笑)。温かく見守っているというか(笑)
YOMI:諦めなのかな。
柩:もう止めるのも面倒くさいです(笑)
――当時10年後をイメージしたことはありましたか?
柩:将来は全く想像できてなかったですね。その頃は来週のライヴどうしようっていうくらい、目の前のことしか見えていなかったので。
YOMI:現実的には見えてなかったかもしれないですけど、何ていうか、空想? 妄想?
柩:お前言葉気をつけろよ(笑)
YOMI:やっぱり妄想だな。勝手に自分とバンドの将来を妄想してましたね。この年で武道館やって、この年でドームやって…みたいな。
――かなり具体的な妄想ですね(笑)
YOMI:俺たちの好きな先輩のバンドさんに重ねている部分があるので……だから妄想なんです(笑)
柩:一人でニヤニヤしてるんだろ(笑)
YOMI:そうそう(笑)
――でもその妄想、結構順調じゃないですか? 埼玉スーパーアリーナでのライヴも成功したし。
YOMI:そうですね。でも僕の妄想スケジュールの中ではもうドームは2~3回やってないといけないんですよ。
――埼玉スーパーアリーナのMCで「みんなをもっと上に連れていく」って言ってましたよね。
YOMI:その気持ちはすごくあります。
◆要するにお前ただの妄想人間だったんだな(柩)
――そんな10年間で、“変わったこと”“変わっていないこと”“変わりたくないこと”はありますか?
柩:バンドはより何でもありな感じになってきましたね。幅が広がったなと。あと、こいつ(YOMI)昔プライベートでも喋らなかったんですよ。
――え!?
柩:その頃、まだRUKAさんはいなくて、俺が咲人とNi~yaを紹介したんですけど、メンバーとも喋らなかったんです。この二人に喋りたいことは俺に言う、みたいな。メンバーだって言ってんのに(笑)
YOMI:その頃は柩とは唯一打ち解けていて話せたんですけど、この人たちには関わらない方がいいんじゃないかと思って…。
柩:メンバーなのに関わらない方がいいって何!(笑)
YOMI:だってNi~yaとかヤンキーみたいだったんですよ!
柩:えぇ? 俺の中でNi~yaとか全然普通だったけど。
YOMI:いやー、やな雰囲気だったんだよ。柩さんはとっつきやすい、悪い格好だったんですけどね。当時高校生だったからNi~yaは制服姿だったんですけどとっつきにくい感じで。
柩:まぁ彼自身も人見知りが激しかったせいかもしれませんけどね。
YOMI:はぁ…(ため息)。咲人も咲人で、ちょっと神経質っぽくて、こんな感じ(眼鏡をくいっと上げるしぐさ)だったし…。裏でこいつやだなって思われてたらどうしようと思って…
柩:要するにお前ただの妄想人間だったんだな(笑)
――そんなYOMIさんが脱・妄想したのはいつ?
YOMI:自分のドアを開いたら…
柩:ドア? 心の扉とかじゃなくて?
YOMI:そう! 心のドアを開くと普通の自分でいられるんですよ。ニュートラルな。だけどそれを開けるまでは完全閉鎖ですね。とはいえ、バラエティとか向いてるかなとは思うんですけど。
柩:笑うの好きだしね。
YOMI:うん。ヴィジュアル界に笑いをもたらしたのは自分たちだっていう自負はあるんですよ。あと、下ネタのMCに関しては先陣切ってます。踏み込まないところに踏み込んで行ったっていう。その点先駆者ですよ。
柩:それを自分で言っちゃうっていうのがすごいよね。まぁ、ちょっと片足突っ込んだらもう抜けなくなっちゃったっていうのが本当のとこですけど(笑)