聴いていて楽しくなるように頑張って歌った

先ほど少し話が出た「察して彼女」は、7月リリース予定のシングル表題曲ということで。この曲、昨年末のHIROTOさんのライブ「HIROTO 1st ONE MAN LIVE『THE START UP CIRCLE GIG』at Akabane ReNY alpha」のオープニングアクトでも、弾き語りを披露していましたよね。
Nao:あ(笑)! 弾き語りを聴いてくれていたんですね! どうでした?
なんかもう衝撃でした(笑)。
Nao:ですよね(笑)。初めて聴く方から、衝撃って結構言われるんですよ(笑)。
あのステージで言っていた「2025年にギターヴォーカルデビューする」というのが、MizinkoFacTのことだったと。
Nao:あ、そうです! ただ、あのMC以外でも、応援してくれている皆にもバンド形態とは言ってなかったんですよ。「ギタボでデビューする」としか言ってないので、MVが公開されたらいきなりバンドで、多分皆ビビると思います(笑)。
ただ、レコーディングした楽器パートの音源を、先日のツイキャスで流していましたよね? あの音源だとバンドサウンドなので、ファンの方はどういうふうに捉えて聴いているんだろうと思っていました。
Nao:一応、ドラムのレコーディングをしたということは言っていたんですけど、それが何かは言ってなかったんですよ。叩く予定はなかったんだけど、叩くことになったという話から、音を聴かせた流れだったと思います。本当に俺、元々は叩くつもりじゃなかったんですけど、やっぱり音源は自分で叩こうと思って。自分の曲とは言ってなかったけど、何か察している方がいましたね(笑)。「あれ? この感じ…あれ?」みたいな(笑)。
それにしてもこの曲、冒頭のユニゾンに始まり、全体的にリズム隊がすごく際立っていますよね。
Nao:さすが、リズム隊好きですね(笑)! ドラムンベースで結構リズムを作っていて、この躍動する感じはドラムとベースが犯人です。
歌が乗る前と後の印象の違いがすごいなと思って(笑)。
Nao:歌ヤバかったですか(笑)!? 俺もう4回歌い直したんですよ! 歌は本当に思った通りにならな過ぎて、自分で聴いて「え!?」みたいな(笑)。カッコよく歌うと、聴いていてなんかつまらないなと思って、違うなと。でも、楽しく歌ったら楽しくなり過ぎて、その塩梅が難しくて。
特に難しかった部分、試行錯誤した部分はどの辺りでしょう?
Nao:普通にもうAメロから全部難しかったですね。Bメロもなんか単調になっちゃうし…いや、Aメロもか。サビもかな。全部そうなんですよね(笑)。だから、そういう意味でヴォーカリストの表現の仕方って、すごいんだなと改めて思いましたね。
弾き語りの時に印象的だった、サビ終わりのNaoさんの「ハー」という声が、MizinkoFacTの正式音源でもちゃんと生かされていて、しかも1回目、2回目、3回目で全て言い方が違うのがミソだなと。
Nao:最後のあれ、テンション上がりません? あれでテンション上がってもう1回聴きたいってなるはずなんですよ(笑)。聴いていて楽しくなるように頑張って歌ったつもりです。
ドラムの録りはスムーズでしたか?
Nao:いや、スムーズじゃないんですよ(笑)。ドラムも3回録りました。最初叩いてみたら、ちょっと太鼓の音色が暗いかなと思って、チューニングを変えて録り直したんです。そしたら今度はドラムがビシバシ来て、速くて1曲叩いたらもうゼーハーしちゃって(笑)。これライブで叩けなくない? もたないよと思って、ちょっとテンポを落として録り直したという。でも、その分叩いているので、バッチリ最高のテイクで録れましたね。
ドラムも歌も、レコーディングすると客観的に聴けて、自分の足りないところが見えてくると言っていましたよね。
Nao:でも、とにかく歌ですよ。本当に。ドラムはやっぱり今まで積み重ねてきたものがあるので、いい感じなんですけど、歌は永遠のテーマですね。まだまだこれから頑張っていきたい!
ところで、Naoさんの曲作りは、普段どこから作ることが多いですか?
Nao:MizinkoFacTに関しては歌詞から作っています。何を歌いたいかというのを決めて、それをイメージして曲を作っていますね。歌詞があって、このワードをこういうふうに歌いたいっていうところから、部分的にできてきて、そこから広げていく感じです。「察して彼女」で言うと、サビの最後の〈察して察して察して察して 察して彼女〉という部分が最初にできて、これを歌いたいというところから作っていきました。
関わってくれた人の笑顔を1秒でも増やしたい

取材日現在まだ完成していない「察して彼女」のMVは、どのような映像になっているのでしょうか?
Nao:実はまだ観てないんですけど(笑)、撮っている時の素材は観ているので、めちゃめちゃカッコよくなると思います。ていうか、カッコよくなる。なるしかない。1stというのもあって、曲もMVもできることは全てやった感じで、自信を持って提示できるので、ぜひ観てもらいたいですね。サポートメンバーを含めたバンド演奏シーンはもちろんあるんですけど、察してちゃん役で役者さんにも出てもらっています。
それにしても、Naoさんがギターヴォーカルとしてセンターに立つわけですよね。そういう部分で、撮影はいかがでしたか?
Nao:リップシンク(音源に合わせた口の動き)を撮った時に、めっちゃヴォーカルっぽい!と思って(笑)。いや、ヴォーカルなんだけど、初めてめっちゃヴォーカルっぽくて、いい感じでした(笑)。
初体験ですね(笑)。気恥ずかしさみたいものはなかったですか?
Nao:今まで撮ってきた経験の延長でヴォーカルだったという感じで、気恥ずかしさはなかったですね。ちょっと慣れないところはもちろんあったんですけど、満足のいく作品ができました。映像もいいと思うんですよ。ぶっちゃけ観て感じるかわからないですけど、めっちゃお金かかってます(笑)。スタジオ3ヵ所で撮りました。撮影日は2日間で。
なかなかハードな…!
Nao:いわゆる名刺代わりって皆よく言いますけど、これは自分の最初のそういうものになるし、まずはこれを見てくれっていうものになるので、そこは気合い入れたいなと。ちゃんと世界観と伝えたいことを画にもしたいなと思って。だから、本当に自信を持って提示できるものになったと思っています。
確かに、最初の作品の見え方って特に重要ですよね。
Nao:そうなんですよね。だから「何これ?」って思ってもらえるように、曲もこれを1stにしたんですけど、他のどの曲も結構「何これ?」なんですよ(笑)。ナニコレ感すごいっすよ(笑)。
この曲がまさか1stシングルになるとは思ってなかったです(笑)。今、オリジナル曲はどのくらいあるんですか?
Nao:もう形ができているのは4曲かな。8月3日の初ライブに向けて、もっと曲を増やさないとですね。
デビューライブがいきなりのワンマンですが、曲数はどうなるんでしょう?
Nao:曲数はね、大丈夫だと思っています。おそらくカバーもやると思うんですけど、あとはドラマーなので、色々やれちゃうんですよ。こういうライブにしたいなっていうイメージはもうできています。
ギターヴォーカルのNaoさんと、ドラマーのNaoさんの両方を観られるライブになるんですね。
Nao:ドラムもできるので、そこも上手く組み込みつつ、自分のできることを最大限に活かしていきたいなと思います。
基本的にMizinkoFacTのオリジナル曲は、ライブでギターを弾きながらの歌唱になる予定ですか?
Nao:そうですね。大体弾いていることが多いかな。弾かない曲はまだ1曲しかないですね。
「しあわせの爆発」というライブタイトルも、なかなかのインパクトです。
Nao:「しあわせの爆弾」という曲があって、7月の配信シングルにも入れる予定なんですけど、結構ハッピーな曲なんですよ。歌詞はふざけているように聴こえるんですけど、実はめちゃめちゃ深い曲で。僕は二重に憧れて生きてきたんだ、両親が二重でも二重になるとは限らない、みたいな歌詞なんですけど(笑)、何が幸せかというのを歌っている曲なんです。
興味深い…。
Nao:現代だと、例えば「いいね」やフォロワーの数が減ったとかで落ち込んでいる人がいたりしますけど、幸せの本質ってそこじゃないだろうっていうことを歌っていて。直接的に言っているわけではないんですけど、もっと周りを見たら小さな幸せがたくさんあるじゃんということを歌っていますね。〈アイスのピノで星が出た時に幸せ〉とか、そういう小さな幸せをめちゃめちゃ歌っている曲。このプロジェクトは皆をハッピーにしたいというのが根本にあって、関わってくれた人の笑顔を1秒でも増やしたいので、「しあわせの爆弾」からの「しあわせの爆発」にしました。
まさにNaoさんのキャラクターがとても出ていて、Naoさんらしいソロプロジェクトであり、Naoさんにしかできないものでもあるなと。
Nao:Nao全開で行きたいなっていう。だから、カッコいい感じではないと思います(笑)。
ところで、シングルは何曲収録予定なのでしょう?
Nao:曲自体は3曲の予定なんですけど、他にも色々トラックは入れたいなと思って今、考えていますね。なんならドラムベースのみの音源とか、パッケージの収録内容はちょっとマニア向けにしたくて。配信は配信として、やっぱりパッケージを手に取ってくれる人は、結構濃いファンの方々なのかなと思うので、内容も濃いところを入れていきたいなと考えていますね。
ちなみに、お誕生日(7月31日)付近のリリースになるのかなと勝手に想像していました。
Nao:本当はそれが良かったんですけど、ライブが8月3日なので、誕生日より前に、もうちょっと余裕を持って出したいなと思っています。ライブの終演後にサイン会もあって、CDをゲットしてくれた方が対象になっているので、そういう事情も含めて少し早めに届けたいなという感じですね。
では最後に、MizinkoFacTとして今後やってみたいことを教えてください。
Nao:やっぱりツアーはやりたいっすね。アルバムも出したいです。大変です(笑)。あと、この記事が出る頃には、8月3日のライブに向けてのYouTube100日企画で毎日投稿しているので、ぜひ見てください! 新しく各種SNSのオフィシャルアカウントもできて、緩くやっていくので、チェックしてほしいなと思います。オンリーワンのアーティストを目指して、長く活動していきたいです!
(文・金多賀歩美)
MizinkoFacT
Nao(Vo&G)
オフィシャルサイト
リリース情報
1st Single『察して彼女』
2025年7月発売予定
ライブ情報
●MizinkoFacT DEBUT LIVE「しあわせの爆発」
8月3日(日)目黒ライブステーション