KHRYST+

KHRYST+

BYO(ex.SCREW)を中心に結成され、始動を宣言したKHRYST+。流れ出る溶岩のごとき熱き思いを込めた0thミニアルバムを掲げ突き進む、彼らの1stインタビュー!

今年7月に突如発表された「ex.SCREWのVo.BYOが新たにバンドを結成」というニュースに、驚き、歓喜の悲鳴を上げた人も多かったことと思う。SCREWの解散から2年の時を経て、遂に動き出した鋲。名を“BYO”と改め、盟友であるex.SCREWのJIN(Dr)、そしてex.NihilizmのQUINA(G)とIЯU(B)と共に、「KHRYST+」(読み:クライスト)という実にストレートなバンド名で新たな一歩を踏み出し、11月1日にはその幕開けを飾る1stワンマンライブの会場限定で、0thミニアルバム『BASALT』をリリースすることが決定している。これからのシーンの台風の目となるであろう4人に、じっくりと話を聞かせてもらった。

◆まさに運命(BYO)

BYO

――バンド始動、おめでとうございます!

一同:ありがとうございます!

――まずは、初登場ということで隣のメンバーの紹介をお願いします。

BYO:IЯUは4人の中で唯一、バンドのことを俯瞰で見ることができて、意見を言える人です。初めて会った頃からそういう内面を持った人だと思ったので、是非リーダーをやってくれと頼みました。荷が重いとは思ったんですけど、僕よりもずっとバンドを仕切れるだろうから任せたいと思って。なので第一印象は、しっかりしていて頼りになるベーシスト、です。

IЯU:あざすっ! JINちゃんは…熱を持っている人です。

JIN:(苦笑)(※この日、JINさんは風邪気味でした)

IЯU:そしてすごく優しくて、マルチな人です。曲に関して色々提示してくれて、でもあまり口うるさく言わず、自由にアレンジさせてくれる。今までこんな人に会ったことがないです。ちゃんと大人としての意見もあって、ドラマーとしてすごく頼りになるし、僕にはないものを持っている。大黒柱と言うか…バンドで言うと何でしょうね?

BYO:クッションかな。IЯUはソファーですね。僕はそこに座っていて、ちょっと腰が痛いなというときにJINという存在が和らげてくれて、ちょっと寒いなというときにQUINAという毛布が暖めてくれる。

QUINA:めちゃめちゃ上手い例えですね!

JIN:僕はQUINAを紹介しますね。彼は僕と似たものを持っていると思います。音楽に非常に熱い男で、自信を示してくれるので、すごく心強いです。たまにアホなところがありますけどね(笑)。一緒に動いていくうちに唯一無二の存在だと思うようになりました。

QUINA:どういう意味ですか?

JIN:QUINAはQUINAってこと。

――唯一無二というのは、アーティストにはこの上ない誉め言葉ですね。

QUINA:そうですね。まぁ僕は生まれたときからアーティストなので。

BYO:…彼にはこういうちょっと不思議ちゃんなところがあるんですよ(笑)。

QUINA:(笑)。じゃあBYO君を紹介します。Nihilizmが解散した後、すごく運命的な出会いをした、僕にとって理想的な考え方を持つヴォーカリストです。声をかけていただいた時、僕の音楽に対する気持ちが一気に爆発して、すぐにでもライブをやりたい!曲を作りたい!ギターを弾きたい!という気持ちが生まれました。僕はすごく不器用で、基本敵しかいないんですけど、メンバーは家族以上のものだと思っているので、大事にしていきたいです。

BYO:暖かいですね。毛布から羽毛布団になってきました。

QUINA:それ、夏はちょっと暑苦しいじゃないですか(笑)。

――その「すごく運命的な出会い」について教えてください。

BYO:SCREWの解散間際に、Nihilizmに主催イベントに出てもらったことがあったんです。その時は目も合わなくて、「こいつ、挨拶もねぇな」と思って…というのは嘘で、僕が覚えていないだけだったんですけどね(笑)。そうやって同じ空間にいたことはあったんですけど、きちんと話すこともないまま、お互い2016年の11月に解散したんです。僕はそこから廃人の期間を経て、そろそろメンバーを探そうかなという時に、知り合いから「良いギターとベースがいるよ」と言われて。本当にいいタイミングでした。まさに運命ですね。

――QUINAさんは結成にあたって、「色々な奇跡が重なって、このKHRYST+というバンドは結成されました」というコメントを寄せていましたね。

QUINA:解散の時期が一緒だったし、やっていた音楽も目標としているものもすごく近くて。しかも、上手くパートが合わさってバンドができることに運命を感じたんです。僕は、ベーシストは絶対に一緒にやっていたIЯUがいいと思っていたんですけど、SCREWもお互いに思い合っていて、2:2でダブルデートというか、通じ合っているものが合体したというか…

BYO:会話が若いな~(笑)。

QUINA:僕、フレッシュなんで(笑)。

――ツインギターにしようとは思わなかったんですか?

QUINA:「5人目はどうする?」という話は全くなかったです。

BYO:QUINAはワンギターでも5人分くらいのアレンジをしてくれるので、むしろもう一人いると邪魔かなと(笑)。

QUINA:僕はこれまでツインギターでしかやったことがなくて、今回初めてワンギターでやるんです。それはバンドの華の部分を全部自分が担当するということだから、昔の僕だったら不安だったと思うし、すごくカッコいいバンドだったSCREWを背負っていくプレッシャーがあったと思うんです。でも、今は逆にそれがやる気スイッチになって、甘えないで活動していけるから良かったと思っています。

◆BYOちゃんがやりたい音楽を100%開花できるバンド(QUINA)

QUINA

――出会うべくして出会った4人によって結成されたんですね。始動のニュースに国内外から大きな反響があって、期待の高さが窺えました。

BYO:僕は解散してから基本表に出ずかなり時間も経っていたので、あの反応は嬉しかったですし、バンドをやろうと思って良かったなと思いました。でも、単純にSCREWの鋲として帰ってきたわけではないので、早くKHRYST+のファンへと導かないと。

――そういう意味もあって、名前の表記を鋲からBYOに変えたんですか?

BYO:自分の中で延長線にはしたくなかったんです。気持ちを新たに挑みたいなと思って。

――バンド名やコンセプトはBYOさんが中心になって決めたんですか?

QUINA:基本的にはBYOちゃんです。バンドの中央にいるBYOちゃんがやりたい音楽、やりたい方向性を僕たちが完全に表現して、それを100%開花できるバンドのほうが、ちゃんと音楽ができるんじゃないかと。僕は強い意思を持ったヴォーカリストがすごく好きで、BYOちゃんは正にそういうヴォーカリストなので、付いて行こうと思ったんです。

IЯU:僕とQUINAはずっとメンバーを探していたんですけど、ヴォーカルは弦楽器隊と違って、自分の生身の声を使って表現して、お客さんやリスナーに伝える存在じゃないですか。その人に自分の意思がなかったら何も伝わらないですよね。僕とQUINAの第一条件は、強い意思がないヴォーカルとは絶対にやりたくないということだったんです。BYOちゃんのように、「自分はこういうふうにバンドを持っていきたい」という意見がある人に会ったのは初めてで、だったら僕たちも、その中で好きなように表現させてもらえると思ったので、一緒にやりましょうということになりました。

――バンド名とコンセプトではどちらを先に考えたんですか?

BYO:どちらかというとバンド名ですかね。楽曲制作を始めて歌詞を書いていく中で生まれた自分の気持ちから始まって、それに合うバンド名を見つけてしまったと言うか。だからバンドを始動する際のコンセプトとして「受難と復活」をテーマに掲げました。自分の考えているものや、表現したいことがピッタリしっくりくる。この上ないワードだと思っています。

――ところで、最初に4人で音を出したのは「Teardrop」(2013年リリースのSCREWのシングル)だったそうですが、その時の感想は?

QUINA:違和感がなかったです。僕とIЯUからすると他のバンドの曲なので、耳コピをしたんですけど、すんなりできました。不思議なことにセッション的にもならず。

JIN:単純に楽しかったです。楽しいと思えることがバンドを組む上で良いのかなと思うし、ちゃんと音を覚えてきてくれたことにすごく好感を持てました。よくやってくれたなと。

――お兄さんっぽいコメントですね(笑)。新鮮な感じはありましたか?

JIN:もちろんありました。長年SCREWをやってきた中で、セッションというものをそれほどやってこなかったですし、新メンバーと一緒にやるということが楽しくて。

BYO:僕の中ではベースがいるということ自体が奇跡なんですよね。それがIЯUなので、余計に最高ですね。

――作品は、いつ頃作り始めたんですか?

BYO:「螺旋階段」は、2017年の春頃からです。

――その段階でBYOさんの中では、ヴィジョンが見えていたんですか?

BYO:僕は解散後すぐに音楽をやろうとは思っていなくて、元々はJINと二人で何となく曲を作ってみようかというところで作り始めたんです。そこから何曲かできたんですけど、歌詞ができるのに1年ぐらいかかって(笑)。イメージはあったんですけど、形にするのに時間がかかったと言うか、具体的なスケジュールがなかったので、歌詞を書くというより箇条書きの状態が長かったんです。

――全ては「螺旋階段」から始まったんですね。

BYO:そうですね。その当時の廃人感、追い詰められていた感じが込められています。10年やってきたものを終えて、心にポッカリと穴が開いてしまっていた心境がメインになっていて。未来が見えなくて、前に進んでも後ろに進んでも同じ位置にいる、そんなぐるぐるしている状態を「螺旋階段」と名付けました。

――ミニアルバムのタイトルを『BASALT』にしたのはなぜですか?

BYO:BASALTは玄武岩という溶岩の一種なんですけど、廃人の期間を経て、もう一度バンドをやろうと思った時って、次に向けて燃え上がっているじゃないですか。その中で制作をして、燃えたぎる気持ちを詰め込んでいったんです。山が噴火してマグマとなり、流れて溶岩になる過程を作品で表現できたらいいなと。僕たちの熱すぎる気持ちが流れ着いたものが、『BASALT』です。

――1stではなく0thなんですね。

JIN:BYOが考えたんですけど、いいところをついてくるなと。よく、1stを名刺代わりの作品と言ったりするんですけど、僕としてはバンドをより濃く知ってほしいので、0thがふさわしいなと思いました。

BYO:これはバンドを固めるための1枚だったと思っています。自分たちが自分たちのことを知りたいがために作った1枚と言うか。変に1枚目と謳ってしまうと、届けたいという気持ちになってしまうけど、それよりも僕たちはどんなものを作れるんだろうかというところを掘り下げたかったんです。これを経て次に出す正式な1枚目は、さらに良いものになる気がしますね。

IЯU:渾身のバラードとかね。

BYO:いいね(笑)。0枚目でこんな良いものができてしまったので、期待するしかないです!

――そんな0thミニアルバムは、ライブの画が見える曲が揃っていました。

BYO:まずはライブのセットリストをイメージしつつ選曲していたところもあって。制作段階で、まず「螺旋階段」があって、他にこういうパーツがほしいと曲を作ってもらったので。常にライブが頭の中にある状態で仕上がっていったので、自ずとライブが見える曲順でもあるかなと思います。

◆自分自身も楽曲も変えていかないと何も進まない(JIN)

――各曲の聴きどころを教えてください。

01. RING THE CHANGES

JIN

JIN:この曲は、「螺旋階段」を作った時からあったんです。ライブのSEを作りたい、そしてKHRYST+のより濃い世界観を出したいというBYOの指示を受けて作りました。上手く表現できたと思います。世界観としては鐘の音が一番わかりやすいんじゃないかなと。

QUINA:僕は「ギターの音量を下げて」と言われました。誰にとは言いませんけど。

BYO:(笑)

QUINA:でも、僕の中でこれはバンドサウンドではないんです。うちのバンドはこういう世界観で、KHRYST+とはこういうものだということを皆さんにわかってもらうという、映画のオープニングみたいなものです。なので、ここは俺の登場シーンじゃないなということで(笑)。

――曲名のタイトルの「RING THE CHANGES」は、「教会の一組の鐘を色々な調子に鳴らす」という意味ですね。

BYO:そうです。SEぐらいはドストレートにKHRYST+というものに結びつく雰囲気を出してもいいかなと思って。鐘の音を入れて、ちょっとゴシックな雰囲気にしてくれとJINに伝えました。でも、この曲のやり取りはお互いすごくカリカリしていた気がします。

IЯU:文字上でめちゃめちゃ殴り合いの喧嘩をしてましたよね(笑)。

JIN:LINEやデータでやりとりするじゃないですか。曲の話し合いも大体LINEなんですけど、やっぱり文章だけでは意思が伝わりにくくて。俺はこう思っているのに、そういうつもりじゃなかったということでお互いにイライラして、「わかるでしょ!? 鐘の音だよ鐘の音!」みたいな(笑)。

QUINA:言い合ってましたね(笑)。

JIN:僕の想像の中で勝手にオプションが付いてしまっていて、それをBYOに「いらないんだけど!?」と言われるという(笑)。

BYO:イメージがあるから言うわけじゃないですか。でも、言うのは簡単ですけど、伝えるのはすごく難しいんですよね。…と思いつつ、ヴォーカルのイメージがあるんだから、余計なことをするんじゃない! まずはイメージ通り一回軸を組み立ててから、アレンジしようよ!と(笑)。

JIN:考えが先に行ってしまって。今度はLINEじゃなく、ちゃんと会って裸の付き合いで曲を作れたらと思います(笑)。

02.螺旋階段

IЯU:この曲は、まさに始まりの曲です。僕はアレンジも最初の時点で出来上がってしまっていたので、体が慣れてしまいました(笑)。サビだけはちょっと大変で、RECすると、こんな感じだったっけ?となりましたけど、それ以外はパパッといきました。

BYO:パパッと…羨ましいですね。

――BYOさんはパパッといかなかったんですか。

BYO:はい。僕の聖書には楽勝という文字はないですからね。

全員:(笑)

BYO:「螺旋階段」は、リハで何回も合わせていた曲なんですけど、実際にレコーディングして形になってくると、メロディーと歌詞の相性や聴こえ方が気になって、次回に持ち越しさせてもらったり、歌詞を書き直したりしました。しっくりきていたはずのところが、こなくなっちゃったんですよね。時間をかけ過ぎて、新鮮な気持ちで見られなくなったのかもしれないです。

JIN:僕もこの曲は基盤を作るまでに結構時間がかかりました。Aメロも、最初はもっとゆっくりだったんです。

IЯU:元々すごくずっしりとしたスローナンバーだったんですよ。

BYO:最初のテンポだと、「遅すぎて寝ちゃうよ!」ということで、「巻きで!」と言ったらこのテンポになりました(笑)。

――アレンジはいかがでしたか?

QUINA:これは、僕が最初にアレンジを頼まれた曲なんです。自分の中ではSCREWの二人に提出する課題曲という感じでした。僕は、僕がやりたい音楽を伝えられるようなアレンジをしたくて。それで思いっきり、自分の中のヴィジュアル系のギターというものを、感情を込めて作り込んだんです。QUINAというギタリストはこうなんだ、ということを詰め込んでアレンジした曲です。

BYO:そのアレンジを聴いてJINと、「アレンジ、めっちゃカッコ良くない!?」と言っていました。聴いていて、熱っ!となる曲です。

03. FREAKING OUT

――アルバム全体を通してテクニカルなギターが印象的ですが、中でもこの曲はギターが派手ですね。

QUINA:そうなんです。この曲は、リフから出来上がっているんですよ。でも、実はこのリフの大元を考えたのは僕じゃないんです。

BYO:さて、誰でしょう!

――…BYOさん、無茶振りしたんですね?

BYO:しかも、ボイスメモで口頭で伝えました(笑)。

QUINA:まずBYOちゃんからJINちゃんにボイスメモが行って、JINちゃんがギターを弾いてデモにして、僕がアレンジしたんです。流れ作業でできたリフで、その過程でアナログからデジタルに進化しました(笑)。

BYO:ライブを想像した時に、「螺旋階段」の前後にこういう曲が欲しくなっちゃって。こういうイントロがあって、こういうパフォーマンスをして…というイメージがどんどん出てきたので、これは伝えるしかないなと。あと今回僕はギターの音にすごくうるさかったです。

QUINA:ボリューム感ですね。アレンジよりも音色でした。理想の音があって、その音を表現するにも口では表現できないし、以心伝心しないといけない部分があって。うちのバンドは二面性があって、激しい楽曲と聴かせる楽曲を極端に分けているんですけど、そこでギターの歪を二つに分けてほしいという注文がありました。

――JINさんはいかがでした?

JIN:ちょっと話が戻るんですけど、バンドをやろうかとなった時にあった曲のストックを、BYOに全部完全否定されたんです。

全員:(笑)

JIN:でも、それはそうだなと思って。僕が作っているのはSCREWの延長線上のような楽曲ばかりだったんです。自分自身も楽曲も変えていかないと何も進まないということを教えてもらって。ゼロから始めて、こういう曲がほしいと言う要望に対してどう表現すればいいのかすごく勉強になりました。だからこの「FREAKING OUT」もパンクノリで作ったんですけど、最終的にはパンクっぽく聴こえなくて、いい意味でBYO節が出ていると思います。

IЯU:俺は結構自由にやらせてもらいました。この曲に関しての感想は、「しんどい」だけです(笑)。

QUINA:同じことをずっとやっている筋トレみたいだよね。ライブでこれが2回続いたら、多分手が動かなくなります(笑)。

◆俺たちに付いてきてくれれば間違いない!(IЯU)

04.DON’T BE SILLY

IЯU

――IЯUさんの一推し曲で、BYOさんも「俺がソロなら間違いなくこの曲がリード」とオフィシャルTwitterで呟いていました。

IЯU:この曲、滅茶苦茶好きなんですよ。

BYO:JINに、「こんな曲がほしい」と言ってオーダーしたんですけど、その時からこうなることはわかっていました。でも、QUINAは制作中はその良さに気付いてくれていなかったみたいで(笑)。

QUINA:この曲は歌が入って初めて「いい!」と思ったんです。最初はメロがピアノで鳴っているだけなので、その時は正直ただの歌モノだと思っていて、だったら俺のギターが目立ってやろうというくらいの気持ちだったんです。でも歌詞が入ってそれがシンクロしたときに、「めっちゃいい曲だ!」と。すごく大人な感じがします。

――Aメロの〈羽をばたつかせ〉のところのギターも素晴らしいですね。

BYO:あぁ、あれも全部僕の指示ですね。

QUINA:いや、あれは俺のオリジナルです(笑)。ベーシストとギタリストはお互いの音量で喧嘩になることがあるんですけど、IЯUもその部分がいいと言ってくれて、ミックスの時に、ここのギターの音量を上げてくれと言っていました。

IЯU:カッコいいですよね。不思議とKHRYST+は弦楽器陣二人のアレンジがいい感じに譲り合うと言うか。この曲のベースは指とスラップなんですけど、イントロのギターをスラップに合わせてくれたんです。それも、お互いに話し合ったわけでもなく。

――以心伝心ですね。

IЯU:不思議ですけど、それが出来る良いメンバーだなと思います。

JIN:僕が思うこの曲の肝は、AメロからBメロにかけての展開ですね。あまり使ったことのないコード進行で半音ずつ下がっていってガーッと盛り上げていく、その抑揚がすごいと思います。今までありそうでなかった、新しいBYOの魅力が出ているところです。

05.ボクトアソボウヨ…

JIN:この曲は今まで作ってきた楽曲と似ているんです。さっき、ストックしていた曲を完全否定されたと言いましたけど、要は伝え方ですね。BYOちゃんも、上手いこと扱えば騙せるので(笑)。

BYO:いや、1曲ぐらいOKをあげないと腐りきってしまうんじゃないかと思って(笑)。

全員:(笑)

JIN:そしてこのタイトルですよ。レコーディングの完パケギリギリまで決まっていなかったんですけど、送られてきたらこれで、「うわぁ気持ち悪い…」と(笑)。曲も狂っているし、そのキチ○イさがすごくわかりやすくタイトルに出ていて、本当にいいなと思いました。ザ・BYOです。メンバーも、これでもかと言うくらいのシャウトで、これをライブでやったら絶対にテンションが上がるなと思いますね。

――今回の収録曲の中でも、この曲は特にライブが楽しいと思います。

IЯU:僕は、この曲は、いかにわかりやすくするかだと思ったんです。多分歌詞に乗せることもわかりやすくするだろうし、デモを聴いた時に絶対にライブ想定だろうなと。元々こういうヘヴィな感じは好きなので、いかにわかりやすく弾くかを重視しました。難しく弾いてしまったら、ライブでコーラスをする時に集中できないし、遊べないじゃないですか。だから素直に簡単にしました。

QUINA:例えるなら、酔っぱらっていてもライブでできるくらい楽しくやれる曲で、シンプルです。ただ、最初にデモでもらったときにラウドな曲だなと思ったので、アレンジではラウドをヴィジュアル系にするということを意識しました。

06.REDRUM

JIN:これからずっとやっていきたいと思っている曲です。メンバーソロがあったり、煽りがあったり、曲の雰囲気やタイトルからも、KHRYST+の魅力を詰め込んだ曲です。ただ、作り上げるまでが難しかったですね。ソロの順番をどうするかとか、ベースが先のほうがいいんじゃないかとか。色々詰め込んだ分、時間がかかった曲です。

QUINA:ソロパートは大変でした。珍しくIЯUがすごく苦戦して、2ヵ月くらいかかっていたんじゃないかな。

IЯU:アレンジでここまで時間がかかったのは、多分人生で初めてです。

QUINA:1回めげてたもんね。途中で「ソロ無しでいい!」とか言い出して(笑)。

IЯU:そうなんです。すごく行き詰ってしまって。ソロの順番を入れ替えたり、ギターの尺を短くしようとしたり、長くしようとしたり。どういうソロがいいのか、本当に浮かばなくて。自分の中で固くなっていた部分があったみたいです。

BYO:ガチガチだったよね(笑)。

IЯU:バンドに合わせたほうがいいのか、曲の特長に合わせたほうがいいのか、それとも自分の色をそこに出せばいいのか。でも、そこだけ自分の色を出すと曲が変わってしまうかもしれないと考えたりもして。それでメンバーに相談したら、好きにやっていいよって言ってくれたんです。俺は元々ピックでゴリゴリ弾くのがすごく好きなので、自分らしく変えちゃえ!ということで。メンバーは全く苦戦しなかったみたいなんですけどね。

QUINA:僕がサラッとアレンジを固めちゃったので、IЯUがやりにくかったのかもしれません。早い段階から色々決まってしまっていて、割とギターも遊んでいる曲なので、最後にベースを乗せようかという時に、IЯUが迷ってしまったのかな。でも、最終的に自分の色を出して、このバンドのサウンドになって。皆の良さを活かすことができた曲ですね。

――そして、〈不器用な生き様を未来へと最大限に繋げ〉という歌詞はまさにKHRYST+のこれからを表したような言葉ですね。

BYO:良いこと言いますよね。深い男ですよ(笑)。

――(笑)。さて、11月1日には始動ライブ「KHRYST+ LIVE #000000」が行われます。とてもシンプルなタイトルですが、一体どんなライブになるのでしょうか。

JIN:自分たちでもまだわからないんです。でも、それぞれが何かをしてやろうと思って組んだバンドだと思うので、まぁ“コンサート”ではないですね。当日はミニアルバム以外の曲も用意して激しいライブをしますし、言葉では伝わらないので来てくださいという感じです。実際に来て観ないとわからないと思いますよ。

――JINさんは、「もちろん普通のライブじゃないし、俺はぶっ飛んだ事をやる」そうですね。

IЯU:この日のJINさんはすごいですよ。皆すごいですけど、JINさんは多分特に!

BYO:『BASALT』の曲自体は色々なところで聴けると思うんですけど、ライブでは聴いたこともない曲がいっぱいあると思います。どうなるのか見えないところがあっても、しっかり先導するので。ファンの皆と化学反応を起こして、どれぐらい大きな火になるのか、『BASALT』というものを未来に向けてもう一度燃やしましょう。

IЯU:俺たちに付いてきてくれれば間違いないので!

QUINA:良い意味で期待を裏切るぜ、ということで!

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

KHRYST+

<プロフィール>

BYO(Vo)、QUINA(G)、IЯU(B)、JIN(Dr)の4人からなるロックバンド。ex.SCREWのBYOを中心に、同じくex.SCREWのJIN、ex.NihilizmのQUINAとIЯUによって2018年7月15日に始動を発表。11月1日(木)にTSUTAYA O-WESTで初ワンマンライブ「KHRYST+ LIVE #000000」を開催し、同日、0thミニアルバム『BASALT』を会場限定でリリースする。

■オフィシャルサイト
https://khryst.jp/

【リリース情報】

BASALT
2018年11月1日(木)発売

BASALT
CD only
¥2,500(tax in)

【収録曲】

[CD]
01.RING THE CHANGES
02.螺旋階段
03.FREAKING OUT
04.DON’T BE SILLY
05.ボクトアソボウヨ…
06.REDRUM

【ライブ情報】

●KHRYST+ LIVE #000000
11月1日(木)TSUTAYA O-WEST

【OFFICIAL FANCLUB【REDRUM】発足】

有料会員登録(月額¥500(+税))していただきますと「MOVIE」「GALLERY」ライブチケット優先先行販売等をご利用いただけます。その他、FC限定イベントなど企画中!

KHRYST+オフィシャルTwitter https://twitter.com/khryst_official
BYO Instagram https://www.Instagram.com/byo_official
QUINA オフィシャルTwitter https://twitter.com/khryst_quina
QUINA Instagram https://www.instagram.com/denki_otoko
IЯU オフィシャルTwitter https://twitter.com/khryst_iru
IЯU Instagram https://www.instagram.com/inumamire_p1pit
JIN オフィシャルTwitter https://twitter.com/khryst_jin
JIN Instagram https://www.instagram.com/jin_0722_ofc