圭(BAROQUE)×一樹(BugLug)のスペシャル対談! 変化の時を迎えた二人が振り返る過去、そしてこの先に描く未来とは――
ファインダー越しに並んだフォトジェニックな二人には、どこか似通った空気が漂っている。同じ上手ギタリストにして、同じ事務所の先輩後輩。一樹はかつて圭のローディーを務め、現在に至るまで師弟としての密な交流が続いているという。そんな数々の共通点の中でも、お互いをリスペクトしながら自らの音楽に真摯に向き合いそれを昇華させていく、その姿勢こそが二人に共通する最たることかもしれない。まさに激動という言葉がふさわしい背景を持つ両バンドだが、その苦難を糧にBAROQUEは二人体制となって飛躍を続け、BugLugは転落事故から奇跡の復活を遂げた一聖(Vo)と共に武道館という大舞台に挑む。両バンドにとって大きな変化の時である今、二人のスペシャル対談を実施した。
◆一樹はステージを観ていてカッコイイなと思うんだよね。上手ギタリストって似合う人と似合わない人がいると思うんだけど、一樹はそういう華を持ってる(圭)
――一樹さんは昔、圭さんのローディーをしていたそうですね。
一樹:俺が高校生の頃、BAROQUEが初回盤が缶になっているミニアルバム(※2002年にリリースされたミニアルバム『秋葉原電機店黒人歩 亜東京ストリッパー』)を出したんです。それを買って毎日のように聴いていました。その後Zepp Tokyoにライブを観に行ったらめちゃくちゃカッコよくて、この人たちを側で見たいという思いが強くなったんです。そうしたら「知り合いがBAROQUEのローディーをやっているよ」っていう方が当時のバンドのスタッフにいて。その人を通じてローディーをやりたいってお願いしたのが始まりです。
圭:その一樹の知り合いは、俺がバンドを始めた15~16歳の頃に付いてくれていたローディーだったんですよ。一樹がローディーになったのは俺たちがデビューした年で、シングル『我伐道』を出して武道館でライブをした頃だから、もう14年くらい前か…すごいね(笑)。
――本当に長い付き合いなんですね。
一樹:そうですね。関係性としては師匠で大先輩で尊敬するアーティスト。その距離感はずっと変わらないんです。そして今日は初対談なのでとても緊張しています(苦笑)。
――(笑)。一樹さんは2009年リリースの圭さんのソロアルバム『silk tree.』のライブにサポートメンバーとして参加していますよね。
一樹:あの時は圭さんから「弾いてくれ」って言われてすごくテンションが上がりました。単純に圭さんの横にいられることが嬉しかったんですよ。当時やっていたバンドの活動が忙しくなってきて、俺はBAROQUEのローディーを割と早い段階で辞めることになってしまったので、圭さんの側で見ることがしばらくなかったんです。だからステージの上で、しかも真横で圭さんの音が聴けるなんて!と思って。最初は「弦が切れたらどうしよう…」なんて悩んだりもしたんですけど、やってよかったと思います。
――圭さんはどういう思いで一樹さんに声をかけたんですか?
圭:一樹は真面目だし、ギターも上手い。だから初めてソロライブをやることになって、自分がレコーディングで弾いたフレーズを誰に弾いてもらうか考えたときに、過去にローディーをやって俺のスタイルを知ってくれている一樹ならと思って頼んだんです。一樹はすごく話が通じるやつで、一生懸命だし、後輩だけど理解者でもあった。彼は「ローディーをやっていた当時のBAROQUEはすごくおっかなかった!」って言うけど、俺は結構仲良くしていたつもりで(笑)。BAROQUEのローディーを辞めることになったのも一樹自身のバンドが忙しくなってきてどんどん登っていく時だったからで、いい雰囲気で「頑張ってね」って送り出したし。
――とても良い関係性だったことが伝わってきます。それにしてもやっぱり当時のBAROQUEは怖かったんですね(笑)。
一樹:圭さんはすごく良くしてくれたんですけど、当時はBAROQUEの存在がとても怖くて(笑)。BAROQUEはメジャーに行って、意識もすごく高くて、リハーサルも綿密にやっていて。音作りにしてもアンプの音色をいじったらそれを逐一メモっておかないといけなかったんです。実は俺、1回メモるのを忘れてしまって。マジでヤバいと思って「確かこんな感じだったはず…」と必死に再現したんです。これは今だから言えることなんですけどね(笑)。
圭:そうだったの!? 逆にありがとうございます。
一樹:BAROQUEはそれくらいプロフェッショナルだったので、音楽やバンドに対する思いはすごく勉強になりました。
圭:でも当時のBAROQUEはローディーも多いし、物々しい雰囲気で暴走族の集まりみたいだったよね(笑)。
一樹:確かに。ローディーの中でもリーダー格のタカさんっていう人がメインでメンバーと連絡を取ってくれていたんですけど、その人から「メンバーが来る。5分後」って言われるとローディーが全員整列するんですよ。それで車を迎えてドアを開けて「おはようございます!」と(笑)。
圭:そっちの世界みたいだよね。今考えるとちょっとおかしい(笑)。
――当時のヴィジュアル系ならではの縦社会であったとしても、かなりすごい話ですね。
圭:晃君(G)と万ちゃん(B)はしきたりを大切に思う人で、特に万ちゃんは自分自身も長くローディーをやっていた人だったから、そういう流れを大切にしていたのかもしれないね。
一樹:でも俺はすごく尊敬していたからこれが当たり前だと思っていたんですよ。そういう意味ではBAROQUEだったから成り立っている空気感であり、世界だったと思います。
――当時、一樹さんと同じRuvieにいた燕さん(BugLug/B)も、BAROQUEのローディーをやっていたそうですね。
圭:燕は当時、万ちゃんに付いていたんだよね。一樹も燕も真面目でいいやつだと思ってた。性格も良かったし、一生懸命だったし、悪い印象が1個もない。ローディーの中には何を学びに来ているのかわからず来てた子もいた気がするけど、当時のRuvieのメンバーは真剣に自分たちもバンドをやりたくて来てるっていうのがわかったから。ツバくんも可愛い存在ですよ。…そういえば、俺、一樹に引越しを手伝ってもらったこともあるよね(笑)。
一樹:ありましたね。ローディーとして付いているメンバーの引越しを手伝う、ということで(笑)。
――かなり濃密なローディー期間だったんですね(笑)。
一樹:時期としては1年ちょっとだったんですけど、すごく長く感じました。BAROQUEのメンバーに毎日のように接した本当に濃い日々だったんです。俺、BAROQUEの武道館ライブの時に袖にいたんですけど、その時に圭さんが「お前も立てるよ」ということを言ってくれたのがずっと残っていて。あの言葉があったからこそ今もやれているのかなと思うんです。
圭:そういう話をしたこと、何となく覚えてる。だから、BugLugの武道館が決まったこのタイミングで、チャンスがあったら話したいなと思っていたんだよね。
――とてもいいタイミングで対談が実現したんですね。お二人は、同じ上手のギタリストとしてお互いのプレイにどういう印象を持っていますか?
圭:一樹はステージを観ていてカッコイイなと思うんだよね。俺は上手ギタリストってそこに似合う人と似合わない人がいると思うんだけど、一樹はそういう華を持ってると俺は思う。ライブを観て、いい部分を逆に学ぼうと思ったこともいっぱいあるし。だからソロでライブやった時に一樹に上手にいてほしいと思ったのかもしれないな。
――背格好や雰囲気も含め、圭さんと一樹さんは似ている気がします。
一樹:ヴィジュアルも、ギターのセレクトもそうですけど、好きだから無意識に真似したり、似ちゃう部分が多かったりするんですよね。でもこれからは俺自身も自分というものをもっと確立しないといけないし、頑張らなきゃなと思っています。
圭:確かにライブを見た時、やっぱり一樹は俺のことをすごく見ていてくれてたんだなって思った。だけど、いい意味で似ているけど、ちゃんと一樹のものになっていると思うし。弾き方も受け継いでくれているところもありつつ、独自に進化してるからね。
一樹:ありがとうございます! あと、俺と圭さんとは身長が一緒なんですよね。
圭:そういうところも似てるよね。大きな意味でタイプが近いこともあってシンパシーを感じたのかも。でも性格は全然違う。俺はこんなに優しくないよ(笑)。
一樹:圭さんは優しいんですけど、当時はすごく周りを威嚇してたというか…
圭:ツッパってた(笑)。
一樹:俺自身にそういう要素が全くないから、アーティストとしての魅力があってそこも憧れでした。
圭:この間一樹が「こういうことを周りに対して言いたいんですけど、なかなか言えないんですよね」って相談してきたんだけど、俺ならそんなの1秒で言っちゃうよと思って(笑)。彼はちゃんと周りの事を考えられる人間なんだけど、俺はストレートに言っちゃうんだよね。
――そんなお二人はプライベートでの接点は?
一樹:プライベートと言えばやっぱり“圭さん会”ですね。
圭:たまにいろんなバンドのギターのやつらが集まって飲み会をしているんです。そもそもは、何年か前にDaizyStripperのギターのなおちゃんが俺の事好きだって言っててくれて、二人で飯を食いに行って。そうしたらユナイトのLiNも会いたいって言ってくれて。最初はそれぞれと連絡を取っていたんだけど、そのうちに「この人も会いたいって言ってる」って色々声をかけられて、結果的に20人くらいで一気に集まって飲み会をやるようになったんです。2年くらい前に始まって、なんとなく春夏秋冬で集まる、みたいなのが続いてるよね。
一樹:すごく楽しい会で、音楽の話や機材の話もできて本当に幸せな時間なんです。次はいつやるのかなって毎回楽しみなんですよ。
◆圭さんの作ったものはどの時期の作品も一ファンとして全部好きで。言うなれば、ドストライクなんです(一樹)
――お二人が出会ってから現在に至るまでの間に、両バンドとも色々なことがありました。
圭:BAROQUEが解散して、一樹にソロを手伝ってもらったときはkannivalismも休止していて、そこからまた復活したりして状況がコロコロ変わってたよね。
一樹:BAROQUEが解散した時はすごくショックで泣いたりもしたんですよ。解散や休止によって、これまで作ってきたすごく良いものがなくなっちゃうような気がしたんです。もちろん作品は残るけど、バンドの未来がなくなってしまうような感覚がすごく寂しかった。でもこうやって活動を続けてくれていることをすごく尊敬するし、ありきたりな言葉ですけど、本当に感謝しかないんです。色々な先輩がいる中で、俺は圭さんを一番リスペクトしていて。音楽への向き合い方やギターへの向き合い方…本気で尊敬できる人は多分、圭さんだけじゃないかな。今もこうやって活躍されているからその背中を追っていられるし、BAROQUEも圭さんもどんどんクオリティを上げていくのですごいなと思うんです。俺、圭さんの作ったものはどの時期の作品も一ファンとして全部好きで。言うなれば、ドストライクなんですよね。だからこそ今でもライブに行ける時は必ず行くし、そのたびに刺激をもらっているんです。
――一番思い出に残っているライブはありますか?
一樹:やっぱりZepp TokyoでのBAROQUEの解散ライブですね。「この曲でラストです」って終わった時のファンの方々やメンバーの空気を見て、解散って辛いなと思って。だからこそ赤レンガ(2011年の赤レンガ倉庫野外特設ステージ)でたくさんのファンの方々の前で復活してくれて、めちゃくちゃ嬉しかったんです。「BAROQUEが帰ってきた!」って思えたから。
――あの日の復活ライブでは詰めかけたファンの方々の熱い思いが伝わってきました。圭さんはRuvie 、そしてBugLugの活動を見ていてどう感じましたか?
圭:Ruvieはいいバンドだったし、当時から一樹と燕は上手かったから、解散が決まったときは悔しくて。でも二人が「新しいバンドを作って戻ってくるんだ!」という姿勢だったから、絶対うまくいってほしいと思っていたんだよね。その後、また二人が同じバンドを組んで、優(G)も入ってBugLugになって。一聖のことも入る前から知っていて、最初は荒削りだったけど、その後の作品を聴かせてもらったら着実に成長しているのがわかった。俺は兄弟みたいに思っていたから、だんだん結果も出てきて動員も増えて本当に良かったなと思っていたんだよ。だから1年前の一聖の事故のことを聞いた時は、みんなと同じように青ざめた。
――事故の第一報を聞いた時はどう思いましたか?
圭:最初は状況もわからなかったんだけど、とりあえず一樹は大丈夫だろうかと思って電話したんだよね。俺たちも今までいろんな危機があったけど、メンバーの生命の危機みたいなことはなかった。だから悩んだんだけど、メンバーが一番パニクっているだろうからとりあえず電話しようと思って。
一樹:電話をいただけて嬉しかったです。後にも先にも連絡をくれたのは圭さんだけなんですよ。
圭:…みんな気を遣ってたんだね。(笑)
一樹:いや、そこが圭さんのいいところです(笑)。その時に「大丈夫だよ、きっとうまくいくよ」って言ってくれて。その後の圭さん会でも、俺が弱気になって「どうなるかわからないんですよね」って言ったら、「絶対乗り越えられるよ」って背中を押してくれたんです。
――それで救われた部分もあったんですね。
一樹:正直、救われっぱなしです。
圭:でも一聖の状況がどうなるかわからない時に、メンバー4人だけで歌って活動を続けたのは本当に大変だったと思うよ。やったことがないことにチャレンジするプレッシャーもストレスも不安もあっただろうし。でも逆に考えたら、このとんでもない試練はバンドがもっと良くなるきっかけだったのかもしれない。俺はそう信じて欲しいと思ったし、俺も信じるから、と思った。もちろん今もまだ取り戻している最中だと思うけど、BugLugは最高の形でもっと強くなって戻って来られたんじゃないかな。それはメンバーの今までの積み重ねた頑張りと、何より一聖の精神力でしかないわけだからすごいことだよね。
――BAROQUEも過去にヴォーカルの怜さんが鬱や適応障害を患っていましたよね。
圭:怜も入院してたんだよね。物事に大小はないけど、あの時も同じように思ったんだよ。バンドってヴォーカリストの状況に自分たちの人生もかかっていて、ヴォーカルが活動できないと言ったら、楽器隊は本来は自分で歌うこともできないから基本的には活動ができない。最初は途方に暮れて「どうしよう。明日から何しよう」っていう状態だった。
一樹:スケジュールが一気に白紙になっちゃうんですよね。
圭:うん。それまで止まらずどんどん走り続けていたのが、いきなりそういうことになるといろんなことを考えちゃうんだよね。「バンドがなくなったらどうしよう」とかさ。
一樹:俺もそれは考えました。
圭:一人になって何をするか考えたときに、俺の場合は幸か不幸かレコード会社と契約していて、まだ消化しなければいけない契約があったからソロ活動にチャレンジしたんだよね。当時レーベルの責任者だった人が凄くいい人で、本来だったら俺のソロでkannivalismが補えるわけじゃないんだけど後押ししてくれて。嫌だったけど歌ったりもしたし(笑)。怜がいない間、俺が何かしているほうがファンの子も安心するだろうし、そこで新しく出会える人がいたらいいなと思ってやったんだよ。
一樹:俺、圭さんのソロ作品も好きなんです。色々あったけど、あの音楽が生まれたのはリスナーからしたらすごいことだったんですよ。圭さんもすごく大変な中でソロをやって、今はこうしてBAROQUEとして活動している。俺たちも一聖の事故があっていろんな人に迷惑をかけたので、今はみんなに恩返ししたいっていう気持ちが溢れているんです。俺たちが復活できたらBAROQUEと同じ意識で戦えるんじゃないかと思うし、今まで助けてもらった分、BugLugとしてBAROQUEに恩返ししたいと思っています。
――最大級の恩返しですよね。
一樹:そうなるように今は頑張るという言葉しかないですけど、5月7日の日本武道館を成功させるために今は全力でやっています。
――頼もしいですね。
圭:本当にね。自分は先輩だなんて思ってないけど、単純に一樹が活躍してくれることが俺の励みになるし、嬉しいし誇らしくもある。活躍してくれればくれるほど、いいものをもらえる。ローディーやっていた子がいいギタリストになって成功するって単純にすごく嬉しいんだよ。ローディーをやっていてもなかなかバンドが続かなかったり、悪い事ではないけれど音楽の道を諦めた人もいる。そんな中でずっと音楽を続けて自分の夢を叶えてくれて本当によかったと思う。
一樹:BAROQUEのローディー時代に得たものがすごく大きかったので、あれを失ってはいけないという思いがあるんです。
圭:ありがたいな。それに自分たちの力で戻って来て、武道館をやるっていうのはすごいことだよ。それは今までの積み重ねや今の気持ちで、自分たちで掴み取ったものだと思うから。一樹が言ったように、これまでの「自分たちのため」っていうところから、さらにもう一歩進んで、周りが見え始めたんじゃないかと思う。それによってもっと良くなって、もっと強くなっていると思うんだよね。
一樹:ようやくですね。長い時間がかかりましたけど。のろのろ、ゆっくり来たんですけど、続けることで成長できることって本当にたくさんあると思いました。
圭:武道館でやることがすごい、すごくないということを置いておいても、ミュージシャンとして一つの目標にしている人がいる場所だから。そこに至るまでにはいろんなパターンがあると思うよ。BAROQUEみたいにあっさり立つバンドもいれば、すごく積み重ねてきてからそこに立つ人もいる。それはどっちもいいと思うんだ。俺はその時はわからなかったけど、俺はみんなに立たせてもらったっていうだけだったんだよね。当時18歳か19歳だったんだけど、自分でも至っていないなっていうのがわかっていたから。演奏力もそうだし、自分のアーティストとしてのパワーもそう。これをずっと続けていくにはもっと成長しないとダメだっていうのを痛感した場所でもあった。正直、BAROQUE自体のターニングポイントになったというか、ちゃんとやって、もう1回立たないといけないなと思ったライブだったな。
――それは武道館だから感じた部分なんでしょうか。
圭:そうなのかな。でも、あのまま続けていてもきっとどこかで限界が来ると思ったライブだった。単純に実力もそうだし。あれから俺らはここまで走ってきて、今二人になっているけど、もう一回ちゃんと武道館がやれる時が来たら一つの答えが出るんじゃないかな。
一樹:あの日、圭さんの後ろから見ている分にはいつもどおりのBAROQUEで。武道館に負けているとか、至ってないなんてことは全く感じずに、むしろBAROQUEらしくハチャメチャにやっていてすごくいいライブだったという記憶があるんです。武道館って音のまわり方が特殊で、音が降ってくる感覚とか、そういったものはいつか自分でステージに立った時にステージ上で聴きたいな、来てくれたファンの方に聴かせたいなって思っていました。
圭:あの日のこと覚えてるの?
一樹:圭さん越しの武道館を強く覚えていますね。
――圭さん越しの武道館っていうのがまたグッときますね。
圭:そんなの見たの一樹しかいないからね! 今回、本当に良いタイミングで話せてよかった。すごく不思議なタイミングだったと思うよ。
一樹:ありがたいです。両バンドとも前向きに活動できている今、圭さんとこうやって話させてもらったことに感謝しかないです。
――前向きな活動の一つとして、BAROQUEは4月13日にShibuya TSUTAYA O-EASTでワンマンライブ「SKY FITS HEAVEN」が行われますね。見える景色がどんどん変わってきているんじゃないかなと思って。
圭:望んだわけじゃないけど二人になってどうしたらいいんだろうって悩んだ時期がすごく長くて。2~3年くらい、いつも納得していない状況だったんだけど、今は納得して、ある意味覚悟を決めてやっているから。どこに行きたい、っていうのも自分たちはわかっているし、どうなりたいっていうのもわかっていて。俺たちも俺たちで、すごく時間がかかっているんだけど、人生って先に苦労するか後に苦労するかだと思うし。ちゃんと確実に自分たちがやりたいことを掴み取って進んでいくしかないなと思って。
一樹:この間、事務所のイベントで怜さんとお話しする機会があったんですけど、BAROQUEに対して明確なものを持っているなと感じたんです。お二人の関係性もすごく確立されていて、この二人は無敵なんだろうなっていう感じがしました。今回のTSUTAYA O-EASTも急遽決まった感じですけど、俺はBAROQUEのそういうところも好きなんですよ(笑)。
圭:あ、呆れてるな(笑)?
一樹:いやいや、そういうところもBAROQUEの魅力なんですよね。今って俺も含めて奥手な人が多いじゃないですか。そんな中で前に前にという思いが強い二人を尊敬しているんです。
――BugLugは4月に初のベストアルバム『絶唱~Best of BugLug~』がリリースされ、5月には14年前にステージの袖から見ていた一樹さんがそのステージに立つわけですね。
一樹:ベストアルバムはメンバーで話し合いを重ねに重ねて選び抜いた15曲が入っています。今年の1月7日の「治外法権」で1曲だけ一聖が歌えたんですけど、その時の空気とか音を入れたくてベストに入れました。ぜひこれも聴いていただいて武道館で観ていただけたらなと。
圭:5月7日に武道館をやるって本当にすごいよね、一聖の誕生日なんでしょ? これは運命だと思うよ。同じ日に武道館が取れたってことはきっと必然で、BugLugが武道館に呼ばれたんじゃないかな。だから当日は武道館の上手を支配してきて。
一樹:武道館にふさわしいバンドとして、ライブで音を奏でたいと思います!
圭:BugLugのライブは、BAROQUEを好きな人にも観てほしい。今日話したように関係性があるわけだから、そういうのを知ってから観ると面白い気がするし、逆にBugLugのファンの子達もBAROQUEを観たら面白いかもしれないよ。
一樹:そうですね。あの、いつかちゃんと状態が整った時にBAROQUEのお二人に一緒にライブをやっていただけないか、声をかけさせていただこうと思っていたんですけど…。
圭:ぜひやりたいね!
一樹:実現する日を楽しみにしています!
(文・後藤るつ子)
圭/BAROQUE
<プロフィール>
怜(Vo)、圭(G)からなるロックバンドBAROQUEのギタリスト。2001年に結成し、2003年にメジャーデビュー。同年8月、結成から2年3ヵ月という史上最速で初の日本武道館公演を行う。2004年12月に解散し、2011年7月17日に横浜赤レンガ倉庫野外特設ステージでフリーライブを行い、9月に正式に復活を発表した。2013年4月にアルバム『ノンフィクション』を2015年5月にアルバム『PLANETARY SECRET』をリリース。2016年12月25日にSHIBUYA WWW Xで行った「PERFECT WORLD」をソールドアウトさせ、追加公演として2017年1月28日にEX THEATER ROPPONGIで「PERFECT WORLD 2」を開催。4月13日にはShibuya TSUTAYA O-EASTにて「SKY FITS HEAVEN」を行うことが決定している。
■オフィシャルサイト
http://www.pigmy.jp/
【リリース情報】
『G I R L』
2016年10月26日発売
(Manufactured by sun-krad Co., Ltd. Distributed by FWD Inc.)
【収録曲】
【初回限定盤】
[CD]
01. GIRL
02. PLAY
[DVD]
GIRL – MUSIC CLIP-
【通常盤】
[CD]
01. GIRL
02. PLAY
03. ILA. REMIX by TAKEYUKI HATANO
【ライブ情報】
●BAROQUE ONEMAN LIVE
「SKY FITS HEAVEN」
4月13日(木)Shibuya TSUTAYA O-EAST
一樹/BugLug
<プロフィール>
一聖(Vo)、一樹(G)、優(G)、燕(B)、将海(Dr)からなるロックバンドBugLugのギタリスト。2009年に一聖、一樹、優、燕の4人で結成し、2010年に1stミニアルバム『SUPER NOVA』をリリース。2011年に将海が加入。47都道府県ツアーを始め、精力的にライブ活動を展開し、2枚のフルアルバム『G.A.G』『HAPPY BIRTHDAY KILL YOU』に加え、16枚のシングル、7枚のDVDをリリースしている。2016年5月、一聖の転落事故により、一樹、優、燕、将海の4人で活動を続けてきたが、2017年1月7日に一聖がステージに復帰。4月5日にベストアルバム『絶唱~Best of BugLug~』をリリースし、5月7日に日本武道館で初のワンマンライブを行う。
■オフィシャルサイト
http://www.buglug.jp/
【リリース情報】
『絶唱~Best of BugLug~』
2017年4月5日発売
(Resistar Records)
【収録曲】
[CD]
01. R.I.P
02. 猿
03. 迷子CH
04. BUKIMI
05. V.S
06. THE DEAD MAN’S WALKING
07. -7-
08. KAIBUTSU
09. マジカルモーメント
10. 骨
11. ギロチン
12. 絶交悦楽論
13. おわりのないうた。
14. Dream Rush
15. TIME MACHINE LIVE ver.(2017.1.7 TOKYO DOME CITY HALL)
※謎のカードC封入(5月7日の日本武道館「5+君=∞」公演にお持ちください)
※ジャケットは、ヴォーカル一聖が自ら筆で描き下ろしたデザイン
【ライブ情報】
●BugLug LIVE「5+君=∞」
5月7日(日)日本武道館