ギルガメッシュ

ギルガメッシュインタビュー

“サディスティックバンド”ギルガメッシュの新たなる挑戦!
日比谷野外大音楽堂公演を見据えた超攻撃的シングル『斬鉄拳』完成!

2012年を“サディスティックイヤー”と称し爆走中のギルガメッシュが、10月28日に行われるバンド史上最大キャパの日比谷野外大音楽堂公演「ギルガメッシュ完全燃焼!! ~やれんのか?野音~」を目前に、ニューシングル『斬鉄拳』をリリースする。超攻撃的なサウンド&リリックは、まさに今のギルガメッシュ自身の想いが詰め込まれたメッセージソング。そんな彼らの熱い想いを聞きながらもなぜか爆笑連発となった、ギルガメッシュらしさ炸裂のインタビューをお届け!

――インパクト大の衝撃的なタイトル『斬鉄拳』ですが、これはどなたの案ですか?

左迅:雑談の中で、インパクトのある強そうなタイトルってなんだろって話してて…結局誰だ?

愁:Яyoの「暴走鉄拳制裁斬鉄拳」っていう仮タイトルがあって…

Яyo:いや、違う。

左迅:散漫してる(笑)!

一同:(笑)

Яyo:その前にね、愁さんが何かのツアータイトルを決めるときに、「全国ぶっちぎり斬鉄拳ツアー」とかボソッと言ったのを覚えてる。なんかね、こういうのが雑談の中で生まれるんですよ。

――では、もしかしたらツアータイトルがそちらになっていた可能性も?

愁:無きにしも…

左迅・弐・愁・Яyo:非ず(笑)。

――(笑)。このリリース自体は、「サディスティックイヤー2012」ツアーの初日(FC限定ライヴを除く)、7月13日のO-EAST公演で発表となりましたが、制作はいつ頃されたんですか?

愁:ツアーをまたいでやっていたと思うんですけど、何曲か候補があってレコーディングをしつつ、その中からこの曲が選ばれました。

――なるほど。全速力で攻めまくるサディスティックイヤー第2弾シングルに相応しい超攻撃的なサウンドですが、攻撃的な楽曲にするという方向性は最初からあったのでしょうか?

Яyo:「東京Sadistic~ぶっとおし13days~」という13日間連続公演をやっている最中に、この曲の破片ができていて。そのときには野音でライヴをするということが既に決まっていたので、そこに向けて弾丸のような曲を作りたいなと。野音を見据えて作った1曲という感じですね。

――原曲はどなたが?

Яyo:基本は、みんなの意見を交えつつ僕が形にしていくんですけど、昨年「JACK IN THE BOX」という事務所のイベントで新曲4曲だけを披露したライヴをやったんですね。僕らのファンも知らない、全くの新曲を。その中の1曲が前作「絶頂BANG!!」になったんですよ。そして残りの3曲を混ぜてブラッシュアップしたのが今回の「斬鉄拳」です。

――その3曲は今後音源化することは…?

Яyo:あーもう混ざっちゃったんで(笑)。

一同:(笑)

――そうですね(笑)。では本当に一日限りの楽曲だったんですね。

Яyo:でもわからないです。他にもアプローチを変えれば全然いける作品だとは思います。期待しといていただければ…(笑)。

◆狙えるところは狙えました(Яyo)

――「斬鉄拳」に話は戻り、印象的なギターリフですよね。

弐:そうですね。前作「絶頂BANG!!」はどちらかというとパーティーソングのような曲じゃないですか。そのあとに楽曲をリリースするに当たって、「絶頂BANG!!」とはまた違った感じの攻めてる曲がほしいねっていう話になって。彼(Яyo)がデモを作ってきて、こういうメタルみたいなフレーズだったので、「あ!そっちの方向性なんだな」って思って。バンドのモードとしてもすごく合ってるなと。

Яyo:「ぶっとおし13days」で、昔の曲から今の曲までずーっと13日間ぶっ通しでライヴをやっていて、ギターリフで押すメタル曲っていうのが意外と今までのギルガメッシュに無いなと。そういうアプローチも新しくやってみようかなと思って生まれたものですね。でも、弐さんそういうメタルリフ通ってきてないんで。

――え、そうなんですか? 大好きそうなのに(笑)。

弐:風貌だけですよ(笑)! よく言われるんですよね(笑)。メタルの音楽は聴いていたんですけど、プレイするに当たってはそういうルーツは通ってなかったので、レコーディングは弾くのに若干時間がかかったかな。

――意外です。激しいけどサビのメロがキャッチーというのがギルガメッシュらしいなと思ったのですが、そういう部分は制作していく中で自然とそうなっていくものですか?

Яyo:今回に関しては、計算し尽くしてっていう感じですね。まず基軸にあるのは左迅のキー、そのあとにギターのリフだったりを考えて。「絶頂BANG!!」でTAKUYAさん(ex:JUDY AND MARY)のプロデュースが入って、自分で言うのもなんですけど音楽的な知識がレベルアップした状態での今作の制作だったので、音楽的に考えてちゃんと計算して作った感じですね。だから的を絞って狙えるところは狙えました。

――個人的に〈腐りきったお前等に〉~ブロックの瞬間的な無音がすごく気持ちいいです。

Яyo:あーあそこミソですよ。ダウンチューニングで、ガーッと鳴ってるところで一瞬切れるっていう。…マニアですね。

一同:(爆笑)

左迅:そこ初めて言われたね。

Яyo:そこ結構ヘヴィー系好き向けな感じですよ。ズンズンズンズンしてる感じ。

――はい、ヘヴィーなの好きです。

Яyo:ここはミソですねー。計算して。轟音が鳴ってる中での無音で、そこからまたガッと行く感じを出したかったので。

――まさに、そこにハマりました。それと、ラストの大サビの転調感がたまらなく気持ちよくて、ベースの登りつめる感じとかすごくかっこいいですね。

愁:奇跡を生みました(笑)。

一同:(爆笑)

愁:そこは奇跡です(笑)。Яyoという脳みそがあって、僕は手となり足となり、奇跡を生む。脳みそで動いていても体では実際できないこともあるので、その辺をがんばって僕が。でもЯyoの中の枠はあって…

Яyo:僕が愁さんにマップを渡すんですよ。車の教習所でも右折2回左折2回とかあるじゃないですか。曲がらないと試験に合格できない。その曲がり方は自由なんです。その枠の中で神フレーズを考えたのは愁さんです。

愁:マップが限られた中でしか動けないように右折2回左折2回だけ決まっていて、こっちは最短距離だけを突き詰めて、そこに奇跡が生まれたっていうんですかね。

――すごいチームワークですね。

◆不可能と言われていることを可能にしてやるんだ(左迅)

――歌詞もまた攻撃的ですが、ずばりテーマは?

左迅:野音でライヴをすることが決まっていて、「やれんのか?野音」というサブタイトルをスタッフに付けられケツに火が点いた状態で、不可能と言われていることを可能にしてやるんだっていう熱い決意がこもっています。何かに挑戦する姿勢だったり、「斬鉄拳」という必殺技を壁に当てても壊れないくらいのデカイものに俺たちは立ち向かってるんだっていう、そういう様が伝わればいいなと思って書きましたね。

――今のギルガメッシュ自身への挑戦状のようでもありますね。

左迅:そうですね。試験だったり試合だったり挑戦するときがあると思うんですけど、そういうときに聴いてもらって勇気付けられたらなっていう想いも入っている曲なので、そういう応援ソング的な形で捉えてもらえればなと思いますね。

――歌詞は普段は他のメンバーさんに相談することはありますか?

左迅:とりあえず一つのテーマに沿って書いて、みんなに見せて「こうした方がいいんじゃないの?」というアドバイスをもらったりはするんですけど、基本的には大もとを考えるのは自分で、広げていくのは他のメンバーだったりもします。最近はバンドの意思を歌っているので、メンバーみんなの意見や想いを取り入れつつ書いていますね。

――『GO』インタビュー時に、歌詞は「毎回、禿げる位悩む」とおっしゃっていたのですが(笑)、今回はいかがでしたか?

左迅:あーそうですね(笑)。禿げるのは、テーマを決めるまでが禿げるんですよ。

一同:(笑)

左迅:テーマが決まっちゃえばそこに球を投げられるんですけど、テーマが決まるまでがすごく時間がかかるので。今回は野音っていうテーマがあったので、そんなに禿げることなくできたかな。

――なるほど。あの…左迅さんってゲーマーですか?

左迅:ゲーマーですね(笑)。

弐:ここに来てのいきなり(笑)!

一同:(笑)

左迅:さっきから質問が直球ですよね(笑)!

――歌詞に「ラスボス」というワードが出てきて、実は私わからなくて調べたんです。

左迅:マジですか!? ゲームやらない人はわからないんですかね?

――どのくらい一般的な言葉なんだろうって私も不安になって、周囲の人に聞いてしまいました。

左迅:割りと一般的な言葉だと思ってたんだけどなー。

弐:俺らの周りだけなんじゃ?

左迅:周りの人はどうでした?

――「そんなにゲームやらないけど知ってるよ」と言う人もいれば、「ゲーマーの中だけで一般的なんじゃない?」と言う人もいて、結局どうなんだろと思って(笑)。

左迅:男と女で違ったりするんですかね?

――そうかもしれないですね。女性だと知らない人も結構いるのかも。

左迅:マジっすかー。

愁:でもそういうときはグーグルで検索すればね。

――はい。パッと出てきました。

一同:(笑)

左迅:「斬鉄拳」っていう言葉もゲームの必殺技なので、そこに絡めたいなというのもあったんですけど…だめだな(笑)!

一同:(笑)

弐:勉強になったな。

左迅:勉強になりました!

◆俺はかぶりたいんだ!(弐)

――そして、ジャケット写真もインパクト大ですが、あの映画を思わせる…

左迅:どっちですか? 二つあるんですよ。

――え!? …「アルマゲドン」。

左迅・弐・愁・Яyo:おーー!!

左迅:それと、「バックドラフト」っていう消防士の映画があって、結構若い人は「アルマゲドン」って言って、割りとお歳を召している方は「バックドラフト」って。

――イメージはどちらなんですか?

左迅:最初は「バックドラフト」だったんですけど、出立ちというかこの写り方が「アルマゲドン」ぽいなって言う人も。

――コンセプトは?

左迅:「絶頂BANG!!」のときにみんなで侍のコスプレをして撮ったんですけど、これは自分たちを追い込むために、作ったものに対して立ち向かうんだっていう意思が込められていて。みんなで同じような服を着て意思疎通がとれていて、立ち向かっていくんだっていうことをまた「斬鉄拳」でもやろうと。雑談をしているときに消防士の話がポンッと出て、炎に立ち向かっていく様が、そういう想いを伝えやすいんじゃないかなということで、この結果になりました。

――弐さんだけヘルメットをしていますね。

弐:これは「どうしてもかぶらせてくれ」と。(現場に)あったので、これはかぶらなきゃいかんだろっていうことで。みんなかぶってなかったんですけど、「俺はかぶらせてくれ! 俺はかぶりたいんだ! その方がテンションが高まるから、俺はこれでいかせてくれ!」と。僕のわがままでやりましたね(笑)。

――(笑)。他の三人は?

Яyo:僕は髪型が崩れるの嫌だったので。

左迅:俺もです!

一同:(爆笑)

――弐さんはストレートヘアーですもんね。

左迅:髪をセットしてる三人がやらなかったっていう部分もありますね(笑)。

Яyo:別の写真だと僕ちゃんと消火器とか持ってるんですけど。

愁:ジャケットの裏面は別のパターンの写真を使ってるんです。

――それはファンのみなさんは楽しみにしていただきたいですね。ところで、アーティスト写真の弐さんの表情が気になって仕方がないです。

弐:みんなキメてるのもどうなのかなーって。この変顔が自分の中で「すごく良いショットだなー」と思ってて、「これを使わせてくれ」と。僕のキャラ的に真面目に写るっていうのはなんか…

Яyo:これ真面目だろ?

弐:真面目だけど、自分の中で、写真に写るときにキメるっていうモードじゃないんですよ。なので、こんぐらい崩してちょうど良いんじゃないかなっていう感じの在り方です(笑)。

Яyo:弐さんらしいです。ライヴでのキャラもこんな感じなので。

――確かに。

◆全てがあって今がある(愁)

――今作には「東京Sadistic~ぶっとおし13days~」最終日“東京Sadistic day”のLIVE DVDが付くということなのですが、収録曲8曲の選曲基準とは?

愁:一番僕らが熱くなれてる瞬間を収めたいっていうのがあって、最終日の割りと激しめの曲を集めた感じですかね。

――前作には音源(LIVE Disc)、今作には映像作品(LIVE DVD)が付いていますが、どちらにも収録されている共通の3曲がありますよね。

愁:あら、何ですか?

――「stupid」と「亡者ノ行進」と「bit crash」です。

愁:おー。

――これは偶然ですか?

愁:5枚アルバムを出しているので、極力うまーく散りばめて入れたいなという気持ちはあって。過去も振り返っていろいろな曲をやってきた結果、全て「かっこいいじゃん、俺ら」っていうのが出せたらいいなと思って。音的にも昔の曲って大体入れたがらないバンドが多いとは思うんですけど、全てがあって今があるっていうのがそこに詰められてるかなと。

――過去を肯定して。

愁:もちろん。

――そして、ついに野音ライヴの日が迫ってきました。現在のところ感触はいかがでしょうか?

左迅:「Break Out」(テレビ朝日系)でいろいろな先輩アーティストからもアドバイスをもらっているので、テレビの前で応援してくれている人たちのためにも、アドバイスをもらったことの成果を出せればと思っています。そこは楽しみにしておいてほしいですね。

――先輩バンド、ムックの15周年アニバーサリーライヴでビラ配りをしたそうですね。

左迅:自分たちを追い込んで初心に返ってがんばろうっていう想いを…ビラ配りに…投じた!

――(笑)。当日は大変な騒ぎになったのでは?

左迅:割りと冷たい目で見られるんじゃないかなと思ったんですけど、群がられまして。

Яyo:「ギルガメッシュでーーす!!」って言った瞬間、ダーーッ!て(人が)来ちゃって。予想していたのと全然違って。まぁ(ギルガメッシュを)知らないでしょうって思ってたんですけど、ダーーッ!だったんで…寂しくはなかったです(笑)。

――では最後に、野音ライヴに向けた意気込みをお願いします。

左迅:当日ライヴに来てくれた人に、願いは叶えられるんだっていう光景を見せられたらなと思っています。そういう意味でオーディエンスに勇気を与えられるようなライヴをしたいと思っているので、楽しみにしていてください!

弐:僕たちが演奏するということに変わりはないので、僕たちの気持ちが後ろまで届くようにしっかり演奏して歌って、みんなを満足させてあげられるようなライヴにしたいと思っております!

Яyo:オーディエンスの君たちよりも俺が一番楽しみます!

愁:目標に向かって必死こいてる男たちの顔を見に来てもらえればいいかなと思っています!

(文・金多賀歩美)


ギルガメッシュ

<プロフィール>

2004年から地元千葉県で左迅(Vo)、弐(G)、愁(B)、Яyo(Dr)の4人で活動を開始。ヘヴィーなミクスチャー・サウンドは海外でいち早く評価され、これまでにヨーロッパへ3回、アメリカへ1回遠征の経験をもつ。国内では2010年に新木場コーストでワンマンを、2011年には地元・市川市文化会館での凱旋ライヴで大成功を収めた。そして2012年を“サディスティックイヤー”と称し、3月には渋谷WWWにて13日間連続公演を敢行するなど爆走中。10月28日にはバンド史上最大キャパの日比谷野外大音楽堂公演が決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.girugamesh.jp/

【リリース情報】


[限定盤]
CD+DVD
XNDC-30041/B
¥1,575(tax in)
※期間限定販売シングル(2013年3月31日をもって廃盤となります)

『斬鉄拳』
2012年9月26日発売
(デンジャー・クルー・レコーズ)
全速力で攻めまくるサディスティックイヤー第2弾シングル。特典DVDには3月に行われた「東京Sadistic~ぶっとおし13days~」最終日“東京Sadistic day”のLIVE DVDを収録。

【収録曲】
[CD]
1. 斬鉄拳
2. 斬鉄拳(カラオケ)
[DVD]
アングリージュース
DIRTY STORY
GOKU
stupid
DEAD WORLD
亡者ノ行進
bit crash
smash!!