成長著しいDAMYが放つニューシングル『トモダチごっこ』。彼らの世界観を音と映像で丹念に描き出した最新作の魅力に迫る!
精力的に活動を展開し続けるDAMYが、新たなシングル『トモダチごっこ』を完成させた。リリースに先駆けて公開されたMVでは、ヴォーカルの椋が怪しくも美しい道化に扮してストーリーを展開し、これまでの彼らの映像作品とは一線を画した手法でその新たな可能性を見せつけた。キャッチーさと世界観という一見両立が難しいものを見事に封じ込めてみせた彼らの最新作にぜひとも触れていただきたい。更に、来たる4月28日には初のTSUTATA O-WESTでのワンマンライブ「反抗全書-本論-」が決定している。そこで彼らが一体どんな“最新のDAMY”を見せてくれるのか。Vif初登場の4人に、たっぷりと聞かせてもらった。
◆音源はライブを思い出せるものであってほしい(椋)
――初登場ということで、隣のメンバーの紹介をお願いします。
椋:ドラムの海青君は、最初に会ったときに本当にヤバイやつだったんです。初対面だと普通は「バンド、これからよろしくお願いします!」という感じで始まるじゃないですか。なのに、「ウッスー!」というノリで(笑)。
颯熾:確かにこいつはヤバかった。壊滅的にコミュニケーションが取れなかったですからね。
海青:…自分でもそう思う。
椋:でも、最近はちゃんとコミュニケーションが取れるようになって、やんちゃだった彼も今はとてもいい子になりました(笑)。
海青:ベースの颯熾君は、一番印象が強いのはリーダーということですね。あと、バンドをまとめてくれる気持ちの熱い男です。そして、ご飯を食べるのがとにかく遅いです。
空:俺が先に飯を食い終わると、颯熾君に「まだ食ってるんだから、待ってや!」って怒られるからね。飯の時間を大事にする人です。
――続いてギターの空さんの紹介を。
空:俺は良いところしかないからどんどん言っていけよ。身長が高いとか、素晴らしいとか。
颯熾:(笑)。彼はムードメーカーですね。コンポーザーであり、場を賑やかにしてくれる、すごく良いポジションじゃないかなと。ただ、たまにボケがすごく拾いづらいですけど(笑)。そして、良い意味でプライドが高くて責任感もあるので、やるべきことを突き詰めるストイックな部分もあります。DAMYは空以外全員B型で、彼だけAB型なので、周りのメンバーと感性が違っていて面白いですね。メンバーの中では一番付き合いが長いです。
――最後にヴォーカルの椋さんの紹介を。
空:彼はお坊ちゃん気質なんです。よく、「あれやって~」「これやって~」と言ってくるので、最初は「ちゃんと自分でやれよ」って言っていたんですけど、最近は「ほら椋ちゃん、あれやってないよ」と言うようになりました(笑)。弟や息子のようで可愛いですね。多分女性だったら、母性本能をくすぐられる人が多いんじゃないかと思います。
颯熾:B型3人の中でも突出した、かなりのマイペースですからね(笑)。
――では、バンド結成の経緯を教えてください。
椋:元々僕と海青がそれぞれ違うバンドのローディーをやっていて、その現場で知り合ったんです。その後、別の場所で会う機会があって、そこから仲良くなりました。その時に「今、ヴォーカルを探しているんだよね」と言われて。ちょうど僕もバンドを組もうと思っていた子と組まなくなったところだったから、「一緒にやろうよ!」ということになったんです。
颯熾:でも実は、そのちょっと前に僕と椋が出会っているんです。セッションで対バンをした時に良いヴォーカルだなと思って、「一緒にやりませんか?」って声をかけたんですけど、すみませんとフラれてしまって。でもその1週間後ぐらいに椋から「もう1回お話しませんか」という連絡が来たので、これは乗るしかないなと。涼から、海青というドラムは決まっていると言われたので、ギターは僕が信頼している空を連れて行きたいと伝えて、空には当初サポートで入ってもらいました。それがガッチリ合わさったという感じです。ただ、僕が初めて海青に会ったとき、彼は壊滅的にコミュニケーションが取れなかったんですよ。何を言っても、「チッス!」しか言わないから、「こいつはヤバイやつだ!」と思って(笑)。
椋:でもドラムがすごく上手かったんだよね。
颯熾:そうなんです。それで、よくわからないけど、こいつでいいやということになりました(笑)。
椋:でも颯熾も、僕と最初に会ったときになぜかおにぎりのコスプレをしていましたからね。
――おにぎり…?
颯熾:セッションイベントでコスプレしようということで、僕が導き出したのがおにぎりだったんです。顔面白塗りで、おにぎりの被り物と白タイツでやったんですけど、そのライブをたまたま椋に見られちゃって。
椋:全身白タイツのやつに「一緒にバンドやりませんか?」って言われても、それはちょっと…となるじゃないですか。後日一緒にライブをやったら、普通にカッコよかったんですけどね(笑)。
颯熾:たまたま見られたタイミングがヤバすぎました(笑)。色々ありましたけど、DAMYは最初から4人集まって自己紹介をしてという流れではなく、知り合い同士がくっついた感じですね。
――色々な巡り会わせでバンドがスタートしたんですね。ところで、DAMYのライブを初めて見たのは昨年3月に行われた渋谷REXでのKさん(ex.BORN)の主催イベントPS COMPANY PRESENTS『-The Kingdom Fes,-』vol.1だったのですが、この1年はバンドにとってどんな期間でしたか?
椋:あの日は「雨音」をやったんだよね。
颯熾:この1年で、自分たちなりに成長できていると思います。でも、1年前にどんなライブをしていたのかと改めて考えると怖くて(笑)。
――バンドが急成長する時期で、1年1年の変化が大きいせいもあるかもしれませんね。
颯熾:確かにあのライブ以降、色々なツアーをやって、壁にぶつかったし、揉まれに揉まれていろんな悔しい思いもした1年でしたけど、そこでたくさん成長できたと思います。
海青:バンドの根本的なものは何も変わらないんですけど、成長はできているのかなとは思います。でもまだまだですね。
椋:バンドとしてもそうですけど、個々のスキルが徐々に上がってきていて。バンドを始めたときと比べると一体感、グルーヴ感がやっと掴めるようになってきたのかなと思います。ちょうど1年くらい前から、ただハチャメチャにやるだけじゃなく歌モノも試み始めて、それによってきちんとメッセージ性がある曲で伝えられるバンドにシフトできたのかなと。
――バンドの個性も徐々に見えてきたんですね。
椋:そうですね。激しいバンドではあるんですけど、DAMYの強みは歌モノだと思っていて。うちのバンドは選曲の時に、ライブのノリもそうですけど、耳に残るメロがあるかどうかをすごく大事にしているんです。そのせいか、いろんな人に「曲がいいね」と言っていただけるので嬉しいです。
――そしてそのメロの良さは、椋さんの声質によく合っていると思います。
椋:こういう系統のバンドですけど、キャッチーなものや、どちらかと言うとメロものが好きで、それが色濃く出ているのかなと。僕は、音源はライブを思い出せるものであってほしいと思っているんです。ライブを観た後に音源を聴いて、その日のライブを思い出して、またライブに来てほしい。DAMYはこの1年、そこを突き詰めてきたと思います。
◆ちゃんと歌詞に合わせにいこう、気持ちを汲もうと思った(空)
――前作シングル『chilled.』(2017年12月発売)は、タイトル曲がとてもメロディアスだったので、今回のシングルはかなり攻めた印象でした。収録曲は3曲全て椋さん作詞作曲ですが、この選曲は偶然だったんですか?
椋:偶然です。これが起こるのは奇跡に等しいですよ。前回は全部空の曲でしたし。
颯熾:今回、他の曲がダメだったとかではなく、1曲明確なリード曲があって、「これを出すにあたってc/w曲はどうする?」「今のDAMYにとってこれが正解?」ということを全部考えたら、全曲椋の曲になったんです。
椋:このシングル自体、僕は常にこうやって思っているよ、こういうふうに思って生きてきたよという自分の心の内面や裏側を歌った部分が多くて、単純に自分が思ったことを人に伝えるために詞に曲が付いた感じです。そうしたら、“感情的にガッと伝えたい曲”、“感情的に聴いてほしい曲”、“感情的だけど聴くというより狂ってほしい曲”という構成になりました。このタイミングで自分の世界観をこのバンドで表現できたのはすごくありがたいし、だからこそ「トモダチごっこ」ではMVにもこだわっています。
――この曲はMVまで含めて一つの作品のような印象です。
椋:そうなんです。歌詞に沿った、自分の世界観を表現するにはストーリー性がしっかり浮き彫りになるような作品にしたいなと。なので映画みたいにしたくて、バンドの演奏シーンもないんですよ。メンバー一人ひとりが主人公と言うか。ちなみにあのストーリーの最後、少年は連れて行かれて、チョコレートにされて食べられちゃうんです。
――その怖さが伝わるせいか、観ていて映画『It』や「ピエロ恐怖症」という言葉を思い浮かべました。
椋:まさにペニーワイズをイメージした部分もあるんです。あと僕は、キャッチーさというのは、すごくいいことだと思っているんですけど、世界観がない薄っぺらいものだと思われるのは嫌で。でもDAMYはキャッチーさの上に世界観があるものができるバンドだと思っているし、「トモダチごっこ」は世界観の枠を広げられた作品になったかなと思います。
――この曲の楽器陣は、特に空さんのギターが見せ場に富んでいて、ライブではBメロのトレモロピッキングやサビのタッピングをじっくり拝見しました。
空:僕はそんなにギターが上手いほうではないので、今までの音源には、あまりテクニックを入れてこなかったんです。でも今回、椋の内側にあるものを歌詞で見たときに、フラットファイブ(※コードの構成音のうち、5度の音を半音下げたもの)という、ちょっと気持ち悪い音を右耳と左耳から単音で出して、両耳で聴いたときに空間として気持ち悪くなるようにすることを思いついて。今までは、音楽理論に基づいてやっていたんですけど、今回はAメロや椋が荒ぶるところは、理論ガン無視で気持ち悪さ重視でやったり、ちょっとテクニックを入れたりしました。
椋:あのギターのピロピロは、僕の精神の錯乱状態みたいなものを表現していて。レコーディングのときに「これはすごいぞ!」となって、テンションが上がりました。
空:考えてみると、こうやってちゃんと歌詞に合わせにいこう、気持ちを汲もうと思ったのは初めてかもしれないです。これまでもやっていなかったわけではないですけど、初めてちゃんとマッチした気がします。
颯熾:僕のベースを作るスタンスは、作曲者がどうしたいかなんです。今回はとにかく勢いがありつつ、一瞬だけベースソロがあったりするんですけど、椋から「そういうところで気持ち悪い音を使って目立つことをやってほしい」とか「ここで音を鳴らしてほしい」という要望があったので、そこを抑えました。ギターも結構激しかったので、テクニック的にはそこまで難しいことや、出しゃばるようなことはしていないんです。言われたことを頭に入れつつ、ディスカッションしながら椋が求める「トモダチごっこ」の世界感の外堀を固めるように作っていった感じです。
――DAMYは毎回ディスカッションをしながら作っているんですか?
颯熾:ベースは多いですね。作曲者にどういう雰囲気がいいかを聞くと、「こういうフレーズがいい」とか「この奏法はちょっと違う」とか答えてくれるので、そこはすごく助かっています。特にこの曲は以前から椋に詞をもらっていて、かなりメッセージ性が強いなと思っていたので、一緒に作り上げたという感じです。
海青:僕は今回、全体の音を見るということを意識しました。これまでもずっとやってきたことなんですけど、あまり上手くいっていなかったんです。なので、どうしたら上手くいくんだろうと考えた末、引き算でやってみようと。フレーズを考えるときに、ここは出すべきだというところは足し算のままにしていますけど、自分がやりたいことをある程度やった後は、そこからどんどん引いていったんです。おかげで引き算でやる楽しさみたいなものがちょっとわかりましたし、フレーズを作るのも面白かったです。
――随分大きく方針を変えたんですね。
海青:これまでは足し算をしまくりながら周りを見ようとしていたんですけど、初めて引き算でやってみて、こういうやり方もあるんだということに気付けました。今後のドラムは足し引きしつつという感じになると思います。
――「トモダチごっこ」は偶然にも全員がお互いを見ながら作り上げた、DAMYにとって革新的な作品になったんですね。
颯熾:そうですね。今回、曲も詞も椋で、かなりわかりやすかったので、よりメンバーにも見えやすかったのかなと。やりたいことをメンバー全員でやっていこうぜ、というのがうちのスタンスなんです。
◆どうせなら聴いても何をやっているかわからないようなことをやろうと思った(海青)
――レコーディングの頃、海青さんはインフルエンザに罹っていましたが、大丈夫でしたか?
海青:大丈夫ではなかったです。大分お休みしちゃったのでいろんな人に申し訳なくて…。
颯熾:レコーディングが終わった瞬間に倒れたんだよね。
海青:多分レコーディングの時からヤバかったと思うんですけど、終わるまで耐えて、翌日ぶっ倒れました(笑)。
――本当にお疲れ様でした。颯熾さんは、とても気に入ったフレーズが生まれたそうですが。
颯熾:「奈落」ですね。DAMYの底の部分と言うか、内々の部分という感じの曲です。曲名だけ見ると、すごく暗くてドロドロしているのかなと思われるだろうし、実際に暗い曲ではあるんですけど、ベース単体で見ると意外とメロに寄り添うようなラインを弾いているんですよ。だから弾いているときはすごく優しいイメージでした。僕は元々そういうオブリっぽい感じのメロに寄り添うベースがすごく好きなんです。なので、まず椋のメロを覚えて口ずさみながら音を録っていったので、自分の手癖云々ではなくメロに沿う感じになって、すごく気に入っています。
――「奈落」はベースのこの要素があるから、単純な暗さとはまた少し違う印象を抱くのかもしれません。空さんは今回、リテイクもあって大変だったのでは?
空:リテイクは「トモダチごっこ」のピロピロした部分ですね。僕は自宅でPCで録っているんですけど、自分の家だとどうしても自分に甘くなっちゃうんです。それをスタジオに持って行って他の音と合わせて聴いたら結構雑で(笑)。既にヴォーカルのレコーディングが始まっていたんですけど録り直しました。
――c/w曲はいかがでした?
空:リテイクはなかったです。どちらの曲も、椋が送ってきてくれたデモになるべく近づけているんですよ。最初、「奈落」はミドルテンポでリズム隊が生きるようなテンポだから、あまりガチャガチャやってもと思っていたんですけど、やっぱり目立ちたくなって(笑)。イントロやBメロに、上下両方のギターでピッキングハーモニクスというちょっと高い音を入れてやりました。「きみのわるぐち」も、椋のデモを再現しつつ、ちょいちょいピッキングハーモニクスを入れて主張している感じです。なので、高い音があったら「ギターだな」と思っていただければ(笑)。
――それにしても、「奈落」はギターの音が太いですよね。
空:確かに、ミドルテンポの曲なので他の曲とは違って下のローの部分を足しているんです。逆に「トモダチごっこ」は結構ウワモノのピロピロしたものを使っているので、ローを下げ目にしてハイをちょっと上げて聴こえやすくして、「きみのわるぐち」はオールマイティにミドルの音にしているんです。3曲でロー、ミドル、ハイと変えています。これは自分でも忘れていたぐらいなので、わかっていただけて嬉しいです(笑)。
颯熾:「奈落」は唯一、3曲の中でマスタリングが一発OKだったんですよ。あの曲だけギターを変えてくれたこともあるんですけど、ミックスの時からカチッとハマって。あのバランスはいいですね。
海青:「奈落」のドラムは、さっき言った足し引きを考えてやったんですけど、引き算をし過ぎると、どうしても単調になっちゃうんです。それでBメロの4小節目でずっとこのフレーズを使い続けると面白くないなと悩んで。目立ちたいとかではなくて、ドラマーとしてここに何を込めるかと自問自答した時に、どうせなら聴いても何をやっているかわからないようなことをやろうと思ったんです。自分がそうだったんですけど、音を聴いてわからないとやってみたくなるんですよね。そういう部分はYouTubeで漁って、映像を観て、音を聴きまくって、ああこうやっているんだと納得する。もし音源を聴いて、「何だこれ!?」って思ってくれた人がいればいいなと思って考えたフレーズです。あれは実際に見ないと何をやっているかわからないと思います。「きみのわるぐち」は完全に勢いですね。レコーディングは超つらかったです(笑)。聴いている分にはそんなことないかもしれないですけど、叩くと意外と速くて。しかも曲終わりにはもっと速くなるので、純粋にしんどかったです。
颯熾:海青は気合の一発録りなんですよ。パンチインという録り方をしていなくて、止めることなく、とにかく1回で録らないといけないんです。生感を突き詰めると言い張って。
――実に男らしいですね。一発OKでしたか?
海青:3本ぐらい録った中から選びました。生感にはこだわりたくて、ミニアルバム『感傷的公約数』(2017年8月発売)からはずっとそういう録り方をしているんです。
◆僕たちはファンにO-WESTの先のDAMYを見せたい(颯熾)
――椋さんは、c/w曲はいかがでしたか?
椋:僕は元々すごく「奈落」が好きで。この曲は小さい頃のトラウマというか、原点を題材にしているんです。僕は今もそうなんですけど、たまにお化けが見えるんですよ。小さい頃、夜になるとお母さんがふざけて、「寝ないとお化けが来るよ!」って言っていたんですけど、「本当にいるから!」と思っていて。でも、それが言えなくて寝る時すごく怖かったんです。何かに縛られて、ずっと見られているような感じがあった。そういう感じはこの世界に似ているなと。自分が子供の頃にベッドの中で感じた暗闇の中にいるような感覚は、社会に出た今でも同じだなと思ったので、それを僕なりの言葉で書きました。綺麗にまとめて整理はしたんですけど、自分の言いたことをそのまま書いた感じです。むしろ「トモダチごっこ」のほうが、ライブの展開も含め色々考えましたね。
――「きみのわるぐち」は「故」(2016年9月リリースのアルバム『調教』収録曲)に次ぐ短い歌詞で、しかも初の全英詞です。
椋:英詞にしたのには理由があって。今回の3曲は僕が昔怖かったものに類しているんです。「トモダチごっこ」は人間関係、「奈落」は暗闇、そして「きみのわるぐち」は陰口や悪口。でも、「きみのわるぐち」というタイトルじゃないですか。このタイトルを決めたときは悪口をバーッと書いてやろうと思っていたんですけど、悪口ってバカとかアホとかでダサいし、ちょっと稚拙に見えるなと。これをどうにかしたいと思った時に、僕のこの感情を英語で言ったら変に聞こえないし、ライブでもカッコよく響くんじゃないかと考えて。それで英語に詳しい友達に色々教えてもらって、初めて全英詞で1曲作りました。これは大変でした…。歌い方も難しいし、発音も色々な人に聞いて。
――ライブ感のある曲と、すごくマッチしています。
椋:さっきの海青の言葉じゃないですけど、そこは勢いなんですよね(笑)。でも、ただの勢いにはしたくなくて、ちゃんと英詞の中で伝えられることは伝えたいなと。
颯熾:この曲はライブでも何回かやっているんですけど、椋はとにかくフロアをぐちゃぐちゃにしたいらしいんです。だからライブでも、しっちゃかめっちゃかな動きがあって激しいので、楽しみにしてほしいですね。
椋:3分弱のすごく短い曲なんですけど、ライブの最後にこれをやられたらもう動けないくらい疲労困憊してほしくて。それがこの曲の目的でもあるんですけど、それが段々浸透してきて、ファンの子が死にそうになっていますね(笑)。
――ライブでこれを見るのがすごく楽しみです。さて、いよいよ4月28日にはワンマンライブ「反抗全書-本論-」が行われますね。昨年10月に高田馬場AREAで行われたワンマンライブは「反抗全書-序論-」だったので、今回はより核心に迫った内容になるのではと思っているのですが。
颯熾:元々「序論」から「本論」をやろうというときに、メンバー間でも色々考えがあったんですけど、半年活動している中で、改めて考えたことや、成長した部分もあって。「反抗全書-本論-」というものを来てくれた人により色濃く感じてほしいので、各々ライブに向けてのコンセプトをより詰めて考えることができているという感じはあります。
――この日は戦闘民族DAMYの本領も発揮されるのでしょうか。
颯熾:我々は倒されてからが強いので(笑)。やっぱり生で感じてほしいです。バンドなんて生ものじゃないですか。その時代を生きているものなので、その時に観てほしくて。インタビューでも色々説明するんですけど、核心的な部分は、やっぱりその場で観て感じてほしいです。まずは観てから、話はそれからだぞと。
――さらに、今回のワンマンライブの無料配布CDがかなり良い曲らしいですね。
空:今回はバラードなんですよ。DAMYにはバラードの代表曲に颯熾作曲の「深海」(2016年4月の池袋BlackHole DAMY 二周年記念ONEMAN LIVE「修正の卯月」前売りチケットでの入場特典)という曲があるんですけど、僕はいろんな分野で一番じゃなきゃ嫌な、隠れ負けず嫌いなので「『深海』を越してやるよ!」と思いまして(笑)。僕自身そんなにガッツリしたバラードを作ったことがなくて、むしろすごく苦手だったんですけど、この機会に出させてもらうぜ!ということで、楽器陣が一切弾いていない、ストリングスだけのガチなバラードに挑みました。
椋:空がピアノを弾けるので、それによって幅広いDAMYの楽曲にまた一つ新たに加わったなという感じです。僕の歌詞もその時にしか書けないものになっていて、ファンの子には俺が何を伝えたいのかが絶対にわかる内容になっていると思うので、ぜひ聴いてほしいです。よく言うんですけど、無配とか、もらったものは大切にしてほしいんですよ。そしてこの曲ばかりは、いろんな人に貸してあげてほしい。友達間で貸し借りして音楽を広めるということは僕自身もよくやっていたし、皆にもぜひしてほしいです。でも、YouTubeには上げないでねと(笑)。
颯熾:そして現物は前売りでしかもらえないのでお早目に!
――では最後にワンマンライブへの意気込みを聞かせてください。
椋:ライブでもよく言うんですけど、1本1本のライブがその日にしかないものだし、ある意味4月28日が特別ということはないと思っているんです。TSUTAYA O-WESTという大きい箱でDAMYが天秤にかけられてはいるんですけど、ファンにはそれは関係ないことだと思うし、僕たちがこれまでファンにどういう影響を与えてきたかの結果発表の場でしかないと思っています。それでどういう光景が広がるのかが僕は楽しみです。O-WESTは僕が人生で初めて行ったライブハウスで、今度は自分がステージに立つ側だということにも感慨深いものがあって。ありきたりの言葉ですけど見逃さないでほしいということと、結果は自ずと付いてくると思うので、まずは自分たちが楽しむことかなと思いつつ28日を迎えたいと思います。
颯熾:椋が言う通り僕らは天秤にかけられているんですけど、ファンはそんな事は考えずシンプルにライブを楽しんでくれればいい。僕たちはファンにO-WESTの先のDAMYを見せたい気持ちは勿論あるのですが、その景色を見せられる様にこのWESTワンマンに自分達の全てをぶつけるので、このワンマンに懸ける思いもぜひその目で見届けてほしいなと思います。
海青:4月28日の渋谷TSUTAYA O-WEST、絶対にすごく楽しませるので。何だかんだカオスの空間にはなると思うんですけど、来てください!
空:大きい会場が好きなので楽しみです。端から端まで存分に暴れようと思います!
(文・後藤るつ子)
DAMY
<プロフィール>
椋(Vo)、空(G)、颯熾(B)、海青(Dr)の4人からなるロックバンド。2014年2月15日に結成し、同年4月16日より都内を中心に活動開始。ヘヴィサウンドをベースに刹那的で繊細な歌詞世界をメロディアスに展開するギャップが特徴。2016年9月に1stアルバム『調教』、2017年8月に1stミニアルバム『感傷的公約数』をリリース。同年10月に高田馬場AREAで行われたワンマンライブ「反抗全書-序論-」を成功に収め、12月にシングル『chilled.』をリリースした。4月28日に初の渋谷TSUTAYA O-WESTでのワンマンライブを行う他、6月16日には渋谷CHELSEA HOTELにて椋・颯熾 生誕祭「渋谷のカリスマvol.1」の開催、そして数多くのライブイベントへの参加が決定している。
■オフィシャルサイト
http://damy-official.com/
【リリース情報】
『トモダチごっこ』
2018年4月4日発売
(発売元:ONG / 販売元:ONG DISTRIBUTION)
【収録曲】
[CD]
01. トモダチごっこ
02. 奈落
03. きみのわるぐち ※B-TYPEのみ収録
[DVD]※A-TYPEのみ
「トモダチごっこ」Music Video other Ver.
【ライブ情報】
●DAMY ワンマンライブ「反抗全書-本論-」
4月28日(土)渋谷TSUTAYA O-WEST
●椋・颯熾 生誕祭「渋谷のカリスマvol.1」
6月16日(土)渋谷CHELSEA HOTEL
重音編【颯熾生誕】/雄叫び編【椋生誕】
●ライブイベント
3月31日(土)池袋EDGE
4月7日(土)HOLIDAY NEXT名古屋
4月8日(日)大阪 RUIDO
4月9日(月)渋谷TSUTAYA O-WEST
4月21日(土)高田馬場 AREA
5月1日(火)博多DRUM Be-1
5月3日(木・祝)岡山CRAZY MAMA KINGDOM
5月5日(土)京都MUSE
5月6日(日)金沢AZ
5月9日(水)池袋EDGE
5月12日(土)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
5月13日(日)長野CLUB JUNK BOX
5月23日(水)池袋EDGE
5月26日(土)仙台darwin
5月27日(日)郡山CLUB #9
6月1日(金)渋谷TSUTAYA O-EAST
6月23日(土)大阪 RUIDO
6月28日(木)渋谷TSUTAYA O-WEST
6月30日(土)渋谷 REX