- 千聖 ソロインタビュー1
- 千聖 ソロインタビュー2、「プレミアMelodiX!」フォトライブラリー
- 千聖×O-JIRO×LEVIN スペシャル鼎談
◆自分が生きてきた20代の証と今の自分が向き合う形
――基本的にはどれも原曲に忠実なアレンジですが、全体を通して新録にあたって気をつけたことは?
千聖:原曲から離れすぎちゃうのは自分も嫌だし、皆も嫌だろうなと思って。これを聴いて育ったのに、ここ変えちゃうのかと思うものがアーティストによってはあったりするんですよね。もちろん良い方向に転がる時もありますけど、それはバージョン違いで出してくれと思うんですよ。せっかくベスト盤を出すなら、ここは欲しいという部分は変えないでおこうと。ただ、1stアルバムの時の歌のハツラツ感が今歌うとあまりにも違うので、かなり気をつけました(笑)。
――(笑)。
千聖:当時、すごく楽しい!と思って歌ったわけではなかったと思うんですけど、頑張ってはいたんでしょうね。未知なる自分に対する期待と不安が入り混じった歌声だったと思います。2ndは自分の表現ができるようになったので逆に楽しくて、未来に対する希望が出ていて、3枚目は次の自分をどう生かすかというのを考えながらの歌い方だったと思うんです。だから、今の僕はこれをどう捉えて歌えばいいんだろうというのをすごく考えさせられました。ギターは確実に今のがほうが上手くなっているんですけど、歌に関してはオリジナルの良いところもあるので。
――今作は聴かせる曲も多いので、そういう部分は今の千聖さんの声のほうが深みが増していいなと思いました。
千聖:ありがとうございます。歌詞も大人の恋だったり、ちょっと背伸びをしていた内容も多いので、今の声のほうが落ち着いていて合うのかもしれないですね。元気な曲は元気にいかなきゃいけないので、モチベーションを上げるのが大変でしたけど(笑)。歌い慣れているというのは逆に怖いんですよね。結果がわかっている歌い方をしちゃうと、余裕すぎて面白くないなという。ギリギリのラインが楽しいということもあると思うので。そこが気をつけなきゃいけないポイントでした。
――既にCrack6ver.の音源が存在している曲もありますよね。
千聖:Crack6ver.の「VENUS」は原曲に忠実なところは多いけど、「電撃ミサイル2000」「kissin’ the moonlight」「KICK!」のCrack6ver.は別物と捉えていただければと思います。今回のは「千聖」のベストアルバムなので、原曲に忠実というか、寄ってますよね。あんまり強くなりすぎず、乱暴になりすぎない丁寧なイメージというか。でも、やっているうちに、オリジナルの良さにも気づけました。
――「This Side Of Paradise」は、イントロにオリジナルにはない異国感あるフレーズが入っていますね。
千聖:エレクトリックシタールですね。あれはKOJI君(ALvino、La’cryma Christi)に借りたんですよ。あと、オリジナルのほうはドラムが打ち込みなんですけど、今回はLEVINちゃん(La’cryma Christi)に叩いてもらいました。当時は時間がなくて打ち込みでやるしかなかったのを、ちゃんとバンドでアレンジできたというのは、ある意味リベンジできたなと。
――「電脳遊戯」の「それでいいんじゃないの!?」の部分は、普段の千聖さんのままの声だなと(笑)。
千聖:そういう喋りは自然にできるようになりましたよね(笑)。昔は照れがあったり、これで大丈夫なのか未来予想図が見えてなかったんですけど、今はわかっている状態でやっているじゃないですか。だから、もっとこうすればいいのになとか、結構意識して作ったので、オリジナル作品とは何か違うなというのは、そこなのかもしれないですね。いわゆるベスト盤というのは何だろうということを考えさせられる、ただの寄せ集めじゃないものにしたかったので、全部新録したんです。
――ベスト盤で全曲新録というのは、なかなかないですよね。
千聖:細かいところまで全部ですからね! この短期間で作り上げるというのは相当大変でした。
――撮影のためにビザールギターを集めたというお話がありましたが、レコーディングで使っているギターは、やはり当時とは違うんですか?
千聖:最近のお気に入りを使っています。ただ、ストラトキャスターが壊れちゃったので、センターピックアップの音がどうしても欲しい時に、それもKOJI君に借りました。メインはEVHというエディー・ヴァン・ヘイレン・モデルが気に入っていて、よく使っています。あとはギブソンのスタンダードなタイプのレスポール。それとギブソンのES-335とか、「LAST TEARS」でイーボウというエフェクターを使ったんですけど、良いですね。アンプも色々な機材を使わせてもらいました。今までのPENICILLINよりも違う音になったと思うので、自分のギターサウンドの勉強にもなりました。
――当時はどんなものを使用していたんですか?
千聖:ひどかったんですよ。時間がなかったから、ギターをたくさんバーっと何種類も並べて、弦が一番錆びてないのどれ?って(笑)。
――え(笑)!
千聖:今は色々なことができちゃうので、昔だったら手に入らなかったエフェクターがすぐに手に入ったり、「666」のギターソロ部分のトーキングモジュレーターシステムも昔だったら下手に扱うと壊れちゃうので大変だったんですけど、今はもっと簡易的に同じ音が出せたり、簡単に入手できるものも多いので助かりますね。機材の進化は半端じゃないと思いました。
――6月18日からツアーが始まりますが、「千聖DAY」と「Crack6 DAY」があるということで、「千聖DAY」では今作の16曲が全て聴けるのでしょうか?
千聖:はい。あと、15位に漏れちゃった曲も何曲かやりますので、楽しみにしていてほしいです。それでも足りないという人もいると思うので、「Crack6 DAY」はCrack6のリクエストライブなんですけど、二部制みたいな感じで千聖の曲もやろうかなと。
――両日行けば千聖ソロ曲をよりたくさん聴けると。
千聖:そういう予定ではいます。今後、千聖ソロをやる機会はなかなかないと思うので。来年も同じことをしているとは思えないので、千聖ソロ曲をたくさん聴きたい人は、今回のツアーに来たほうがいいと思います。
――改めて今回、過去曲と向き合ってみていかがでしたか。
千聖:自分が生きてきた20代の証と今の自分が向き合う形になって、当時デビューした時のレコード会社でベストアルバムを作るということに至ったんですけど、色々な特殊な縁でこのプロジェクトが始まったので、僕としては思い入れも大きいです。色々なことを学ばせてもらった、自分の人生にかなり影響を与えた作品たちと向き合って、10代、20代、30代、40代で知り合った人たちと、もう一回一緒に仕事をできたり、初めて仕事をできたのが嬉しくて。今後の自分の人生にも良い刺激になったし、聴いている皆さんにも良い刺激になるんじゃないかなと思います。ベストというだけあって、本当にベストだなと思うので、ぜひ聴いてライブを楽しんでほしいです。
(文・金多賀歩美)
テレビ東京「プレミアMelodiX!」で新曲「Can you Rock?!」を披露した千聖さん&サポートミュージシャンの皆様(G.重盛美晴さん、G.KOJIさん、B.長野典二さん、Syn.山田巧さん、Dr.O-JIROさん)に密着してきました! ファンの皆様の観覧で行われた今回の収録では、1曲収録本番を終えたあとに、なんとアンコールが湧き起こり、2回目の収録が行われるという、まさかの展開に。番組スタッフの方いわく、アンコールの声が上がったのは番組史上初の出来事かも(!?)とのこと。本番を終えた千聖さんは「ファンの皆に感謝です」と言っていました。そんな収録現場でのオフショット、リハーサル、本番の様子をフォトライブラリーで公開! 同日に偶然スタジオに居合わせたIKUOさん(BULL ZEICHEN 88/Rayflower)との集合写真も!(※IKUOさんは今作収録の「666」に参加しています) 写真で期待感を高めつつ、放送をお楽しみに!
<放送日時>
2017年6月19日(月)26時50分(テレビ東京)
2017年7月5日(水)25時35分(テレビ北海道)
※都合により放送日時が変更になる場合もございます。
オフィシャルサイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/melodix_premium/
千聖
<プロフィール>
1996年3月、PENICILLINのギタリストとしてメジャーデビュー。同年9月、シングル『DANCE WITH THE WILD THINGS』で徳間ジャパンからソロデビュー。99年までにソロ名義でシングル9枚、ミニアルバム1枚、フルアルバム2枚、ベスト盤などをリリース。また、99年には日本人アーティスト初のラスベガス公演、ソロ名義初の武道館公演を行った。2003年にソロプロジェクトCrack6を始動し、ヴォーカル&ギターを務める。2017年、PENICILLINの結成25周年、ソロデビュー20周年を迎え、全曲新録のソロデビュー20周年記念ベスト盤を引っ提げた東名阪ツアーを6月18日よりスタート、8月19日には20周年記念イベントの開催が決定している。
■オフィシャルサイト
千聖ソロデビュー20周年記念サイト
http://www.crack6.jp/chisato20th/
徳間ジャパンコミュニケーションズ
http://www.tkma.co.jp/jpop_top/chisato.html
千聖ソロプロジェクト Crack6
http://www.crack6.jp/
PENICILLIN
http://www.penicillin.jp/
【リリース情報】
『千聖~CHISATO~ 20th ANNIVERSARY BEST ALBUM「Can you Rock?!」』
2017年6月7日(水)発売
(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
【収録曲】
01. Can you Rock?!
02. VENUS ~XX ver.~
03. 電撃ミサイル2000 ~XX ver.~
04. CYBER ROSE ~XX ver.~
05. kissin’ the moonlight ~XX ver.~
06. LOVE ~lost in the pain~ ~XX ver.~
07. Millennium ~XX ver.~
08. 666 ~XX ver.~
09. Shadow 〜XX ver.〜
10. falling over you ~XX ver.~
11. WAKE UP! ~XX ver.~
12. 電脳遊戯 ~XX ver.~
13. KICK! ~XX ver.~
14. DANCE WITH THE WILD THINGS ~XX ver.~
15. This Side Of Paradise ~XX ver.~
16. LAST TEARS ~XX ver.~(※ボーナストラック/通常盤のみ収録)
【ライブ情報】
●Crack6 Presents 千聖~CHISATO~ 20th ANNIVERSARY BEST ALBUM リリースTOUR & Crack6 ワンマンTOUR 2017
「千聖 vs Crack6 TOUR 2017 Can you Rock?!」
6月18日(日)SHIBUYA REX [??? DAY] <CLUB NEO 限定LIVE>
6月24日(土)名古屋 ell. FITS ALL [千聖 DAY]
6月25日(日)名古屋 ell SIZE [Crack6 DAY] ※SOLD OUT!
7月1日(土)江坂 MUSE [千聖 DAY]
7月2日(日)大阪 RUIDO [Crack6 DAY]
“TOUR FINAL”
7月8日(土)新宿 ReNY [千聖 DAY]
7月9日(日)渋谷 TSUTAYA O-WEST [Crack6 DAY]
●千聖ソロデビュー20周年記念イベント
「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW」
2017年8月19日(土)CLUB CITTA’川崎
<出演>
千聖(from PENICILLIN、Crack6)、ALvino、THE MICRO HEAD 4N’S
ゲスト:森重樹一(ZIGGY)
司会:星野卓也
●Crazy Monsters ~HALLOWEEN PARTY 2017~
2017年10月21日(土)名古屋ElectricLadyLand
2017年10月22日(日)大阪BIG CAT
2017年10月28日(土)新宿ReNY
<出演>
Crack6、ALvino、THE MICRO HEAD 4N’S、C4、S.Q.F、defspiral、wyse(10月28日のみ)
※10月28日 新宿ReNY公演はスペシャルゲストあり
司会:矢田耕平