the LOTUSが世に送り出す1stフルアルバム『Zoltax』。彼ららしい緻密な設定をもとに描かれた壮大な物語。その世界を紐解く――
結成以来、3ヶ月連続でのミニアルバム、そしてシングル『Wish』をリリースしてきたthe LOTUSが、初のフルアルバムを完成させた。アルバムタイトル、そして6月に行われる初の東名阪ワンマンツアー『Awaking "-ELIZA-"』に見られる「Zoltax」「ELIZA」という耳慣れない言葉が、今回彼らが描いた物語の登場人物となる。誰しも覚えがあるテーマを昇華させ、彼ららしい壮大なストーリーで綴られるこの作品について、5人にたっぷり語ってもらった。
◆バトル漫画的だけど、現代社会の比喩でもある(Ryuto)
――初のフルアルバムですが、完成に至るまでの道のりはいかがでしたか?
レイ:大変でした!
Rian:今までとはスピード感が違うというか。余裕だと思っていたのに、「あれ? そうでもないな…むしろすごくキツい」という(笑)。ミニアルバムを作るのとはまた違う大変さがありました。表現する幅が広がった分、もっとこうできるんじゃないかというアイディアが沸きすぎて。
――曲数的には3部作とほぼ同じですよね。
レイ:そうですね。でも捉え方が全然違って、3部作は三つのポイントからそれぞれ4曲ずつ出していく感じで、アルバムは一つの世界観で円を作る感じなんです。どこまで攻めるか、引くかで世界の広がり方を探っていったんですけど、同じ曲数でもこんなに違うんだなと。
Ryuto:あと、締め切りがね…。3部作だと1枚ごとだけど、アルバムは全体を通しての締め切りなんですよ。バンドって締め切りに弱いので(笑)。一人がつまずくと段々渋滞していって、結局ギリギリになりました。でも、無事にできて良かったです。
――それにしても今回のアルバムとツアータイトルはとても不思議な言葉ですね。
レイ:調べると、ElizaとZoltaxian(ゾルタクスゼイアン)という言葉が出てきたと思うんですけど、Elizaは人工無脳で、Zoltaxは人を連れ去ってロボット化させる敵の組織や概念。今回、その戦いを大きく描きたかったんです。「Awaking "-ELIZA-"」は、人間の命にどんどん意味がなくなっていくのを止めようとしてAwakingしたEliza達、ということです。ちなみにthe LOTUSはElizaの立ち位置のヒーロー戦隊だと思っていただければ(笑)。
――だからEliza“達”と言ったんですね。
レイ:そうです。5人組のEliza戦隊がいて、Zoltaxという悪の組織がいて、Zoltaxに連れ去られていく人がいる。そんな彼らをElizaが守る、というのが大筋です。今回の歌詞はその三つの視点で書いていて、描写する一つの方法として、Elizaの視点の曲は〈僕〉と〈君〉、Zoltaxは〈俺〉と〈お前〉、連れ去られる人達は〈私〉と〈あなた〉という人称になっているんです。
――書いていて、どの視点が一番難しかったですか?
レイ:連れ去られる人たちですね。Eliza側は「助けるんだ」、Zoltax側は「私こそ正義だ。全部のみ込んでやる」という感じなんですけど、連れ去られる人達はその真ん中の立ち位置で、助けてくれと嘆いている人もいるし、さらわれちゃったほうが幸せなんじゃね?と言っている人もいる。自分でも葛藤しました。
Ryuto:バトル漫画的ですけど、現代社会の比喩でもあるんです。例えばサラリーマンの中には、社会の歯車になって何も考えずに働いている人もいると思うんですけど、それってロボットと一緒じゃないかと。そのほうが楽だという人もいるだろうけど、僕はそういう人に対して、頑張ろうよ、もっと自分の好きなことやろうぜ、と伝えたかった。そういうことを裏テーマにしています。
――テーマ自体は曲を作る段階から決まっていたんですか。
レイ: 「Awaking "-ELIZA-"」という言葉だけはあって、そこから曲や世界を広げていきました。
Ryuto:コンセプト先行でしたね。今回のテーマは調べてもよくわからないと思うんですけど、それを擬人化してthe LOTUSなりに噛み砕いた感じです。
――ちなみに今回のジャケットは…
レイ:あれがZoltax君です。捉え方はいろいろあるので、象徴として表してみました。
Ryuto:ちなみにあれはRianです(笑)。
翼:ジャケットもZoltaxに侵食されている感じなので、そこも楽しんでもらえたらなと思います。
◆ライブをこの流れのままやるのもいいんじゃないか(レイ)
――この作品は1枚を通して、「Awaking "-ELIZA-"」から、昏睡を意味する「REBIRTHDAY『"-ELIZA-" in a coma』」までの物語ですね。
Ryuto:スタートとエンドは最初に決めました。その後、間の曲を作った感じです。
翼:間の曲の持っていき方はみんなで工夫したんです。こうやったらこういう物語になるんじゃないか、って期限ぎりぎりまでやっていました。
レイ:曲順はライブでやるとどういう感じになるかという空気感も含めて決めました。むしろライブをこの流れのままやるのもいいんじゃないかと思っているんです。
――ストーリーがよりはっきり見えそうですね。では各曲について聞かせてください。
M1.【26151220124】
――近未来的な白兵戦が浮かぶ音ですが、「ベヘリット」(ミニアルバム『Providence of JESUS』収録曲)同様、こういう音があると世界観がより明確になりますね。
Ryuto:そうですね。意外な感じで始めたかったんです。本当は次の「ダムド」を映画っぽい導入にしたかったんですけど、さすがに長すぎるので分けました(笑)。
――タイトルの数字は何を表しているんでしょう?
Ryuto:アルファベットの順番で、Zがアルファベットの26番目、Oが15番目…これを当てはめると【Zoltax】になるんです。暗号って感じですね。
Rian:これはわからないですよね(笑)。
伊織:僕も最初に曲名を見たときに何だろうと思いました。答えを聞いて「なるほど!」と(笑)。
レイ:でも曲のタイトルをHPで発表したら、ファンレターに「1曲目のタイトルが【Zoltax】になっていてビックリしました」って書いてあったよ。
Ryuto:わかる人いたの!? すげー! 解読する人がいるって嬉しいね。
Rian:俺らからしたら、解読できる人とできない人がいることに、しめしめという感じです(笑)。
M2. ダムド『Awaking "-ELIZA-"』
――ツアー名と同じサブタイトルがついていますね。
レイ:立ち上がらなきゃ、というイメージです。曲自体は、Zoltax側からの主張なんですけど、Zoltaxが出てきてElizaが起き上がる曲ですね。
翼:Elizaがいて、Zoltaxがいて、人がいて襲われている。侵攻してくる脅威にさらされる場面です。
Rian:レコーディングはスムーズでした。ガッといきたいんやろうなというのがデモから伝わってきたので、とりあえずギターをしばいてやった感じです(笑)。
Ryuto:この曲はギターソロにこだわりがあって。最初に家でアドリブでギターソロを録ったんですけど、本チャンのレコーディングのときに、どうしてもそれが表現出来なくて…結局最初の音をそのまま使ったんです。最初の音は「ダムド」に入り込んだ絶頂期に弾いたせいか、これじゃないと!と思って。
Rian:これがRyutoのパッションや!みたいな(笑)。
Ryuto:そうそう。これじゃないとダメだ!ぐらいの(笑)。
Rian:俺も珍しくカッティングを入れたんですけど、何となく入れたくなって弾いちゃった感じです。この曲はパッションの集まりなのかもしれませんね。
レイ:僕もサビはZoltaxの登場感で、パッションで歌っています。
――幕開けにふさわしい曲ですね。
Rian:…これ、タイトルは「パッション」でよかったんじゃないの?
Ryuto:めちゃくちゃダサいな(笑)。
翼:僕はこの曲のイントロを初めて聴いたとき、Zoltaxが大行進してきているイメージだったんです。ベースは、ちょっとリズムが早くなるところにパッションを込めました。
伊織:この曲を聴いたとき、まずギターリフの重さや、楽曲の重さを感じて、重量感を出すことを考えたんです。あと、レイの歌い回しが映えるな、これはカッコよく来るなと思ったので、その部分を引き出せるように、ドラムは縁の下の力持ちのイメージで取り組みました。
翼:みんなパッションしているから、一人くらいしっかりしないとね。
全員:(笑)
◆歌詞によっていろんな表情を見せて、表現の幅があるのがthe LOTUSらしさ(伊織)
M3.HALION
――タイトルは辞書にない言葉ですね。
Ryuto:造語で、HurryをOnするイメージなんです(笑)。歌詞は全然違うんですけどね(笑)。
レイ:サウンドと、「HALION」という響きから物語が生まれた曲です。自分からZoltax側に飛び込んで行った人たちが、呼び止められても「自分で選んだ道は間違っていない」と、どんどんZoltaxのほうに進んでいく。でも頭の中ではずっと葛藤しているという情景を描いています。
――憂いがありつつアップテンポで、とてもthe LOTUSらしいと思ったのですが、皆さんがthe LOTUSらしいと思う楽曲はどういうものですか?
伊織:こういう疾走感があって、シンセがのっているとthe Lotusっぽいなと。あとはやっぱり歌詞によっていろんな表情を見せて表現の幅があるのも、らしいなと思いますね。
翼:楽曲はシンプルで、歌詞でニュアンスを付けていくのがthe LOTUSっぽいなと思います。
レイ:曲でいうと「Wish」ですね。もちろんシングルの表題曲だからというのもあるんですけど、歌詞で〈全てを受け止めよう〉〈君を守るから〉なんて言っちゃう感じが「ああ、レイだな」と。たまに自分でも恥ずかしくなるんですけどね(笑)。
――(笑)。それにしても、この曲も次の「Loveless」も、ギターが耳に残りました。
Rian:「Loveless」のニュアンスは前作のc/w「PLEIN」と同じテイストなんですけど、メロディーを大事にしつつリフから作ったので、ギターが耳に残っていると言ってくださるのは嬉しいです。
Ryuto:最初に聴いたとき、本当にRianらしい曲だなと思ったんです。こういうメタルチックなギターリフ、早くライブで弾きたいですね。
M4. Loveless
――この曲の〈断罪、僕の命そろそろ消されるだろう〉、のところのギターが特に印象的です。
Rian:お! わかっていただいてありがとうございます!
レイ:嬉しそうだなー(笑)。
Rian:俺は、ちょっと早いけど、しなり感のあるギターが好きなんです。明石海峡大橋みたいな鉄の橋より、ジャングルにありそうな古い縄の橋のイメージで作っています。
――明石海峡大橋?
Rian:地元が大阪なので、つい(笑)。そういう鉄の橋ではなく、ジャングルの「この橋ヤベーんじゃないか」という橋のイメージなんですよ。ただガチャガチャやっているより、ちょっとしなっている感じをギターで表現しています。
Ryuto:逆に、僕は機械になった気分でカチンコチンです。曲を聴いて無機質な印象を持ったんですよね。
翼:鉄骨の橋だね。ちなみに僕のイメージでは縄というよりは、鉄骨です(笑)。初めて聴いたときに、すごいメタルな曲やなって思って、the LOTUSであまりやらなかったギターとユニゾンをしまくりました。サビと、サビ前のスラップでちょっとニュアンスを付けたいなと思ったので、フレーズを考えるときはRianに「これどう?」っていちいち聞いて、ディスカッションして。ギターとベースの兼ね合いも聴いてほしいです。
伊織:初めてデモの曲を聞いたときに、「すげーRianだな」と思ったんです。聴く人も、きっとRianが作ったと思い浮かべやすいだろうなと。Rianも言っていたように「PLEIN」に曲の持っていき方が似ているなと思ったので、ドラムも疾走感を出しつつ、重さを出しています。
◆ワンマンツアーラストのTSUTAYA O-WESTで、みんなで盛り上がりたい(Rian)
M5. Ø –Zero-
――デジタルサウンドがメインで、他の曲とは異なる趣向の1曲です。
Rian:「Eliza」にデジタルのイメージがあったので、早い段階から作り始めていました。真ん中に楽器の演奏が全くないセクションがあるんですけど、そこでライブハウスがクラブになるイメージです。ドラマーも、ドラムを放り出して前に出て盛り上がろうぜ!という、ライブ感を打ち出した曲ですね。始めからそういう意図で作っているので、そこのセクションには全員が定位置に戻るためにシンセだけにしている箇所もあるんですよ。
――新しい景色が見られそうですね。
Rain:ワンマンを思い浮かべて作った曲です。特にワンマンツアーラストのTSUTAYA O-WESTで、みんなで盛り上がれたらいいなと思って。バンドサウンドがメインではない分、強いこだわりがあって、シンセ類は聴こえない部分も含め、すごく音を重ねているんです。汗ぐしょぐしょになりに来いよという曲です。
M6.Corrosion
――「腐食」「腐敗」を意味する言葉です。
Rain:無機質なイメージです。地下室のようなダークな感じ。俺の中ではシンセ類を一切使わず、生の音だけで表現するというテーマでした。
――「Ø -Zero-」とは対極ですね。
レイ:そうですね。歌詞も「Ø -Zero-」はZoltax側の話なのに対して、「Corrosion」はZoltaxにいけなくて、ウェーって苦しんでいる人の痛みです。
――翼さんは前に「NEVER ENDING SNOW」(ミニアルバム『Providence of LUV』収録曲)のような曲が苦手だという話をしていましたが、この手の曲はいかがでしたか?
翼:実はこの曲は一気に弾けたんです。夜中に弾いていたら何かスッと入ったんですよね。ウェーイって言いながらやっていた気が…(笑)。
レイ:ウェーじゃなくて、ウェーイなの(笑)?
Rian:小島よしおか(笑)。でもそれが、彼の成長なんじゃないですかね。
翼:「NEVER ENDING SNOW」の経験があったからこそ、表現の幅が広がったのかもしれないです。
Rain:この曲は、化学反応が起こった曲でもあるんですよ。俺の中ではすごく洋楽に寄っているイメージだったんですけど、バンドに投げたことで、ヴィジュアル要素が足されてまた違うものになった。そういう意味でthe Lotusっぽさが凝縮されたのかなと思いますね。
M7.玲瓏
――美しくも切ない曲ですね。
レイ:連れ去られる人の視点です。けど、ボスの側にいる女性のような、側近のようなイメージです。「玲瓏」って、「宝石が輝いたり、音を奏でる様」という意味なんですけど、ド頭の〈私は飾り物〉という歌詞みたいに、自分は仕えている人を飾るための道具なんだ、というニュアンスが含まれているんです。身に付けているアクセサリーが歌っている言葉と捉えてもいい。自分はパートナーにとって着飾るためのアクセサリーでしかないんじゃないかと思っている人も共感できるかもしれないですね。色々な意味にとってもらえればと思います。
――2回目のサビの後、さらに美しく展開しますね。
Ryuto:一気に場面転換する感じでハッとしますよね。今回、この曲以外は結構シンプルに作ったので、この曲はイレギュラーな感じになりました。
伊織:すごく繊細さが出ていたので、ドラムでもそれを表現しました。つらいときとか、折れちゃいそうなときに、隣にいてくれるような楽曲になっているかなと。こういうドラミングは結構好きなので、ぜひ聴いてほしいです。
翼:一番ベースのニュアンスが付いている曲です。ヴォーカルもギターも、全体的に優雅に動いているので、それに合わせてヒラヒラと動きたいなと思って。僕、この曲は、朝の海辺に靄がかかっている中、おばあさんが洗濯しているイメージで…
全員:え!?
翼:曲名と曲のイメージから場所は中国だと思うんですけど、大きい川のほとりで、早朝の霧の中でおばあさんが鼻歌を歌っていて。サビ前で風が吹き込んで、こんな感じで…(両手を広げる)…
レイ:じゃあ俺、おばあちゃんのイメージで歌わないと…(笑)。
全員:(笑)
翼:このアルバムは、曲とレイ君の付ける歌詞のニュアンスから、自分なりにこういうイメージでやりたいなというのが多かったです(笑)。
◆アルバムを原作、ライブをミュージカルや映画だと思って観ると2度楽しめる(翼)
M8.THE BINDED THEORY
Ryuto:4つ打ちの曲を作りたいなと思って。最初、Aメロとサビのキーが逆で、サビがすげー高くて、Aメロがすげー低かったんですけど、歌えないので逆にしました。この曲は、未来の都市を空飛ぶバイクで疾走しているイメージです。
――翼さんは?
翼:僕は、今回は最初に曲を聴いた時にイメージが伝わってきたので、自分なりのはないです。
Rian:ないんかい(笑)。
翼:ないときもある(笑)。この曲に関しては音作りにすごくこだわりました。みんなの音色や曲調に合うように1~2時間かけていじって。
伊織:この曲はすごく叩きやすかったです。僕も楽曲を聴いているときに、空を飛ぶイメージが浮かんだんです。そのニュアンスをどうやったら出せるのかを考えつつ、結構淡々と叩きましたね。
Rian:俺は、空は飛んでなかったですけど、Ryuさんのイメージに近づける感じで、とりあえず細かいことから、徐々にアレンジしまくった感じです。俺らしさをちょいちょい入れさせてもらいました。サビに浮遊感があって、それを際立たせるためにAメロをソリッドにしたり。
レイ:僕は横に揺れている感じ…っていうとクリオネみたいだな(笑)。この曲は連れ去られる人の視点なんですけど、イメージとしてはパーリーピーポーなんです。でも、「Zoltaxの世界が来たけど、これ、俺の感性とマッチしてるやん。イェーイ!」という中にも、いろんな憂いや、人への思いやりが絶対にあるはずだと。
伊織:哲学家だなぁ。
Rian:俺の中では「Ø –Zero-」がパリピのイメージなんだけど。
レイ:「Ø –Zero-」はZoltaxからのお告げかな。
Rian:俺のは音だけの話だけど、そこに歌詞でお告げが乗っかってくるわけだね。
レイ:そうだね。この曲は縛られた概念とか、そんなイメージだと思ってもらえればと思います。
M10. DESEASE
――この曲は全英詞で、曲にピッタリの重さが出ていますね。
Rian:俺が得意とする曲です。こういう曲かバラードかの両極が好きなんです。この曲はとりあえず激しい曲を作ろうと思って。あと、きっとこの物語の中のダークサイドの話になるんだろうなと思いつつ、何も伝えずに曲を渡しました。
レイ:完全にダークサイドに作りました(笑)。
Rian:言葉で伝えずに音で伝えた感じですね。
――リズム隊も激しさ全開ですね。
翼:激しい感じです。ギャリギャリゴリゴリで(笑)。
Rian:この曲の音作りにすごいこだわってたよな。
翼:うん。Rianからベースを「ダークサイド的な悪い感じにしてくれ」って言われたので、そのイメージをくみ取って、悪い感じに攻めた感じですね。箇所箇所にそういうフレーズを入れて、自分らしさを出しました。
伊織:ドラムも超激しいです(笑)。レコーディングに苦戦した楽曲で、これまでで一番重さが出ているんじゃないかな。物語終盤で、すげーダークなやつが出てきました(笑)。
翼:イメージ的に最終戦線みたいな感じですね。Zoltaxに「戦うぞ!」って突撃していくElizaの人達というイメージです。
M11.REBIRTHDAY『"-ELIZA-" in a coma』
――最後はin a coma=昏睡ですね。
レイ:そうです。お休みなさいです。
Rian:もう疲れ切っている頃です(笑)。
Ryuto:最後はきれいに終わりたくて、この曲にしました。ちなみにこの曲と「玲瓏」のピアノはレイが弾いています。
レイ:映像で言うと、どんどんモノクロになっていく感じかな。
翼:僕、この曲にはイメージがありまして。レイ君は疲れ切ったElizaの立場で書いたと思うんですけど、自分は、もう最終戦線でZoltaxが敗れたときのイメージなんです。Zoltaxに「よしよし、良い子で眠ってね」みたいな。
全員:(笑)
――とても幸せな終わり方ですね。
翼:そうですね。曲調も柔らかい感じで、「死んじゃえ!」みたいな感じではなく。悪いことをしたけど、安らかに眠ってくれみたいな。
伊織:僕は、この曲に対して自分の中で真理というテーマを掲げて挑んだんです。色々人生を経験してきて、つらいこととか、わかり切っていることってあると思うんですけど、それを受け止めた上で歩いていく曲だと思って。つらさを受け止めて歩く行為にエールを送っていて、個人的にこのアルバムの中で一番思い入れがありますね。
――全11曲の壮大な物語を掲げてのワンマンツアー『Awaking "-ELIZA-"』が楽しみです。
Rian:ツアーでは各地で少しずつ違う表現をしたいなと思っているんです。全箇所来ていただくとより楽しめると思いますよ。
Ryuto:アルバムでは伝えきれない部分があると思うので、ライブに来て本当の意味で終わるというツアーにしたいですね。
レイ:アルバムを通して、今まで以上に痛みや苦しみの部分を出せたと思います。「REBIRTHDAY『"-ELIZA-" in a coma』」の歌詞にもあるんですけど、ぜひワンマンツアーで、みんなで一緒に楽しんで、暴れて、最後は笑って終えられたらと思っています。
翼:今回のアルバムを原作、ライブをミュージカルや映画だと思って観ると2度楽しめると思います。原作で自分が感じた思いを持ってライブを観て、メンバーの原作への思いとすり合わせるというか。そのためにもぜひワンマンに来て楽しんでほしいです。
伊織:このアルバムは、3方向からの表現した物語がある作品になっているんですが、これをメンバー5人で実際に表現できることにすごくワクワクしています。ぜひライブで皆さんに披露したいです。
(文・後藤るつ子)
the LOTUS
<プロフィール>
2014年、Ryuto(G)を中心に、レイ(Vo)、Rian(G)、翼(B)、伊織(Dr)の5人により結成。2014年6月よりライブ活動開始。2015年4月から「Providenceの目」をテーマにした3部作ミニアルバム『Providence of BIONIC』『Providence of JESUS』『Providence of LUV』を3ヶ月連続リリース。8月には初のワンマンライブ『大東京イルミナティ』を新宿ReNYで行った。12月に1st シングル『Wish』をリリース。2016 年6 月から『Awaking "-ELIZA-"』と題した初の東名阪ワンマンライブが決定している。
■オフィシャルサイト
hhttp://www.pscompany.co.jp/thelotus/
【リリース情報】
『Zoltax』
2016年4月27日(水)発売
(nouveau parfum)
【収録曲】
[CD]
01.【26151220124】
02. ダムド『Awaking "-ELIZA-"』
03. HALION
04. Loveless
05. Ø -Zero-
06. corrosion
07. 玲瓏
08. THE BINDED THEORY
09. Wish
10. DESEASE
11. REBIRTHDAY『"-ELIZA-" in a coma』
[DVD]※初回限定盤のみ
Zoltax -Photo Shooting-
REBIRTHDAY -Music production document
【ライブ情報】
3 大都市ワンマンツアー『Awaking "-ELIZA-"』
6月18日(土)心斎橋drop
6月19日(日)名古屋ell. SIZE
6月25日(土)TSUTAYA O-WEST