九州男児たちが巻き起こす一大ムーヴメント。彼らの「欲」が詰め込まれた色鮮やかな最新作『ヨクバリーゼ』をフィーチャー!
2012年8月18日に福岡で結成されたレイヴ。精力的に活動し、短期間で目覚ましい成長を遂げた彼らが2015年3月、満を持して東京へと拠点を移した。今回のミニアルバム『ヨクバリーゼ』は彼らの上京後の第1弾作品となる。今回収録された全6曲(通常盤は7曲)に詰め込まれたのはそれぞれに異なる「欲」。一見ネガティブにも取れそうなテーマだが、この作品は実に色鮮やかでポップ。思わず笑顔になってしまうパワーに満ちた最新作について、Vif初登場となる5人にたっぷり語ってもらった。
◆根性はありますよ(レン)
――レイヴは今回Vif初登場ということで、悠さん(B)→みくるさん(G)→凪さん(Dr)→nisaさん(G)→レンさん(Vo)の順でお隣の方の紹介をお願いします。
悠:みくる君は可愛いです。かなり腹黒いビッチな姫ですね。
みくる:凪君はうちで最年少なんですけど、しっかりしていて一番大人っぽいです。声が低くてかっこいい。
凪:ありがとうございます(低音)。
全員:(笑)
凪:ギターのnisaは、うちのPC担当ですね。パソコン大好き人間です。あと、よく体調を崩します。
nisa:(笑)。レンは良い意味でメンバーの中で一番バカですね。意外と料理もできます。僕はリゾットを振る舞ってもらったことがありますけど、美味しかったですよ。
レン:得意料理は即席ラーメンです! 悠は高校が一緒だった、ただの同級生ですね。幼馴染なんです。前から、こんな感じでオラオラしてました(笑)。
――レイヴは去年1年間で、地球約2周の距離(80,000km)を移動したそうですね。
レン:そうなんです。結成してからだと15万kmくらいになるのかな。
凪:普通に考えて車を1台乗りつぶしてるよね。
悠:こんなに走ると車検は通らなそうですけど、意外にも普通に通りました。
レン:車は、うちらに買われてがっかりしているんじゃないかな(笑)。
――記録に貢献できて嬉しいと思いますよ。結成当時から精力的にライブをしようと考えていたんですか?
悠:いや、気付いたらこうなっていました。中には無茶苦茶なスケジュールもあったんですよ。名古屋でトリをやって、次の日に福岡でライブとか。
レン:一番は5Daysだな。東京、東京、長崎、東京、東京というスケジュールだったし。
悠:この前も上京前の大事なライブ(3月1日に福岡DRUM Be-1で行われた2015年レイヴ上京ONEMAN PS COMPANY PRESENTS「据え膳食わぬは九州男児の恥~いってくるばい~」)があったんですけど2月27日に渋谷、28日も渋谷、3月1日は福岡でワンマン、2日は福岡でインストア、終わり次第上京という…。実はここには2月マジックっていうのがありまして、2月は31日まであると思っていたんです。そうしたら28日までしかなかったという…。
レン:でもこのスケジュールでもこなしますから、根性はありますよ(笑)。
◆一つ一つの曲のポジションや意味合いが見えるミニアルバム(nisa)
――さて、アルバム『ヨクバリーゼ』がリリースされますが、まず、このタイトルについて教えてください。
レン:今回、「欲」の歌だったり、「欲張っていこうぜ!」だったり、欲が垣間見える1枚にしたいと考えていたんです。それに、響きを大事にしたかったから『ヨクバリーゼ』という言葉がいいなと思って。
悠:曲ができて、アルバムタイトルが決まって、それぞれの曲名が決まった感じです。
レン:曲のタイトルは「わりきりララバイ」とか「ラヴストーリーは突然に(悲)」とか、パクリっぽいのもありますね(笑)。
みくる:いや、ギリセーフだよ!
――ミニアルバムは2012年リリースの『フラチズム』以来と、久々ですが。
悠:そうなんです。前のアルバムに比べて、少し大人になったかなと思います。今回の収録曲は聴きやすい曲が多いですね。万人受けする曲を狙ったわけではないんですけど、出揃った曲や音がそうだったんです。「大人だ!」と思いました。
みくる:前のミニアルバムには粗い部分があったんです。それも良かったんですけど、今回は細かい部分まで気にして作ったせいか、前回に比べると綺麗な感じがしますね。
凪:今回は粗さがないですね。攻めている攻めていないではなくて、良い意味で曲も音も今までのものに比べて落ち着いていると思います。
――nisaさんは今回が初のミニアルバムですね。
nisa:自分は途中加入なので、前回のミニアルバムの時にはいなかったんですけど、その分お客さん側の立場で客観的に聴けていたと思います。その頃と比べると、今回はコンセプトがしっかり見えるミニアルバムだと思いました。『フラチズム』の時はいろんな曲の詰め合わせみたいな、ガチャッとした感じがあったんですけど、今回は一つ一つの曲のポジションや意味合いが見えるミニアルバムだなと。レンから最初に「欲に関するミニアルバムを作りたい」と言われたので、1曲が1つの欲になるように考えて作りました。
レン:今回、俺は表現豊かに歌ってみました。例えば「わりきりララバイ」とか「ラヴストーリーは突然に(悲)」って、曲を聴かなくても「何じゃこりゃ!」って思うじゃないですか。歌詞もそうなんですけど、歌う時も部分的にめっちゃふざけましたね。だから、録っている時にエンジニアさんから「なりきってるね!」って言われたりして。すごく楽しみながら録りました。いつもそうなんですけど、レコーディングはみんなで笑いながらやります。
――レコーディングはみんな揃ってやるんですか?
悠:そうですね。日程にもよりますけど、基本的にスタジオで録るのはドラムとヴォーカルだけなんです。他のパートは家で録った音をスタジオで流して録るんですけど、ドラム録りの時はレン以外のメンバーがいて、ヴォーカル録りの時は全員います。
レン:「ラヴストーリーは突然に(悲)」は、最初〈ヤイヤイヤイヤイヤイヤイ〉から始まるんですけど、みんなでゲラゲラ笑いながら「せーの」で録りました。「おまえちゃんとやれよ!」なんて言いながらやりましたね(笑)。
――そのせいか、良い意味で生っぽさがありますね。
レン:そうですね。それに、俺らのレコーディングはピリピリしてないから他のバンドさんに比べて楽しいかもしれませんね。レコーディングの時に浮かんだアイディアもとりあえずやってみますし。
みくる:「わりきりララバイ」の僕のコーラスの喘ぎ声の部分もそうだったよね。直前にレンが「やろう!」って言い出して。
レン:〈わぁーお!〉ってやつね。「ラヴストーリーは突然に(悲)」の〈ヤイヤイ〉も最初〈ナァナァ〉なのか〈ララ〉なのかって話していたんですけど、どっちもありきたりだから、「俺は、〈ヤイヤイ〉で行きたいんだよね」って言ったら「じゃあやってみよう」と。ジャンルがジャンルですし、こんな風に楽しんでやる方がいいと思うんですよね。俺らはこういう雰囲気のバンドだし、楽しいCDだから、それに合わせて楽しみながらレコーディングをやります。
悠:僕らの自然体がこれですね。移動中もこんな感じだし。でもライブの楽屋とかで突然暗くなることがあるよね(笑)。
レン:うん。ヴィジュアル系スイッチが入るんでしょうね。みんなキリッとしてます。まぁ、5分くらいですけど(笑)。
◆ライブには謎の力がある(みくる)
――レコーディングは楽しかったようですが大変だったことはありましたか?
悠:3曲目の「わりきりララバイ」がレイヴ初のシャッフルビートなんですけど、これが大変で…。
凪:初めてだし、結構テンポが速いから全然叩けなかったんです。レコーディングの時間は限られていたんですけど、何とかお願いして、1時間だけnisaと悠に付きっきりになってもらって練習しました。
悠:「ラッコって言え! ラッコって!」って言いながら練習したよね。
凪:シャッフルは「ドゥッタドゥッタドゥッタドゥッタ…」ってリズムなので、「ラッコラッコラッコラッコ…」って言いながら叩くと叩けるんです。あとは「あっちこっちあっちこっち」とか。そんなことを言いながらやっと叩けたのがあれです。
悠:俺が厳しくスタジオで指導しましたからね。でもその後、自分も家でやってみたらすごく大変で。俺も「ラッコラッコラッコラッコ…」って言いながら弾きました。
――今後シャッフルビートを聴くたび、ラッコが頭に浮かびそうです。
悠:シャッフルは歌もギターも感じるリズムは全部ラッコですからね。
凪:でも今回ので、ラッコは行けるようになりました。でも、ぶっちゃけライブではやりたくないです(笑)。
みくる:ギターはそんなに難しいことをしていないので、楽しくやりました。シャッフルもそんなに大変ではなかったですね。この曲はnisaのギターソロがかっこいいんですよ。
レン:「わりきりララバイ」はヴォーカルも難しかったです。サビ前の決めるところとか、サビ頭が歌いづらくて。歌詞を詰め込んじゃうから舌が回らなくなったりするし。でもライブはいけるでしょ! あとは不埒っ子(※レイヴのファン)に任せます。
悠:ライブは勢いですからね!
みくる:ライブには謎の力があるんですよ。普段できないことがライブではできたりしますし。
レン:レコーディングが大変だったけど、ライブでは平気だった曲もあるしね。
――曲を作るとき、ライブを想定していますか?
悠:僕は想定して作っています。ライブで困りそうな曲は作らない。
みくる:僕は曲によりますね。作っていく途中で変えたり、「ラヴストーリーは突然に(悲)」みたいな曲を作る時は頭の中でライブをしながらモロ狙っていきます。
nisa:僕も曲によって考えてはいるんですけど、思惑と違ったりします。これは行ける!と思ったら「行けないでしょ」って言われたり…。
全員:(笑)
悠:にさってぃ(nisa)はクリエイティブ過ぎるところがあって、良い意味で目線が完全に玄人なんです。それが良いところでもあるんですけど、玄人目線過ぎるときはストップをかけないと。ちなみに「わりきりララバイ」は僕が作ったんですけど、同期関連のブラスやピアノは自分で一度作ってみたものの専門外なので、にさってぃに同期を全部やってって渡したんです。
nisa:結構作り込んで渡したら、ミックスの時に大分なくなっていて…。
悠:ジャッジメントした結果、色々カットしちゃいました。素材をもらった感じですね。自分で作れないからムーディーな感じの素材をもらって、使おうと思ったところだけ採用したということで(笑)。
◆こいつイケメンやなと(悠)
――今回のミニアルバム、自分たちが想像していたものと完成したものを比べてみてどんな感想を持ちましたか?
凪:最初はもっとギラギラしていたり、攻めているお騒ぎ系のアルバムになると思ったんですけど、良い意味で逆の方向に行きました。最初は今まで通り楽しい感じのアルバムになると思っていたら、意外とおとなしいというか、普通に良い曲が多いなと。
悠:曲ができあがった段階で、聴きやすくなるだろうなとは思っていましたけど、レイヴの持ち味ってこういうことなのかなとも思いました、変にシャウトの曲もないし。全曲を通じてメロディが良いのですごく聴きやすいんだと思います。
――姫は完成したアルバムを聴いていかがでした?
みくる:あ、姫って呼び方いいですね! 姫なんて言われたのは初めてです。大体いつもビッチとかなんで。よし、姫を広めていこう。えーと、姫は…
全員:(笑)
みくる:姫は思っていた通りというか、曲が出た段階でこういう作品になるだろうとは思っていました。でもレイヴらしさの中にレンの歌詞の存在は比重が大きいと思うので、それがのった状態でどうなるかが楽しみでしたね。歌詞を見て、来たなと思いましたから。
レン:歌詞にはこだわりますね。書くのに時間もかかりますし。一番かかったのは「Day×Bye×day」だったかな。俺、良い歌詞書くんですよ。
全員:(笑)
レン:おふざけをする時は全力でおふざけをします。シモ寄りの歌詞を書くときは笑いながら書いてますから。
――ちなみに今回のジャケット写真は、これまでのシモな感じとは違う方向に攻めていらっしゃいますね。
みくる:確かにそっち方向ではないですね。
レン:でも、今回の方がすごくポップでレイヴっぽいなと思います。メンバーの顔を組み合わせているんですけど、これはテーマが「欲」で、人それぞれの欲は違うからそれぞれの顔を使ったんです。まさにタイトル通りのジャケット写真になりました。
――どのパーツが誰の写真ですか?
悠:右目がレンで、左目が凪、右の口がみくるで、左の口から顎が僕で、体がnisaです。
――ものすごく綺麗にはまっていますね。
悠:そうなんですよ。こいつイケメンやなと。
凪:一番イケメンだよね。それぞれ惜しいんでしょうね(笑)。
悠:このパーツの写真、このジャケット写真用に撮ったわけじゃないんですよ。普通のアー写を切り貼りしたんです。デザイナーさんが色々やってこれが一番綺麗にはまったらしいので、違うパーツを使ったらまた違う結果になったと思います。目が良い人の目と、口が良い人の口と、体が良い人の体を使って…
全員:(笑)
nisa:俺、顔使われてないんだよね…。手も右だけなんです。もう片方は悠の手だから…。
悠:そこも別々の手なのにうまいことハマったんですよ。
nisa:俺だけ顔使われてない…。
悠:めっちゃ気にしてる(笑)。
nisa:いいんです! いいんですよ! 良い作品が生まれるんだったら俺は!
――nisaさん…(笑)。今後パーツ入れ替えバージョンはやらないんですか?
悠:一度デザインが上がってきたときに、このパーツはこの人になりませんか?って聞いてみたんですけど、これでしか成立しないらしいんです。
みくる:奇跡の一枚なんですよ。
◆すごくシュールです(凪)
――今回の『ヨクバリーゼ』はPS COMPANY SHOPで購入すると「メンバープロデュースDVD(※ランダム5種)~各メンバーの○○リーゼ!?~」が特典として付くそうですが、これは一体どんなDVDなんでしょう?
レン:メンバーそれぞれ「○○リーゼ」というテーマで動画を撮ったんです。俺は「ドッキリーゼ」っていうやつで、メンバーにドッキリを仕掛けてます。普通ドッキリってこっそり仕掛けると思うんですけど、今回は「ドッキリをやりますよ」って事前に伝えた上で、どれくらいのリアクションを取れるかやりました。すっごく面白いですよ。超大作です。
悠:僕は「チラリーゼ」です。上京して引っ越したので自宅を公開しました。全部見せてますよ。でも部屋がめっちゃ綺麗なので大丈夫です。ちなみに凪と、前の前のマネージャーと一緒に住んでます。
みくる:僕は「パクリーゼ」で、某有名人とか、某有名アニメキャラのものまねをひたすらやった小ネタ集です。結構きつかったです(笑)。
凪:僕は「ファボリーゼ」です。『ヨクバリーゼ』の中の自分のお気に入りの曲を、ただ淡々と叩きました。演奏してみた動画です。レコーディング風景とかではなくて、自分でスタジオに行って、カメラを立てて、ただ叩いている動画です。すごくシュールですよ(笑)。
悠:え、俺楽しかったよ。
みくる:俺も楽しかったよ。
nisa:俺、誰に話を振るわけでもなく、一人で無言でシャッター切ってた…。
悠:それヤバいやろ(笑)。俺は「この引き出しがー」とか言ってるよ。
nisa:一応、「ここは〇〇です」、とか言ってはいるんだけど、会話はないね…。
凪:ヤバい。俺、最初から最後まで何も喋ってない…。
――気になります! ランダムプレゼントらしいので読者の方にはぜひ頑張ってコンプリートしていただきたいですね(笑)。さて、4月7日から九州以外では初の主催ライブとなるPS COMPANY presents レイヴ主催東名阪TOUR「サディスティック前線~巻き起こせムーヴメント~」がスタートしますね。
悠:タイトルにもあるように、サディスティック前線で西から東にムーヴメントを起こしていこうと思います。6月19日には九州以外では初のワンマン(PS COMPANY PRESENTS レイヴ ONEMAN 有頂天スプラッシュ@Ikebukuro EDGE)も決まっていますし。その頃には『ヨクバリーゼ』も定着していると思うので、頑張りたいと思います!
(文・後藤るつ子)
レイヴ
<プロフィール>
2012年8月18日、福岡県で結成。メンバーは、レン(Vo)、nisa(G)、みくる(G)、悠(B)、凪(Dr)の5人組。2012年12月24日にミニアルバム『フラチズム』をリリースし、2013年は全国ツアーも行うなど、精力的に活動を展開する。2015年3月25日にはニューミニアルバム『ヨクバリーゼ』のリリースが決定している。4月6日からはPS COMPANY presents レイヴ主催東名阪TOUR「サディスティック前線~巻き起こせムーヴメント~」、6月19日にはPS COMPANY PRESENTS レイヴ ONEMAN 有頂天スプラッシュがIkebukuro EDGEで行われる。
『ヨクバリーゼ』
2015年3月25日(水)発売
(PS COMPANY/IndiePSC.)
PS COMPANY PRESENTS レイヴ ONEMAN
有頂天スプラッシュ
■公演日:2015年6月19日(金)
■場所:Ikebukuro EDGE
■時間:OPEN 18:00 / START 18:30
■料金:前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500(Drink代500別)
■チケット:
<イープラスプレオーダー>
受付期間:2015/03/13(金)12:00 ~ 2015/03/29(日)12:00
【受付URL】http://eplus.jp/rave15/ (PC・携帯・スマホ)
<一般発売日>
2015/04/05(日)イープラス発売開始
【受付URL】http://eplus.jp/rave15/ (PC・携帯・スマホ)