2014. 5.25

Famme Fatale × WING WORKS

『運命の翼-Rosen Wings-』

 

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5月25日、この日はFamme Fatale × WING WORKSの2マンイベントがSHIBUYA-REXで行われた。6月からは共にイベントツアーを回ることが決まっているこの2組。そのイベントツアーに先駆け、この日の熱いイベントの様子をお届けしよう。

 

幕が開くと共に目に映る銀色のバックドロップ、先攻はWING WORKS。「集いし、全ての君へ。」と1曲目は『VAD†MAN』。パワフルなサウンドを連れて幕開けから一気に駈け抜ける。フロアには、RYO:SUKEの魂込めたシャウトに応えるように、力強く拳が上がった。全身を使い、自らの伝えたいメッセージをステージから見るもの全てに発信していくRYO:SUKE。勢いはそのままに、続いては『メギド』。激しくヘドバンで始まり、フロアの持つ熱も一気に上がっていく。

 

MCでは、この2バンドによる対盤が決定した経緯や、Famme FataleのVo.Kayaとのただならぬ関係(?)を語ったRYO:SUKE。「言っても、僕たち(バンドとしては)先輩だからね!」と会場を沸かす場面も。そして、「ヴィジュアル系のファンをやってると色々なことがあると思うけど、今日はそういうのいらないから、初めてヴィジュアル系を好きになった時の新鮮な気持ちを思い出して楽しんでください!」とフロアに向けて素直な言葉を贈った。

 

そんなMCから続いて披露したのは、色っぽく切なさの光るナンバー「ADAM」。WING-MEN(楽器陣)の奏でるアップテンポなサウンドに酔いしれながら、切なげに、かつ力強く歌詞を紡ぐRYO:SUKEに、ひと味違うWING WORKSを垣間見た。世界を変えようとして処刑されたというガイフォークス。そのお面をメンバー全員身につけ、始まった「ILLUMINA✡LUMINALION」。彼の、世界を変えたいという思いが詰まったというこの曲。世界をかき回すような刺激的なサウンドを引き連れ、サビではモッシュを巻き起こす。エロティックにダークに畳みかける「MAD SQUARE GARDEN」は、ジャケットをはだけさせ歌い上げるRYO:SUKEの姿に、釘付けになった人も少なくないはずだ。そしてスローテンポな中にもしっかりとしたバンドサウンドが身体に響いてくれるのが心地よい。表情が一変、会場を一瞬でダンスホールにしたのは「Mr.FANTASIX」。駆け巡るクラブサウンドに身体を揺らし、踊り跳ねるフロア。まさにここがどこよりも最高にファンタジックなダンスホールのよう。

 

「I’ll die, but my CREATION never die.」では、弾けるようなメロディに前向きな歌詞を乗せ、曲に込めた思いを丁寧に届けるRYO:SUKE。WING-MEN 1人ひとりとアイコンタクトを取る姿に、ソロアーティストとは決して1人でステージに立っているわけじゃないと感じられた。ラストはこの曲で一つに!「シルヴァー」。“最後”という熱気は何よりも熱く、ヘドバンもジャンプも全力のフロア。ステージからもそれに負けず劣らずのパワーがしっかりと感じられた。「この世界で俺たちはいつだって自分次第で光になれる!」そんなRYO:SUKEの言葉が深く胸に刺さる。WING WORKSの掲げる、まさに“命を燃やす”そんなステージだ。

 

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後攻、登場から強烈な世界観をぶつけてきたFamme Fatale。1曲目は5月28日に発売が決定している「FREYA」。可憐なたたずまいからは想像しがたい、鋭い雄叫びから一気に引き込まれていく。サビでゆっくりとフロアに上がる手が、まるでVo. Kayaを崇拝しているかのようだ。続いて「Digitalis」。激しさをさらに増した野太いサウンドがKayaの美声を纏い鼓膜を震わせる。

「現実を忘れて楽しいことしましょう?」と、扇子を手にして始まったのは「緋い花」。フロアにひらひらと上がる扇子が何とも幻想的だ。

 

MCになると、「まだ結成したばかりの新人バンドでございます(笑)」と茶目っ気たっぷりなKaya。対盤相手のWING WORKS RYO:SUKEのことを「可愛いよねえ、たまらないよねえ(笑)」と絶賛する場面も。終始KayaのMCを後ろから邪魔するDr. Chargeeeeee…など、黒一色のゴシック衣装に身を包んだその装いからはなかなか想像がつかないが、MCになるとメンバーのチャーミングな一面を垣間見ることが出来た。

 

Kayaの台詞により始まる「Luftschloss」は、3拍子に心惹かれる壮大なバラード。続く「BABEL」は弾むピアノのメロディから始まり、Kayaの引き裂くようなシャウトにフロアは自然と頭を振り乱し、全力で折りたたむ。手紙を読む、という演出から始まったのは「Crimson Nail」。途中、感情的に手紙を破り捨てるシーンでは、泣き崩れてみたり、高笑いしてみたりと、一つの舞台を見ているかのような世界観。感情を剥き出しにするステージ、フロアにも、どんどん目が奪われていく。

「全員腕を上げなさい!」と煽られ、声と共に力強く上がる拳。「SALOME」。まだ始動したばかりとは思えないほどの一体感、パワーの強さを見せつけた。

 

そしてここでFamme Fataleからのお知らせとして、サポートメンバーのGt. 源依織、そしてBa. Toshiが本日をもって正式なメンバーとして加入することが発表された。Kayaは、「前のバンドからずっと応援してきてる子は思うところがあるかもしれない。そういう子達の気持ちもすべて大切に抱きしめた上で、自分達の音楽を貫いていきたい。すっごいスピードで走ってくからね。ついてきてね。でもたまに振り返りながら走るから。みんなで一緒に(Femme Fataleを)創っていこうね」と新しく5人として活動していく意気込みを語った。

「最後愛するみなさんに送ります。」と「the Fatal Day」を披露。アップテンポなメロディと、本当にこの時を楽しんでいる様子のメンバーの笑顔に自然と笑みがこぼれる。派手にこの日のステージを締めくくったFamme Fatale。始動したての“新人”バンドである彼らだが、楽器隊の奏でる重厚な音、Kayaの放つ耽美な声は圧巻だ。

 

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そしてアンコールはセッションとしてステージにメンバーが集合。ここでもメンバーの呼び込みの際、大活躍となったのはFamme Fatale Dr. Chargeeeeee…。軽快なリズムでステージからメンバーコールをするが、やりづらい!とクレームをもらう場面も。

サングラス姿に赤リップで登場したRYO:SUKE。曲が始まれば理由が分かる!ということで始まったのはレディ・ガガの「Porker face」。サングラスを外したRYO:SUKEはもちろん、まぶたに大きな目を書いた“ガガメイク”。ロックアレンジされたこの曲を、ツインボーカルで見事に歌い上げた。

 

メイクのせいで目が開けられないRYO:SUKEは、「目を開けてみて!」の声に、だったら「もう1曲やりたい!」と急遽予定にはなかったアンコール2曲目をやることに。1曲目ではステージにいなかったメンバーも呼び込み、再び煽りに煽ってNIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」を披露。髪を振り乱し、手を上げ、思い思いに乗るフロア。楽器陣も激しく頭を振り、最後に全てを出し切る。気持ちが昂ぶり、RYO:SUKEがKayaにキスをする場面も。まさに命燃やす、魂燃やす熱いセッションとなった。

 

WING WORKSと、Famme Fatale。端から見たら異色の2バンド!?だったかもしれないが、蓋を開けてみると、自分達の表現したいもの、伝えたいこと、自らが歌う意味、それらにおいて絶対に曲がらない強い芯を持った同志。かっこいい、という言葉が安っぽく聞こえるほど、両者とも表現者としての姿勢が凛としている。6月から始まるイベントツアーを始め、これから様々な活動をしていくであろう彼ら。そんな彼らのこれからに、大いに注目していきたい。

 

(文・福田日向子)

 

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WING WORKS オフィシャルサイト http://wingworks-official.com/

Femme Fatale オフィシャルサイト http://femme-fatale.jp/