2013.11.12
THE CHERRY COKE$主催イベント@渋谷CLUB QUATTRO
『PARALLEL OCEAN~Hoist The Colours~』
[出演] THE CHERRY COKE$、SCREW、BORN、アリス十番、テレパシー
折しも、グラチャンバレーで欧州王者・ロシアを日本女子チームが下したその夜。渋谷ではパンクロック、ヴィジュアル系、アイドルが手加減なし、本気のぶつかり合いを見せていた。
THE CHERRY COKE$が6thアルバム『COLOURS』を携えて全国を巡ったTOUR 2013 “Hoist The Colours”の番外編、彼ら主催の異種格闘技音楽イベント“PARALLEL OCEAN~Hoist The Colours~”のことである。ヴィジュアルシーンの精鋭・BORN、SCREW。アイドル界の掟破り・テレパシー、アリス十番。そして、パンクロックの異才・THE CHERRY COKE$。5組それぞれの生き様と矜持を目の当たりにしてみれば、同ジャンルのみのアーティストが集うイベントでは味わえない刺激と興奮がそこにはあった。
まず勢いよく先陣を切ったのはBORN。1曲目の「DEMONS」から、スラッシーでヘヴィな音像といい猟牙(Vo)のスクリームといい、まったくもって容赦がない。「RADICAL HYSTERIA」ではオーディエンスも一体となって右に左に激しくモッシュして、イベントというよりはワンマンライヴの一幕を観ているかのような気さえしてくる。11月20日の発売に先駆けての投下にもかかわらずヘッドバンギング(リズムに合わせて頭を激しく上下に振る共鳴動作。通称ヘドバン)まみれとなった「SATISFACTION?」、跳ねるオーディエンスに床が揺れに揺れた「乱刺℃」と、彼らのファンであろうとなかろうと男子も女子も関係なく絡み合って混ざり合うその様はだいぶ圧巻。どこに行っても誰であろうと自分たちのペースに巻き込んでしまう彼らである。来年2月に行なわれる渋谷O-Eastワンマンでは、ますます昂ぶらせてくれるに違いない。
揃いのラメラメなシルバー衣装で登場したのは、“宇宙初のエアギターアイドル”テレパシー。ディープ・パープル、エリック・クラプトンなど往年のロック名曲をSEに、板で作ったギターを使ってそれぞれ独創的なパフォーマンスを堂々と見せる彼女たち、のっけからタダモノではない感がプンプンする。
10月9日にリリースしたデビューシングル「テレパシーミライ / テレパシーセカイ」の2曲をはじめ、パワフルでロックな曲に合わせ板ギターを駆使してエネルギッシュに躍動し、アクロバティックな動きも多い。それでいて、歌声の力強さも笑顔も決して絶やさない5人。「こんなカッコいいイベントに呼んでいただいてありがとうございます!」と恐縮していたが、カワイイだけじゃなく凛とした意志の強さを感じさせる彼女たちもまた、惚れ惚れするほどカッコいい。ユニット名そのままに、彼女たちなら人と人の心を強く結び付けられる存在になれるはずだ。
轟音と鋲(Vo)の雄叫びで先制攻撃を仕掛けてきたのはSCREW。重戦車を思わせるヘヴィネスは、5人のただならぬ気迫を感じさせる。オーディエンスが左右に激しくモッシュしてかき混ざった「UNWORLDLINESS KINGDOM」では、マイクの赤いシールドを口にくわえた鋲が「ここまで来い!」と挑発。
かと思えば、11月6日にリリースされたばかりの新曲「CAVALCADE」では異なる表情もチラリ。デジタリックなアプローチやサビの明るくキャッチーなメロディーには、新たな可能性を見ることもできた。
鋲がデスシャウトで威嚇し続けた「Barbed wire」、オーディエンスのモッシュ、ヘドバン、ジャンプがただならぬカオスを呼んだ「Get You Back」と、最後まで自らの音楽を突き通した彼ら。来年4月20日の赤坂BLITZワンマンに向け、期待は高まるばかりである。
全員がジェイソンマスクを装着、おもちゃのハサミやチェーンソーを手にしつつカラフル衣装で元気よく登場するというちぐはぐ感で度肝を抜いたのは、“ヘドバンアイドル”アリス十番。しかも、ジェイソンマスクをすぐに取るのかと思いきや1曲目「アリスのロッキンホラーショー」の最後まで装着したまま。メンバーの激しいヘドバン、切れ味鋭いラップも飛び出して、驚かされっぱなしだ。
かわいくアイドルソング「ハピ☆バデ」を歌い始めたと思ったら、途中で再びジェイソンマスクを着けてあらぶったり、手から紙テープを出したり。「全開☆ヒーロー」ではトイガンからトイレットペーパーを噴射、「夏だね☆」ではぬいぐるみを手に激しくパフォーマンスし、ついには立花あんなを乗せたゴムボートをスタッフが担いでフロアを一周。予測不能な動きからは一時も目が離せない。秋葉原の常設劇場P.A.R.M.Sにて365日毎日公演を行っている7人に、会いに行きたくなった。
トリを飾ったのは、もちろんTHE CHERRY COKE$。ケルト音楽とパンクロックを融合させる彼ら、最新アルバム『COLOURS』ではヘヴィロックやラテン、ボサノヴァ、カントリー、ロカビリー、メロディアスポップ等の色彩豊かな表現欲も見せてくれた彼らだが、ライヴの見応えはまた格別。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムといった通常のバンド形態に加え、ティンホイッスル(アイルランド発祥の縦笛)とトランペット、サックスとボーラン(アイルランドの打楽器)等を曲中で使い分けるメンバーがいるのである。アコーディオン担当のTOMOが疾患の為に欠演してしまったのは残念だったが、THE CHERRY COKE$らしいその斬新な化学変化に、目も耳も楽しくないわけがない。メンバーもお酒を飲みながらの奔放なパフォーマンスは無条件に観る者を高揚させて、おかげでフロアはモッシュ、サーフ(観客が観客の上を波乗りしていくこと)に明け暮れていた。THE CHERRY COKE$のファンのみならず、そこにいた者は本能を解き放つことができたのだ。こんなに楽しいショーが、他にそうそうあるだろうか。
「アイドルやヴィジュアル系、そして俺たちのファンそれぞれが新しい遊び場を見つけるきっかけになったらいいなと思って企画したイベントなんだ」とは、THE CHERRY COKE$・KAT$UO(Vo)の談。事実、出演者もオーディエンスもたくさんの楽しい発見があったように思う。
そしてまた、完全ホームグラウンドではない状況だとしても、他の出演者をリスペクトしながら自らの真価を存分に発揮する。4組がそういうバンド、グループであることをTHE CHERRY COKE$は見抜いていたということなのだろう。彼らの審美眼にもまた、敬意を払いたい。何しろ、全出演者の心意気に感動すら覚えた一夜であった。なお、“PARALLEL OCEAN~Hoist The Colours~”は残すところ2公演。11月26日の名古屋CLUB QUATTRO、翌日27日の大阪CLUB QUATTROである。見逃してしまうのは、あまりにもったいない。
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【ライブ情報】
『PARALLEL OCEAN~Hoist The Colours~』
●名古屋CLUB QUATTRO
日程:11月26日(火) OPEN 18:15 / START 19:00
出演:THE CHERRY COKE$ / SCREW / アリス十番
●梅田CLUB QUATTRO
日程:11月27日(水) OPEN 18:15 / START 19:00
出演:THE CHERRY COKE$ / SCREW / アリス十番
料金:前売り¥3,500 / 当日¥4,000(税込/ドリンク代別途)
一般発売日:2013年10月19日(土)AM10:00~
※整理番号あり
※6歳以上チケット必要
【THE CHERRY COKE$ リリース情報】
6th Album『COLOURS』
2013年6月12日(水)発売
TKCA-73914 ¥2,800(tax in)
1. DRUNKEN PIRATES 〜終りなき夜の果て〜
2. PALE YELL
3. Who killed the RED?
4. BITTERSWEET SUMMER DAYS
5. GLORY STORY
6. JOURNEY TO THE SUNLIGHT
7. SLY HIGH
8. bite me,deadly
9. Misery-go-round
10.SHINING STAR
11.BURN
【THE CHERRY COKE$ ライブ情報】
★6th ALBUM「COLOURS」リリースツアー『Hoist The Colours』
=TOUR FINAL=
12月23日(月・祝) 赤坂BLITZ
料金:前売り¥2,999 / 当日¥3,500(税込/ドリンク代別途)
一般発売日:2013年10月19日(土)AM10:00~
THE CHERRY COKE$ オフィシャルサイト http://www.thecherrycokes.jp/
THE CHERRY COKE$ オフィシャルfacebook
http://www.facebook.com/pages/THE-CHERRY-COKE/498612623520509
THE CHERRY COKE$ 最新PV
SCREW オフィシャルサイト http://www.pscompany.co.jp/screw/
BORN オフィシャルサイト http://www.indie-psc.com/born/
アリス十番 オフィシャルサイト http://www.alice-project.biz/alice-juban/
テレパシー オフィシャルサイト http://telepathy.asia/