2024.04.06
PENICILLIN@新宿BLAZE
「関東サーキット2024 激撮Ⅲ」
一瞬ごとのきらめき。一瞬ごとの感慨。一瞬ごとの躍動感。ライヴを観ていて得られるそうした感覚の多くは、基本的にその場ならではのものだと言えるだろう。ただ、それらを動画として残すことはもちろん可能であって、このたび開催された「PENICILLIN 関東サーキット2024 激撮Ⅲ」においては、ステージ上のみならずライヴ会場全体の雰囲気までをも、まるごと真空パックするかのような試みがなされていくことになった。
「激しく撮る、と書いて激撮ということでね。今回の関東サーキットでは新曲のMVを各会場で撮影してきていて、今日のこれで4本目になるのかな。我々は去年の秋に初めてDVD+パンフレット形式で『永遠と花束を』を出しましたが、今回はそれに続いての第2弾作品を出すことになったんですよ。しかも、ライヴでいきなりそれに入る新曲を1曲目にやるというのはPENICILLINにとって今までにない挑戦でもあります。そう、さっきやったあの曲が新曲だったんですけど。今日はこれまでよりカメラの台数も多いですし、おそらくMVはこのBLAZEでの映像がメインになっていくでしょう。あと、新曲以外のライヴ映像も盛り上がりが良ければ使われる可能性もあるかもしれないので、みなさんそのつもりでライヴに参加していってください。いいですか!」(HAKUEI)
サーキット最終日となった新宿BLAZE公演でのライヴでは、こうHAKUEIが語ったとおりに冒頭はダイナミックでいてキャッチーな新曲「KISS」で幕開けすることに。既に4本目ということもあり、サーキットが始まったばかりの頃に比べればフロアにおける楽曲浸透度もだいぶあがってきていたように見受けられたとはいえ、それでも「KISS」がまっさらの書き下ろし曲であることにはなんら変わりがない。まだレコーディングをしたのみで未発売の新曲を、よりによって“しょっぱな”からライヴで披露するというのは、当然ながらバンドとして非常に鋭気が必要とされる場面のはず。
事実、メンバー内でもこの件についてはサーキット開始前に意見を交わしあったそうなのだが、最終的には前述したHAKUEIのMC中でも語られていたように、彼らは「挑戦」することを選択したそう。結成30周年を経て、今春より33年目に突入したPENICILLINは押しも押されもせぬレジェンダリーなバンドであると同時に、シーンの最前線をずっと闘い抜けてきた誇り高き闘士だ。長いキャリアの上にあぐらをかくことなどはありえるわけもなく、PENICILLINは今現在も前のめりなくらいの姿勢で攻め続けているのである。
ちなみに、今回のサーキットのタイトルに「激撮Ⅲ」と冠されているのはその名のごとく“MVをライヴ会場で撮るのはこれが3回目”であるため。2003年のシングル『四次元ダイバー』の時には今はなき渋谷AXでの「激撮」でシューティングをしていて、2008年にアルバム『Supernova』が発売された際にも「earth born」と「RED MOON」を「激撮Ⅱ」にて収録しており、今回16年ぶりでシリーズ第3弾が実現したというわけ。
また、PENICILLIN側からしてみると今回の関東サーキット最終公演がPENICILLINとしては“最後の新宿BLAZE公演になってしまう”ことも、現場にカメラを入れたかった理由のひとつであったらしい。確かに、映像として作品を残すことはのちのち歴史資料的なアーカイヴ化していくことも意味する。それゆえ、どれだけクオリティの高い内容に出来るか?という点が大切になってくることは言うにおよばず。
かくして、今回のライヴでは冒頭の「KISS」に限らず、全編にわたってライヴハウス映えする楽曲たちが並べられていた印象で、千聖のエモーショナルなギターソロが楽しめた「花」や、O-JIROの叩き出すヘヴィなビートがオーディエンスたちの身体を揺らしていた「飛翔遊戯」、HAKUEIが小学校入学式の想い出を詞にしたという春にぴったりな「走れメロディー」など、曲調こそあれこれと違えどもPENICILLINの持つライヴバンドとしての底力をたっぷりと堪能出来たのが、この夜のライヴだったと断言出来る。
なお、アンコールでは「KISS」を敢えての“撮影用アテぶり”で再演し、ここでは観衆側も先ほど以上の盛り上がりぶりでPENICILLIN を強力にバックアップ。それにくわえ、このあとにはまたライヴ演奏に戻って巨匠・鳥山明氏を偲ぶ意味での「そして伝説へ」(ドラクエをモチーフに作られた1998年発表のアルバム『Ultimate Velocity』収録曲)が披露されるという感動的な一幕もあった。
さらには、ダブルアンコールでの選曲も実にいかしていたと思う。最初に「KISS」から始まり、本編ラストが「SEX」で、なんと大ラスは「快感∞フィクション」…あまりに完璧な流れではないか。ここから夏に向けての彼らの動きにも期待したいところ。今年下半期に向けても、PENICILLINの生み出す一瞬ごとのきらめき、一瞬ごとの感慨、一瞬ごとの躍動感をつぶさに追っていきたいものだ。
◆セットリスト◆
SE. Dragon Quest Theme
01. KISS(新曲)
02. 永遠と花束を
03. 幻想カタルシス
04. Love Dragoon
05. 花
06. 飛翔遊戯
07. 夢の続き
08. 走れメロディ
09. 理想の舌
10. CROSS HEART
11. anti catastrophe
12. Just a kiss on your 3rd eye
13. Justice
14. SEX
En1
01. KISS(新曲)
02. そして伝説へ
03. Dead Coaster
En2
01. 快感∞フィクション
(文・杉江由紀/写真・折田琢矢)
【ライブ情報】
●祭り2024
8月4日(日)Veats SHIBUYA
開場16:15/開演17:00
オールスタンディング¥9,000(税込・D別)
・未就学児入場不可
・客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合がございます
問:サイレンエンタープライズ03-3447-8822
<FC[QUARTER DOLL]会員先行(抽選)>
受付期間:6月21日(金)12:00~6月30日(日) 23:59
受付URL:FC会員コンテンツ内にてご案内
制限枚数:お1人様1申込4枚
<MOBILE FC会員先行(抽選)>
受付期間:6月21日(金)12:00~6月30日(日)23:59
受付URL:モバイル会員コンテンツ内にてご案内
制限枚数:お1人様1申込4枚
<オフィシャル先行(抽選)>
受付期間:7月1日(月) 12:00~7月7日(日)23:59
受付URL
制限枚数:お1人様1申込4枚
<一般発売(先着)>
7月20日(土)10:00
イープラス
●O-JIROBIRTHDAYLIVE「とのさまGIG 2024」
9月14日(土)新宿ReNY
9月15日(日)新宿ReNY
●千聖BIRTHDAY LIVE「ROCK ROCK 20周年(仮)」
10月5日(土)恵比寿LIQUID ROOM
10月6日(日)恵比寿LIQUID ROOM
※詳細後日発表