2012年よりソロアーティストとして活動してきた元FANATIC◇CIRCUSのヴォーカリスト石月努がニューアルバム『WORLD’s END』を9月19日にリリースする。
アルバム制作がスタートした本年初頭から、“WORLD’s END”というテーマは石月のなかにあったそうだが、制作過程で新型コロナウイルスが世界中に蔓延しはじめ、石月はこのテーマとそれまでとは、また違う側面から向かい合うこととなった。“世界の終わり”というシリアスなテーマではあるが、石月はこの試練の時代をそのまま切り取り、メッセージを投げかけるだけではなく、コロナ禍で石月が日々感じたこと、また心の動きを描いた私小説的な作品となっている。
オープニングは「w.e.」。シンセサイザーのレイヤーが重なって、一つの音を構築する。そして混沌とした時代に、これから向かう道を自身に問いかけるように〈we are…..〉のリフレインが重なってゆく。アルバムの序曲ではあるが、作品の全体像を感じることのできる作品だ。タイトル曲「WORLD’s END」では、重厚なストリングスをバックに〈今は諦めずにただ、息を吸った〉と熱っぽく歌う。石月がひとりオーバーダビングした重厚なコーラスも聞き所だ。画家モネの作品をオマージュした「睡蓮」、過ぎ去ったときを感傷的に綴る「白昼夢」、石月の夏歌ともいえる「虹色の涙。」など石月の真骨頂ともいえる、暖かな曲が続く。アルバムのエンディングは愛を高らかに歌う「エンドロール」から、リリカルなバラード「あした、会おう。」と、クライマックスに向けて、優しく、そして力強く続いてゆく。
収録曲は全11曲。コロナ禍のソーシャルディスタンスによって、コーラスワーク、エンジニアリングまで、これまで以上に石月一人で作品を構築することが多くなった本作品。そういう意味では、石月努の純度の高い作品とも言えるだろう。
“WORLD’s END”という重々しいタイトルではあるが、楽曲はメロディアス、ロック、ダンスミュージックと石月らしい作品が並んでおり、石月のフォローワーはもちろん、新たに石月努を知るためにもよい作品となっている。CDの購入は石月努オフィシャルサイトから。特典には収録曲を石月自ら紹介する映像をダウンロードできるMカードも同封。CDとともに、こちらの映像もぜひチェックしてほしい。
(文・ぽっくん)
【リース情報】
●New Album『WORLD’s END』
CD+Mカード(WORLD’s END独占インタビュー映像をダウンロード可能)
MSTI-0007 ¥4,500(税込)
ご購入はこちらから
http://tsutomuishizuki.com/
<収録曲>
01. w.e.
02. されど無形。
03. サーカスサーカス
04. 番号待ち。
05. 睡蓮
06. 夢煩い
07. 白昼夢
08. 虹色ノ涙。
09. WORLD’s END
10. エンドロール
11. あした、会おう。
石月努 オフィシャルサイト http://tsutomuishizuki.com/