2024.12.24
R＊A＊P＠赤羽ReNY alpha
「R＊A＊P 20th Anniversary Xmas LIVE 2024 「THE☆SHOW☆宇宙」～鳴らせ 僕らのジングルベル♡～」
聖夜の赤羽に宇宙人が襲来する、というミラクルな奇蹟発生。とある界隈では今もってキリストの宇宙人説がまことしやかに語られていたりもするらしいが、このたび2024年12月24日＝クリスマスイヴに「「THE☆SHOW☆宇宙」 ～鳴らせ 僕らのジングルベル♡～」と題した“8年ぶり”のワンマンライヴを赤羽ReNY alphaにて行ったのは、なんと自称宇宙人ユニット・R＊A＊Pだ。
なお、いかんせん8年ぶりの再始動であるだけに、みなさまの中には「R＊A＊Pってそもそも何？ 自称宇宙人ユニットとは？」と思われる方もきっといらっしゃることだろう。あらためて紹介しておくと、R＊A＊Pとは宇宙人ヴォーカリストのRicky Astrovich Primakov（リッキー アストロヴィッチ プリマコフ）がフロントマンをつとめる音楽ユニットで、彼は現在その本名を略したRicky.A.Pとしてのソロ活動も展開中。
また、今回のライヴに向けては告知フライヤーなどに“デビューから20年目のクリスマスイヴ アイツらが攻撃を開始ス・ル…♡”という文字が躍っており、2004年から始動して2007年に惜しまれながら解散するも、これまでになんだかんだで3回の限定復活を果たしてきているR＊A＊Pにとっては、この「「THE☆SHOW☆宇宙」 ～鳴らせ 僕らのジングルベル♡～」がことさらに特別なものであったことがうかがえる。
かくして、クリスマスイヴ当日であった今宵の宴はまずR＊A＊P登場の前に自称・サンタクロースによる影アナがライヴ本番に向けた場内の空気を盛り上げていくことに。
「僕は今日、R＊A＊Pのメンバーから呼ばれましたサンタクロースです！なんと、R＊A＊Pとしては約8年ぶりのワンマンライヴでございますね。本当はこのクソ忙しい時期に、まだまだいろんな家へ行かなきゃいけないから大変なんだけど。まぁでも、今日はR＊A＊Pの20周年とクリスマスイヴということなので。前回から8歳も歳食っちゃってるし、お互いに（笑）。中にはあの頃のR＊A＊Pを知らない人もいるかもしれないから、まずはみんなでリハビリしていきましょう。8年のブランクがあって今日の1発で最高のライヴを作るって、お互いに頑張らないといけないわけです！」（サンタクロース）
ということで、ここからはしばしサンタクロースの丁寧なレクチャーによるコール＆レスポンスの練習が行われ、その後にはサンタクロースから以下のようなありがた迷惑…ではなく、大変ありがたきお告げまでがくだされたのだった。
「みんな、オトナになって落ち着いちゃってライヴでおバカになるとか、ちょっと気が引けちゃうかもしれないじゃん？ そういう人たちのために、今日はここ赤羽ReNY alphaにみんなが入場する際“おバカチップ”を頭に埋め込んでおきました！ なので、みんなはR＊A＊Pからのどんなおバカな指令にも従うことになってます。これで今夜のライヴはバッチリです！ みなさん、イケますよね？ それじゃあ僕は北区全般と荒川区もちょっとだけ担当してるので、これで仕事に戻ります！！」（サンタクロース）
この言葉を残してサンタクロースが場を去ると、程なくしてステージに登場したのはもちろんR＊A＊Pの面々。冒頭を決めポーズとお決まりの口上でスタートするスタイルは相変わらずで、この段階から客席フロアがヒートアップしたことは言うまでもない。
「地球人ノミナサマ、コンニチハ。イツモキラキラヒカリモノ！宇宙人ヴォーカルノRicky Astrovich Primakovデス！！」（Ricky Astrovich Primakov）
「ミナサマ、御機嫌イカガ？宇宙人ベーシストノJETデス！」（JET）
「ミンナー、地球人デスカ？宇宙人ギターノTylerデス！」（Tyler）
「強ク、明ルク、逞シク。僕ラガR＊A＊P！！」（全員）
幕開け曲として選ばれていたのは、R＊A＊Pの楽曲の中でも突出したキャッチーさを誇るギャラクシーポップチューン「宇宙アタック」。ただし…本来ならJETがいるはずの下手側には、なぜかJETの等身大パネルが設置されているではないか。…何事ぞ！？と思いきや、2曲目の「カンチGUY」からは無事JETが登場してくれたため、等身大パネルの方はそのまま撤去とあいなった。わざわざの手間とコストをかけてサプライズを仕込んでくる、宇宙人ならではのホスピタリティはなんとも手厚いではないか。
タイトル通りの大騒ぎが場内に巻き起こった「てんやわんや」では、Tylerがピロピロ系ギターソロで観衆を圧倒しつつ、JETは5弦ベースを唸らせると、Ricky Astrovich Primakovは懐かしきパラパラダンスを披露。もちろん、観衆も曲のビート感に煽られながらヒカリモノのグッズをキラキラさせ踊り倒していくわけで、このクリスマスイヴの夜に赤羽ReNY alphaの場内は完全にパーティー空間化したというわけである。
「ミナサン、コンバンハ。イヤー、ツイニ来チャッタネ！クリスマスイブデスヨ。トニカク、コウシテ結成20周年ニミンナト祝エルナンテ。コレハモウ奇蹟ダゼ！！」（Ricky Astrovich Primakov）
ボイスチェンジャーを使った設定通りの宇宙人ボイス…もとい、翻訳システムを使って宇宙人語を日本語にしたMCもR＊A＊Pでは定番だが、なぜかこれ以降のMCでは普通の地球人的な声を聞けるかたちになっていたのはご愛嬌ということにしておこう（笑）。
「今日のライヴはほんとに思いつきで決まったもので、そもそも今年20周年だということもファンの方から教えてもらったくらいなんですが（笑）、ライヴハウスの空きを問い合わせたところ「クリスマスイヴなら空いてます」ということで、こうして実現することになりました。とはいえ、各メンバーがその日にOKかっていうのも大事なことじゃないですか。JETなんて音信も途絶えてたからね。Tylerだって、頑張ってスケジュール空けてくれたんだから！ ドラムのMINAMIちゃんもサポートで来てくれたし、来てくれたみんなもほんとにどうもありがとう！ 8年前からずっとR＊A＊Pを待ってたよっていう人も、今日が初めてだよっていう人もいると思いますが、今日はたくさん曲を持ってきたので思いきり楽しんでいってください！」（Ricky Astrovich Primakov）
基本的にはおバカで楽しい曲が多いR＊A＊Pだとはいえ、この夜のライヴでは聖なるクリスマス・イヴにぴったりな美しきバラード「深雪」が披露される一幕もあり、ここで伸びやかで高らかなRicky Astrovich Primakovの素晴らしいヴォーカリゼイションをじっくりと堪能することが叶ったのも、おそらく多くのファンにとっては8年ぶりの貴重な慶事であったことと思う。
もちろん、本編後半ではハジけるようなアッパーチューン「SILENT SIREN」や、Tylerがポール・ギルバートばりにドリルギターを駆使しながらソロを繰り広げたり、JETがテルミンを使ってのカオスなプレイで魅了してくれたハードなロックチューン「愛しのEMERGENCY」も聴けたほか、本編ラストではポジティヴなメッセージのこもった「光」を聴くことが出来たのも、このライヴに対する満足感が高まった点だろう。
そのうえ、フロアからの盛大な“R＊A＊Pコール”に応えてのアンコールではRicky Astrovich Primakovの朗読から始まる叙情的な「ソラノカケラ」、ヘヴィなサウンドと和の旋律が融合した「銀河ノ果」、ステージとオーディエンスが自然と一体化した「我裸苦駄」なども演奏され、このクリスマス・ライヴはますます記念すべきものとなっていたのではなかろうか。
そればかりか、次いでのダブルアンコールではJETとTylerとMINAMIがトナカイ、Ricky Astrovich Primakovはサンタクロースの出で立ちで再登壇し、いっそう場内のクリスマスパーティ感は倍増！
「それじゃ、もうちょっとだけ時間あるんで限界までみんなで楽しみましょうか！ 今宵、赤羽で宇宙人とラブ♥︎ドッキング！！」（Ricky Astrovich Primakov）
まさに“おバカチップ”が効果を発揮するに至った「ラブ♥︎ドッキング」、観客らによるシンガロングが場内に響きわたった「幸福あれ！」、そしてこのライヴにおける最後の最後を締めくくったのは楽器隊メンバーも全員がキレのあるダンスに興じた、“R＊A＊Pテーマソング”である究極のおバカチューン「それいけ！R＊A＊P」。
「ワレワレハ宇宙人デアル。コレニテ攻撃ヲ完了ス…ル」
これは夢か幻か。いや、聖夜の赤羽で起きた宇宙人襲来というこの重大インシデントは、リアルにミラクルな奇蹟であったに違いない。
◆セットリスト◆
01. 宇宙アタック
02. カンチGUY→気流
03. てんやわんや
04. GAMBLE WONDER LAND
05. バカだね‥ホント
06. あいたい時に会えなくて
07. アイツの唄
08. 深雪
09. SILENT SIREN
10. 愛しのEMERGENCY
11. N＊K＊R
12. Romantic人生
13. 光
En1
01. ソラノカケラ
02. 未来☆ワールド
03. 銀河ノ果
04. 我裸苦駄
En2
01. ラブ♡ドッキング
02. 音色ミサイル→
03. 幸福あれ！
04. それいけ！R＊A＊P
（文・杉江由紀／写真・折田琢矢）
【ライブ情報】
●Ricky.A.P ソロデビュー16周年記念ワンマンLIVE 2025「 THE☆ANNIVERSARI☆CKY」ー春めぐり ソロもそぞろに 十六年ー
3月30日（日）渋谷REX
開場15:30／開演16:00
前売券 ￥7,500（D別）／当日券 ￥8,500（D別）
CAST：眞鍋香我（G）、YUCHI（B）、おおくぼけい（Key）、巧（Mnp）、Shinpei（Dr）
チケット一般発売 1月26日（日）10:00〜
問：渋谷REX 03-5728-4911
【Ricky.A.P リリース情報】
●New Single『此れ見よがし』配信中
作詞 & 作曲：Ricky.A.P
編曲：山田巧
