彼らに浴びせるオーディエンスの声援は、紛れもない“本物”だった。L’Arc-en-CielのトリビュートバンドLike-an-Angelが「Like-an-Angel CLUB CIRCUIT 2024 L’Arclassic」と銘打って初のツアーを行い、福岡、大阪、名古屋を巡って東京会場であるSpotify O-EASTでファイナルを迎えた。
まずは、ここまでの経緯について簡単に触れておこう。昨年のエイプリルフールだった。tetsuyaが自身のSNSで突然Like-an-Angel活動開始の発表をしたのは。そのタイミングゆえにジョークだと思われていたが、翌日のメンバー発表でL’Arc-en-Cielのファンのみならずロックシーンをざわつかせる結果となった。
そして5月30日に行われた代官山UNITでの初ライブは、その場にいた全員を驚愕させることになった。なぜなら、トリビュートバンドという領域を遥かに超えた存在感を放って、彼らはL’Arc-en-Cielの楽曲を表情豊かに“再現”していたからだ。そして10月7日、「トリビュートバンド史上初の日比谷野外大音楽堂ワンマンライブを敢行!!」という大見出しのもと、野音での一夜限りのライブが実現した。その時のMCで、すでにtetsuyaは来るべきツアーへの思いを口にしていたのだ。
クラブサーキットという限られたキャパシティでのライブは、当然ながら各地プレミア級の贅沢なものとなった。ステージ上のメンバーは、tetsuya(B)、jekyll(Vo)、reno(G)、saki(G)、hibiki(Dr)の5人。彼らが演奏するのはもちろんL’Arc-en-Cielの楽曲なのだが、メンバーの音楽的出自とキャリアがハイブリッドされた音のぶつかり合いから生じるエネルギーの塊が尋常ではない。それこそがLike-an-Angelのオリジナルとして感じられる最大の魅力だ。中盤には「海辺」「砂時計」といった、表現力の深さがより求められる楽曲を組み込み、オーディエンスをめくるめく世界へと誘っていった。
事件は(あえて事件と呼ばせてもらう)、アンコールに起きた。tetsuyaのMCで呼び込まれたのは、なんとSakura。インディーズ時代から1997年までラルクに在籍したドラマーであり、tetsuyaの盟友だ。この、度を越したサプライズに会場のテンションはマックスを振り切ってものすごいことに。さらにSakuraがドラムのポジションにつき、hibikiとツインドラムで演奏を始めたのだ。しかも選んだ楽曲が「I’m so happy」で、これにはさすがにグッときた。アルバムで言えば『True』期(1996年)にあたり、本編でも披露した4枚目のシングル『風にきえないで』のカップリング曲だ。ファンの間でも高い人気を誇る楽曲として知られており、まさかこの曲をSakuraのドラムで聴けるときが来るとは!
ツアータイトルの「L’Arclassic」という文字が大きく浮かび上がる。ライブごとに強靭になっていくグルーヴ、そして有言実行でひとつずつ着実に上がっていく階段――Like-an-Angelの見せる夢はまだ終わらない、鳴り止まないオーディエンスの拍手がそれを確信しているようだった。
【配信情報】
●2024年10月3日に行われた”Like-an-Angel”「CLUB CIRCUIT 2024 L’Arclassic」ツアーファイナルは、2024年11月10日よりU-NEXTにて独占配信決定!
【ライブ情報】
●Like-an-Angel ワンマンライブ
2025年4月26日(土)EX THEATER ROPPONGI
【発売情報】
●Like-an-Angel初のツアーを収めたブックレット写真集発売決定!
【TETSUYA ライブ情報】
●“TETSUYA Billboard Live Tour 2024”
12月1日(日)Billboard Live TOKYO
12月9日(月)Billboard Live YOKOHAMA
12月13日(金)Billboard Live OSAKA