2021.03.06
有村竜太朗@東京国際フォーラム ホールC
「有村竜太朗 BIRTHDAY LIVE 2021 – ROOM306 -」
Plastic Treeのヴォーカリストとして、さらにはソロ・アーティストとしても表現の可能性を追求している有村竜太朗。2020年はコロナ禍により、いずれの活動も大幅なスケジュール変更を余儀なくされてしまった。2021年に入っても、ライブシーンは元通りにはなっていないが、入場者数を押さえた状態ながら、少しずつ観客を入れた公演も増えている。そんな中、有村竜太朗が3月6日にソロワンマン公演「有村竜太朗 BIRTHDAY LIVE 2021 – ROOM306 -」を東京国際フォーラム ホールCで開催した。実は昨年も企画されていたが、残念ながら延期から中止となり、今年ようやく実現の運びとなったのである。
当日は15時開演の【第一部】個人作品集1996-2013「デも/demo」と18時開演の【第二部】個人作品集 1992-2017「デも/demo #2」の2公演(各公演とも配信も同時に行われた)で、本人にとっては長い1日となった。ライブタイトルが示すように、第一部と第二部は、違う内容で構成されている。そして、ステージをサポートするのは、有村の盟友達からなるDEMONSTRATIONs(デもンストレーションズ:G.hiro(te’)、B.鳥石遼太、Dr.高垣良介、Manipulator&Key.野村慶一郎)。目の前で息の合った演奏を堪能できるのも楽しみだ。
まず、【第一部】の模様からお伝えしよう。ライブは映像でスタートする。架空のホテル“HOTEL ROOM 306”に足を踏み入れ、306号室に案内されると、ライブが展開する……という遊び心がある設定だ。1曲目は「幻形テープ/genkeitêpu」。優しいピアノの音色をフィーチャーした、ノスタルジックなインスト曲である。ゆったりした出だしから歪んだギターが炸裂する「猫夢/nekoyume」へ。観客は着席したままだったが、次第に曲に合わせて体を揺らし始める。有村は最初のMCで「言いたいことがあるんですけど……“お帰り”……で、“ただいま”」と、観客に呼びかけた。その後も「鍵時計/kagidokei」「魔似事/manegoto」など、おなじみのナンバーを次々に披露していく。曲が終わると、声援のかわりに拍手が起こる。これは昨今の有観客ライブではおなじみの光景だ。
中盤では「デも/demo #2」収録の人気曲「くるおし花 / kuruoshibana」を盛り込む配慮もあり、ステージと客席の距離感がグッと縮まっていく。さらには「デも」の楽曲の中から新たに進化した曲「編形テープ/henkeitêpu」を披露するなど、意欲的な姿勢を見せてくれた。本編最後の「浮融/fuyuu」は、有村のソロワークの特徴でもあるシューゲーザーサウンドと繊細なヴォーカルが融合した楽曲。映像を駆使した演出で幻想的な空間を作り上げ、観客の感性を刺激した。
アンコールでは「猫夢/nekoyume」、「浮融/fuyuu」をアンプラグドアレンジで温かみのあるサウンドにまとめ、ダブルアンコールの「鍵時計/kagidokei」まで、観客とともに生のライブ空間を存分に盛り上げてくれた。
【第二部】も映像の上映から、「編形フィルム/henkeifuirumu」でスタート。新鮮な幕開けから「憑影と月風/tsukikagetotsukikaze」「くるおし花/kuruoshibana」「魔似事/manegoto」と、熱量の多い楽曲が続く。どちらかと言えば【第二部】の方が攻めの印象かもしれない。後半ブロックでは「日没地区/nichibotsuchiku」や「19罪/jukyusai」など、うねりのある楽曲を並べていく。手を上げたり、体を大きく揺らすような観客の反応は、ステージから見ても嬉しかったに違いない。アンコールでは【第一部】同様、アンプラグドアレンジで「憑影と月風/tsukikagetotsukikaze」「19罪/jukyusai」をプレイ。穏やかな時間を演出した。このあと、長い1日を締めくくるダブルアンコール用に選んだ曲は「日没地区/nichibotsuchiku」なのだが、ただの「日没地区/nichibotsuchiku」ではない。超アッパーなロックバージョンに生まれ変わった曲として披露したのだ。スタンディングのフロアで聴いたら、相当テンションが上がるノリになったことだろう。
「今日は会えてホントに嬉しかったです! ありがとう!」
最後、有村竜太朗は対面ライブでファンに直接会えた喜びを伝えた。もちろん、彼は配信で送られたコメントもしっかりチェックしていたが、やはり生で見るライブの醍醐味は格別だと思う。終演後、昨年行ってきた配信ライブ【月令/getsurei】の映像作品のリリースが発表された(詳細は後日発表)。配信でも手を抜かずに取り組んできたパフォーマンスがパッケージされているので、こちらも改めてチェックしていただきたい。
【アーカイブ情報】
●有村竜太朗 BIRTHDAY LIVE 2021 – ROOM306 –
【第一部】個人作品集1996-2013「デも/demo」
料金:¥3,500(税込)+ZAIKO手数料
チケット発売期間:~3月9日(火)20:00まで
※配信チケット購入者は3月9日(火)23:59までアーカイブでご覧いただけます。
チケット販売ページ:https://arimuraryutaro.zaiko.io/buy/1pEQ:bQi:24abb
●有村竜太朗 BIRTHDAY AFTER PARTY 2021-ROOM306-online special
料金:¥1,000(税込)+ZAIKO手数料
チケット発売期間:~3月9日(火)20:00まで
※配信チケット購入者は3月9日(火)23:59までアーカイブでご覧いただけます。
チケット販売ページ:https://arimuraryutaro.zaiko.io/buy/1pJM:bYN:1b2fc
お支払い方法:各種クレジットカード、コンビニ決済、PayPal、WeChat、Alipay
※お支払方法により、決済手数料がかかります。
有村竜太朗 オフィシャルサイト
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