『ボートが揺れた/ブーツを脱いで』
『Bit2』

コロナ禍により表立ったライブ活動が出来なくなって以降、The Benjaminが毎週ツイキャスで無料ライブ配信を行い続けているのはご存じだろうか。今年、The Benjaminが結成5周年を迎えたこともあり、当初は「歴史を振り返るように、これまでに発売した全楽曲を演奏するシリーズ」を数回に渡りライブ配信。その後に打ち出したのが、ファンにとっては神のような企画だった。

メンバー3人とも、ビリー・花少年バディーズ・The Benjaminと同じバンドで活動を続けてきた。現状、3バンドの持ち曲をまとめると全部で159曲になる。その楽曲をベースに、「食べ物シリーズ」「花の名前シリーズ」「衣類シリーズ」「BPM140シリーズ」「それぞれの季節歌シリーズ」など細かく分類。それらのテーマに合わせた選曲ライブを毎週配信し、表立ったライブ活動を再開するまで続けようとしている。
同シリーズの中でも好評だったのが、「夏歌シリーズ」。反響の高さを受け、7月にはビリーと花少年バディーズの夏歌をThe Benjaminとして新録した『Bit2』を。8月には『ボートが揺れた/ブーツを脱いで』をと、夏が似合う新曲たちをデジタル作品として配信リリースした。
ここからは、The Benjaminの最新インタビューをお届したい。

何年経っても「あのときの夏」を前向きな気持ちで思い出せる歌にしたかった。

――先日、『ボートが揺れた/ブーツを脱いで』をデジタルシングルとして配信リリースしました。
Miney:The Benjaminと言えば、楽曲を作った人が、その曲のヴォーカルも担当するのが決まり事としてあったけど、この2曲で初めて、俺がMashoeの作った「ブーツを脱いで」を、Mashoeが俺の書いた「ボートが揺れた」を歌ったように、あえて歌い手をテレコにして形にしました。そうしたのも、活動も5周年を迎え、今年2月に2ndフルアルバム『Because』も発売し、The Benjaminとしてのスタイルもしっかり確立。ここから作品作りの方向性を少し変え、互いに刺激を得れたら面白いかなと思ってのことでした。

――お互い、相手が歌うことを意識して曲制作を始めたわけですね。
Miney:そうです。Mashoeの場合、ファンの間で「可愛いMashoe」のイメージに似合う楽曲を求める人が多いこともあって、Mashoeに似合うキュートなロックをイメージして「ボートが揺れた」を書きました。
Mashoe:僕は、Mineyに「爽やかなロック」を歌って欲しかったんですね。心がけたのが、「バスタオル」や「ベルト」でMineyが聴かせたようなハイトーンの歌声を活かした曲。ただし、張りつめて歌うのではなく、どう爽やかに歌ってもらえるかに焦点を当てて持っていったところ、。そこはしっかり歌ってもらえた手応えを覚えています。
Miney:「ブーツを脱いで」の歌詞を読んだとき、「俺、Mashoeにあんな爽やかな男として映ってるんだ」と思えたのも嬉しい意外性だったけどね(笑)。

――Mineyさん、「ボートが揺れた」に最近の世相も反映させていますよね。
Miney:楽曲を書き始めたのは3月頃で、歌詞をつけたのはコロナ禍真っ只中の時期だったから、自然と歌詞に世情も反映はしていったよね。
Tacky:歌詞に出てくる心情や風景は、自分も目の前で味わってきたこと。すごくリアリティがあるなと聞いてて思ったからね。しかも、その感情を明るく前向きに書いてくところが、またいいんですよ。
Miney:こういう夏も、何時かは思い出になるというか。「あのとき、こんなことがあったよなぁ」と語る時期が何時かは来るんだろうけど。そのときに、歌を聞いて悪い思い出として振り返ったり、甦らせたくはなかった。むしろ、「特別な夏をみんなで大切にしたい」という気持ちを持って、「ボートが揺れた」は書きましたね。
Mashoe:「今年は、特別な夏」というのは全人類に言えること。そこで悲観的な歌にしちゃうと、今の時期は良いとしても、後々ライブで演奏すると悲しい気持ちになれば、もしかしたら演奏したくなくなる可能性だってあるわけじゃないですか。だったら、何年経っても「あのときの夏」を前向きに思い出せる歌にしたかった気持ちはメンバー全員にあったこと。だからこそ、明るく前向きな歌にしたわけなんです。

――2曲とも優しい表情なのは、メンバーたちの想いも反映してなのでしょうか?
Miney The Benjaminは、毎年夏にシングルをリリースしているように、もともと今年の夏も作品の発売は考えていたこと。しかも夏曲の場合、はっちゃけた内容が多かったから、「今年は夏の終わりの時期に似合う雰囲気の歌にしよう」と思っていたところ、今の世の中の風潮がそこへ重なった形のように、そこは偶然でしたね。

この3人は、ビリー・花少年バディーズ・The Benjaminと一緒のバンドでずーっと過ごしてきた関係。

――夏のリリースは、あらかじめ予定していたことだったんですね。
Miney:もともと予定していたのもあったし、コロナ禍以降、表立った活動が出来ないからと何も動かないのはミュージシャンとして違うじゃないですか。何時だってファンたちが楽しみにしているのは、ライブや作品。そのライブが難しいのなら、せめて新曲を届け、みんなを喜ばせたいじゃない。そういいながら、ライブに関しても、毎週ツイキャスで無料ライブ配信もやっていますけどね(笑)。

――人前でのライブは…。
Miney:まだやってないし、今年に関しては、自分たちの主催公演とワンマン公演はすべて中止にしました。呼ばれたイベントによっては、人前で演奏する機会があるかも知れないけど。基本的に今年のThe Benjaminは、オンライン配信のみでライブは行います。

――たとえ無観客で、しかもライブ配信だとしても、ライブを届けることがThe Benjaminにとって大切だったわけですよね。
Miney:俺たちにとっても、ファンたちにとっても、何よりも大事なのが「そこに音楽があること」。それにライブは、何時だってしていたいじゃない。ツイキャスでの無料配信に関しては、特設スタジオから3人のみで演奏している形での配信ですけど。とにかく、みんなとライブを楽しみたかったんだよね。

――ライブ配信の内容も、毎回凝った形で行っているんですよね。
Miney:今年The Benjaminは5周年を迎えました。最初は、The Benjaminの歴史を振り返るようにミニアルバムの『Bobbin』から、最新アルバムの『Because』までの曲たちを、何回かに分けて演奏してきたんですけど。それをすべてやりきってしまったことから、次に打ち出したのが「テーマを決めたライブ」をしようということ。この3人は、ビリー・花少年バディーズ・The Benjaminと一緒のバンドでずーっと過ごしてきた関係。3バンドで作ってきた楽曲を一覧表にしたら159曲あったことから、その曲たちの中から、「食べ物シリーズ」「花のタイトルシリーズ」「洋服シリーズ」「BPM140シリーズ」「季節の歌シリーズ」など、いろいろカテゴライズしながら演奏。このライブ配信シリーズは、表立ってライブ活動できるようになるまで続けようと思っています。毎回テーマを変えてセットリストを作っているぶん、曲を思い返す大変さはあるけど、俺ら自身もやってて楽しいからね。たまーに、「これ、どこのカテゴリーにも入らないよ」という曲が出てきて、「どうしよう」と悩むこともあるけど…。
Mashoe:それは、「無所属」ということでまとめればいいんじゃないかな。
Tacky:あっ、それでやろう!

――ファンの方々の反応はどうですか?
Miney:みんなすごく喜んでくれてますよ。とくにファン歴が長い人ほど、花少年バディーズの曲を。ましてビリーの曲なんて、もうライブで聴くことはなかったから、すごく喜んでくれている。同時に、新しくファンになった人たちも増えてるようで、ライブ配信を始めて以降、過去の作品がまた売れだしてるんですよ。
Mashoe:ライブ配信を通して、新たにThe Benjaminに興味を持ってくれた人たちが増えたのは、僕らとしても嬉しいことなんです。
Miney:なんかね、改めて長くバンドをやってきて良かったなと思ってる。こうやって、毎回かぶることなくセットリストを組めるのも、多くの楽曲という財産を作ってきたからですからね。中でも評判が良いのが、「夏の歌シリーズ」。もともと夏曲だけで20曲くらいはあったから、それを2週に渡って演奏したら、「また聴きたい」という声がいつも以上に多く返ってきたんですよね。
Tacky:だったら、夏の終わりの時期に、もう一回それをやっちゃおうかなと思って。
Mashoe:僕の生誕祭の日にね(笑)。

ビリー・花少年バディーズ・The Benjaminで歌ってきた夏曲たちを集め、今年の夏を締めくくる思い出作りをしたい。

――The Benjaminは、Mashoeさんの誕生日当日に当たる9月10日(木)にThe Benjamin Mashoe Birthday ONLINE ONEMAN「Tsubuku 35 fes -Summer 2020 Complete-」をライブ配信します。
Miney:これまでのツイキャス配信は無料でしたけど。9月のMashoeと、10月に行うTackyの生誕祭に関しては、ライブハウスからいつものバンドスタイルで、ばっちりヘアメイクを決め、衣装も着て、フルサイズのワンマン公演として行います。そのぶん、この2本に関しては有料でやらせていただくんですけど。内容は、Mashoeどうぞ。
Mashoe:この夏にデジタルシングルとして配信リリースした、ビリーと花少年バディーズの曲たちを新録した「Bit2」。夏が似合う新曲を並べた「ボートが揺れた/ブーツを脱いで」は、ツイキャス配信で「夏の歌シリーズ」をやったときの反響の高さを受けて、形にしたものなんです。それらのリリース記念も兼ね、僕の生誕祭では、あらためてビリー・花少年バディーズ・The Benjaminで歌ってきた夏曲たちを集め、今年の夏を締めくくる思い出作りをしたいなと…。つまり、ライブを通して終わりゆく夏を締め括ろうと思っています。
Miney:まさに、「2020年、夏の総決算」ライブになります。The Benjaminの夏と言えば、主催イベントツアーを通して、全国各地のファンたちと直接触れ合えるのが例年の行事でした。でも、今年はそれが出来なかったぶん、ツイキャスを通しての無料ライブ配信を毎週行えば、リリースを通しての交流という形を取ってきたわけだけど。じつは、それらの活動が、今まで以上にファンたちとの濃密な夏の思い出にも繋がっているんですよね。そんな夏の思い出の総決算を、Mashoeの誕生日にバンド形態でのワンマン公演で届けることに僕らもグッときているし、ファンの人たちも同じ気持ちでいてくれてるんだろうなと想像しています。画面越しだけど、ちょっと泣けちゃうような夏の思い出作りのワンマンにしていきますから。
Tacky:この日は、2人も言ってたように「夏の集大成」となるライブになります。僕ら無料ライブ配信はよくやっていますけど。ライブハウスを舞台にした無観客でのワンマン配信ライブは、今回が初めてで、僕の生誕祭が2回目になるんですよ。画面越しに、どれだけ楽しさを伝えられるかが勝負だと思っているので、僕らもめちゃくちゃ楽しむから、みなさんも画面の向こうで楽しんでいただけたらなと思います。

この日はみんなもアイコンを仮装姿にして参加してもらうなど、たとえ画面越しだろうと、みんなでハロウィンライブを楽しみたいですよね。

――Tackyさんの誕生日当日となる10月16日(金)にも、The Benjamin Tacky Birthday ONLINE ONEMAN「Tacky Day, Halloween Night 2020」と題し、ツイキャスを通した有料でのライブ配信を行います。こちらの内容は、どうなりそうでしょうか。
Tacky:僕の生誕祭は、ハロウィンが近いこともあり、毎年コスプレや仮装を楽しむ形でやっているんですね。昨年は、みんなで「鬼滅の刃」のコスプレ姿を披露したとたら、めっちゃウケたんですよ。だから、今年もいかにお客さんたちに喜んでもらえる恰好をするのか、今、悩んでいるところです。
Miney:昨年は、流行りに乗っかったら見事に盛り上がりましたからね。ただ、今年は画面越しでのハロウィンライブになるように、画面越しにマジマジと観られてしまう。そこのハードルを、どう乗り越えられる恰好をするのか…。
Tacky:いやぁ、そこのハードルはかなり高いよね。
Miney:映り耐えられるだけの姿でありながら、みんなの期待を予想以上に裏切るコスプレをしないとね。今年も流行りに乗っかるのか、イケメンに徹するか、出来るだけファンたちの期待に応えられる恰好を考えているように、努力の成果を画面越しに観ながら、一緒に楽しんでください。
Mashoe:僕らも、9月のライブ配信公演を経験し、なんとなく配信ワンマン公演の空気には慣れている頃だと思います。そこの経験も活かしつつ、楽しみたいのはもちろん。出来れば観てくれる人たちも、仮装やコスプレ姿をしながら参加してもらえたら嬉しいですよね。それこそ、コメントを書き込むときに、○○の恰好をして楽しんでいますと報告してもらうとか。夏に「浴衣祭り」をやったときにも、twitterのアイコンを浴衣姿の写真に変えていたように、この日はみんなもアイコンを仮装姿にして参加してもらうなど、たとえ画面越しだろうと、みんなでハロウィンライブを楽しみたいですよね。コメント欄にそういう絵文字を流してもらうのも大歓迎ですから。
Miney:それと、この日嬉しい発表も一つ出来そうだから、そこも楽しみにしていてください。

これからも濃密な時間をThe Benjaminと過ごしてください。

――今後のThe Benjaminの動きも教えてください。
Miney:まず、今年出来なかった5周年ツアーですが、具体的な日程はまだ出せませんが、来年しっかり実現させます。せっかくの5周年ですから、だいぶ遅れようが祝いたいですからね。もちろん、2ndアルバム「Because」の楽曲も、ライブを通してみんなへ直接お届けしたいし。来年は来年で予定している音源なども発売するつもりだから、2021年のライブはかなりてんこ盛りの内容になりそうです。それくらい濃密なこれからにしていきたいし、年内も、まだまだ新しい動きは用意しているように、その発表も楽しみに待っててください。ぜひ、これからも濃密な時間をThe Benjaminと過ごしてください。みんなの参加、お待ちしております!

(文・長澤智典)


【ライブ情報】
●The Benjamin Mashoe Birthday ONLINE ONEMAN「Tsubuku 35 fes -Summer 2020 Complete-」
9月10日(木)
配信元:ツイキャス
配信アカウント:濱書房 https://twitcasting.tv/ml_hamashobo
開場(BGMスタート)19:45/開演20:00
料金:¥3,000
チケット:8月21日(金)12:00〜キャスマーケット
https://twitcasting.tv/ml_hamashobo/shopcart/19896
商品名:The Benjamin Mashoe B.D ONLINE
※プレミア配信チケットをご購入いただくと、リアルタイムでの配信はもちろん、配信終了後も2週間の視聴期間内は、何度でもご視聴いただけます。
※詳しいご購入方法、ご視聴方法はこちらをお読み下さい。
https://twitcasting.tv/helpcenter.php?pid=HELP_PREMIER_LIVE_BUY

●The Benjamin Tacky Birthday ONLINE ONEMAN「Tacky Day, Halloween Night 2020」
10月16日(金)
配信元:ツイキャス
配信アカウント:濱書房 https://twitcasting.tv/ml_hamashobo
開場(BGMスタート)19:45/開演20:00
料金:¥3,000
チケット:9月11日(金)12:00~キャスマーケット
https://twitcasting.tv/ml_hamashobo/shopcart/19897
商品名:The Benjamin Tacky B.D ONLINE
※プレミア配信チケットをご購入いただくと、リアルタイムでの配信はもちろん、配信終了後も2週間の視聴期間内は、何度でもご視聴いただけます。
※詳しいご購入方法、ご視聴方法はこちらをお読み下さい。
https://twitcasting.tv/helpcenter.php?pid=HELP_PREMIER_LIVE_BUY

【リリース詳細】
●デジタルシングル『ボートが揺れた/ブーツを脱いで』
2020年8月14日(金)発売
(発売元:BadeggBox/販売元:BM.3)

BDBX-0066 ¥2,000(+税)
[収録曲]
01. ボートが揺れた
02. ブーツを脱いで

[収録映像]
01. ボートが揺れた MV
02. ブーツを脱いで MV

購入ページ:http://badeggbox.shop-pro.jp/?pid=152868340

トレーラー映像

●デジタルシングル『Bit2』
[収録曲]
01.Blow the Vidro
02.Be Bold! Rockin’ Princess
03.バレリーナ
04.by chance by destiny

購入ページ:http://badeggbox.shop-pro.jp/?pid=152547060

The Benjaminオフィシャルサイト http://thebenjamin.jp/