2017.12.3
Rides In ReVellion@OSAKA MUSE
Rides In ReVellion ONEMAN LIVE『TWILIGHT-薄明の空へ-』
冷たく澄んだ青空の下、夕方の街は木枯らしがビルの隙間を抜け、冬の到来を一層強く感じさせた12月3日。そんな中をTシャツにパーカーだけを羽織り、タオルを手にした身軽な女の子や男の子が次々とOSAKA MUSEへ向かって歩みを早めている。
『TWILIGHT-薄明の空へ-』と題し、Rides In ReVellionが間もなくワンマン公演をスタートさせるのだ。
10月4日に発売されたミニアルバム『THE LIGHT』。本公演はこのミニアルバムに基づいて構成されている。表題曲『BLAZING HEART』はMVとしても収録されており、ビルの屋上での疾走感と地下室の明暗が印象的で、映像を目にした人も多いのではないだろうか。
薄明の空、という言葉がぴったり嵌っている。
会場内は既に、多くの人が開演時間を待ちわびていた。先程も街で見かけたRides In ReVellionのパーカーやTシャツを身に纏ったファン達を見ると、男性の姿も多く実に様々な年齢層が集まっている。これは彼らの音楽性やメッセージが色んなジャンルの垣根を取っ払い、幅広く受け入れられている事を象徴しているのだろう。
開演時間になると、ホールの明かりがゆっくりと落ちていく。カルテットを思わせるSEと共に、暖かいミラーボールの光が会場に序章を告げる。緩やかな幕開けを予想したのも束の間、状況は一変。SEは幕の向こうにあるステージの奥底から流れているかのような、激情を含んだ壮大な楽曲へと変わり、固唾を飲んでいた客席は手拍子が始まった。満を持して、青や緑の照明を伴って幕が開く。Dr.飴、Ba.渚、Gt.TaJIがステージにその姿を現し、最後にRides In ReVellion と描かれた大きな黒い旗を掲げたVo. 黎が悠然とセンターに入場した。黎は旗を一度フロアに向け、一望した後大きく翻す。『TWILIGHT-薄明の空へ-』が遂に火蓋を切った。
「お前らを否定する全てを打ち砕け!!」黎の力に満ちた煽りから『NEVER VANISHING BULLET HOLE』が始まり、客席からは無数の腕が大きくステージへ向けられた。途中弦楽器隊がドラムセットに近付き、この時間の始まりを再確認するように視線を合わせる。
「『TWILIGHT-薄明の空へ-』…どこまでも共に行くぞ!!」。続く『-273.15℃』では「お前らの好きなようにやっちまいな!」と序盤から客席のボルテージを引っ張り上げ、ヘドバンや折り畳み、拳で呼応するフロア。伸びやかに広がるサビでは各々のお立ち台に上ったメンバーから、思わず笑みが零れた様に感じられた。『JIHAD』では演奏の変化に合わせ、様々なノリを見せる観客たち。JIHADのタイトルに相応しく、芯の強い歌声と演奏でまさに己の主義の為の戦いを表現していた。
MCで本日のライブが映像化される事を発表されると、客席からは大きな歓声と拍手が起こる。元々気合十分で挑んでいると思うが、この発表に一段とやる気と楽しみが増したのではないだろうか。メンバーがステージ近くのカメラにおどけて視線を向けるなど、このワンマンに訪れた人たちもDVDで新たな一面を楽しむ事ができるだろう。
「死ぬ気で最後までかかって来いよ、大阪。全力を見せつけろ!」MC明けからはイントロの同期とブレイクダウンが印象的な『-CHAIN-』、物憂げでありながらも胸に突き刺さるような黎の声が魅せる『紫煙』、前曲からの雰囲気をガラリと変えたミドルナンバー『SENSE』と畳みかける。全員が一音一音、一言一言をこの会場の全てに届けんと湧き上がる感情を込めた剥き出しのパフォーマンスで世界を創り込んで行く。本編前半を締めくくる『RAIN』ではイントロからサビにかけて徐々に感情の高まりをメロディに乗せ、降りしきる雨の合間を光の筋で切り開くような熱を見せる。Vo.ソロでは黎が口元からマイクを大きく離し、切なさと希望を生の歌声で観客全員に届けた。
ここからは楽器陣のソロコーナー。まずは飴のドラムソロからスタート。近頃ワンマンでドラムソロコーナーを取り入れるバンドをあまり見かけなくなった気もするのだが、こういう時間はドラマーファンにとっても、また他メンバーのファンにとっても、改めて楽器陣の一番格好いい姿を見られる大切な要素の一つではないだろうか。
満面の笑みで飴がソロを終えるとTaJI、渚が入場し、3人でのセッション。ギター、ベースの掛け合いやソロパートをふんだんに取り入れ、これぞロックといった面持ち。ワンマンに良いスパイスを効かせてくれた。
後半戦は、黎のアカペラが聴く者の心を静かに掴んで離さないバラード『アムネシア』から再開。続いて4月に発売されたシングル『リインカーネーション~F.A.T.E./Rusty Nail~』から『F.A.T.E.』を披露。この曲はイントロ前のオーケストラ部分から一転、アップテンポと聴きやすいメロディが印象的だ。『アムネシア』に聴き入っていた観客たちもまた、曲にあわせ腕を上げて笑顔を見せる。
『MUSEめちゃくちゃ楽しいです、ありがとう!』
後半のMCはラフな雰囲気で、Rides In ReVellionを初めて観た人からすると意外な一面かもしれない。衣装にまつわるエピソードや、高所恐怖症の黎は今日のお立ち台が高いので怖い、という話で会場の笑いを誘った。
本編は『Close.』に続き、比較的ポップな曲調ながらも途中で土下座ヘドバンのブレイクダウンを取り入れた『Eternal〜渇望の空〜』、Rides In ReVellionファーストシングルでありモッシュ、手拍子、拳などフリが多岐に渡るファン参加型のループ曲『MIRAGE』へと激しさを増す。TaJIと渚はステージを縦横無尽に暴れ回り、飴も笑顔で大きく腕を振り上げ客席を煽る。黎はステージから客席の柵前に降り、熱狂するファン達とダイレクトにぶつかり合う。「最後に、今まで以上に…もっともっと深く、愛し合って下さい」ラストはRides In ReVellionの代表曲のひとつである『Rosé』で華やかに締めくくった。
なりやまないアンコールの声の中、『Seirios』で再び幕が開く。先程までの本編の勢いを全く殺すことなく、お互いが再び出会えた喜びを感じるかのように、ステージからの音の洪水にフロアも大きく腕を伸ばし呼応する。
曲中とは打って変わって、メンバーもリラックスした様子のMCタイム。4人ともオフィシャルパーカーやTシャツを着用していることから、今回デザインを手がけたという飴にデザイン秘話を話してもらう事に。パーカーは『カレタソレイユ』、Tシャツは『-273.15℃』をイメージしてグッズを作ったそうだが、購入した人にも、これから購入を考えていた人にも興味深いエピソードだったのではないだろうか。また2017年を振り返っての思い出等を話してくれたのだが、メンバーそれぞれの2017年があったものの、総合的に「ずっとRides In ReVellionをやってたよね」というのはファンにとっても嬉しい事ではないだろうか。
「君たちがここでこうして僕たちの曲を聴き続けてくれるのであれば、歌っていたいし聴き続けて欲しい。これから先もずっと楽しい時間を分かち合いたい。この声がある間は歌い続けます。」そう話して『Daydream』へ。「いつまでも消えぬ思いを」と歌い終えた黎が胸にそっと拳をあて、自らの言葉をもう一度確かめるように静かに深呼吸をする。見守る観客の目には涙が浮かんでいた。
2018年7月28日、阿倍野ROCK TOWNで3周年記念ワンマン開催が発表されると、会場中から大きな拍手が寄せられた。「Rides In ReVellionのワンマン史上、最大キャパです。でも、きっとそこでも素敵な景色が見れるんじゃないかって俺は信じてます。」
更に東京での初ワンマンが7月21日目黒鹿鳴館で決定したことを告げると、拍手とともに歓声が起こった。この日も都内から多くのファン達が集まっていたのだろう。着実に成長し続ける軌跡は、バンドにとっても応援してくれる人たちにとっても、何にも代えがたい証に違いない。
「去年の4月、1周年記念ワンマンでこのOSAKA MUSEに立った時は、ステージから見る景色がすごく広く感じて、俺はその広さに圧倒されて…飲み込まれないようにただ歌う事しか出来ませんでした。そして今日、もう一度この舞台に立って、一対一でお前たちと向き合って、こんなにも暖かいんだって思って…俺にとって、怖いものなんて何ひとつありませんでした!!」
「少しずつでも前に進んでる。君たちのおかげです。ありがとう。」
まだ見ぬ未来への展望、そして現状への感謝をもって『カレタソレイユ』を届ける4人、それをしっかりと受け止める会場いっぱいのファン達の思いは完全にひとつになっていた。『TWILIGHT-薄明の空へ-』、まさにこの瞬間が、Rides In ReVellionにとって力に満ちた新たな日の出となっただろう。「OSAKA MUSE、本当に最高だったぞ!」心からの叫びはステージから会場にいるひとりひとりの胸へ、音に乗せて確実に伝えられた。
幸せに包まれた暖かな空間へ、溢れ出る希望の熱で火をつけるように、クライマックスは『BLAZING HEART』を叩きつける。自分が信じたものを貫き通す彼らの力強さと、彼らを信じて応援するファン達。会場のボルテージは最高潮となり、一体感は目を見張るものがあった。これがRides In ReVellionだと。彼ららしく最後を締めくくった。
確実に歩みを進めるRides In ReVellionにとって、これからの全てはまだ見ぬ挑戦の連続となる。少しの不安を口にすることもあったが、きっと彼らは前を向いて進み続ける。そう確信できるワンマンだった。
これからのRides In ReVellionがどんな光を放ってくれるのか期待していきたい。
◆セットリスト◆
01.NEVER VANISHING BULLET HOLE
02.-273.15℃
03.JIHAD
04.-CHAIN-
05.紫煙
06.Sense
07.RAIN
Drum Solo〜Guitar&Bass Solo
08.アムネシア
09.F.A.T.E.
10.Close.
11.Eternal〜渇望の空〜
12.MIRAGE
13.Rosé
EN.
01.Seirios
02.Daydream
03.カレタソレイユ
04 BLAZING HEART
(文・八木佳子、写真・V STAR PROMOTION)
【ライブ情報】
●「Rides In ReVellion 3周年記念ONEMAN LIVE 2018」
2018年7月21日(土)東京公演
「BEYOND THE -HORIZON- 東のエデン」
目黒鹿鳴館
16:30/17:00
2018年7月28日(土)大阪公演
「BEYOND THE -HORIZON-西のシャングリラ」
阿倍野ROCKTOWN
16:30/17:00
前売¥3,500- 当日¥4,000- 税込・オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途
2018年1月13日(土)よりOFFICIAL モバイルFC会員先行開始
【リリース情報】
バンド史上初となるLIVE DVD+ LIVE CDリリース
Rides In ReVellion ONEMAN LIVE 「TWILIGHT-薄明の空へ-」2017.12.03 OSAKA MUSE
4月発売予定
詳細後日発表
official HP
http://rides-in-revellion.com/
official Twitter
https://twitter.com/official_RIR