2014.10.26
VAMPS主宰ハロウィンイベント@神戸ワールド記念ホール
「HALLOWEEN PARTY 2014」
神戸でファイナルを迎えた、ロックモンスターたちの妖艶なハロウィン・パーティー。
VAMPS主宰の日本最大のハロウィンイベント『HALLOWEEN PARTY 2014』。幕張3日間と神戸2日間の計5日間でトータル6万2千人を動員し、26日(日)に神戸ワールド記念ホールで華々しくファイナルを迎えた。
「Welcome to the HALLOWEEN PARTY!」
今年の影アナを務めたジバニャンの声の後、轟く雷鳴に呼ばれて現れたのは今年の5日間全日出演を果たしたDAIGOだ。馬車型フロートから降り立ったその姿は、「モンスター・ハンター」のキャラクター。ステージに現れた自らの1stアルバム『DAIGOLD』のリリースツアーでも登場した馬のキャラクターをメンバー全員で狩り首を獲ると、場内は拍手喝采。その勢いでフラッグ片手に歌い上げた「REVOLUTION EVOLUTION」など、5日間の彼のステージの中で最もロックで硬派な面を濃密に披露。MCでは、楽屋でのHYDEを真似てデスボイスの発声練習をしたところ、「危うく喉をつぶしそうになった」とDAIGO。実は全日披露してきた木村拓哉~Gackt~福山雅治~桑田佳祐~HYDEのメドレーによるモノマネ版「世界に一つだけの花」も、この日は5日間のうち最高の出来映えだった。
オーディエンス参加のファッション・ショー「HALLOWEEN COLLECTION」には、この日もプロ級の仮装をした観客が登場。最後に『NARUTO』のキャラ、我愛羅に扮したナイトメアの柩と、『不思議の国のアリス』の美しいチシャ猫姿のDIR EN GREYのShinyaも登場し、会場を大いに沸かせた。
続いては、2013年に続く2度目のハロパ出演となるゴールデンボンバーだ。ステージ左右に設置されたスクリーンにLINEのトーク画面が映され、金髪ジェームズのスタンプが押されると、なんと現れたのはジェームズ姿の鬼龍院翔。「仮装はベタに、LINEのキャラになってきました」(鬼龍院)と、樽美酒研二もクマのブラウン、歌広場淳もひよこのサリー、喜矢武豊も絶望顔のムーンに扮して登場。キャラに似せるため目と耳を黄色に塗りつぶした歌広場は、「それでもライブが出来るのがゴールデンボンバーのいいところ」と開き直る。喜屋武が「こんなVAMPSは嫌だ」というテーマの鉄拳風紙芝居で笑いを誘うと、今度は「抱きしめてシュヴァルツ」披露中に樽美酒が、「今日のためにスタンプを作った」と、Tバックのおしりを露わにして緑の絵の具を塗りつけ、喜矢武と偶然近くにいたカメラマンの顔面にスタンプ(!)。場内がヘドバンの嵐と化した「†ザ・V系っぽい曲†」や、ダンス大会状態となった「女々しくて」などを披露。圧巻のエンターテイナーぶりでハロパを狂乱の渦に巻き込んだ。
選考会を勝ち抜いた観客によるカラオケステージのラストには、自らネットでぽちぽち買い集めたというスーツ版ジバニャン姿のMUCCの逹瑯が登場。口元のメイクが歌いづらいらしいが、彼がソウルフルに歌い上げたTHE BACK HORNの「美しい名前」には場内の誰もがうっとり聞き惚れていた。
ラストはもちろんVAMPS。馬車のフロートで現れたメンバーは、ゴシックモンスターな「HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA」スタイルで登場したもののステージに幕が降ろされ、そこに映されたバレリーナのシルエットがやがて永遠の眠りにつく……と、鳴り始めたJINのピアノに誘われ再び開いた幕の向こうには、墓石に腰掛ける「VAMPIRE’S LOVE」のままのHYDEの姿が。歌い終わるとセンターステージへ歩み出し、ピアノが不協和音を奏でて止んだと同時に倒れ込むHYDE。するとその頭上から見慣れた帽子が下り……照明が照らし出したのは、HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA衣装に変貌したHYDE!
「今日はVAMPSは私服で来ました。普段の格好だと気持ちがいい」とHYDEが言うと、「気持ちがいい」とK.A.Zが小声で返す。
ロックバンドらしい場面を見せつけた「AHEAD」演奏後、オーディエンスに向かって「BLOODSUCKERS!」と呼びかけるHYDE。その直後に披露されたのは、ニューアルバム『BLOODSUCKERS』の中でも緊迫感際立つ新曲「DAMNED」だ。すると誰もがヘドバンすることも忘れ、左右のスクリーンに映される歌詞とヘヴィネスな音が作り出す重厚な世界に没頭。演奏が終わった途端、「うぉ~~~!」と地鳴りのような感嘆の声がこだまする。どうやら「DAMNED」はBLOODSUCKERSの魂のど真ん中を見事に射抜いたようだ。
「もうすぐツアーも始まるんで、予行演習の代わりに新曲やってみました。”呪われてる”って意味なんですけど」
この日だけ出演アーティストが3組ということもあり、VAMPSはさらにアルバムのオープニングを飾る重要な1曲「ZERO」も初披露。リハーサルなしのぶっつけ本番といいつつ、「VAMPSなんで完璧だと思う」と余裕のHYDE。「これを聞かせるのが楽しみ」という彼の発言通り、アンビエントなハウスの要素を取り込んだ「ZERO」は、最新アルバムの中でもひと際“今”のVAMPSを象徴する画期的な1曲。だからこそ、演奏後に響いた大歓声を耳にした瞬間、「DAMNED」同様、彼らの今がしっかりBLOODSUCKERSたちの心に届いたことを確信。ついに来週に迫ったアルバムのリリース、そして来るべきツアーが一層楽しみになったのは言うまでもない。
MCのやまだひさしによる会場の仮装チェックの後は、いよいよHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAだ。出演者全員による豪華でレアなセッション・タイムなのだが、気まぐれでドSなHYDEがコンダクターなだけに、少しでも演奏タイミングを間違えると、DAIGOが放つスモーク銃の罰が容赦なく下る。定番メンバーであるチェロの分島花音は、至近距離で凝視するHYDEのプレッシャーも難なくクリア。だが案の定、次々とゴールデンボンバーのメンバーが犠牲になっていく。
美脚の女装男子、アニスデラックスことMONORALのAnisが登場すると、ハロパ恒例Rhythm Gameがスタート。各々が太鼓のリズムを叩きながら回していくという、ミュージシャンのリズム感が問われるものなのだが、間違えた者には箱の中身を当てる罰ゲームが待ち受けるだけに全員必死。しかもこの日はホシ亀、ハリネズミ、巨大トカゲと箱の中身も強烈だ。DAIGOと共にトカゲを触り、見たこともない表情でおびえるHYDEの顔に場内も大爆笑。
その時、「HYDEさんに借りた」という衣装とメイクをほどこしたMUCCのミヤが予定外でこっそり参加していることが発覚。今年は神戸2日間のみの出演だった柩も、「来年は全日出たい。ナイトメアとしても出演したい」とHYDEに直訴。こんな具合に、出演者も心からこの宴を楽しみにしているのがハロパの醍醐味でもある。
5日間のグランド・ファイナーレを飾ったナンバーはお待ちかね、「HALLOWEEN PARTY」だ。Shinyaのドラム、K.A.Zのギター、明希のベース、JINのキーボードの演奏をバックに、全員でマイクをバトンしながら客席にキャンディーを投げ渡す。
「HAPPY HALLOWEEN! またねー」
投げキスをしながらHYDEが言う。会場の外に出ると大粒の雨が降り出し、本物の雷鳴が轟いた。観客と共に本気で楽しんだ2014年のハロウィンの宴は幕を下ろしたが、亡霊たちが奏でた狂宴の余韻はまだまだやみそうにない。
◆セットリスト◆
【DAIGO】
1. REVOLUTION EVOLUTION
2. CHANGE !!
3. BUTTERFLY
4. 無限∞REBIRTH
【ゴールデンボンバー】
1. Dance My Generation
2. 抱きしめてシュヴァルツ
3. 今夜はトゥナイト
4. ローラの傷だらけ
5. 毒グモ女(萌え燃え編)
6. †ザ・V系っぽい曲†
7. 女々しくて
【VAMPS】
1. VAMPIRE’S LOVE
2. HALLOWEEN PARTY -ROCK ver.-
3. ANGEL TRIP
4. AHEAD
5. DAMNED
6. ZERO
7. THE JOLLY ROGER
8. TROUBLE
9. KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS ver-
【HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA】
1. Penalty Waltz
2. Rhythm Game
3. HALLOWEEN PARTY
<HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA>
VAMPS / DAIGO / ゴールデンボンバー / Tommy heavenly6 / 逹瑯(MUCC) / ミヤ
(MUCC) / 明希(シド) / 分島花音 / 柩(ナイトメア) / Shinya(DIR EN GREY) / Anis(MONORAL)
MC やまだひさし
(文・早川加奈子/写真・今元秀明、緒車寿一)
「HALLOWEEN PARTY 2014」オフィシャルサイト