2014.9.13
Royz@渋谷公会堂
2014 SUMMER ONEMAN TOUR 「CRISIS CORE」
Royzにとって、一つの大きな節目となったツアー「CRISIS CORE」。アジアを含む、全32 カ所を巡ったワンマンツアーのファイナル公演が、この日、渋谷公会堂で行われた。
幕開けはアルバム『CORE』の1曲目である「REVELATION」。交差するレーザーの中、昴(Vo)の伸びやかな声が響く。
「ライブハウス・渋谷公会堂へようこそ」――そんな彼ららしい歓迎の言葉で「JOKER」へ。智也(Dr)の力強いドラミングにのせ、公大(B)がお立ち台から煽れば、一気に激しさを増した会場は揺れに揺れ、まさにライブハウスの様相だ。
「渋谷公会堂に疾風を巻き起こす!」、昴がそう宣言すると、視界を覆うスモークの柱が立ち上り、力強い拳、そしてタオルの嵐が巻き起こる。彼らがその名に恥じない「疾風迅雷」を披露した、そこはまさに「ライブハウス・渋谷公会堂」。圧倒的な自由さで、メンバーが、客席の一人一人が、この瞬間を楽しみ尽くしているのが伝わってくる。
Royzにとって、3回目のホール公演となったこの日。昴の口から語られたのは、「渋谷公会堂でワンマンができて純粋に嬉しい」という感謝と、「楽しい時間にしたい!」という言葉。
改めてスタートした“楽しい時間”の始まりは、サイリウム瞬く「囁姫遊女」。〈ソイヤ!〉の掛け声も威勢よく、楽しく激しいお祭り騒ぎに、会場のテンションも急上昇!
切ないAメロから、明るく開けるサビへの展開が鮮やかな「true」ではタオルの華が咲き乱れ、ハンドクラップが彩るハッピーチューン「Real World」では、昴の「もっと笑顔を頂戴な」という言葉に笑顔が弾ける。彼ららしい、我武者羅でまっすぐなアクトはキラキラと輝きを放って眩しいほどだ。
このツアーが始まる直前、赤坂BLITZでのワンマンライブをもって、ギターの和稀が脱退したRoyz。大きな試練を超えて、4人で駆け抜けたツアーを振り返り、昴は「今までで一番苦しかった」と率直な気持ちを吐露した。
「でも、ここに辿り着けたことはみんなのおかげ」、とファンへの心からの感謝を述べると、「大事な大事な曲です」という前置きをして「lvy」へ。語り掛けるように紡がれる詞は、偽りのない今の彼らの気持ち。
青い光に包まれて、切ないピアノで美しく抒情的に奏でられる「夕月夜、淡い夢」。「ハートレス」では、色とりどりの光の中、昴が美しいファルセットを響かせた。公大曰く「和稀が作った曲を繋げてみました」というこの4曲には、和稀への思い、そして4人のこれからの決意が込められていた。
美しさ、楽しさ、そして激しさという振り幅の広さもRoyzの持ち味。本編後半には、その“激しさ”を存分に見せつける鉄壁のセットリストが待っていた。
「ここからノンストップで大暴れしていこうか! 渋公ぶっ潰す勢いで叫べ!」
杙凪(G)のギターリフが響き、スペイシーな「New Age」へ。彼らの新たな始まりを誓うかのように、フロントの3人で高らかにジャンプ!
ヘヴィなサウンドと美しいメロが交錯する「@bnormality」で、会場が一丸となって見せるタオルの大回転はまさに圧巻。鼓膜を直撃するシャウトと共に、総員ヘドバンで暴れ倒した。
この日のアンコールには、なんと“青い智也”こと、彼らの先輩である己龍の遠海准司(Dr)が智也のコスプレで登場! どうやら、罰ゲームらしいのだが、本人は至って楽しげ。無事にツアーファイナルを迎えた後輩たちに愛とエールを送っていた。
そんな先輩のエールを受けてスタートしたアンコールは、まさに怒涛のラストスパート。「星に願いを」、「Cherry tree」、ラストの「『AREA』」…ツアーファイナルにふさわしい、目もくらむような鮮やかなアクトで魅せ切ったのだった。
この日のステージでもその真価を見せてくれたRoyz。驚異的なスピードで成長を続ける彼らの勢いは止まらない。
12月には通算10枚目となるニューシングル『Supernova』のリリース、そして全国ツアーを行うことも発表されている。
近い未来、また度肝を抜くような成長を見せてくれるに違いない。
◆セットリスト◆
01.REVELATION
02.JOKER
03.疾風迅雷
04.洗礼
05.囁姫遊女
06.true
07.Real World
08.Ivy
09.夕月夜、淡い夢
10.ハートレス
11.New AGE
12.@bnormality
13.ブギーマン
14.RISK_144000
15.FINAL
16.ACROSS WORLD
EN1.星に願いを
EN2.Cherry tree
EN3.「AREA」
(文・後藤るつ子)