「vistlip10周年✕Vif」第4弾 全員インタビュー 前編

「vistlip10周年✕Vif」第4弾 全員インタビュー 前編

「vistlip10周年✕Vif」第4弾 全員インタビュー 前編

vistlipの10周年を特集してきた「vistlip10周年✕Vif」。ラストを飾る第4弾では、メンバー5人揃ってのインタビューをお届けする。10周年YEARを通して、彼らはどんなことを感じてきたのか? そして、7月7日から始まる11年目へのヴィジョンは? 前編では、全21公演全てのセットリストを変えて行ったツアー「SUPER Good vibes CIRCUIT Ⅱ」を終えたばかりの今の思いを聞いた。

◆いろんなセットリストが組めるから、ライブの可能性が広がりましたね(Tohya)

智

――まずは、4月12日の高田馬場AREAから始まり、6月4日の福岡DRUM Be-1でファイナルを迎えた「SUPER Good vibes CIRCUIT Ⅱ」についてお聞きします。このツアーはいかがでしたでしょうか?

海:単純に面白かったです。土地によって反応が違うし、一番はセットリストが違うこと。セットリストは、「この会場のセットリストを」という場所を気にした作り方ではなくて、それぞれが考えたセットリストをどんどん作ってやっていきました。横浜と福岡の2ヵ所はメンバー全員で作ったセットリストでライブをしましたね。

瑠伊:「Good vibes CIRCUIT」としてのツアーは今回で5回目なんですけど、個人的には、初めてテーマ通りにやりきれました。ラフさを売りにしたツアーなのに、いつも結局カッチリ衣装を着ちゃったりしていたんですけど、今回は絶対ラフにすると決めて挑んだので、それをやりきれたかなと。

海:珍しいよね。いつも始める前にそれを言っていても、途中からどんどんやり込んでいくから。

瑠伊:今回も何回か折れかけたんですけどね(笑)。最後の6月だけは、ちょっとだけ衣装にこだわったりはしたんですけど、でもいつものステージとは違った一面を見せられたツアーになったかなと思います。

――瑠伊さんのツイッターからは、各会場のライブダイジェスト映像が発信されていましたね。映像を作っていていかがでしたか?

瑠伊:大変だったんですけど、編集する時に一回振り返るわけじゃないですか。その時に、自分の良いところや、悪いところがわかったり、ライブ中はこんなに面白いことをしていたんだ!とか、ファンのノリ方とか、今まで気づけなかったところに気づけました。ファンもすごく喜んでくれたし、やってよかったですね。

Tohya:いろんなセットリストが組めるから、ライブの可能性が広がりましたね。例えばアルバム『Bitter Sweet』の曲が入ってくると、急にちょっと新しい雰囲気になったり。今回、積極的に「It」「Timer」を演ったんですけど、メンバーの演奏もまとまってきて、ファンもどんどんノってくれて、曲が成長していったことを実感できました。みんなで良いライブの作り方にさらに気づけたんじゃないかなという、すごく良いツアーになりました。

――初日にTohyaさんにお話を伺った時に、このツアーではレベルアップを目指していきたいと話していましたが、どうでしたか?

Yuh

Tohya:すごく丁寧に演奏をしなきゃなと気をつけていましたね。

海:斬新なアレンジがあったよね? ドラムがあるところでいきなり止めるとか(笑)。

Tohya:(笑)。「As You Know.」(ミニアルバム『SENSE』収録曲)が本当に覚えられなくて、どこだっけな…。

Yuh:ソロ終わりの次のセクションくらいじゃない?

Tohya:そのセクションが本当に飛んじゃって。

瑠伊:ベースだけになった(笑)。

全員:(笑)。

海:ドラムとベースがいるはずのところが、ベースだけになるという、素晴らしく斬新なアレンジでした(笑)。

Tohya:「あ、ダメだ」とお手上げ状態になっちゃって(苦笑)。ツアー中はそういうこともありましたけど、個人的には、セッティングとかもやりやすいように変えていったりして、少しだけですけどレベルアップできたのかなと思っています。

――智さんとYuhさんはこのツアーを終えて、どんなことを感じましたか?

海

Yuh:楽しかったです(笑)。

全員:(笑)。

Tohya:小学生かよ(笑)!

海:俺も同じようなこと言ったからな(笑)。

Yuh:本当に楽しいライブだったんです。完結して楽しめたツアーだったと思っていて。スケジュールも、自分たちにはちょうどいい感じでした。多分、空き日もなく一気に回っちゃうと、後半どうしてもメンタル的なものも含め、こなしていく感じになっていっちゃう部分もあると思うんです。でも、そういうことがなくライブができたのも、このスケジュールだったからだと思います。本当に楽しくできました。

智:このツアーは、1番うちのバンドらしいライブをしていったんじゃないかなと思っています。どう考えてもうちは格好つけて通すということが似合わないし、する必要がないなと思うので、バンドらしいライブをすることによって、盛り上げられたんじゃないかなとも思っているし。「Good vibes CIRCUIT」って、すごくラフなツアーという位置づけで始めたんですけど、この「Good vibes CIRCUIT」の自分たちが正解なんじゃないかなとも思っちゃうんですよね。下品なところも見せてしまうし。

Tohya:それはおまえのMCだろ(笑)。

海:下品というか品がない(笑)。

智:でもそれによって大きな笑いはたくさん起こっていますからね。

全員:(爆笑)

智:ヴィジュアル系の難しさも知りましたね。格好つけるということ、格好良く見せることの定義というのが、うちみたいなバンドは、すごくスレスレのところにいるんだなと思って。

海:どっちかというと、智がスレスレのことを言うっていう(笑)。

Yuh:曲を演っている最中は、みんなちゃんと格好ついているとは思うので、そんなに心配することはないと思うんですけど(笑)。

海:バラードの曲の前に、智がパンツの話をしだした時があったじゃん? 「何でこのタイミングでその話をするんだろう!?」って思って、俺とYuhは顔を見合わせて「ん?」となったんですよ。

Tohya:「Rosalia Lombardo」(ミニアルバム『SENSE』収録曲)の前だよね。

Yuh:洗濯物の話だよね。パンツを落としてきたみたいな話。

海:その話をずっとしていて、次が久しぶりに演る「Rosalia Lombardo」という雰囲気のある曲なのに、「こいつ何を話しているんだろう? どうやって曲に持って行くのかな?」と思っていましたね。

――上手く曲に入れましたか?

瑠伊:無理矢理。

海:「…さ、ということで」みたいな感じでした(笑)。

全員:(爆笑)

智:なんかさ、俺もうそういう雰囲気を作るMCが恥ずかしくて。

Yuh:「Good vibes CIRCUIT」のツアーで雰囲気を作るのは恥ずかしいとは思うよ。

海:わかるけど、よりによって洗濯物の話をそこで突っ込むことなくない(笑)? 曲が始まる前はどんな顔をしていいかわからなかったよ(笑)。でも、曲の力がすごかったから、演奏が始まってからは、ちゃんと空気は変わりましたけどね。

◆今回のツアーで、なんでもいけるなと思った(智)

瑠伊

――改めてvistlipの10年間の楽曲と向き合うことになったと思いますが、このツアーを通して、改めて魅力に気づいた曲はありますか?

海:僕は「Mob Character」(シングル『CONTRAST』収録曲)です。作曲した時に描いていたものをやろうという事が試せたんで…。

智:はっきり言えよ。サークルモッシュだよって。

海:(笑)厳密にはサークルモッシュをしたかったってわけでもないんですが、いわゆるそういう系統のノリにしたかった。

――横浜のライブで、海さんはフロアに降りて思い描いていたフロアの景色を作ろうとしていましたね。

海:ツアーの途中からは何とかフロアに降りないように持って行こうとしていたんですけど、メンバーから「いいから降りろよ」みたいなことを言われたから…。

智:早く降りてくれないと時間があるから。

Yuh:時間がもったいない。

瑠伊:ライブが押しちゃうから。

Tohya:ふはは(笑)。

海:なんだこの権利の無さ(笑)。一回だけ道連れになったのが瑠伊ですね。「彩」のベースソロからの煽りをフロアで演ったよね。

瑠伊:うん。でも新しいノリを作るとかじゃなくて、ただフロアの真ん中で弾くみたいな(笑)。海ちゃんがフロアに降りるのを拒んだせいで、こっちに飛んできました(笑)。

Yuh:海が拒んだから、その日のセットリストを作ったTohyaにフロアに降りる人を決めてもらおうとなって、

海:「これは次はYuhだ!」って思ってそう言ったら、「何言ってるの?」って普通に返されて。「いいから降りろ」って(笑)。

Yuh:神戸の日は、海が遅刻してきたんですよ。「降りないの? 海、今日何時に会場に入ったっけ?」と言われて、「すみません」って。

Tohya:海が秒で降りた(笑)。

海:あれはすごく良い流れだったね(笑)。

――このツアーならではですね(笑)。瑠伊さんがこのツアーで印象に残っている曲は?

Tohya

瑠伊:「Rosalia Lombardo」は本当に久しぶりだったので、すごく聴き込んで練習をしたから印象に残っているし、演奏した時の雰囲気もとても良かったです。 

Yuh:俺も「Rosalia Lombardo」は好きですね。「Rosalia Lombardo」と「alo[n]e」は、個人的に曲に入り込みやすいです。例えば、その直前までふざけていても、演奏が始まると感情がスッと入れる。好きな曲でもあるし、曲に入り込めたという意味ではこのツアーで印象に残っている曲ですね。

Tohya:「Pavé au chocolat」(ミニアルバム『PATRIOT』収録曲)は大分前の曲なのに、今でもすごい人気だし、みんなもめちゃくちゃノってくれるんです。僕たちもすごく楽しくできるので、このツアーでも結構みんながセットリストに入れがちでした。昔の曲でもこんなに力があるってすごいなと思いました。

智:僕は今回のツアーで、何でもいけるなと思ったんですよね。このツアーでvistlipの楽曲はほぼ演奏したと思うんですけど、広島のライブでYuhがシングルだけでセットリストを作って、そのセットリストでもいけたんですよ。聴かせる曲が多いセットリストを小さいライブハウスで演ってもライブとしてしっかり成立していたので、視野が広がりましたね。

――昔のvistlipだったら、ノリを重視したセットリストだったかと思うのですが、もうそういった選曲に頼らなくてもできるなという手応えがあったということでしょうか?

智:うん。みんなも喜ぶし、俺たちが気にしすぎな部分もあるのかなと思ったりもしましたね。イベントのセットリストはまた別だけど、ワンマンに関してはもうそういうセットリストでも全然いけちゃうなと思ったんです。

――「Underworld」は、郡山と横浜の2ヵ所で演奏されましたが、この曲をアンコールで演る時は、どんなふうに決めているんですか?

智:その日のフィーリングです。今日は演るしかないなと思えた時ですね。結構シビアに決めているので、逆に申し訳ない部分もあったりするんですけど。

海:メンバーの誰か一人でも「うーん」って言ったら無し。

Yuh:本当の意味でのアンコール。自分たちが演りたいし、聴かせてあげたいっていう気持ちが強かった時に演れる曲です。

海:でも、ファイナルの福岡で「Underworld」(アルバム『BitterSweet』収録曲)ではないなという話になって。その日、セットリストの予定になかったアンコールで演った曲は「偽善MASTER」でした。その方がいいねってなったんですよね。そういう決め方は、今までやったことはなかったです。

(文・武村貴世子 / 写真・コザイリサ / 編集・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

vistlip

<プロフィール>

智(Vo)、Yuh(G)、海(G)、瑠伊(B)、Tohya(Dr)の5人からなるロックバンド。2008年4月、ミニアルバム『Revolver』でデビュー。2014年4月にリリースしたシングル『Period』では初のオリコンチャート9位を獲得。2015年12月18日には国立代々木競技場第二体育館でワンマンライブ「Right side LAYOUT[SENSE]」を成功させた。2016年3月にミニアルバム『SENSE』を、11月にシングル『Snowman』をリリース。2017年7月7日にZepp Tokyoにてvistlip 10th Anniversary LIVE『Guns of Liberty』を行った。TOUR「SUPER Good vibes CIRCUIT Ⅱ」を終え、11周年を迎える7月7日には、Zepp Tokyoにて「vistlip 11th Anniversary LIVE[SeventhEleven]」の開催が決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.vistlip.com

【ライブ情報】

●vistlip 11th Anniversary LIVE[SeventhEleven]
7月7日(土)Zepp Tokyo

【リリース情報】

BLACK MATRIX
2018年8月29日(水)発売
(発売元:マーベラス、販売元:ソニー・ミュージックマーケティング)

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【収録予定】

[CD]
01.BLACK MATRIX ※TVアニメ『千銃士』エンディングテーマ
02.Original Words Complex ※lipperのみ収録
03.The Other Side ※lipperのみ収録

[DVD]※LIMLTED EDITION
ROUGH the vistlip

[DVD]※vister
BLACK MATRIX」Music Video+Making映像 収録予定