the LOTUS

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the LOTUSが放つ3部作のミニアルバム。その第2作目となる『Providence of JESUS』で彼らが掲げた新たな4つの物語とは――

「Providenceの目」をテーマに3部作を展開しているthe LOTUS。4月にリリースされた第1作『Providence of BIONIC』では、彼らの持つ多彩な音楽性の一面を実にストレートに提示して見せた。その余韻も冷めやらぬ中、続いて世に放たれる今回の作品『Providence of JESUS』には、前作とはまた異なる角度から、より深く彼らの音世界を味わうことができる4つの物語が収められている。また一つ明らかになる彼らの音楽の魅力、じっくりと堪能していただきたい。

◆より深いthe LOTUSの世界観(レイ)

レイ

――シリーズ2作目は「神」がテーマですね。

レイ:今回の4曲は、神という概念に携わった4人の主人公の物語です。例えば、リードトラックの「A.P.O」はMVに出てくる女の子が主人公で、彼女は聖書に対して母親を見出している。神を扱うとなると難しいですけど、難しさや畏れ多さ、信仰せよ侮辱せよというものではないので、すんなり作れました。

――なかなか思いつかない展開のさせ方ですね。

レイ:そういうの、得意なんです(笑)。

――「A.P.O」がリードトラックになったのはなぜだったんでしょう?

レイ:1作目の『Providence of BIONIC』はストレートな部分を出したいということでリードトラックに「Grace」を選んだんですが、今回の作品ではより深くthe LOTUSの世界観を押し出したかったのでこの曲にしました。

翼:つまり、これが一番ジーザスっぽいんです。

レイ:…ジーザスっぽい! すごくわかりやすいね。俺の説明は何だったんだろう…。

全員:(笑)

――「A.P.O」とは何の略ですか?

レイ:「apocalypse(アポカリプス/黙示)」です。

Rian:この曲は始動前に作ったんですけど、そこからメロディがかなり変わりました。ヴォーカルの美味しい部分を追求した結果、今の「A.P.O」にこの半年間の成果が反映されました。僕はメロディから作る曲と、メロディなしで作る曲があるんですけど、この曲は後者で、移り変わる景色感だけで作っています。ソロの部分が変わった感じなんですけど、そこはストーリー性を持たせるために、違うところに飛んでいくような景色を後から付け加えました。

――今回のMVは教会で撮影されていますが、どういう映像作品にするかイメージはありましたか?

Rian:自分の中でイメージがあったので、提案していただいたというより、こういう感じでお願いしますと伝えたものが出来上がった感じですね。

レイ:自分は、聖書は絶対に使おうと思っていました。実はイントロの歌詞そのものが新約聖書の冒頭の抜粋なんです。〈In the beginning was the Word〉(「初めに、ことばがあった」)、歌詞はその出だしをなぞって、途中からオリジナルのストーリーに変えていったんです。僕は景色から歌詞を作って、Rianも景色で曲を作って、それが映像になっているんですけど、すごく上手くいったなと思います。

――撮影現場ではいかがでした?

Rian:前回はスタジオで、今回はロケだったんですけど、広かったので練習ができて良かったです。

伊織:メイクルームが広かったよね。

Rian:イントロで回転している部分があるんですけど、その練習をみんなでコケながらやってました。

レイ:つばっち(翼)は夢中になりすぎて、メイクさんにぶつかりそうになってましたからね。

Rian:Ryutoは途中で酔ってましたよね。

Ryuto:うん。俺は目が回ってだめだったね…。

全員:(笑)

◆情景的に寄った曲の展開(Ryuto)

Ryuto

――1曲目の「ベヘリット」は冒頭から悲鳴や色々な音が使われていますね。

レイ:この曲は、西洋の戦争をイメージしていて、イントロの音は戦いが起きている街の中や、外の風景をイメージしています。男性が出兵して奥さんが病気で倒れてしまうストーリーで、AメロBメロの苦しそうな描写は、奥さんに何もしてやれないのかという、戦っている男性の嘆きです。でもサビで奥さんが、そんなことないよ、届いているよ、ということで一気に明るくなる。最後にまた冒頭と同じように暗い感じにはなるんですが、光がある中での暗さで、二人は幸せなんだよと伝えたかった。

――ラストの展開を聞いてホッとしました。この原曲はRyutoさんですが、どんなイメージで作りましたか?

Ryuto:ゴシックっぽさも意識しつつ、ホーンテッドマンションのような、屋敷に入っていくイメージで作りました。方向性も色々途中悩んだんですけど、他の曲とは全然違う印象にしたいなと。ライブのノリというより、情景的なものに寄った曲の展開になっていますし、1作目の『Providence of BIONIC』とは全然違うので、どうなっていくんだろうという感じだと思います。

――タイトルの「ベヘリット」はサタンの意味ですよね。「神」をテーマに掲げる作品にサタンが登場したのは意外でした。

Ryuto:悪魔の神ですね。タイトルはレイと一緒に付けたんですけど、神っぽさもありつつ、サタンの感じも出したくて。このタイトルはデモの段階から付けていました。

Rian:俺ら(Rian、翼、伊織)は、気付いたらタイトルが「ベヘリット」だったので、特に違和感もなく「あ、そうなの」と。そして「ベヘリット」の意味は今知りました(笑)。

レイ:あれ!? 言ってなかったっけ!?

伊織:僕も知らなかったです(笑)。

Ryuto:あれ(笑)? まぁ、「ベヘリット」って決して明るいタイトルではないじゃないですか。イメージ的に怖くて暗くて激しいイメージがある。なので、これしかないな!と思ったわけです。

――ところで、「ベヘリット」には〈赤と青〉、「PANDEMIC」には〈REDとBLUE〉という歌詞が出てきますが、1枚の作品の中でリンクさせているのでしょうか。

レイ:4人の物語は全く別のものというわけではなくて、少しずつ感性が絡んでいるんです。ちなみに、それぞれ自分を青、相手を赤と言っているんですが、ここには僕自身の、自分が青で、対照的な人は赤とイメージする感覚が交じっています。

――自分と相手を色でイメージするというのは珍しいですね。

レイ:僕、本当は赤が似合う人になりたかったんですよね…。でも残念ながら寒色の方が似合うみたいで。暖色に憧れがあるので、二人(翼、伊織)がうらやましいです。

伊織:ありがとうございます(笑)。

◆違う感覚を持つ5人のフィルター(Rian)

Rian

――色とキャラクターの話が出ましたが、皆さんを色に例えると何でしょう?

レイ:うちは5人が全く違うので5色ですね。戦隊ものみたいな。

――センターは青レンジャーですね。

Ryuto:赤レンジャーじゃないのか。だめじゃん(笑)。

Rian:自分は黒レンジャーですね。黒レンジャーって新たな敵役くらいの立ち位置かな(笑)。

レイ:自分は青で、Ryutoは白。

Ryuto:白!? 一番クリーンな色ですね。

レイ:伊織は赤で、つばっちはピンクかイエローかな。

Ryuto:オレンジで良いんじゃない?

翼:じゃあピンクとイエローの中間を取ってオレンジで!

――それぞれの個性を感じる瞬間はありますか?

Rian:日常茶飯事ですね。ご飯を食べに行っても違いがわかりますよ。そもそもご飯を食べに行く場所が違うし、飲み物も何もかも違う。

レイ:でも違って良かったと思います。意見のぶつかり合いもあるから磨かれると思うし。うちは、何でもかんでも賛成する人は一人もいないんです。そのやりとりがすごく面白いし、よりみんなの味が出ると思う。

Rian:何か作るときに、違う感覚を持っている5人のフィルターを通しているわけです。聴き手は何千何万という数の捉え方がある。だったら歌詞であれ、音の方向性であれ、世界観であれ、一人のフィルターで発信するより、5人のフィルターを通して発信するほうが、より多くの人に受け入れられるものになると思うんです。難しい面もありますけどね。

Ryuto:自分は絶対Aだと思っていても、他の人がBだって言うと「…マジか」と(笑)。そういうこともしょっちゅうで、自分は絶対Aだと思っているからAで突き進んで、世の中と違う方向に行っても成り立たなくなるし。

レイ:ちなみに、最終的にまとまらない時は多数決です。5人バンドなんで。1:4になった時の悲しさはハンパないですけど。

Rian:でもみんなその体験はありますよ。

レイ:「…マジか」ってなりますよね。

Ryuto:なるなる(笑)。

◆アブノーマル感がある曲(翼)

翼

――今回のミニアルバムの中で「PANDEMIC」が異彩を放っていますね。

レイ:この主人公は圧倒的に異端です。神にまつわる4人の物語ではあるんですけど、他のキャラクターに比べて、この主人公はいわゆる「JESUS」とは異なる東洋的な神を考えています。「PANDEMIC」というタイトルは感染していく、広がっていくという意味なんですけど、ライブのノリが広がっていきやすいという意味もあるし、キャラクターの世界ではどんどん悪い方向へ行って開き直っている感じ、そこに周りを巻き込んで広めてやるという「PANDEMIC」ですね。そういう意味でも異端児です。

Ryuto:これは僕が原曲なんですけど、「ベヘリット」は映像や景色のイメージなのに対して、これは完全にライブを意識して作りました。この曲がライブでどうなるかすごく楽しみです。うちは、ただジャンプしている曲が多いんですけど、そうじゃなくて振り付けとか色々できたらいいなと。

――ライブの一体感も増しそうですね。

Ryuto:そうですね。でも、今回この曲が一番大変でした。時々やる手法なんですけど、コードを決めたら何も考えずにただめちゃくちゃに弾くんです。そうすると自分にないフレーズが入ってくるじゃないですか。そこで自分にない音階ができると面白い、でも、自分にないフレーズなので、改めて弾くと難しい…。そうやってイントロから作っていきました。

――自分にない引き出しを開けまくったんですね。

Ryuto:そうです。とりあえず、バーーーっと開けて、これかな?ってやつを見つけるという(笑)。でも、自分にない引き出しだからムズイ! ややこしい! 人の曲をコピーしているみたいです。

伊織:ドラムもこの4曲の中で一番大変でした。5人の個性の話にもなるんですけど、Ryutoの曲って、結構ドラムの音が多いほうが喜ばれるんです。なので、この曲は僕も忙しいですね。

――伊織さんは、前作のレコーディングは「ちょっと背伸びをしつつも、これなら、というところでレコーディングができた」ということでしたが、今回は?

伊織:今回も同じくらいですね。…っていうとサボっているみたいですけど(笑)。ライブ曲ということで、自分が叩いてお客さんに伝わるような楽曲になればいいなと思います。

翼:自分もこの曲はかなり苦戦しました。基本ずっと動いているんですよ。フレーズによってギターと同調した動きをしたり、次のフレーズは自分なりの動きをしたり、みんな忙しくて。アブノーマル感がある曲ですね。リズムやフレージングの忙しさもあって難易度が高いです。

Rian:自分はこの曲だけチューニングが違って、7弦ギターになっています。

レイ:元の段階から最終段階までキーが変わっていったんです。僕は自分の声がよりよく聴こえるキーが見つけられてよかったんですけど、その結果Rianが苦しくなってしまって。

Rian:ヘヴィなチューニングなんですけど、そこをタイトにしているからか、7弦にいきつくまでがちょっと大変でしたね。6弦で無理やりドロップして作っていたんですけど、ピッチというかチューニング感が良くなくて、悩んで気が狂いそうになって…。

――すごく大変だったんじゃないですか!

Rian:でも7弦に持ち替えた途端、クリアしたので良かったです。

Ryuto:「PANDEMIC」は自分自身も、みんなも大変でした(笑)。

◆みんなで育て上げてライブで共有したい(伊織)

伊織

――「Lament.」は直訳すると「嘆き」という意味ですね。

レイ:「Lament.」は「嘆き歌」という哀悼を表した詩や楽曲の名称なんです。「嘆き歌」の世界そのままの曲ですね。

Rian:この曲は、本当は1作目の『Providence of BIONIC』に入れたかったんです。でも空きがないと。なので、イントロフレーズから全部アレンジし直しました。元々は生物兵器系のテーマで、バイオハザードみたいに人間が浸食されていくようなイメージで作ったんです。

レイ:自分も、そっち系で歌詞も進めていたんですけど、書き直しました。

――かなりの大改編ですね。

レイ:こういうことは結構ありますよ。僕は作ったものを捨てることを結構前向きに考えていて、準備したもので捨てるものが多いほど良いと思っているんです。1から書いたものがより活きる方向に近づくと思うので。

――この大改編で、他の方々に影響はなかったんですか?

Rian:実は、今回のデモはガッツリ作り込ませていただきまして。自分で全部アレンジをして、シンセも元から入れて。このイメージでお願いしますと、解釈をみんなに伝えた感じです。

レイ:付け入るスキがなかったよね。

Ryuto:Rianは基本、自分でガチッと固めて作っていきたいタイプですから。

――リズム隊のお二人はどう挑みましたか?

翼:自分的にはこの曲の土台を支えるぞと思っていたのでボトム重視でした。ニュアンスで自分なりの表現を出せたかなと思います。

伊織:ドラムは結構作曲者によって違うんですが、Rianの曲は意図があるというか、こういう曲にしたいからこういうドラムフレーズにしたよというのがすごくハッキリしているんです。

Rian:俺自身ドラムが好きで、フレーズを考えるのも好きなんです。なので叩くのが不可能なフレーズは絶対入れません。

Ryuto:ギターもガチッと固まっていたので弾きやすかったですね。意図もわかりますし。Rianの曲は、新しい引き出しでは来るんですけど、納得のいくものが多いです。

――この4曲、世に出る日が楽しみですね。

Rian:そうですね。今回のアルバムは激しい楽曲が多いので、家で頭を振る練習をしてライブに暴れに来てほしいです。

Ryuto:このジャンルが好きな人は、今回のようなダークで激しい部分が好きだと思うので、ぜひしっかり聴いてライブに来てほしいですね。

翼:このアルバムは前回のアルバムと正反対で黒い感じの曲が多いんですけど、ベースパフォーマンス的にやりやすい曲なので、メンバーの動きも併せてチェックしてほしいです。

レイ:この作品で4つの神に対する生き方を提示したので、生きる上での糧になればいいなと思います。歌詞もしっかり見て、聴いてもらえたらと思います。

伊織:4曲ともすごくハードな曲なんですけど、中でも「PANDEMIC」を振り付け曲にしたかったので、インストアでもみんなで育て上げていって、ライブで共有したいと思います。

――そして、「Providence」シリーズ3部作の第3作目はテーマが「LUV」(愛)ということですが。

Ryuto:かなり良い作品になりそうです。「期待していてください!」って載せておいてください(笑)。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

the LOTUS

<プロフィール>

2014年、Ryuto(G)を中心に、レイ(Vo)、Rian(G)、翼(B)、伊織(Dr)の5人により結成。“高貴な世界観”を貫き通す王道ヴィジュアル系ロックの頂点を目指し、2014年6月よりライブ活動開始。2015年4月からPS COMPANY所属後初となる、「Providenceの目」をテーマにした3部作ミニアルバムの3か月連続リリースが決定。4月8日に第1作目となる『Providence of BIONIC』をリリースした。


■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/thelotus/


【CDデータ】

Providence of JESUS
初回限定盤
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¥2,500+税
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Providence of JESUS
通常盤
【CD】
PSIS-10024
¥2,148+税


『Providence of JESUS』
2015年5月13日(水)発売
(nouveau parfum)


【収録曲】
[CD]
01. ベヘリット
02. PANDEMIC
03. Lament.
04. A.P.O


[DVD]※初回限定盤のみ
「A.P.O」MV収録

Providence of LUV
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Providence of LUV
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『Providence of LUV』
2015年6月10日(水)発売
(nouveau parfum)


【収録曲】
[CD]
01. Heavenly
02. Clarity
03. NEVER ENDING SNOW
04. Last Song…


[DVD]※初回限定盤のみ
「Last Song…」MV収録

【ライブ情報】
the LOTUS 1st ONEMAN LIVE
『大東京イルミナティ』
2015年8月28日(金) 新宿ReNY
[OPEN/START] 18:30/19:00
[料金]立見¥3,780(税込)/DRINK代別 ※3歳以上チケット必要
[一般発売日] 2015/7/11(土)
INFO.DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12時~19時)