インタビュー

仙台貨物

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熱い日差しの下、ニューシングル『妖怪大演奏』を引っ提げ、あの6人が帰ってきた! “妖怪”に大変身した仙台貨物、その最新作をフィーチャー!

昨年見せた新境地「メタル」から、さらに数段斜め上を行く姿で登場した仙台貨物。その最新作『妖怪大演奏』は、先頃公開されたジャケット写真やMVでもおわかりのとおり、“妖怪”というテーマながら仙台貨物らしい明るさ漂う作品に仕上がっている。このシングルについて、さらに東名阪+仙台で行われるトゥアー「妖怪大仙奏」での目論見について、千葉(Vo)、フルフェイス(G)、サティ(G)の3人に語ってもらった。

◆みんな大人の事情がわかってるんだな(フルフェイス)

――毎年この時期に取材をしているので、仙台貨物はVifの夏の風物詩になりつつあります。それにしても、今年は「妖怪」ということで、ものすごく夏らしいですね。

千葉:んでしょー。妖怪どいえば夏だがらな。まぁ今回妖怪を選んだ理由は「テーマはあっだ方がいいよね。そういえばまだ妖怪やっでないげど、やっでみる?」っていう割と軽いノリなんだげども。

――今回、千葉さんは天狗、フルフェイスさんは猫又、サティさんは唐傘お化けですが、この妖怪を選んだ理由は何だったんですか?

千葉:天狗は、鼻が長いのが千葉さんぽいがなど思っで。いやらすさもあるし。

サティ:俺は、骨っぽいのがいいなと。でも骸骨だと芸がないから唐笠にしました。去年、ライブで筋肉の肉じゅばんを着たけど、もう今年はいいやと思って。

フルフェイス:俺は、今までも猫耳フード付きつなぎ(2013年発売のアルバム『スケベスト』)を着たり、猫っぽい恰好をしたりしていたからその流れです。それにしても今年の衣装はみんな暑そうだな…。ギガ(ギガフレア)も顔周りが暑そうだし。でも、俺の衣装は袖が取れるようになってるんですよ。

――暑さを見越して着脱可能な袖にするとは、さすがです。それにしても猫又とはまた珍しい妖怪を選びましたね。

フルフェイス:俺もそんなに妖怪に詳しくなかったからこれを機に調べたんです。「飼っていた猫が20年生きるとしっぽが二股に分かれて猫又になる」らしいですよ。

――なるほど。ところで、皆さんは「妖怪」といえば何を思い浮かべますか?

フルフェイス:やっぱり『ゲゲゲの鬼太郎』かな。

千葉:今の子たちは『妖怪ウォッチ』がもすれないね。最初、本当は『ゲゲゲの鬼太郎』ぬ寄せだ『ゲイゲイゲイの鬼太郎』みだいな案だっだんです。んでも色々ど大人の問題があっだがら、著作権がない昔がらいる妖怪ぬすようっでごどぬなりますた。

――著作権といえば、千葉さんは某雑誌でジバニャンになっていましたよね。

千葉:あれはちゃんど許可を取りました。

サティ:取れたのか!

千葉:取れだの。さすが『妖怪ウォッチ』の会社は、子供の心がわがるな~。

フルフェイス:ちょっと、あんた何でそんな上から目線なの。

千葉:でもね、あぐまでも“公認”じゃなくて、“黙認”すてくれるんだっで。そんなわげで許可も取れだす、雑誌ではすっかりボディペインティングすてジバニャンぬなりますた。尻尾はね、マネージャーさんがドン・キホーテで着ぐるみを買っできてくれで、それを切り取っで作っでくれだの。でも今ぬなって考えると、ジバニャンみだいぬ頭が横ぬ広がるようぬ綿を入れだりすればよがっだなーっで思うんだ。

サティ:うーん、確かにちょっと人間ぽかったかもね。あれは気持ち悪いとカワイイの狭間だな。反響はあったの?

千葉:うん。「気持ち悪ーい」って。

全員:(笑)

千葉:良い意見はね、「すごーい! 許可が下りだんですね!」って。

フルフェイス:みんな大人の事情がわかってるんだな…。

千葉:あとね、「乳首透けてますね! いいですね!」っでいうのもあっだ。

サティ:いやー、その意見は極一部でしょー…。

――衝撃のジバニャンもそうですが、今回のアーティスト写真が公開された時、世間がかなりザワついてましたよ。

千葉:だなー。Twitterではアーティスト写真で顔が見えない人が3人(サティ、ギガフレア(狼男)、クリハラ(百目)が、どれか誰がって当でっごみだいぬなっでだな。だがら千葉さんがちゃんど正解を教えてあげだんだよ。

――写真では、サティさんの頭と足元が見えなくて、一番仕掛けがわからず謎めいていました。

サティ:色々考えたんですよ。最初は顔を出そうと思ったんだけど、唐笠って一つ目でしょ。一つ目のメイクは気持ち悪いなと思って、だったらセパレートにしようと思ったんです。

――なるほど。しかし今回の衣装はライブがどうなるのか、楽しみなような心配なような…。

サティ:うちはいつもライブのことは考えずに、まずやりたいことをやるからな。

千葉:やりだいごどをやっで、あどは何どがするっでスタンスだな。あ、そうそう、今回のトゥアーで、千葉さんは各会場で違う妖怪になろうど思っでるんだよね。天狗をやる会場は決めているんだげど、それ以外は変えていごうがなど思っでるの。だがらやっでほすい妖怪を募集中です。

フルフェイス:自分で決めてないの?

千葉:決めでない。フルフェイスとサティさんは何をやっでほすい?

フルフェイス:輪入道(※炎に包まれた牛車の車輪の中央に男の顔が付いた妖怪)かな。

千葉:輪入道はお金かがるがらなー。ダンボールで作れるがな。自転車の車輪を付げで回るようぬすようが。

サティ:いかんせん、あんたのやつはいつも金がかかるからな。

千葉:だなー。ちなみぬ今回の千葉さんは、鼻のギミックぬ一番お金がかがっでます。去年のピカピカ(※体に付けた電飾)ほどじゃないけどね。

――では今回はさらに輪入道でお金をかけますか。

千葉:そうだな。だげど千葉さんは、本当はフルフェイスが輪入道をやればいいんじゃないがど思ってたの。でも嫌だっで。

フルフェイス:そもそも輪入道をやったら楽器が持てないからね。

千葉:サティさんぬは本当は河童をやっでほすがっだんだげど、ハゲは嫌だっで言われぢゃったし。

サティ:ハゲは嫌だよ。しかも河童は赤くないでしょ。赤の中に緑って変じゃない。トータルバランスで考えて断ったんだよ。

千葉:なるほど、さすがだな。チームプレイだがらな。そういうのっで大事だよね。

――他に、メンバーにやってほしい妖怪はありますか?

千葉:あどね、フルフェイスぬは子泣き爺もやっでほすがっだの。絶対似合うど思…

フルフェイス:子鳴き爺ってハゲで裸だろ! やだよ! さっきの輪入道もハゲだし!

サティ:でも、誰かがハゲのキャラをやったらブレイクスルーが起こるかもしれないな。

フルフェイス:だって、仙台貨物でハゲは千葉さんだけでしょ。

千葉:まぁそうなんだげども、見だ目のインパクトがすごいす、フルフェイスもやっだらいいと…

フルフェイス:一生やらないからね!

サティ:千葉さんが子泣き爺をやればいいんじゃないの?

千葉:でもフルフェイスのほうが似合うど思うんだ。

フルフェイス:なんで俺を裸にさせようとするかな。

――千葉さんはフルフェイスさんを裸にしたいんですか? ハゲにしたいんですか?

千葉:どっちも!

フルフェイス:!!

◆見だ目は本当の若大将みだいなのぬ、中身はネコという設定です(千葉)

――仙台貨物で妖怪をやるにあたって、音ではどんなアプローチをしようと思っていましたか?

サティ:そこが難しかったな。妖怪っぽい曲っていうと、何となく『ゲゲゲの鬼太郎』が出てきちゃって。そんな中で、ライブでものれて、仙台貨物っぽい明るさもあるってところで作りました。

千葉:「妖怪大演奏」の“ひょひょひょひょひょ~”どが、“ぴょーん”っで効果音が妖怪っぽいよね。

サティ:この効果音はスライドホイッスルって楽器なんですけど、ライブでは千葉さんが担当します。千葉さん、ちゃんと練習しといてね。

千葉:わがっだ。

フルフェイス:俺は音ではそんなに考えなかったな。良い音で録ろうと思ったくらい。ちゃんと良い音で録れてよかったです。

――「妖怪大演奏」とc/wの「夏のわくわく恐怖体験」は、音も歌詞もしっかり妖怪っぽさが漂っていました。

千葉:妖怪っぽぐするぬはどうすたらいいが、『ゲゲゲの鬼太郎』どが『妖怪ウォッチ』どが『妖怪人間ベム』どが『地獄先生ぬ~べ~』どが、いろんなアニメのオープニングやエンディングを見で考えだの。それぬすても妖怪をテーマぬすたアニメっでいっぱいあっだな。

フルフェイス:そうだね。ところで『悪魔くん』は妖怪なの? あれも妖怪百目が出てくるよ。

千葉:うーん…そもそも、悪魔ど妖怪ど幽霊っで切り分げがよぐわがらないな。天狗どが河童も正確ぬはどういう分類なのかわがんない。

――荒俣宏さんあたりに聞いたら、細かく分類してくれそうですね。さて、妖怪から一転して、c/wの「若大将」は久々に仙台貨物らしい“夏だ! 男だ!”な曲ですね。

サティ:最近そういうのがなかったからな。

千葉:タイトルは「若大将」じゃなくて、「サイパン」みだいな地名ぬすてもよがっだがもど思うんだよね。仙台で海水浴できるどごの地名どが。

――この曲は、千葉さんの作詞ですね。歌詞にも〈「筋肉」「タトゥー」惚れちゃう〉〈海の中 男とアッア~ン♡〉などなど、本領発揮したなと思わせるワードがちりばめられています。

千葉:でしょー。メロディが、フワンっで上がるどごろがあるんだげど、そごぬどんな言葉が合うがなっでいうどごろがら、全体的なごどを考えでいっだらこうなっぢゃったの。あとは本当の若大将のかたの…

フルフェイス:本当の若大将のかたって誰(笑)。

――某お散歩番組を卒業しちゃう若大将(※加山雄●氏)ですか?

千葉:そうそう。そのかだの曲を聴がせでいただいだら、曲中で語りが入っでだの。だからこの曲でも語りがあっだ方がいいなど思っで入れました。ちなみぬ、この歌の若大将は、見だ目は本当の若大将みだいなのぬ、中身はネコ(※同性同士の恋愛で、男女恋愛でいう女役)という設定です。

――すごい人物像です。ところで、この語りの中に〈バッファローゲーム〉という言葉が出てきます。初めて聞いた言葉だったんですが、フルフェイスさんはバッファローゲームを知っていましたか?(※バッファローゲームとは、男性が頭に指でツノを作り、下を向いて女性の胸を目がけて突進するというオトナの遊びだそうです)。

フルフェイス:ああいう行為があることは知ってましたけど、名前があることは知りませんでした。

千葉:語りを考える時ぬ“ダッダッダダダ”っでいう決めのフレーズが、出できぢゃっだがら、つい入れぢゃっだんだよね。

サティ:確かにそこは牛っぽいな。

千葉:でしょー。あどね、千葉さんは最後のサビ前の〈びしょびしょ〉っでどごが好ぢなの。

サティ:俺、そこはどうかと思ったんだけどな。家でチェックしてたんだけど、そこを聴いたとき、まさかそう来ると思わなくて家で一人で笑っちゃったから。

千葉:えー、ダメがな。海だがら〈びしょびしょ〉っで入れだんだげど。でもね、クリさん(クリハラ)と二人で仮歌を録っでだ時、その部分を聴いたクリさんが「あぁ、海だからですね」っで言っだの。すごいでしょー!

サティ:クリさん、毒されてるなー…。

◆このトゥアーで、妖怪をやる意味を見つけたい(サティ)

――B-typeにのみ収録されている「コンピューターおじいちゃん」は、今回の曲の中では異彩を放っていますね。

サティ:この曲は千葉さんから、某アイドルの楽曲みたいな曲を作ってほしい」って言われて作ったんです。

千葉:サークルモッシュっであるでしょ。ああいうノリが良いなっでサティさんぬ言っだら作ってきでくれで。

――「コンピューターおじいちゃん」でサークルモッシュしたらすごそうですね。

サティ:確かにそうだな。ちなみにこの曲は、コンピューターの歌が作りたかったわけじゃないんです。

千葉:昔、NHKの「みんなのうた」で「コンピューターおばあちゃん」で曲があっだがら、それが頭のどごがぬ残っでだのがな。

サティ:そうそう。あと今回この曲名にするのに、もしかすると「コンピューターおじいちゃん」ていうワードで権利を持ってるとこがあるんじゃないかと思って調べたんだけど、とりあえず大丈夫そうで安心した。

千葉:じゃあ今後は「コンピューターおじいちゃん」ぬ関するものを使う人はサティさんぬ許可を取らないどいげないんだな。

サティ:商標は取んないけどな(笑)。

千葉:でもわがんないよ、最近コンピューターブームだがら。ペッパーどが、喋っだりでぎるやつがいっぱい出できでるでしょ。このままいぐど、将来はコンピューターが先生ぬなっだりするがもすれないな。

サティ:人間も負けてられないな。

千葉:んだな。でも先生どがじゃなくて、コンピューターのおじいちゃんがいだら癒されでいいがもしれないな。「お茶がほしいんじゃー」っで言うの。

フルフェイス:え、その場合はこっちがお茶を出したり、コンピューターの世話をしなきゃいけないの?

千葉:そうそう。そうすたら癒されるでしょ。

サティ:たまごっちとか育てるゲームもあるし、介護するゲームがあってもいいかもね。

千葉:介護士育成用「コンピューターおじいちゃん」。

サティ:たまに漏らしたりするの?

千葉:うん。でも水だがら大丈夫。

フルフェイス:そこにこだわりがあるのか。

――コンピューターおじいちゃんが意外な方向に話が進みました。今回のシングルは、妖怪で始まりコンピューターで終わるという、内容たっぷりの作品になりましたね。

千葉:あぐまで妖怪の曲は2曲なんです。妖怪だげで行ぐど今後やりづらぐなるがらな。

サティ:ライブで、ずっとできる曲も作りたかったしね。

――このシングルを引っ提げての仙台貨物 トゥアー2015「妖怪大仙奏」が9月から東名阪と仙台で行われ、9月19日には「氣志團万博2015」への出演も決まっていますね。

千葉:妖怪っぽく、みんなを驚かせるようなライブぬすたいな。妖怪っぽい驚がす方っで難すいげど、千葉さんはトゥアー全箇所で違う妖怪ぬなるがらびっくりすに来でほすいな。個人的ぬは鬼太郎が住んでる鬼太郎ハウスみだいなステージセット、ああいうのが良いなど思うんだげども。あどは誰かスペシャルゲストを呼びだいな。

フルフェイス:ラッキィ池田さんは妖怪ウォッチの振り付けもやっているから、今回の曲の振り付けしてもらったらいいんじゃない?

千葉:振り付けはこれがら考えようがなど思っでるんだげど、ラッキィ池田さんぬは個人的ぬすんごぐ会いだい。サティさんと二人でやっでる「やっぺぇ!たいそう」(※仙台貨物が作詞作曲したNHK仙台の体操の曲)はラッキィ池田さんが振り付げをすてくれでるんです。

サティ:俺は、驚かすとか細かいことは考えないで、楽しんでくれればいいかな。

千葉:そうか、サティさんは、あの答えを見づげないどいげないがらな。

――何の答えを探しているんですか?

サティ:「何で俺、妖怪やってんのかな…」っていう。俺はこのトゥアーで、妖怪をやる意味を見つけたい。

――そんな深いことを考えていたんですか!?

千葉:そうなの。でも、実際ぬ妖怪ぬなっでみないどわがんない部分もあるがらな。

サティ:妖怪ならではの辛さもあるかもしれない。好きでこんな恰好してるんじゃないんだよって思ってるかも。

――「妖怪大演奏」によると妖怪には〈学校も会社もバイトもない〉ようなので、一見楽しそうですけど。

千葉:実際の妖怪はな。でも千葉さんだぢは仕事あるもんね。

サティ:うん。むしろ妖怪が仕事みたいになってるな。トゥアーで、がんばって答えを見つけたいと思います。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

仙台貨物

<プロフィール>

イガグリ千葉(Vo)、フルフェイス(G)、サティ(G)、王珍々(B)、ギガフレア(Dr)、KURIHARA(Mp)による宮城県が生んだ謎の運送屋集団。2001年9月結成。精力的に活動を続けたが、2009年11月5日の日本武道館をもって倒産し活動を休止。ヴォーカルの千葉はその後もバンド再建を目指しソロ活動を展開。2013年7月リリースのベストアルバム『スケベスト』で完全復活を果たした。2014年7月、ミニアルバム『SENDIE KAMOTSU』をリリース。2015年9月12日より仙台貨物 トゥアー2015「妖怪大仙奏」がスタートし、9月19日には「氣志團万博2015」への出演が決定している。


■オフィシャルサイト
http://www.sendaikamotsu.net


【リリース情報】

『妖怪大演奏』
2015年9月9日発売
宮城県が生んだ謎の運送屋集団にして“癒しの宅配便”仙台貨物のミニアルバム。今回は日本古来の妖怪たちに変身!!

妖怪大演奏
【CD+DVD】
TRCL-0108
¥2,000+税
amazon.co.jpで買う
妖怪大演奏
【CD only】
TRCL-0109
¥2,000+税
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【収録曲】

A-type【CD+DVD】
[CD]
01. 妖怪大演奏
02. 夏のわくわく恐怖体験
03. 若大将

[DVD]
・「妖怪大演奏」MV


B-type【CD only】
[CD]
01. 妖怪大演奏
02. 夏のわくわく恐怖体験
03. 若大将

04. コンピューターおじいちゃん

【ライブ情報】
仙台貨物 トゥアー2015「妖怪大仙奏」
9月12日(土)大阪・BIG CAT
9月13日(日)名古屋・ElectricLadyLand
9月17日(木)仙台・RENSA
9月26日(土)東京・豊洲PIT


氣志團万博2015 ~房総!抗争!天下無双!妄想!狂騒!大暴走!~
9月19日(土)千葉県・袖ヶ浦海浜公園