SCREW

SCREWインタビュー

独自の世界観を貫き続け、遂にメジャーへと歩を進めるSCREW。“桃源郷”を意味する渾身のメジャー1stシングル『XANADU』の魅力に迫る!

6年半というキャリアを持ち、満を持してメジャーシーンへと乗り出すSCREW。彼らが掲げるメジャー第1弾シングルは、曲ごとに異なる主人公がそれぞれの“桃源郷”を描き出したSCREWらしさを色濃く感じさせる1枚。メジャーデビューという大きな変化を機に、さらなる深化を遂げた彼らの音楽を体感していただきたい。Vif初登場となるヴォーカルの鋲、リーダーの和己に、今までの、そしてこれからのSCREWについて聞いた。

◆たくさんの人に聴いてもらえるようになるとわかったら、逆にものすごく挑発してみたい(鋲)

――メジャー第1弾シングルをリリースするわけですが、デビューが決定したことで、何か心境の変化はありましたか?

鋲:それが、1ヶ月くらい前まで、全然変わっていなかったし、このまま変わらないんだろうなと思っていたんです。周りが変わったことで、少しずつ自分も変わってきた感じですね。何しろメジャーデビューの話をされたとき、あまりにサラッとしすぎていたので(笑)。

和己:今年の5月~6月にヨーロッパツアーをやったんですけど、14時間くらい飛行機に乗って、「脚がむくんでるなー、歩きにくいなー」なんて状態のときに、ロシアの空港で「メジャーデビュー決まったから」って言われて。「え!? このタイミング!? そもそも今、メンバー全員いないけど!?」と(笑)。

――(笑)。メジャーデビューってとても大事なことだと思うんですが、全員揃っていない状況で言われたんですか?

和己:ジンとマナブがいませんでしたね。

鋲:何か買いに行ってたよね。

――そういうおめでたい話は、正式かつ盛大にやるものだと思っていました(笑)。

鋲:俺らもそう思ってました(笑)。

和己:「メジャーデビュー決まったんスか!? よっしゃー!!」みたいなのはなかったよね(笑)

鋲:うん。それに、メジャーに行けたことはもちろん嬉しいけど、信じられない気持ちも強くて。理解するのに時間がかかりましたね。

――6年半やってきた活動の延長にメジャーデビューを見据えていたから感動が少なかった、というわけではなく?

和己:逆ですね。自分たちにとってメジャーはあまりにも遠過ぎて、行けないんじゃないかという諦めも入っていましたから。最近になって、レコーディングにいろんな方が付いてくれたり、周りの環境が変わってきたことで少しずつ実感してます。

――メジャー1stシングルとなる『XANADU』を作る上で、メジャーを意識したことはなかったんですか?

和己:デモ曲はメジャーの話が出る前に作っていたんです。ヨーロッパから帰ったら曲を形にしていこうかなと思っていて。でもメジャーデビューが決まってからは、よりSCREWらしさや、成長した部分を出したいとは思うようになりました。

――デモの段階で想定していた完成形と、実際の完成形は変わりました?

和己:変わりましたね。メロディもイントロも。

鋲:ただ、メジャーらしい方向に変えようとは思っていませんでした。聴いてくれる人も増えると思うから、よりSCREWらしい曲にしていった感じです。

和己:デモの段階では、コード感のあるストレートで少しマニアックなロック調だったんですよ。そこからSCREW感を出すために全力で変化させましたね。

鋲:タイトルは4月の段階で決まっていたし、メジャーというのは後から付いてきただけで自分たちのプランは固まっていたので。逆に、6年半やってきてメジャーが決まったからっていきなり変わったら「今までやってきたことって何だったんだよ」ってなりますしね。変える気もないし、変えろっていう人もいなかった。今までやってきたSCREWをより良くするために動いてくれる方ばかりなので。

和己:確かにそれはあるね。選曲会とか実際に曲を作る時も好きなようにやらせてもらって。

鋲:キャッチーな曲よりもっと世界観のある曲の方が気に入ってもらえたりして。「デビューシングル、こっちで良いんですか!?」っていうマイナー調の暗い曲が選ばれたり(笑)。

――今回のシングル、SCREWらしさがブレない1枚に仕上がっていますが、メジャーシーンでもそれが許されるのはとても幸せなことですよね。

鋲:はい。SCREWが今までやってきたことを認めてくれたんだなと。

和己:俺、メジャーってもっと厳しいイメージがあったんですよ。いろんな事を変えられてしまう場所だと思っていて。でも、それがないんですよね。もちろんディスカッションはあるんですけど、最終的に自分たちの意見を通してもらえたりしていて。

――メジャーに行っても変わらないことに、ファンの方々も安心したんじゃないですか? 

鋲:そこが今、一番伝わってほしいところですね。

――急にものすごくポップになったりしたらファンも「あれ!?」ってなりますしね(笑)。

和己:確かに(笑)。

――今、SCREWらしさを生かせる環境にいると思うのですが、メジャーに行ってこれをやってみたかった、やってみようと思っていることはありますか?

鋲:うーん、今のところやりたいことができちゃってるから、たくさんの人に聴いてもらえるようになるとわかったら、逆にものすごく挑発してみたいですね。やるならシングルリード曲で、振り切れたポップな曲とか出してみたい(笑)。

――ポップなSCREW! 聴いてみたいです。

和己:俺、今度試しに作ってみるわ(笑)。今までそういう考えは全然なかったんですけど、メジャーというフィールドでやらせてもらえることで視野が広がって、これからどんどんいろんな事ができたら良いなと思いますね。

◆メジャーと言うフィールドに身を置けるという事で、もっともっと広げられると思うんです(和己)

――今回のタイトル曲「XANADU」は“桃源郷”という意味ですが、このタイトルを付けた理由を教えていただけますか?

鋲:作品にはタイトルが必要なので付けましたけど、単品での意味はないんですよ。これは今年の4月くらいから1年先までの7周年に向けた自分たちのプランのタイトルなんです。今はまだ企業秘密ですけど、そのうち、このタイトルの意味がみんなに伝われば良いなと。

――大きく捉えてのタイトルなんですね。

鋲:もちろん、こういうタイトルがある以上は、曲も詞も4曲それぞれの主人公が各々の“桃源郷”を歌ってますけどね。

――主人公にはご自身を投影しているんですか?

鋲:いや、「ZOWIE」くらいですね。

――実は、タイトル曲「XANADU」の歌詞があまりにピュアで、「鋲さんってこういう人なの!?」と驚いたんです。ちょっと安心しました(笑)。

鋲:まぁ実は可愛いなと思ってほしいですけどね(笑)。「XANADU」は、届くはずのない女性に対して恋しているという、すごく切ない事を歌っているんですけど、言葉の選び方で純粋なイメージを持ってもらえると良いなと思います。

――今回、早い段階でタイトルも決まっていたということですが、制作は長い時間をかけてじっくり行われたのでしょうか?

和己:いやー、時間はなかったです。

鋲:ヨーロッパに1カ月近く行っていて、その間はバス移動で、スペースも時間もなく…。録りは7月頭でした。

和己:しかもカップリング曲も同時進行で。実はヨーロッパから帰ってきて再度選曲会をやって「ZOWIE」以外入れ替わったんです。何かと大変なレコーディングだったんですけど、もうこれ以上大変なレコーディングはないと思うので(笑)。

――お疲れ様です(笑)。どのあたりで苦労しました?

和己:録るのが、とにかく大変でした。俺、シングル曲なのに12曲くらい(のバリエーションを)弾きましたからね。

――それ、アルバムが録れちゃいますよ(笑)。

和己:なかなかしびれましたね。「何回弾けば良いんだろ!」って思いましたし。

鋲:だってシングルなのに2カ月くらい録ってましたからね(笑)。レコーディング前にやらなきゃいけないことをレコーディング中にやっていたりとか。

和己:(笑)。でもそのおかげでSCREWの次のステップが見えましたし、別のギターとの出会いもありましたから。良いものを作ろうということでディスカッションをして、鋲の艶のある声が出ている一番良い形の作品になったと思います。

――ぜひとも聴いてほしいという箇所はありますか?

和己:聴いてほしいというより、「XANADU」のPVのギターソロで鋲と少し絡んでる部分があるんですけど、そういうのは今まで撮ったことがなかったのでぜひ見てほしいですね。

――PVといえば、アー写でも使われている不思議なモチーフが登場しますが、これはどんな意味を持っているのでしょうか?

鋲:これは僕が持っている桃源郷のイメージをデザイナーさんに伝えて作ってもらったものなんです。桃源郷って人それぞれじゃないですか。その理想が詰まった感じです。

――なるほど。今回のレコーディング、鋲さんはいかがでしたか?

鋲:自分自身が良いなと思うことと、メンバーが良いなと思うことと、周りが良いなと思うことって絶対に重なり合わないんですけど、それがなるべく重なるように1個の点にしていくのが苦しかったですね。絶対一致することはないんですけど、それをいかに近づけていけるかがこれからの課題でもあり、その第一歩としてこの作品を出すことに身を削られました。本当に自分がわからなくなったし。

――作詞はいかがでした?

鋲:SCREWは100曲以上あるんですけど、すんなり書けた曲は1曲もないんです。すんなりできたとしても、一旦止めて別の方向から見たりして。でも、曲と違って自分が主導権を握れる部分なので、あまり流されずにできる作業ではあります。

――鋲さんの歌詞にはすごく世界観があって、その着眼点が面白いなと思いました。

和己:毎回、鋲の着眼点には驚かされてます!(キリッ)

鋲:(爆笑)。

――なんでキリッとしたんですか(笑)。それにしても、今回のシングルは世界観たっぷりの楽曲が揃っていますが、通常盤に収録される「ZOWIE」は真っ先にライブの様子が浮かびました。

和己:これ、ジンの曲なんですけど、100%ライブ意識で持ってきてくれた曲です。一番絵が浮かびますよね。

――リリース日からツアー(SCREW ONEMAN TOUR2012「XANADU-Seventh Heaven…-」)がスタートするということで、今回の収録曲をライブで聴けるのを楽しみにしています。最後に、SCREWは今回Vif初登場ということで、自分たちが思う“SCREWらしさ”について教えていただけますか?

鋲:例えるなら“花やしき”ですね。決してキラキラしたディズニーランドではなくて、アンダーグラウンドな遊園地かなと。いろんなアトラクション(曲)があって。そこで自分たちも楽しんでる、そこによりたくさんの人が入園してくれたら良いなと思います。

――アトラクションもどんどん増えて、どこまでも広がりそうですよね。

鋲:そうですね。結構曲の幅は広いと思うんですけど、6年半くらいやっていると、自分たちも曲の幅に飽きてくることがあって。ここで新しい方向に行けるのが楽しみだし、ちょっと前だったらバンドのイメージが崩れるから無し!って曲もあったんですけど、今だったらめちゃくちゃ明るい曲以外だったらやってみたい気持ちです。

和己:結構渋い曲とかあったよね(笑)。

鋲:普通にアニメのテーマソングになっちゃいそうなのもあったね(笑)。でもどこかに毒が入っていれば良いかなと。

和己:メジャーと言うフィールドに身を置けるという事で、もっともっと広げられると思うんです。そこに5人がいればSCREWですから。

(文・後藤るつ子)


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<プロフィール>

鋲(Vo)、和己(G)、マナブ(G)、ルイ(B)、ジン(Dr)の5人からなるロックバンド。2006年3月結成。当初はシークレットライブを精力的に行っており、2006年4月23日、高田馬場AREAの初ワンマンライブから本格始動。2009年10月には、フィンランドでのTsukiconイベント公演を成功させた他、2012年5月にはSCREW EUROPE TOUR2012『蠍-SASORI-』を行うなど、海外でも高い人気を誇る。2012年10月17日発売シングル『XANADU』で徳間ジャパンコミュニケーションズよりメジャーデビュー。同日よりSCREW ONEMAN TOUR2012「XANADU-Seventh Heaven…-」をスタートさせる。

■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/screw/

【リリース情報】


初回生産限定盤A
(CD+DVD)
¥1,890(tax in)

初回生産限定盤B
(CD+DVD)
¥1,890(tax in)

通常盤
(CD only)
¥1,575(tax in)

『XANADU』
2012年10月17日発売
(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
SCREWのメジャーデビューシングル。インディーズ時代から定評のあるクオリティの高いサウンドが更なる深化を遂げた、彼ら独自の世界観が際立つ一枚。

【収録曲】
【初回生産限定盤A】
[CD]
01. XANADU
02. 囀る刃

[DVD]
01. 「XANADU」Music Clip
02. Shooting Off Shot
03. Photo Shooting [Type-A]

【初回生産限定盤B】
[CD]
01. XANADU
02. Glass Cage

[DVD]
01. 「XANADU」Music Clip
02. Recording Off Shot
03. Photo Shooting [Type-B]

【通常盤】
[CD]
01. XANADU
02. 囀る刃
03. Glass Cage
04. ZOWIE

☆初回生産分のみ
スペシャルメンバーピクチャーレーベル5種ランダム仕様
スペシャルトレーディングカード6種類のうち1種類をランダム封入