MUSCLE ATTACK

SHINPEI(BREAKERZ)率いるロックバンド“MUSCLE ATTACK”が放つ1stアルバム、その名も『MUSCLE』! 結成から今作完成に至るまでの道のりに迫る!

BREAKERZのギタリストSHINPEIのソロプロジェクトである“MUSCLE ATTACK”は、SHINPEI自らメンバーを探し、パンクバンド“NICOTINE”のギタリストShunp、インターネットで見つけたベーシストのJong、学生時代からの旧友であるドラマーHIDEHIROと共に結成されたロックバンド。今年5月からライブ活動をスタートさせていた彼らが、11月27日、遂に待望の1stアルバムをリリースする。結成から現在までの活動、そしてアルバム『MUSCLE』について話を聞くうちに、集まるべくして集まったと思える“MUSCLE ATTACK”というバンドの全貌が見えてきた。

◆バンドってやっぱり家族だと思う(HIDEHIRO)

――新バンドということで自己紹介と「最近一番マッスルしたこと」をお願いします。

全員:(笑)

SHINPEI:なるほど、一言添えて(笑)。

Shunp:飛ばしますねー(笑)。

SHINPEI:ヴォーカル・ギターのSHINPEIです。今朝はドラゴンボールの映画を1本観ながら筋トレしてきました! よろしくお願いします!

Jong:ベースのJongです。このバンドでやらせていただいていること自体がマッスルです。よろしくお願いします!

Shunp:最近一番マッスルしたこと…なんだろな。なるべく綺麗な話を出せるように今考えています(笑)。

SHINPEI:全然綺麗じゃなくていいっすよ(笑)!

Shunp:俺には綺麗じゃないマッスルしかないのかと、今自問自答してるんだけど。

HIDEHIRO:くすんだマッスル(笑)。

Shunp:ギターのShunpです。部屋にG(ゴキブリ)が出まして、一人で戦って処理しました。プシューッ!って。

SHINPEI:スプレーを押すボタンに全筋肉を(笑)。

Shunp:すげー怖かったけど。

HIDEHIRO:ドラムスのHIDEHIROです。キリンさんが好きです。ゾウさんの方がもっと好きです。

Shunp:もうわからん世代いるよ?

SHINPEI:そうだよ。わかんない人いるよ。

――え、どういうことですか?

全員:(笑)

SHINPEI:ですよね!? そういう引っ越しセンターのCMがあったんですよ。

HIDEHIRO:ご存知ないですか?

Shunp:結構前だよね。

SHINPEI:全然マッスルの話じゃないけど(笑)。

HIDEHIRO:最近マッスル…? いつだってマッスルですよ! 常にマッスルです!

――(笑)。4人揃っての活動スタートが4月ということで、半年過ぎてみて第一印象との違いはありますか?

SHINPEI:Shunpさんは現在シーンで活躍しているNICOTINEというバンドでギターを弾かれていて、“ギタリストShunp”という存在はメンバーに誘う時からカッコイイなと思っていました。一緒にやってみて、よりそれを感じています。楽器を持たなくなると…。

Shunp:怖いー。

全員:(笑)

SHINPEI:陽気な関西人のお兄ちゃんっていう感じ。先日行ったバンド内のスタジオ合宿で、Shunpさんの家にメンバー全員泊まらせていただいたんですよ。そんなこともあって、最近はプライベート面もわかってきたりして、お茶目な面も持っている人だと思いましたね。HIDEHIROくんは十年来の仲ですけど、良い意味で全く変わってないですね。数年ぶりに会って、一緒に音を出すのなんて5年以上ぶりだったんですけど、会ってなかったブランクがないような、少年のまま大人になった感じですかね。

――動画(※オフィシャルサイトで公開した『「MUSCLE ATTACK」への道!』)で「ムードメーカーになりそう」と言っていましたが、その通りですか?

SHINPEI:本当にそうですね。ムードメーカーなのか、全部自分のムードに持っていっちゃうのかわかんないですけど(笑)。表裏のないカラッとした感じが変わっていなくて、好きだなと思いましたね。Jongくんはこのバンドを通して知り合ったんですけど、この中で一番若くてフレッシュさがあって、バンドに良い影響を与えてくれているなという…「良い新人入ったぞ」みたいな、フレッシャーズ代表ですね。

Jong:(笑)。自分よりすごく先の方でやっていた方たちだったので、最初は恐れを持っていたんですけど、それを感じずにやっていけるような優しい方たちなので、楽しくやれています。最初は写真で見ただけだったので怖くて(笑)。

SHINPEI:そんなイメージがあったんだ(笑)。

Shunp:恐怖に支配されていた(笑)。

Jong:危なかったです(笑)。それが喋ってみて一緒に音を出してみて、もちろん厳しく言ってくれる時もあるんですけど、優しい面がいっぱいありました。

――お二人はいかがですか?

HIDEHIRO:すーんげー楽しいっすよ。バンドってやっぱり家族だと思うので、言いたいことを言い合ってなんぼだし、それでお互い高め合っていくものだと。まさにその言葉通りのバンドだと俺は思います。

Shunp:第一印象とはそんなに変わらないですね。すぐスタジオで音を出したので、そのまんまって感じです。各々音楽を楽しもうっていうのが続いていて、この先も続くんやろなと思いながらやっています。

◆ギャップにやられそうだった(Jong)

――ここまでの活動は思い描いていた通りですか?

SHINPEI:めっちゃめちゃ濃い半年でしたね。とにかくバンド結成からライブまでが時間がなくて。いきなりタイアップを決めていただいたり、活動の場所を既に用意していただいていたので、そこ目掛けてすばやくバンドの形を作って、結束固めてやっていかなきゃというところだったので、スタジオに入っての練習がめっちゃ多かったんですよ。

――5月の初ライブの時の感触は覚えていますか?

SHINPEI:すごくワクワクしましたね。ただ、観に来てくれる人は全く曲を聴いたことがない状態なのでうまくいくかな?っていう不安もあったんですけど、結果的にはすごく一体感のあるライブになって、やって良かったなと思えましたね。

Shunp:お客さんとの距離感が近ければ近いほど生身で勝負するっていう感じになる。SHINPEIくんはこれまでに大きい会場でもやってきている中、ライブハウスで勝負するというのがおもしろいなと思って。どないなるんやろ?と思ってステージに上がったら、お客さんがちゃんと受け入れてくれる状態で。そこで勝負できるというのがすごく良かったなと。楽しかったです。

HIDEHIRO:お客さんがね…多かった(ニコッ)。

全員:(笑)

HIDEHIRO:というのも、俺とSHINPEIが専門学校生時代に一緒にバンドを組んでいてライブをやったことがあるんですよ。その当時のことをすごく覚えていて…お客さんが全然いなかったよね。

SHINPEI:そうだよね。3人くらいだった。

HIDEHIRO:十数年越しにこういうステージに立てて、思わずフラッシュバックしたよ。

Jong:寸前まで俺もまさにそういう感じのライブをしていたので、最初そのギャップにやられそうだったんですけど、一体感があって気持ちよく楽しくやれたなっていうのが印象的でした。

――ここまでで一番大変だった時期はどの時期でしょう?

SHINPEI:僕は初めて作詞にトライしたことですね。もちろん歌うことも同じくらい大変なんですけど、リアルな空間でバンドサウンドの協力も合わさって表現できる場所なのでまだ大丈夫なんです。作詞って本当に一人で机に向かって黙々と取り組む作業なので、そんな地味な場所でMUSCLE ATTACKの熱い世界観を表現するというのが、自分の中でペースを掴むまで大変でした。あとは英詞もあるのでチャレンジの連続だったんですけど、できあがった時の充実感はハンパないですね。

――8曲中6曲が英詞ですが、英詞にしようというのはどの段階で決めていたんですか?

SHINPEI:パンク魂溢れるメンバーを集めて曲を作っていた段階で、メロディに英語を乗せた時、いい感じのアタック感みたいなものが日本語にはないものだったので、練習を始める頃には英詞にしてみようかなと思っていましたね。

――大変でしたか?

SHINPEI:これがねぇ…結構大変なんですよ。日本語でなんとなくイメージを作った後に英語に置き換えるというやり方をしているんですけど、なかなかメロディにハマらないんですよ。ビシッとハマるものが見つかった時は宝探しゲームの宝を見つけたような感覚で。最近ちょっとずつコツが掴めてきて、昔ほど時間はかからなくなってきましたけど、1ヶ月かかってやっと1曲という時もありました(笑)。

――「1週間で曲を完成させろ」という指令(※『「MUSCLE ATTACK」への道!』内での指令)はかなりヘビーでしたか?

SHINPEI:そうですね。でも「My BLOODY BUNNY」に関しては締切があることによってお尻に火が点いたっていうのはあったかもしれないですね。何も題材がない中で歌詞を書くよりも、タイアップの「BLOODY BUNNY」をイメージしながら取り組めたし、そういう色々な要素が絡まってなんとかできたかな。

――この「My BLOODY BUNNY」と「SPREE」はJongさん作曲ですが、結構メロコア系がお得意なんでしょうか?

Jong:そうですね。ポップなものが好きなのもあって、メロコアが好きで。大体こういうポップパンクみたいなものが好きですね。

――今回の曲作りは順調でしたか?

Jong:締切があったのと皆と力を合わせてできたので、それなりに順調にできたと思います。

――バンドとしては現在何曲くらいあるのでしょうか?

SHINPEI:15曲くらいかな。その中でも特にライブでいい感じになっているものを厳選してアルバムにしましたね。

――今作は6曲がSHINPEIさん、2曲がJongさん作曲ですが、ShunpさんとHIDEHIROさん作曲のものもあるんですか?

SHINPEI:あります。今回のアルバムには収録されていないんですけど、もうライブでやろうとしている曲もあるので、今後他のメンバー作曲の曲も聴ける機会があるんじゃないかな。

◆皆で一つの歌を歌っている感覚は強い(SHINPEI)

――今作は前向きで勢いのあるライブで盛り上がりそうな曲揃いですが、1枚の作品としてのテーマを掲げての制作だったのでしょうか?

SHINPEI:バンド名もアルバムのタイトルも筋肉ばっかりなんですけど…筋肉です(笑)。ブックレットも自分の体に曲のタイトルをペイントしてもらって。ジャケットも含めてマッスルでいこうかなと。

――体にペイントされるのはどんな気分でした?

HIDEHIRO:パッと散らしてたよね。あれが冷やっとするんだよね。

SHINPEI:二度と描けないオリジナリティのあるハンドメイドです。

HIDEHIRO:良い経験させてもらったね。

SHINPEI:ヴィジュアル系バンドじゃないのに、メイク時間がハンパなく長かったですね。体のメイクに時間がかかって(笑)。めっちゃかっこいいジャケットになりました。

――SHINPEIさんはヴォーカルを担当してみていかがですか?

SHINPEI:音楽って深いなって思いましたね。楽しいと思いながらも難しくて色々な練習をしてクリアしていくっていう、ギターを持ち始めた頃の感覚みたいな。そういう気持ちを今ヴォーカルに対して持っています。BREAKERZでDAIGOさんの隣でギターを弾きながらコーラスをとるという歌とは本当に天と地くらいの差がありますね。真ん中で歌って曲を背負う…責任と言うと硬いですけど、曲に対するポジションというのをひしひしと感じています。ボイストレーニングも行うようになり、日々新しい発見だらけです。

――ヴォーカルの録りは順調でしたか?

SHINPEI:ギターを録る時よりも全然時間かかっちゃっていますね。コントロールできない部分も多いんですけど、ふとした時にうまくいく時もあって、補助輪付けた自転車に乗ってたけど、ある時急に補助輪なしで乗れるようになったみたいな感覚を感じている日々です。まだまだ整えていかなきゃいけないところはたくさんあるんですけど、すごく良い経験になっていますね。

――メインヴォーカルはSHINPEIさんですが、他のメンバーの皆さんもヴォーカルを担っていますよね。音源としても皆さんの声が入っているのが印象的ですが、この形態になったきっかけというのは?

SHINPEI:そもそもメンバーを探す時に、コーラスとしてじゃなくヴォーカルをとれるくらいポジショニングしてくれるメンバーがいたらいいなと思って探していたんです。特にJongくんは自分で曲を作って歌も歌っているマルチな1曲をネット上のプロフィールに上げていて、十分ヴォーカルでも通用するクオリティだなと思ったので、今回2曲(「My BLOODY BUNNY」「SPREE」)をメインで歌ってもらっています。ShunpさんもNICOTINEでメインで歌ってる曲もありますよね?

Shunp:たまーにね。

SHINPEI:Shunpさんにも今回Aメロの間の手とかでヴォーカルとして立ってもらったり。HIDEHIROはドラムの音だけじゃなく声もすんげーでかいので、オーディエンス要素として入ってもらって。掛け声担当(笑)? でも普通に歌うと意外と優しい声なんだけどね。

HIDEHIRO:そうそう。ラーラーラ ララーラ♪

全員:(笑)

SHINPEI:皆で一つの歌を歌っている感覚は強いかもしれないですね。

◆もちろん刺激もあるけど、ホッとする(Shunp)

――SHINPEIさんとShunpさんはギタリスト同士刺激を受け合っている部分もありますか?

Shunp:本人に言ったことないんですけど、わりと芸風が似てるんですよ。

SHINPEI:芸風(笑)。わかります。

Shunp:ギターの中でも色々な芸風があると思うんですけど、なんか似ててね。親近感があるという方が強いですかね。もちろん刺激もあるけど、ホッとする(笑)。

SHINPEI:確かに。曲作りの時とか、なんとなく自然に浮かびますもんね。

Shunp:人間が集まったら「それないわ」っていうアイディアが出る可能性も高いんですけど、それがなくて。たぶん俺のギターも大丈夫だろうと自分で思ってるんですけど(笑)。パート分けも細かい話はせずにできあがっていってるので、なんか生っぽくていいなと思ってます。

――なるほど。HIDEHIROさんは久々にSHINPEIさんと音を鳴らしてみて、昔と比べていかがでしたか?

HIDEHIRO:体がゴツくなったなと。音自体は良い意味で変わってない。スピリッツというか。俺と似たような音を出すなって。そういうところは昔から全然変わってなくて…好きです。

SHINPEI:…ありがとうございます。僕もです(笑)。

――ついに初の全国ツアーが始まるわけですが、「MUSCLE ATTACK presents. MUSCLE ATTACK vs YOU!?」という対バン募集企画がありますよね。

SHINPEI:せっかく全国を回るので、ただ自分たちがライブをやるだけじゃなく、何かおもしろいことができたらなと。仲間のバンドを招いてやる会場も出てくると思いますが、それ以外にも全く知らないところから募集をかけて刺激し合っていければ、より楽しいんじゃないかなということで、今回一般募集という企画を立ち上げました。

――手応えはいかがですか?

SHINPEI:今まさに話し合っているところなんですけど、すごくバラエティ豊かなツアーになりそうですね。近いジャンルの人もいれば、よりイカついメタルバンドみたいな方もいるし、楽器を持ってない歌だけの人からも応募が来ていたりして、一緒にやったらどんな感じなんだろうって思いますよね。その辺はイベントが盛り上がるようにうまく組み合わせられればなと思います。

――では、ツアーに向けての意気込みをお一人ずつお願いします。

HIDEHIRO:太く短く! 一直線! 以上です。

全員:(笑)

SHINPEI:ケンカをしない(笑)。18カ所メンバー全員が機材車に乗り込んで回るんですよ。基本、仲が良いので問題は起こらないと思うんですけど(笑)。このバンドがより成長できるツアーになることは間違いないので、仲良くワイワイ楽しくいきたいです。

Shunp:ライブ自体は水ものと言いますか、1ライブで色々なことが起こるんですけど、これがツアーになるともっとおもしろいことが起こったりするんですよ。それを皆さんに見てもらいたいなと。一カ所のライブハウスだけじゃなくて、色々なことが起こっていく全貌を伝えられる方法があればいいなというくらい、ツアーを見てもらいたいですね。あとは食事なんですけど、絶対ごはん系と麺系に分かれるんですよ(笑)。それがどうなるか。

SHINPEI:それはまだ探ってないですね(笑)。

Shunp:俺はあえて今言わんけど。

SHINPEI:パーキングエリアで判明させましょう。

――最後に、MUSCLE ATTACKのSHINPEIとしてVifユーザーの皆さんにかっこよく締めの言葉をお願いします!

SHINPEI:かっこよく(笑)? 筋肉鍛えたきゃ俺んとこ来いよ! …こんな感じ…どうですかね?

全員:(爆笑)

SHINPEI:僕たちのライブはバンド名の通りスポーツライクな熱いライブになることは間違いないので、寒い冬、体を温めたくなったらダイエットにぴったりなMUSCLE ATTACKのライブはいかがですか? そんな感じで(笑)。

全員:(笑)

(文・金多賀歩美)


MUSCLE ATTACK

<プロフィール>

2007年にデビューしたBREAKERZのギタリストSHINPEIによるソロプロジェクト。2013年2月、BREAKERZのライブにて“MUSCLE ATTACK”の結成を発表。バンドメンバーなど一切決まっていない状況の中、さらなる飛躍、挑戦としてSHINPEI自らメンバー探しを行い、晴れて4月、SHINPEI(Vo&G)、Shunp(G&Vo)、Jong(B&Vo)、HIDEHIRO(Dr&Vo)の4人によるロックバンド“MUSCLE ATTACK”が誕生した。5月11日、morph-tokyoにて行われた1stライブからこれまで開催されたライブの全てが完売。11月27日、待望の1stアルバム『MUSCLE』をリリースし、今作を引っさげ初の全国ツアーを開催する。

■オフィシャルサイト
http://shinpei-muscleattack.net

【リリース情報】


ZACL-9070
¥2,300(tax in)

『MUSCLE』
2013年11月27日(水)発売
(ZAIN RECORDS)
BREAKERZのギタリスト、SHINPEI率いるロックバンド“MUSCLE ATTACK”の1stアルバム。ストレートで攻撃的でメロディアスなロックナンバー揃いの1枚。

【収録曲】
1. MUSCLE PARTY
2. My BLOODY BUNNY
3. RUNNER’S HIGH
4. FIRE!!
5. HIGHER
6. HERO
7. SPREE
8. BYGONES