MEJIBRAYの集大成にして最新作となるシングルコレクションが完成! 珠玉の楽曲たちが一堂に会した作品をフィーチャー!
結成からわずか3年という驚異的なスピードでシングルコレクション『SM』をリリースするMEJIBRAY。今回の作品では、彼らが精力的に世に放ってきた名曲たちがずらりと顔を揃えた。「4人がやりたいことを好きなだけやる」というバンドのスタンス、そしてその中で出来上がった「現時点でのMEJIBRAYの“最高”」の作品について、Vif初登場となる4人に語ってもらった。
◆この作品が現時点でのMEJIBRAYの“最高”(恋一)
――今作のタイトルは『SM』ですが、読み方は?
綴:そのまま「エスエム」です。
――これは何の略ですか?
綴:最近流行っているのは…
MiA:「すごいメジブレイ」。
――(笑)!
綴:そういう当て字ゲームをしてます。他にも「素晴らしいMEJIBRAY」とか、「そうですMEJIBRAY」とか…
MiA:「それってMEJIBRAY」とか。
――てっきり「Sadisgate」の歌詞のようなSとMかと思っていたのに!
綴:この方が面白いじゃないですか(笑)。
――確かに(笑)。ところで、今回のシングルコレクション(通常盤)には、結成から現在までのシングル10曲+c/w1曲が入っていますが、新たに録り直している曲もありますよね。
綴:「KILLING ME」と「Divergence」、ドラムは「サバト」と「カルマ-瓦礫のマンティコーラース-」を含む4曲ですね。
メト:………………………。
るあな:時間があったからドラムを多く録り直しました、と言っています。
綴:ドラムを変えたことで、さらにバチッと合いました。
――ドラムは大幅に変えようと思っていたんですか?
メト:………………………。
るあな:そういう考えは全くなくて、いつもライブでアレンジをして叩いているので、それを音にしただけです、と言っています。
綴:ヴォーカルも、ライブアレンジのメロをレコーディングしているんですよ。ライブに来ている子は「やっとあの音が音源になった! 家で聴ける!」と思うんじゃないかと。
――ライブを観た人には、たまらない1枚になりそうですね。でも、このタイミングで「KILLING ME」を録り直したのはなぜですか?
綴:この曲だけMVがなかったんですよ。なので、「映像撮ろうぜ!」「じゃあ音も録ろうぜ!」ということに。
恋一:「そろそろMV」です。
綴:SMだね(笑)。
――なるほど(笑)。それにしても、MVを撮らんとして音を録るというのは珍しい流れですね。
恋一:そうですね。僕個人的には、この曲は録り直したというより、新しい曲を出した、という感じなんですよ。進化じゃなくて、別物。シングルの「KILLING ME」を出した時も、今回のアルバムの「KILLING ME」を出した時も、それぞれ最高にかっこいいと思っているし、シングルで出した時とベースが変わっているので、今回、新しくこの曲にベースを入れてあげるって感じでしたね。
――新曲の「KILLING ME」、MiAさんと綴さんはどんな変化がありましたか?
MiA:僕は、この曲のギターについてのファンの方から色々意見をもらっているんですけど、真相は今はまだ内緒です。1年後くらいに発表しようかなと(笑)。
綴:僕は、声に無理がなくなりましたね。ピッチも伸びているし、感情ののせ方とか、歌詞に対しての自分の解釈にも成長を感じてます。新たな観点で、引き出しが増えたことによって、ニュアンスも付けられるようになったなと。「こういうシャウトに置き換えたい」っていうことも、最初から考えてレコーディングに入れたし。
――思い描いていた通りの作品に仕上がったんですね。
恋一:現段階で「Divergence」と「KILLING ME」をMEJIBRAYの最新作として世の中に出している、つまり、この作品が、現時点でのMEJIBRAYの“最高”ということです。
◆今こうしてみんなで、ここで笑っているってことは、大丈夫ってこと(綴)
――MEJIBRAYは2011年6月結成ですよね。結成から3年経たずに、シングルコレクションが出せるほどの曲数があるというのは驚異的です
綴:僕らもびっくりしているんですけど、これまでにシングルの他に、ミニアルバム2枚、フルアルバム1枚を出しているんですよ。リリース大好きなんです。
――この段階でシングルコレクションを出すことは、前々から決めていたんですか?
綴:いや、今回、出したいって言ったら社長からOKが出たんです(笑)。
恋一:MEJIBRAYは「今、これをやりたいからやります。」っていうのが多いんですよね。将来の計画というより、「次のステージをこういう風にしよう」とか、基本的に目の前のことを考えてます。全員に共通しているのは「新しいものが好き」ってことと、「常に最新に」ってことなんですよ。そしていつも、今日死んでもいいと思って活動してますからね。
――それは結成当初から?
恋一:そうですね。これが一番変わっていないことかも。悪く言えば行き当たりばったりだけど、こうやって4人のスタンスが変わっていないのが一番良いことだと思います。
――では、一番変わったことは?
メト:………………………。
るあな:俺じゃないですか? と言っています。
綴:メトの髪の毛は変わってるかもね(笑)。
恋一:特に大きくは変わってないです。
MiA:僕は、気づいたらたくさん後輩ができていたことです。
綴:僕がMiAと出会った時、彼はまだ未成年だったんですよ。でも今は、いろんな後輩に慕われてますからね。
――メンバー間の関係性は変わりましたか?
恋一:結成当初からそれが変わっていないから、解散していないんですよ。人が変わったらそこに穴が大きく空いて、めちゃくちゃなバンドになっちゃうじゃないですか。そういうのって、1つでもバランスが崩れたら終わりなんですよね。
綴:30公演やって毎日一緒に行動したのに、今こうしてみんなで、ここで笑っているってことは、大丈夫ってことです。
恋一:うちは、基本的にルールがないから、4人がやりたいことを好きなだけやっているんです。みんなやりたいことを思いっきりやったら、死ぬときに後悔しないと思うんですよ。
――恋一さんのブログを読んでいるとそれが伝わってきます。
恋一:だって、明日隕石が落ちてくるかもしれないじゃないですか。
綴:あ、恋一さんは、最近キャシャーンになりたいらしいんです。その前はアーノルド・シュワルツェネッガーだったんですけど。だから隕石落ちてきても大丈夫です。
――なぜキャシャーン(笑)。でも、刹那的というか、ロックな生き様ですね。
恋一:だらだらやってるひとはだらだら死んでいくんですよ。
綴:恋一の名言、出た!
恋一:何かが欠けている人間て、何かが特化するものじゃないですか。ステージを観て、「こいつは、明日のライブのことを考えて力を出し惜しみしているな」って思われるようなやつは辞めたほうがいいんですよ。「明日声が出ないかもな」と思って歌っているヴォーカルには誰も共感しないし。
綴:ちなみに、恋一さんが僕をヴォーカルに選んだのは、「明日死にそうだから」って理由ですからね。「あ、こいつステージで死ぬなー」と思ったらしくて「一緒にバンドやろ」って思ったらしいですよ。
――あの鬼気迫るライブを観れば納得です。
メト:………………………。
るあな:ちなみに僕は昨日、恋一に「きみは天使みたいな存在だ」って言われた、と言っています。
綴:え、それ、明日死にそうなんじゃなくて、もう死んでるってこと?
全員:(笑)
◆バンドの名刺代わりです(MiA)
――今回のシングルコレクションはどんな位置づけの作品ですか?
MiA:バンドの名刺代わりですね。MEJIBRAYは曲が多いから、バンドを紹介するとき、どのCDを渡したらいいかわからないじゃないですか。でも、これを1枚渡せばわかってもらえるなと。これを聴いて引っかかるものがあったら他の音源も聴いてもらって。
綴:うん。『MESSIAH.bat』(2013年リリースのミニアルバム)を買って…
MiA:『Slivers.exe』(2011年リリースのミニアルバム)も買って…、シングルを全部揃えて…、DVDまでコンプリートしてもらえればと思います(笑)。
――それにしても、今回10曲を改めて聴き直してみて、MEJIBRAYの楽曲はメタル色が強いのに、メロが美しくて本当に聴きやすいと思いました 。
綴:バンドを始めた当初から「歌えるメロディ」「耳に残るメロディ」というのを掲げていたんです。シングル曲だけ並べるとそこが際立ちますよね。
――収録された10曲の中で、自分のターニングポイントになった曲はありますか?
MiA:うーん、常に進化はしていますけど、変わってはいないんですよ。ギターや機材は変えたりしていますけど、常に全力なので全てがターニングポイントだと思ってます。
メト:………………………。
るあな:服と一緒ですよ。安くてもおしゃれな人は着こなしちゃうじゃないですか、と言っています。
――確かに! では、メトさんのターニングポイントは?
メト:………………………。
るあな:よくよく考えると僕も進化しているだけで、ガラッとは変わったことはないですね。僕であることには変わりないですから、と言っています。
――恋一さんはベースをリッケンバッカーに変えていますが、これが大きな変化に繋がりましたか?
恋一:そうですね。新しいベースは「DIE KUSSE」の時から使っているんですけど、僕的には、このベースで弾いているからこの曲がかっこいいんですよ。僕には音の良し悪しはわからないし、素晴らしいフレーズやニュアンスを入れてくれと言われたら、それは上手いひとや、わかるひとがやればいいと思う。僕は弾きたいベースで弾きたいことを弾いているのが大事なんです。自分にとって必要なアイコンなんですよ。アイアンマンだって、スーツがなければ変身できないじゃないですか。僕には、それがリッケンバッカーという楽器だったってことです。
――では、アイコンを手に入れて本領発揮ですね。
恋一:はい。もう最高ですよ。正直言うと、前のベースの方が、サウンド的には良い音がしていると思うんです。でも僕はリッケンバッカーで弾きたいから弾く。だから、当時の「KILLING ME」と今の「KILLING ME」は、僕にとっては違う曲なんです。
綴:僕は「アプリオリ」で進化しましたね。デビューして1か月くらいの頃、急に声の不調で、今まで出ていた音が出なくなったんです。知り合いのボイストレーナーの先生に相談したら、ヴォーカル変声期だって言われて。今まで出ていた高音と低音の中間が出なくなって、声がガラガラになるから歌うのが嫌になっちゃうんです。レコーディングのたびに「前は出てたのにな…」って思ってましたからね。それでも続けていたら、ちゃんと声が復活してきて。ミッドが出るようになったのが「アプリオリ」です。それ以降は声が違いますし、何より歌うのが楽しいんです。
――突然出るようになるんですか。
綴:そうです。あと、「アプリオリ」のレコーディングから伊藤(マネージャー)がスタジオに応援に来るようになったんですけど、悩みながら歌っていると、この人が何か叫びながら歌っていて、楽しいです(笑)。ニュアンスのことも的確に白黒つけてくれるのでやりやすいし。
――レコーディング、楽しそうですね(笑)。そういえば、「Divergence」(通常盤のみ収録)は恋一さんがコーラス初参加だそうですが。
恋一:そうなんです。
綴:僕、ライブではその部分は歌わずに恋一さんにお任せしますからね。前に、ライブでラスサビ前のヴォーカルソロ〈Divergence いつか~〉のところを歌わなかったことがあったんですけど、そうしたら恋一さん一人で〈Divergence〉(裏声)って(笑)。
恋一:その部分のライブ音源をみんなで聴いて笑うんですよ。かれこれ1年以上も引っ張ってますからね(怒)。
綴:エンドレスでかけてみんなで聴いてます。「やめてよ!」って言われますけどね(笑)。
◆MEJIBRAYはMEJIBRAYですから(メト)
――MVは特に顕著ですが、MEJIBRAYは作品ごとにヴィジュアルが目まぐるしく変わりますね。
綴:そうですね。うちは衣装を各々で決めるので、他のメンバーの衣装は撮影当日に知ることが多いんです。だから、「DECADANCE – Counting Goats … if I can’t be yours -」の時のメトのクマの衣装を見た時は「おはよー…うっ!」って。
全員:(笑)
綴:「クマがいる!」と。あと、「DIE KUSSE」の時は“パンク”ってテーマを掲げていたんですけど、メトがキュートなパンク少女で来ると予想して、キスシーンを撮ろうと思っていたんです。なのに、刈り上げヒョウ柄の“メトさん”で来ちゃったので、キスシーンはなくなりました。アヴァロンの時は犬っぽかったし、その前もドール的な要素が強かったから、絶対パンク少女だと思ったのに、まさかの刈り上げヒョウ柄で(笑)。でもあのメトはすごくかっこよくて好きなんですよね。
――各々が決めているとは思えないほど、全体の統一感がありますよね。
綴:みんなセルフプロデュースが上手いし、ちゃんと他のメンバーのことを見ているんですよ。「あれ着ろ、これ着ろ」じゃない、それがMEJIBRAYらしさかもしれないですね。
――『SM』でMVもじっくり見ていただきつつ、リリース後にはツアー「『新章:SM=イツカヒビキワタルウツクシキミニクイヴォイスダイバー』~ゴヤ、これは見慣れぬもので一杯な悪夢、魔宴(サバト)のさなかに煮られる胎児、老婆の化粧、悪魔を誘惑しようとて、靴下なおす裸の少女。~」がスタートしますね。このタイトルは何を意味するのか、気になっていました。
綴:これは、歌詩と一緒で秘密です。
――そういえば、綴さんが書くのは“歌詞”ではなく“歌詩”なんですよね。
綴:“歌詩”だと、「筆者にしか意味が解らない」という意味になるので、解釈は聴き手に任せているんです。僕は、あまり「歌詞でこういうことを書いています、感動してください」という押しつけが嫌いで。だから、歌詩についてインタビューされてもあまり語っていないんです。
――歌詩同様、謎に包まれたツアータイトルですが、「新章」と付いているからには、これまでの「序章(2013年10月に行われたツアー「A PRIORI 詠: 序章-Counting Goats-」)」、「第伍章(2014年3月に行われたツアー「DECADANCE Symphony 」-第伍章-渡り鴉と使い魔)」とは、また異なる章が始まるのでしょうか。
綴:それはぜひ、ライブで確認してください。「序章」は“破壊”、「伍章」は“構築”、「新章」は“新たな再生”がテーマです。
メト:………………………。
るあな:ライブに来ないと答えはわかりませんよ、と言っています。
――ではこのツアーではどんなMEJIBRAYを見せたいですか?
メト:………………………。
るあな:MEJIBRAYはMEJIBRAYですから、と言っています。
MiA:来た人にしか感じられません。
綴:僕の中でZepp Divercity Tokyoのセットリストは大分固まってきているんですけど、今、頭の中にあるものにGOが出たら、新しいものができるんじゃないかと思いますね。最初からクライマックスのつもりでいきます。
恋一:ラストはお台場なので、「ガンダムかMEJIBRAY」かって感じで、ぜひガンダムを見てからMEJIBRAYを観に来てください。
(文・後藤るつ子)
MEJIBRAY
<プロフィール>
綴(Vo)、MiA(G)、恋一(B)、メト(Dr)の4人からなるロックバンド。2011年6月18日より活動をスタートさせ、2011年8月24日、1stシングル『KILLING ME』をリリース。同年12月7日にはミニアルバム『Slivers.exe』を、2012年5月2日には1stフルアルバム『Emotional【KARMA】』をリリースする他、精力的にライブを行う。5月7日にシングルコレクションである今作『SM』をリリース後、3周年記念7大都市ワンマンツアー「『新章:SM=イツカヒビキワタルウツクシキミニクイヴォイスダイバー』~ゴヤ、これは見慣れぬもので一杯な悪夢、魔宴(サバト)のさなかに煮られる胎児、老婆の化粧、悪魔を誘惑しようとて、靴下なおす裸の少女。~」がスタートする。
■オフィシャルサイト
http://mejibray.com
『SM』
2014年5月7日発売
(発売元:フォーラム)
3ヶ月連続リリースの第3弾としてリリースされるアルバムSINGLE COLLECTION。MEJIBRAYの3年間を集約したベスト盤。
【収録曲】
【初回豪華盤二枚組】
[CD]
01.カルマ-瓦礫のマンティコーラース-
02. KILLING ME
03.サバト
04. Sadisgate
05. EMILY
06.アヴァロン
07. DIE KUSSE
08. アプリオリ
09. 醜詠 10. DECADANCE – Counting Goats … if I can’t be yours –
[DVD]
01.カルマ-瓦礫のマンティコーラース-
02. KILLING ME
03.サバト
04. Sadisgate
05. EMILY
06.アヴァロン
07. DIE KUSSE
08. アプリオリ
09. 醜詠 10. DECADANCE – Counting Goats … if I can’t be yours – All Music clip
【通常盤】
[CD]
01.カルマ-瓦礫のマンティコーラース-
02. KILLING ME
03.サバト
04. Sadisgate
05. EMILY
06.アヴァロン
07. DIE KUSSE
08. アプリオリ
09. 醜詠 10. DECADANCE – Counting Goats … if I can’t be yours –
11. Divergence