インタビュー

GREMLINS

GREMLINS

約1年ぶりとなるGREMLINSの最新作が完成! 独自の音世界をさらに突き詰め、新たな可能性を垣間見せるニューシングル『フェルマータ』をフィーチャー!

1stアルバム『MAD THEATER』から1年、遂にGREMLINSの新たな作品が完成した。Hits(G&Vo/柩 NIGHTMARE)とKNZ(Dr/KENZO ANOMIY.、BVCCI HAYNES)の二人の手によって生み出された本作の楽曲は、これまでの彼ららしさに加え、さらにその先を示唆するような新鮮さが散りばめられている。“終わり”を意味する意味深なタイトル曲「フェルマータ」をはじめ、収録された曲たちに彼らが込めた意味は一体何なのか。GREMLINSが描き出す唯一無二の音をじっくり聴き込んでいただきたい。

◆スケジュール的にターボをかけさせられました(Hits)

――GREMLINSは約1年ぶりですね。

Hits:そうですね。でも、GREMLINSとしては1年ぶりなんですけど、俺らは普段からちょくちょく会ってますからね(笑)。

KNZ:そのせいかGREMLINSとしても1年ぶりって感じがあんまりしないし、むしろ、「1年も経ってるんだ!」って思うね。

――お二人とも各自の多忙な活動の合間を縫ってのGREMLINSとしての活動再開だと思いますが、今回の曲作りはいつ頃スタートしたんですか?

KNZ:去年の11月くらいから作り始めて、12月にプリプロかな。GREMLINSはいつも結構ギリギリなんですよね(笑)。曲は、前に作ってボツになったものがあったので、それを形にしてもいいのかなとも思ったんです。でも、やっぱり今をパッケージしたい気もするし、やるにあたってこの作品を出す意味を自分の中でも持っていたい…ということで、今回は3曲ともおニューです。

――この短期間でおニュー3曲を揃えるとはさすがです。

KNZ:慣れてますから(笑)。でも、曲作りはともかくHitsが歌詞を書くのがものすごく早いんですよ。

Hits:そうかも…でもこれはタイミングだよね。

KNZ:うん。制作物って、言葉も楽曲のインスピレーションもそうだけど、アイディアが出るときはブワッて出て、出ないときは何も出ないよね。

Hits:タイミングを掴む感じだよね(笑)。

KNZ:そうそう。「今かな!」ってタイミングでやるしかない。

――アーティストならではの感覚ですね。

KNZ:普通に生活している時の「あ、掃除しよ」と同じ感覚ですよ。「何か汚ねーな」、から一気に大掃除する時もあるし、自分の周りだけちょこちょこっと掃除して終わりにしちゃう時もあるでしょ? そんな感じに近いんじゃないかな。

――今回は一気にターボ全開だったんですね。

Hits:スケジュール的にターボをかけさせられました。

KNZ:自分でかけるっていうより、勝手にボタン押された感じだよね。

Hits:「無理無理無理! ボタン押さないで! …あ、押された」みたいな(笑)。本当はもっとスケジュールに余裕がほしいんですけどね。

KNZ:あと1ヶ月違うだけで違いますからね。

――でもそんな過密スケジュールでも作品が見事完成したのは、お二人のコンビネーションがさらに安定したからなのでは。

KNZ:そうですね。プライベートでは元々付き合いがあったけど、最近はGREMLINSとしても安定してきているなと思います。GREMLINSにとって、前回のミニアルバム『MAD THEATER』は一つの節目だったんです。その上で今回は、ここから新たにどういう風になっていくかを考えました。GREMLINSというものをなくさずに新たな方向への示しになるような、作品自体を分岐的なものにしたくて。いつもだったら、例えば先々に出すアルバムから逆算してシングルを作ったりするんですけど、今はまだこの先のリリースをどうするかとか、バンドの方向性をどちらの方向にシフトするかを話していない。でも、今回の作品には、どちらの方向にも行けるような、ここから先、こうなっていくんだろうなっていう期待感と、GREMLINSならではの安心感の両方を持たせたかったんです。

――今回の作品は、まさにGREMLINS感がありつつも新しい感じがする作品でした。

Hits:そう言ってもらえると嬉しいです。

KNZ:間違っていなかったんだなと思えるよね。

――新しい方向に舵を切るというのは勇気がいることではあると思うんですが。

KNZ:それは確かにそうかもしれませんね。好きなアーティストが出した作品が期待しているものと違うと、リスナーもガッカリすると思うし。でも、僕らは好きなことをやりつつ、その中で新しい方向も示したかったんです。

◆音像の空気感や音の在り方、音の居場所がGREMLINS(KNZ)

――GREMLINSでは、楽曲はどういう風に作るんでしょう?

KNZ:僕が基本を作って、Hitsと構築していきます。今回はHitsが何カ所かメロディを変えたりしましたけど、空気感は変わっていないですね。お互い別の形でバンドもやっていますけど、その中でGREMLINSはGREMLINSのカラーを出したいなと思うので、他の活動の時とはちゃんと切り替えて作っています。

――GREMLINSの楽曲は、すでにしっかりと確立されている感じがします。

KNZ:確かにGREMLINSてGREMLINSらしさが既にできてきてるような気がします。でもそれはHitsの声のせいもあるんじゃないかな。

Hits:そうかなぁ。実は俺よくわかってないんだけどね。

――KNZさんの音にHitsさんの歌が見事にマッチしていますよね。

KNZ:そう思って頂けると幸いです。

――Hitsさんは前回の『MAD THEATER』で歌について、暗中模索中だと言っていましたが、今回の作品で余裕が出てきましたか?

Hits:いやいや、まだまだ全然です。曲数は増えましたけど、なかなかそう思うには至らないです。「余裕っすよ!」て言うまで、あと3年くらい待ってください(笑)。

――楽しみにしています(笑)。さて、今回のタイトル『フェルマータ』ですが、意味は「楽曲の終わりを示す終止記号」ですよね。このタイトルを見てドキッとした人も多いのではないかなと思います。

KNZ:活動が止まっちゃうのかなって(笑)? 実は、見てくれる人によってはドキッとするのかなっていう思惑もありました。でも、そういうわけでもないんですよ。フェルマータ記号って、時代によって意味が違って「音符や休符の延長」って意味もあるじゃないですか。そういうことも踏まえて、聴き手がどう捉えてくれるかなと。

――その解釈は聴き手次第なんですね?

KNZ:そうです。作品の聴きどころも、聴く人によって各々好きな部分があるだろうし、リスナーの自由で良いと思います。僕なりに一つ挙げるとしたら、今回は全体的に、「音像の空気感や音の在り方、音の居場所がGREMLINSだな」と自分で作っていて思ったので、そこが一番の聴きどころかな。やっぱりGREMLINSはGREMLINSなんだなと。

――音そのものがGREMLINSなんですね。Hitsさんは歌詞の面でGREMLINSを意識していますか?

Hits:いや、そこまで意識していないかもしれませんね。

KNZ:HitsはNIGHTMAREでほとんど歌詞を書いていないから、書けばすなわちGREMLINSになるのかもしれないね。今回の歌詞も面白かったし。

Hits:あ、面白かった? 今回書いた中では「フェルマータ」が一番時間がかかったかな。どうやって言葉にすればいいのか悩んだので。歌詞の意味合いについてはリスナー各々の捉え方でお願いします。答えはあるけど、最初から答えを出したくないんです。でも、いつか答え合わせをするかもしれないですけどね。

◆これまでなかったようで近い空気感のものがあるような曲(Hits)

――c/wの「MASK」にはセクシーな女声コーラスが入っていますね。

Hits:元々デモの時は生の声ではなかったんですけど、空気感的に生の声を入れたいって言って、セクシーな感じで歌ってもらいました。GREMLINSの女声コーラスは基本この人にやってもらっていて、「BEAUTY&STUPID」(B typeのみ収録)や「Fellow Traveler」(2nd Single『故、』c/w)でも同じ人にお願いしています。

――「MASK」は作曲段階から曲にセクシーさを出そうという意図があったんですか?

KNZ:空気感をそっちに持って行きたかったんです。ポップなんだけど若干妖艶さがある感じ。人それぞれ、ポップとかロックな感じってあると思うんですけど、GREMLINSのポップな感じというとこういう感じになりますね。それは僕自身がおちゃらけた感じの曲があんまり作れないからでもあるんですけど。

――なるほど。それにしても、この曲はベースが実にエロティックですね。

KNZ:そうなんです。Chiyu(SuG)は、あのエロい感じをライブで弾かなきゃいけないから大変だと思いますよ(笑)。

――女性目線の歌詞も、Aメロが特に妖艶です。

Hits:俺の中では純粋な女の子のつもりで書いたんですけどね。派手に見えるけど中身はすごく純粋なんです。

KNZ:ピュアが故の、という感じですね。

――歌詞の言葉選びのせいでしょうか。〈猫を惑わすホラーナイト〉〈スリットに悪意持たせるサディスト〉なんて特に。

Hits:そうかもしれませんね。この曲の歌詞は結構サラッと書けました。

KNZ:歌詞は毎回テーマも含めてHitsに全部任せているんですけど、いつも想定している以上のものを書いてくれるので、僕もあえて何も言わないんです。歌詞に関しては言葉選びも含めて歌い手が思うものをちゃんと表現した方が良いと思うし、任せても「あ、いいねいいね!」って思えるものができあがるので。お互い、相手が信用できるので、それ故に任せられるんだと思います。GREMLINSはお互いにこういう形にしていこうって話し合いはしないんですよ。最初の漠然としたイメージだけを共有して、後はすり寄せるというより、お互いに構築していってそれをどう組み合わせたら面白いか、という感じです。ああして、こうしてって言い合うと窮屈になって面白いものもできないですからね。

――自由度の高い制作現場ですね。それにしても今回収録された楽曲がとても幅広くて驚きました。特に「DETERMINED」をシングルのc/w曲にするのは贅沢だなと。

KNZ:今回のシングルの中で、「フェルマータ」と「MASK」がある中に、この曲があることでGREMLINSとしてまとまる、そんな位置づけなんです。

Hits:これまでなかったようで近い空気感のものがあるような、そんな曲だよね。

KNZ:俺の中ではストレートな感じというか、一番GREMLINSっぽいかなと思います。

――この楽曲を聴いていて、時々ふと懐かしいようなフレーズが入っている気がしました。

KNZ:それも人によって捉え方が違うと思うんです。そういうフレーズを僕が意図して入れている場合もあれば、意図せず形になっているものもあります。

――この曲も歌詞が美しいですね。〈遥か遠くの君へと続く虹を架け〉という歌詞がとても印象的でした。

Hits:お、そうですか。でも、その〈君〉は人じゃないかもしれませんよ? まぁいろんな解釈があるってことです。でもそれも、聴く人によって、ということで。

◆ワンマンでファンの子たちとライブができるのは楽しい(KNZ)

――今回はB typeにhideさんカバーシリーズ第4弾「BEAUTY&STUPID」が収録されていますね。

Hits:この曲は元々、歌詞がすごく詰まっている曲だし、テンポも俺の希望で上げて、余計ブレスする場所が大変になっちゃいました(笑)。でもGREMLINSのステージでやるならそのくらいの方が合うかなと思って。

KNZ:今回は「BEAUTY&STUPID」っていう楽曲と、僕が思う今の空気感も含めてアレンジしています。僕もhideさんが好きで、この曲は俺だったらこうカバーするなってイメージがあったんです。今のEDM寄りというか、ワイワイガヤガヤした感じにしたら面白いのかなと。

――スカっぽい音も入って盛りだくさんな感じですよね。前回の「50%&50%」とは全く違うアレンジです。

KNZ:そうですね。「50%&50%」はアメリカ!って感じでしたから(笑)。前回は絶対あのアレンジにしたかったんです。ちなみに今回、ギターと歌以外は全部打ち込みなんですよ。

――いかにも打ち込みという硬い感じがしませんね。

KNZ:あんまり硬く作っていないからかもしれませんね。何年か前から、世界中で良くも悪くも音作りが立体的ではなくなってきているんです。聴きやすくはあるんですけど、聴いている身としても作り手側としてもそれをすごく感じるので、自分は2.5次元くらいの位置にいたいなと思っているんです。そこはここから先のテーマにもなるのかもしれませんね。

――なるほど。今回、この曲を聴いて久々に原曲の「BEAUTY&STUPID」のMVを見ました。

Hits:すごくシンプルなMVですよね。

――そうですね。お二人がこの曲のMVを撮ったらどんな風になるんでしょう?

Hits:面白い感じにできそうですね。でも「Bacchus」の時みたいになりそうだな。

KNZ:あとは、ところどころhideさんのMVのパロディを入れるとか?

――GREMLINSの時は、クロヒョウの代わりにゼラさん(Hitsの愛犬)が映ったり、「DENGER」Tシャツを着たりするんですね。

KNZ:あはは! 「あれ!?」ってなりますよね(笑)。自分たちもファンの人たちも楽しいものが作れそうです。あえてニンマリするようなことを入れたいですね。

――ちなみに、今回の「フェルマータ」のMVはどんなイメージで作ったんですか?

Hits:アー写のイメージのままなんですけど、今回スチームパンク寄りというか、金属っぽい感じです。

KNZ:これまでのGREMLINSはゴシック寄りのイメージだったんですけど、今回ちょっとポップな感じになりました。

Hits:ちょっと人寄りになったよね。

KNZ:うん。「人間界に来たよ!」って感じかな(笑)。人に扮しているみたいな。スチームパンクっていう世界観がベースにあるんですけど、二人ともモロにそっちに寄せちゃうと逆に今っぽさがなくなるのかなと思ったので、スチームパンクの空気感が残っている世界、というイメージです。空想の世界のスラムの感じですね。GREMLINSとしてはどれだけポップになっても非現実の中のポップさにしたいというか、幻想的な部分を世界観として残しておきたいんです。

――そういう意味でも2.5次元ぽいですね。さて、この作品のリリース翌日から2回目のワンマンツアー、GREMLINS 2nd ONEMAN TOUR 2016「Re:fermata」が行われます。

Hits:前回同様、リリース直後にツアースタートです。前回はアルバムでしたけど、今回はシングルですから大丈夫かな、と(笑)。

KNZ:GREMLINSとしてワンマンでファンの子たちとライブができるのは楽しいよね。

Hits:うん。うちはいろんな意味で楽しいライブをしますよ。MCも演奏も。いろんな楽しみ方ができるライブです。

――ところでHitsさんは昨日、人生2回目の一人でラーメンを食べに行ったそうですね。

Hits:そうなんです。歴史的な日でしたね。

KNZ:え、どういうこと? 普段一人でラーメンを食べに行かないってこと?

Hits:うん。寂しいから。

KNZ:いや、焼肉とか寿司とか鍋は一人で行けないけど、ラーメンなんか絶好の一人で食べる場所じゃん!

――そんなお二人の2016年の目標を教えてください。

KNZ:僕は全く完璧じゃないのに完璧主義者なので、今年はそれをなくそうと思っています。少し楽観的に生きようかなと。元々変なところにこだわるというか、自分の中の変な固定概念があるんですけど、それを求めるからこそ辛かったりするんです。でも、少しハードルを下げるというか、人に任せるというか、もう少し他の人を信じてみようかな、と。

Hits:(笑)

KNZ:それによって俺ができることが削ぎ落とされて見えるのかなと。

Hits:俺はNIGHTMAREでも言ったんですけど、今年は外見も内面も自分磨きをしたいです。もう若くないですしね。

KNZ:何その自分磨きって。

Hits:「ちゃんとした大人になる」ってことだよ。

KNZ:え、嘘でしょ(笑)!?

Hits:あくまで「なりたい」って目標だよ!

――では次回お会いするときに、結果を教えてください。

KNZ:「ちゃんとした大人になれてるかな?」って聞いてもらおう(笑)。

Hits:そうだね(笑)。でも、もしかすると、来年になる前にお会いするかもしれませんよ?

KNZ:うん。割と早いかもしれない。

――何やら意味深な発言が!

Hits:まだ、わからないですけどね。

KNZ:楽しみにしていてください!

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

GREMLINS

<プロフィール>

Hits(Vo&G/柩 NIGHTMARE)、KNZ(Dr/KENZO ANOMIY.、BVCCI HAYNES)によるユニット。サポートギターに美月(Sadie)、サポートベースにChiyu(SuG)を迎え、2013年6月始動。同年10月に1stシングル『the Carnival』、2015年2月に1stアルバム『MAD THEATER』をリリース。2016年2月には、ニューシングル『フェルマータ』を引っ提げたGREMLINS 2nd ONEMAN TOUR 2016「Re:fermata」を開催する。

■オフィシャルサイト
http://hitsuuu.me/

【CDデータ】

『フェルマータ』
2016年2月24日発売
GREMLINSが放つ約1年ぶりの新音源。B typeにはhideのカバー曲「Beauty & Stupid」も収録される。

フェルマータ
A type
【CD+DVD】
TRCL-0115
¥2,000+税
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フェルマータ
B type
【CD】
TRCL-0116
¥1,800+税
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【収録曲】

A type
[CD]
01. フェルマータ
02. MASK
03. DETERMINED

[DVD]※A typeのみ収録
フェルマータ Music Clip

B type
[CD]
01. フェルマータ
02. MASK
03. DETERMINED
04. Beauty & Stupid

【ライブ情報】

GREMLINS 2nd ONEMAN TOUR 2016「Re:fermata」
2月25日(木)仙台・darwin
3月1日(火)大阪・OSAKA MUSE
3月2日(水)名古屋・ell.FITSALL
3月4日(金)新宿・ReNY