インタビュー

exist†traceインタビュー

exist†trace

新たな5TRACKS CD『THE LAST DAYBREAK』をリリースしたexist†trace。革新的な今作、そして、未だ謎多きバンドの魅力に迫る!

「女性だけのヴィジュアル系バンド」として注目を集めるexist†traceが、メジャー第二弾5TRACKS CD『THE LAST DAYBREAK』をリリース。これまでにはない試みがそこかしこに垣間見える新音源、そしてバンド、メンバーへの想いを、ジョウ(Vo)、乙魅(G)、miko(G)の3人に語ってもらった!

◆メジャーデビューがゴールではないんです。やっと始まった、という感じ(miko)

――Vif初登場ということで、まずはバンドの馴れ初めを聞かせてください。

ジョウ:自分がバンドをやろうと思ったのは、十代の頃、友達のバンドを見て衝撃を受けたのがきっかけです。いつもと変わらない日常をひっくり返したくて。その頃、ベースの猶人と出会ったんですが、当時から独特の雰囲気がある人で(笑)。自分と考え方が似ているところもあるけど、人の心の痛みが分かったり、自分にはない感性を持っている…この人とバンドをやったらどんなに面白いだろうと思ったんです。その後、猶人が幼馴染みのMally(Dr)を紹介してくれて、そこで「exist†trace」というバンド名が決まりました。

――バンド名にはどんな意味を込めたんですか?

ジョウ:「生きる痕跡」という意味で、“自分たちの生きた証を音楽という形で残していきたい”という想いがこめられているんです。3人になってバンド名も決まり、ギターを募集したらmikoが応募してくれて。

miko:私はそれまで男女混合の遊びバンドをやっていたのですが、女性だけでバンドをやりたいと思っていたので応募したんです。

ジョウ:実はその時応募してきたのはmikoだけだったんですよ(笑)。

miko:そうなの!?

ジョウ:うん(笑)。でもすぐ意気投合したよね。そこから、さらにもう一人ギターを入れようと思ったんですが、女性限定だし、やる気がある人がなかなか見つからなくて…乙魅が来たのは1年後くらいだったかな。

――決め手は何だったんですか?

miko:(ギター)二人の相性が良かったんです。性格も違ったし、色々真逆だったけど「あっ! これだ!」と。

ジョウ:雰囲気もビビッときたところがあったしね。

――では、3年以上かかってメンバーが揃ったんですね。

ジョウ:長かったです。

――ヴィジュアル系という男社会に、女性が入るのは、まさに“挑む”という言葉がぴったりだと思うんですが、最初からこのフィールドで音楽をやろうと決めていたんですか?

ジョウ:自分は最初から、世界観があるヴィジュアルロックをやろうと決めていました。男性しかいないと言われている畑を新しく変えてやる、と昔から強く思っていて。

miko:「辛くても絶対解散しないで続けてやる!」って思っていましたね。なので、メジャーデビューがゴールではないんです。やっと始まった、という感じ。

――スタートラインに立って、メジャーデビュー作『TRUE』と今作『THE LAST DAYBREAK』をリリースしたわけですが、どちらも5曲入りという珍しい形態ですよね。

ジョウ:シングルでもミニアルバムでもない“5TRACKS CD”なので、シングルほど物足りなくもなく、ミニアルバムほどおなかいっぱいでもなく。

miko:もうちょっと欲しいというところで止めておく、という。

――良い感じに腹八分目で、後を引きます(笑)。そんな今作のテーマは?

miko:前作『TRUE』はデビュー1作目だったので、5曲でバンドが説明できるような作品にしたかったんです。今作はそれをさらに超えて、「バンドをこう魅せたい」という気持ち抜きで、純粋にカッコいいと思う曲を入れました。

ジョウ:前作に比べて自由度はかなり高いです。

――今回、1~4曲目はmikoさん、5曲目は乙魅さんの作詞・作曲ということですが、ジョウさんが歌ってみて「この曲、良い!」と思ったのは?

ジョウ:…全部…(吐息)。

――なんでそんな吐息混じりなんです(笑)。

ジョウ:あはは(笑)。楽曲は全部すごく良かったです。あえて挙げるなら、乙魅の「君の真っ白な羽根」ですね。これは『TRUE』の時からあった曲なんですが、すごくメロディが耳に残っていて、夢に出たくらい(笑)。exist†traceの(収録曲の)選曲は投票制なんですが、今回は絶対に歌いたいと思って、迷わず票を入れました。

――念願が叶ったんですね。

ジョウ:はい! すごく浄化される曲で癒されます。最後のトラックなので、これを聴いてまた最初から聴いてもらえると良いなと。

――ではmikoさんのお気に入りは?

miko:「自分の曲ラブ!」な感じなんですが(笑)、最近のお気に入りは「I feel you」です。爽やかなんですけど演奏にフックがあって。歌詞は主人公の少年の淡い恋心を歌っているんですが、実は自分に重ねていたりもするんです。小さい頃、引っ越しが多かったので、当時の友達が私の事を覚えてくれていたらいいな、もし覚えていなくても今再会出来たなら「初めまして」からまた始められたらいいな、そんな気持ちで歌詞を書きました。みなさんにも、ご自分の淡い思い出と重ねて聴いていただけたらと思います。

――そういう話を聞くと、聴こえ方が変わりますね! では乙魅さんのお勧めをお願いします。

乙魅:ギターでこだわったのは、「Daybreak ~13月の色彩~(※以下「Daybreak」)」のソロですね。展開ですごく悩みました。一度録ったものを録り直したりして。上物(※「ウワモノ」。リズム隊以外のメロディー楽器のこと)の感じとかもかなりこだわって録りました。

――今回かなり悩みながらの制作だったんですね。いつもはレコーディングはスムーズなんですか?

miko:エラいことになってます(笑)。リズム隊は感情的にはカオスになりつつもスケジュールはきっちり守って録るんですが、ギター隊からぐちゃぐちゃになりますね(笑)。二人とも歌詞や曲を書いているので、他のメンバーにも目を向けないと…ということもあって。ギター録りはいつも明け方までかかっていました。

――カオスですねぇ。

miko:そうなんです。そんな状態なので、ジョウに歌詞が渡せなくて(笑)。

ジョウ:「あのー歌詞……あ、大丈夫です」という感じでした。

――可哀想(笑)!

ジョウ:本当にカオスでしたからね。

miko:さっき乙魅も言ってましたけど、(レコーディングの)翌日にギターの上物を録り直したいって思ったりしたせいで(笑)。

――今回一番苦労したのは「Daybreak」だったんですか?

miko:そうですね。ギター隊は面白いことをやってますし。

乙魅:「I feel you」の間奏のところでもすごく迷ってたよね。

miko:そうだった! 迷ったねー。3、4パターン録って「何か違う」って。

――でもそれだけのテイクの中から選んだから、満足のいくものになったんじゃないですか?

miko:そうですね。自分の中ではもうこれ以上ない! というところまで出来たので。ただ、次からはもう少しサクサク進めたいです。

ジョウ:次回は「今回は歌詞も早かったよねー」って言いたいですね(笑)。

◆CDはexist†traceを知る割合としては50%くらいで、残りの50%はライブ。二つでexist†traceです(ジョウ)

――ところで今回、これまでにないヴォーカルのアプローチに驚かされたんですが、これはどんな意図があったんでしょう?

ジョウ:「Daybreak」は、わざと皮肉を込めて可愛く歌ってみました。「『Daybreak』で歌っている世界は絵空事じゃなくて、近い未来、現実に起こり得ることかもしれないよ?」なんて、あまりストレートに歌うと怖がらせちゃうじゃないですか。聴き手のみんなに色々考えてもらえたら良いなと思っています。

――ギター隊はこの曲で苦労したようですが、ジョウさんは?

ジョウ:自分はあまり苦労しませんでしたね。今まであまり歌ったことのない言葉が多かったせいか、イメージが浮かんで、すごく体に馴染んだので。

――“今まであまり歌ったことのない言葉”、と言えば、この曲の歌詞のセレクトがすごく新鮮でした。

miko:この曲はデモテープを作っている段階でデヴィッド・ボウイ(の音楽)みたいな、すごく鮮やかな世界が広がったんです。そこに今までなら絶対入れなかったような言葉を入れてみました。

――かなり革新的な作品ですよね。3曲目の「リトル・メアリーと美しき憎しみのドナウ」もアレンジに強いこだわりが感じられますが。

miko:これは本当に楽しんで作りました!

ジョウ:元祖exist†traceの世界観ですね。初めて聴いた人にも、ヴィジュアルロックの面白さが伝わるんじゃないかと思います。(選曲で)メンバー全員がこの曲に票を入れたんですよ。

――曲全体がすごく凝った作りになっていますよね。

miko:はい。「今までやったことがないことをやろう!」と思って、ドラムもキックとスネアとハットだけにして、離れた位置にマイクを置いてマーチングみたいな音を録ったり。みんなで案を出し合いながら作りました。他の4曲がまじめなので、レコーディングの箸休めのような1曲です。

――この曲も実は歌詞が怖いんですよね。

miko:そうなんです。『本当は怖いグリム童話』みたいでしょう。そういうの大好きなんですよ。

――ちなみに、この曲に登場するメアリーの部分を歌っているもう一人のヴォーカルは…?

ジョウ:mikoです。

miko:最初はジョウに歌ってもらって二面性を出そうと思ったんですけど、メアリーがかっこ良くなりすぎちゃって(笑)。

ジョウ:可愛くないって言われました(笑)。

miko:もうちょっとか弱くて子供っぽくて良いかなと思ったんです。ジョウに指導してもらって歌ったんですが、一人で歌うって緊張しますね。

――それを見ていた乙魅さんのご感想は?

乙魅:面白かったですよ。

miko:他のメンバーはミックスルームで楽しそうにニヤニヤしてるんですよ!

乙魅:(笑)。これはライブでも見どころだと思います。

ジョウ:ライブでどうなるか、楽しみにしていてください。

――ちなみに、exist†traceはライブと音源、それぞれをどう位置付けているんですか?

ジョウ:CDはexist†traceを知る割合としては50%くらいだと思うんです。残りの50%はライブ。二つでexist†traceだと思っているので、ぜひライブを観ていただきたいですね。

miko:ライブではギターのフレーズをその場で変えたりして、より良いものができたらと思っているので、音源に縛られたくはないです。メジャーになってからは特にライブをエンターテインメントにしたいと思っているので、音源から想像できる音や絵じゃなくても良いかなと。

――exist†traceのライブならではの面白さってなんでしょう?

ジョウ:mikoと乙魅の絡みです。

乙魅:(笑)。

miko:その場の高ぶりで(笑)。お客さんが盛り上がるとこっちも盛り上がって何かやりたくなっちゃうんですよね。

◆世界中のいろんな人から応援してもらっているので、みんなに会いに行きたい(乙魅)

――それにしても皆さん、仲が良いですよね。普段からこんな感じなんですか?

乙魅:そうですね。5人一緒にいることも多いですし。

ジョウ:友達で、恋人で、家族で、仲間…みたいな。

miko:みんな性格も違うけど、バランスが取れているんですよね。一人ひとりが強烈で「●●レンジャー」みたい(笑)。

ジョウ:ちょうど真ん中が赤いしね! ちなみにmikoは特にメンバー愛が強いんですよ。

miko:メンバー愛が溢れている感じです。乙魅は秘めている感じ。

乙魅:…。

miko:でも乙魅と二人でどこか行くと、「あっち行きたい」とか「こっち行きたい」ってリードしてくれるんですよ。そこで「意外!」って思いながらついていきます。

――そんな寡黙でカッコいい乙魅さんのブログで、可愛いぬいぐるみの画像を見つけちゃいました。

乙魅:あれはマネージャーとファンの方からもらったんです。自分と同じモヒカンなので…気にしないでください!

――このギャップがたまらないですね(笑)。

miko:ギャップ萌えってやつですね(笑)。

――では最後に、5人でメジャーというスタート地点に立ったexist†traceの今後の野望を教えてください。

ジョウ:東京ドームです。あの場に女性のバンドで立った人はいないじゃないですか。自分たちは新しいこととか、誰もやったことがないことをやりたいので、ライブの目標はまずそこです。バンドとしては音楽シーンをかき回して、面白い事がたくさんできたら良いなと思っています。

miko:自分はあまり型にはまりたくなくて、自由なギタリストでいたい。そして、ロックスターになりたいです。

――女性のロックスターって新しいですね!

miko:ロック好きな人がexist†traceの音を聴いて、認めてくれるのももちろん嬉しいですけど、普段こういうジャンルを聴かない人も「ロックって良いじゃん!」って言ってくれるような、「あの人ロックでカッコいいよね!」って言ってもらえるようになりたいです。

――東京ドームとロックスターという大いなる野望が出たところで、乙魅さん、締めをお願いします。

乙魅:…! 野望…というか、うーん…そんな大きい事は言えないんですけど…。

ジョウ:言おうよ(笑)!

乙魅:うーん(笑)。自分的には広いステージでやりたいというのはもちろんあります。あと、世界中のいろんな人から応援してもらっているので、みんなに会いに行きたいし、自分たちの音楽が広がってくれたら良いなと思っているので…野望はワールドツアーですね。たくさんの人に会いに行きたいです。

(文・後藤るつ子)

exist†trace

<プロフィール>

ジョウ(Vo)、乙魅(G)、miko(G)、猶人(B)、Mally(Dr)の女性5人からなるヴィジュアル系バンド。2011年6月15日徳間ジャパンコミュニケーションズより、5 TRACKS CD『TRUE』でメジャーデビュー。11月19日には今作『THE LAST DAYBREAK』を引っ提げてのONE MAN SHOW「THE FIRST DAY BREAK」が代官山UNITで開催される。

■オフィシャルサイト
http://www.exist-trace.com

【CDデータ】
『THE LAST DAYBREAK』初回限定盤
初回限定盤
[5 TRACKS CD+DVD]
TKCA-73699
¥2,500(tax in)
amazoneで購入する
『THE LAST DAYBREAK』通常盤
通常盤
[5 TRACKS CD+DVD]
TKCA-73703
¥1,995(tax in).
amazoneで購入する


『THE LAST DAYBREAK』
2011年10月19日発売
(発売元:徳間ジャパンコミュニケーションズ)
メジャー2作品目となる5TRACKS CD。ラウドなサウンドと繊細さを併せ持つ、唯一無二のバンド・exist†traceの魅力が詰め込まれた1枚。
【収録曲】
【CD】
01.Daybreak ~13月の色彩~
02.be Naked
03.リトル・メアリーと美しき憎しみのドナウ
04.I feel you
05.君の真っ白な羽根

【DVD】
■DVD収録
01.Daybreak ~13月の色彩~ [Video Clip]
02.本能 [Live Performance]
03.RESONANCE [Live Performance]
04.KISS IN THE DARK [Live Performance]
05.VANGUARD [Live Performance]
※『Memorial one man show -THE TRUTH-』@ 2011.6.18 SHIBUYA BOXX