弾丸 NO LIMIT

弾丸 NO LIMIT

弾丸 NO LIMITが完成させたミニアルバム『マズル』。
誰もが心に隠した思いを赤裸々に語った歌詞と、それを彩る楽曲が織りなす珠玉の作品を紐解く。

『マズル』と名付けられた彼らの2作目のミニアルバムが世に放たれる。結成2年目にして作り上げた、高い完成度を誇るこの作品。そこに収められた7曲(初回盤は5曲)の顔ぶれは実に多彩だ。真摯に音楽に向き合い、丹念に作り上げられた楽曲から真っ直ぐに伝わってくる彼らの熱量を、心ゆくまで堪能していただきたい。今夏はこの作品のリリースに加え、スリーマンライブの開催、そして4度目のワンマンライブが決定している弾丸 NO LIMIT。心に深く突き刺さる彼らの最新作、そしてファンと共に作り上げていくライブについて、Vif初登場となる4人にたっぷり語ってもらった。

◆バラエティーに富んだ、全曲挑戦したアルバム(未夢)

――初登場ということで自己紹介と、今日は七夕なので短冊に何を書くかを教えてください。

未夢:ヴォーカルの未夢です。七夕のお願いは「ライブの動員、目指せ3000人」です!

Leo:ギターのLeoです。短冊には「いつまでもこのメンバーで弾丸 NO LIMITを続けられますように」と書きたいです。4人になってバンドの結束が強まっているので、まだまだやってやりたいなと。

ちか:ベースのちかです。自分は今年、近所のスーパーの短冊に「大きな病気をしませんように」って書きました。小さいのも大きいのも含めて、病気はしないようにってことで。

悠介:ドラムの悠介です。短冊には「どんな状況になっても、メンバーの関係性が崩れないで、このまま仲良くやっていきたい」と書きたいです。バンドが大きくなると疎遠になったりするイメージがあるんですけど、今の密な関係のままでいたいので。

未夢:弾丸 NO LIMITは年を重ねるごとに仲良くなっていっている気がするんですよ。どんどんメンバーの仲が深まって、最初は友達だったのが家族みたいになりました。その仲の良さがライブでも出ていて、お客さんから「それが弾丸の良さですよ」と言われたときに「良かった、仲良くしておいて♡」と思いました(笑)。

Leo:確かに、昔のライブ映像を観ると個人プレー感があったんですけど、最近は仲の良さがすごく出ていると思います。

悠介:言い合うこともあるんですけど、今はお互いのことがわかっているから喧嘩まで発展しないし、ちゃんとお互いの意図を汲めるので、すごく良い関係性になったなと思いますね。

未夢:これ以上踏み込んだら怒るだろうな、というタイミングはお互いわかってるしね。

ちか:でも、自分と未夢が一番付き合いが長いんですけど、踏み込み過ぎたいじりはありますよ。しかも、最近増えてきてる!

未夢:えー? 俺、お前の扱いプロだなと思ってるんだけど。

ちか:そうなの!?

未夢:うん。調教師ぐらいの気持ちでいる(笑)。

――ちかさんは「弾丸Ch.」でも結構調教されていましたよね。

悠介:あれは調教チャンネルみたいなところがありますからね(笑)。

――1回目は「ピクニック」でしたが、2回目は何でしょう?

未夢:次は泳げない人を…

ちか:それだとまた自分になっちゃうから!

――血液型はA型(未夢、悠介)とO型(Leo、ちか)に分かれているんですね。

Leo:今初めて知りました…!

未夢:僕もさっきプロフィールを見て「悠君ってA型なんだ」って思った。

悠介:僕は“ザ・ A”だと思うんだけど(笑)。

Leo:俺はOだけどAっぽいって言われる。というか未夢はAなの!? 未夢のカバンの中ってマジでOじゃん。昔、ツアー先で未夢にiPhoneの充電器を貸したんですけど、ずっとカバンの中に入れられっぱなしで、次の日に返してくれたんです。そうしたら、なぜかコンソメの臭いがして(笑)。未夢は健康意識が高いから、サプリメントとか持っているんですけど、それにまみれていたんですよ(笑)。

悠介:錠剤がカバンに直に入ってるよね(笑)。

未夢:ビタミン剤や青汁の粉末がカバンの底にこぼれてます(笑)。

Leo:打ち合わせするとき、未夢がいないのに机の上に青汁の粉がこぼれたりしていて、「あ、ここにいたんだ」ってわかるよね。

ちか:痕跡がある。

悠介:A型ってこだわりのあるところはきっちりやるけど、あとは雑だったりするからね。

未夢:確かに、部屋とか自分の身の回りのものを整理するのは得意じゃないです。

――Leoさんと悠介さんは、きっちりしていそうな気がします。

未夢:Leoはきっちりし過ぎてA型よりもA型らしいです。すごく心配性で、小さいことでも確認を取るんですけど、たまにそれがいき過ぎてちょっとウザい(笑)。几帳面で、神経質で、今まで俺が見たバンドマンの中でダントツで機材を大事にする人です。だって機材を守るハードケースですら汚れるのが嫌だって言うんですよ。この前も、ライブ後にLeoのカバンの上に、ちかの衣装がのっていたらキレ気味に「おい、マジ乗せないで!」って言ってましたからね(笑)。

ちか:でも、自分の衣装袋の上にLeoの衣装袋を黙って置いたりするよね~。自分はあえて何も言わないけど(笑)!

――さて、そんな弾丸 NO LIMITのミニアルバム『マズル』を聴かせていただきましたが、とても完成度が高くて驚きました。

未夢:嬉しいです。周りの関係者の方にも、すごくいいアルバムができたんじゃないかと言っていただいて、そういう言葉が自信になっています。

――実に多彩な7曲です。

未夢:バラエティーに富んだ、全曲挑戦したアルバムになりました。曲も上手く振り分けができたなと。作曲者のLeoは本当に大変だったんじゃないかと思います。

――タイトルの『マズル』とはどんな意味でしょうか。

未夢:犬の噛みつき防止の口輪です。

Leo:通常盤のジャケット写真に写っているやつですね。

未夢:タイトルは最後に決まったんですけど、これは、“言いたいことを言えないから口輪をしている”んじゃなくて、“自分で自分に口輪をしてしまっている”、“気を使い過ぎて言えない言葉”というのが、この7曲に共通しているテーマだと思って付けました。

Leo:だから初回盤のジャケットでは口をふさいでいるんですよ。

悠介:マズルには銃口という意味もありますけど、それはあくまで裏テーマだと思っていただければ。

――今回も歌詞のメッセージの強さに驚かされました。歌詞を書くときは実体験を元にしているんですか?

未夢:実体験もそうですし、日々思ったことを携帯にメモしておいて、そのときの心情を歌詞に投影したりしています。

――未夢さんの歌詞は過去の曲も含め、上っ面ではない部分を歌っていると思います。

未夢:そう言ってもらえるのが一番嬉しいです。僕は、歌詞では普段出せない自分を出しているつもりなんですよ。そういう意味では、今までの弾丸 NO LIMITの作品は全部“マズル”なんですよね。このミニアルバムの歌詞は、これまでよりもさらに深いところをえぐって書いたつもりです。今回、メンバーとじっくり話し合って書いた歌詞が多いんですよ。それまではデモをもらって僕の判断で書いていたんですけど、最近はメンバーに相談して意見を取り入れるようになりました。曲と歌詞の世界観が合致した感じがあるし、みんなで作っているので完成したときに1個の作品という感じがしますね。この作品を書いて、次の作品に向けてもっと濃いものを書いていかないといけないなと、自分に対してのハードルがまた一つ上がりました。

――赤裸々で、でも的を射ていて、聴いていてドキッとしました。

未夢:誰もが生活の中ですごくネガティブな気持ちになることがありますよね。僕はそれを書いているつもりなので、どこかで引っ掛かる人はいるんじゃないかなと思います。

ちか:でも大きい声で「共感できます!」って言えるような歌詞ではないですよね。

未夢:そうだね。あんまり「私、この歌詞わかる!」って言いたくはないかも(笑)。

悠介:でも弾丸はそれができるバンドなのかなとも思いますね。個人的に、幸せな曲はあまり好きじゃないんですよ。音楽で普段言えないようなことや葛藤を伝えて一緒に幸せに、という曲はいいと思うんですけど、元々幸せだったら何もいらないじゃんと思うので。そういう意味で、弾丸はどんどん僕の理想のバンド像に近づいていっているなと思います。時代に流されていないバンドだなと思いますね。こういうのが流行っているからやるじゃなくて、自分たちがいいと思えるものを追求しているし、昔よりも深くて鋭利な曲ができていると思います。

Leo:歌詞もバンドのスタイルも芯はぶれていないんですよ。シーンで流行り廃りってあると思うんですけど、俺らはそういうのをあまり気にせずバンドをやってきていると思います。悠介が言う通り、バンドが理想に近づいてきていると思いますね。自分たちに、カッコいいじゃんって言えるライブをしていると思っているし、『マズル』もマジで自信を持ってリリースするので。

――曲を作るときに一番に考えるのは何ですか?

未夢:お客さんのことです。こういう曲にした方が、ライブを楽しんでもらえんじゃないかな、とか。お客さんたちと作るライブをしたいので。

Leo:前回のシングル『ソノ嘘ホント』を出したことでお客さんの熱も変わって、俺らにとって今までで一番大きい1枚になりました。今回もライブを一番意識して作っています。メンバー全員がそうだと思うんですけど、ライブがバンドをやる意味でもありますから。

◆ちゃんとメンバーが弾いて、叩いて、歌うことにこだわった(Leo)

――では、今回収録された7曲それぞれの聴かせどころを教えてください。

01.Mercurial

――1曲目が通常盤だけに収録されるというのは珍しいですね。

悠介:そうですね。1stミニアルバム『ブラック・ポジティブ』は最後にボーナストラックとして2曲付けたんですけど、今回は最初と最後に収録したオープニングとエンディングという立ち位置です。おまけの曲ではなく、これを含めて本編なんですよ。

Leo:曲順もみんなで話し合って、セットリストを組む感じで決めました。このアルバムだけでライブするなら、俺らだったらこういうセトリだなという。

――この曲が入る通常盤と、入らない初回盤では印象が大きく変わりますね。

悠介:そうなんです。ちなみにこの曲は、僕は選曲会の段階から勝手に1曲目だと決めていました。

Leo:曲が決まってアレンジする段階で、1曲目にしたいねという話をもらいました。あと、この曲の最後と2曲目(「言イ訳モラトリアム」)の頭がつながっているんですけど、そこは世界観でつなげたくてこだわっています。

悠介:そこ、ライブっぽいよね。

ちか:あと今回、楽器はみんな難しいという…。

悠介:全曲を通して楽器は難しいんですけど、「Mercurial」は、その中でもトップクラスで。変拍子を初めて入れたり、ビートもどんどん変わっていったりと新たな試みが入っています。でもちゃんとまとまって聴こえるんですよ。サウンドが激しめではありますけど、ライブでノリつつも、作品として観てほしい楽曲です。

ちか:カッコいいところを見せちゃうんだ?

悠介:カッコいいからね(笑)。

Leo:今回の収録曲はどれも2年前の自分たちだったら技術的にもできない曲ばっかりなんです。このメンバーでずっとやり続けたからこそできたと思いますね。

――未夢さんも大変でしたか?

未夢:いや、歌はチョロかったです(笑)。この曲は最短で録れたんじゃないかな。1時間くらいで終わりましたよ。

悠介:確かに、未夢はチョロそうだったね(笑)。

02. 言イ訳モラトリアム

――今回のリード曲ですね。

未夢:イントロを聴いて一番インパクトがあったんです。一番癖の強いものを表題に持ってきたいと思っていたので、この曲になりました。当初、「Graffiti」にするという話もあったんですけど、このアルバムでは“挑戦”を掲げていたので、今までにないものがメインで来たほうが面白いんじゃないかということで。

――Leoさんは前回の『ソノ嘘ホント』からギターを変えていますね。

Leo:そうなんです。ESPの黒いやつに交換してもらいました。アームを使うスタイルになったので、それができるギターにしてもらったんです。

ちか:あのー…ちなみに自分も前回ベースを変えているんですけど…。

Leo:あのベースは前も使ってたじゃん。

ちか:そっか。でも一応言っておきたくて。

全員:(笑)

Leo:今回のMVをフルで見てもらうと、結構ギターの手元が映っていてプレイがわかりやすいんです。そこも観てほしいなと思います。

ちか:ギターキッズにアピールできるかもしれないね。

――先日Leoさんが「言イ訳モラトリアム」のギターの手元の映像をUPしていましたが、キッズにはたまらないと思います。あれはベースやドラムバージョンは撮らないんですか?

悠介:ドラムもやりたいんですけど、撮るのがすごく大変なんですよね。

ちか:ベースは動画じゃなくて口で説明します。「ここは泣きの何とかで~」って。

未夢:泣きのベースというより、ベースのやつが泣いたんだよね(笑)。

ちか:そう。そういう意味で泣きのベース。しかも感動したんじゃなくて、つらい泣き。

――頑張りがひしひしと伝わってきます。

Leo:みんなの血と汗と涙が詰まったアルバムですからね。今の世の中、例えばドラムを打ち込みにしているバンドもすごく多いんです。でも、俺らはやっぱりちゃんとメンバーが弾いて、叩いて、歌うことにこだわった。だからこそ、打ち込みには絶対に負けない音になっていると思います。メンバー一人ひとりの音へのこだわりが強いんですよ。初期の曲だと未夢も普通に歌って終わることが多かったんですけど、最近はニュアンスへのこだわりも強くなってきたし、「Damn it!!」の言葉遊びみたいに未夢から提案してくれることも多くなりました。メンバーのサウンドに対するこだわりから、良いものがどんどんできているという実感があります。

悠介:自分たちがより好きになれる楽曲ができていくことに、自分たちでも驚きがあるというか。デモにどんどん個々のこだわりや思ってもいなかった良いものが入ってきて、デモの段階よりはるかにいいものができ上がるんです。自分たちの曲に驚かされますね。

03. メランコリィ

――ギターソロがとても耳に残りました。

悠介:この曲は、ここぞ!という聴かせポイントが多いので、ソロもぜひ聴いてほしいです。

――この曲はドラマーの方の得手不得手が分かれる曲だと思います。

悠介:そうですね。僕は元々ジャズをやっているので、デモを聴いて「来た!」と思いました。僕は元々カフェで流れているようなロックが混じっていないジャズをやっていて、この曲みたいなジャズとロックの間の曲をあまりやっていなかったんです。この曲で、ジャズにロックを入れるフレーズを意識したら、難しくて結構大変なことになりました(笑)。

Leo:レコーディング前にめっちゃ練習して、手にマメができてたもんね。

悠介:うん。でも一番面白いです。ジャズをやっているときも、ロックにやりたいと意識したりはするんですけど、それを形として表現することは初めてで。ジャズっぽさの中にロックを入れていく、ロックっぽさの中にジャズを入れていくという作業で、僕らしいフレーズになったと思いますし、一番僕らしさが出ているのはこの曲かなと思います。

◆全曲、お客さんに振りを考えてほしいところがある(ちか)

04. 失声已む無く

――EDMサウンドが印象的なこの曲は、7月5日にSHIBUYA REXで行われた「【beauty;tricker】-SS-#3」で初披露されましたね。

Leo:EDMは前回のシングルのc/wの「I`ll sing」っていう曲からやっているんですけど、今回はもうちょっとコアな方向に持っていきたいと思って作ったんです。この曲はライブのノリのパターンが色々あって、本当はサビもモッシュのつもりだったんですけど、ジャンプしてもいいんじゃないかと本番前ギリギリまでメンバーで協議しました。

未夢:今までの曲のノリにプラスアルファの曲だと思います。実は僕、この曲をやるときにちょっと不安だったんです。でもやってみたら今までの曲よりもノリやすいと思ったし、お客さんもすごくノリやすそうだったし。

Leo:そして、サビはやっぱりジャンプだったなと思います!

未夢:うん。モッシュじゃないよな。絶対ジャンプだった!

悠介:僕たちはライブをお客さんと一緒に作りたいと思っているんです。自分たちでも「ここはジャンプしたほうがいいんじゃないか」とか色々考えるんですけど、やっぱりお客さんが「こういう風にやりたい」と考えてくれると嬉しいし、お客さんが一番楽しいと思えることをやりたいじゃないですか。前回のシングルでは、バンドをやっていて初めてお客さんが新しいノリを入れてくれたんですけど、すごく良かったし、今回そういう曲が7曲もあるので。

ちか:今回全曲、お客さんに振りを考えてほしいところがあります。

未夢:僕らはそんなに振りに詳しいわけではないので、振りに特化したプロの方々にやっていただいた方がいいと思うんです。もしこのインタビューを読んで、「ここはこうしたらいいんじゃないかな」と思ってくれたバンギャルちゃんやバンギャル男君は、ぜひその意見を僕らに寄せてほしいです。

ちか:自分らが提示したものを「違う!」と思うんだったら、自分らも合わせるしね。

Leo:あと、もちろん俺らが先陣切って誘導するから、ということはきちんと伝えておきたいです。俺らもただ演奏するだけじゃなくて、ちゃんと提示するので。ちなみに今回、一番考えてほしいのは「言イ訳モラトリアム」の2Bの〈やってもできない子 断念〉というところ。ここはぜひ考えてほしいんです。例えばこのイントロはモッシュで、そのあとはヘドバンで、とか。ぜひプロの方々に、いい感じのを考えてほしいです。

ちか:そのほうが楽しくなりそうな予感がするんですよ。

未夢:そう、だからこれは僕らからの挑戦状です(笑)。

05. Reminiscence

――この曲、未夢さんの歌録りはいかがでしたか?

未夢:ニュアンスがすごく求められる曲で、Leoに指摘されながらレコーディングしました。無理難題に応えながら録ったので、その分いい作品になっています。

――曲頭のファルセットが美しいです。

悠介:Leoがファルセット野郎なので、結構求められるんですよ(笑)。

未夢:そうなんだよね(笑)。でも僕は、このアルバムでやっと自分の歌、自分の歌い方に出会えた気がするんです。歌っていてすげー気持ちいい部分や、こうやって歌ったらカッコいいというのがわかって、特にこの曲は一番聴いてほしい部分が強く出せたと思います。

――途中でアコギや鍵盤が入って、アレンジ面でもこだわりが感じられます。

Leo:そうなんです。元々アコギは入っていなかったんですけど、入れたらカッコよくなるんじゃないかと思って。俺の父親が趣味でギターやっていたので、結構高いアコギを借りてきて録っているんですけど、その音がすごく良くて。あと、ギターソロは比較的すぐできたんですけど、結構泣き系のソロが好きなので、いい感じになったんじゃないかなと思います。

ちか:グッときますよね。ベースのフレーズで一番こだわったのもこの曲なんです。ベース単体で聴いてもカッコよく聴こえるのは、この曲が一番だと思います。

◆ライブでも挑戦の気持ちを忘れず、楽しいものを作っていきたい(悠介)

06. Damn it!!

――7曲の中でアクセントになる1曲です。

悠介:デモから一番変わったのがこの曲ですね。コーラスとかラップとか、声の要素が一番多い曲です。

Leo:最初の〈Damn it, Damn it〉というところは未夢にハモリを入れてもらったらすごくカッコよくなったんですけど、ヴォーカル一本だとダサすぎてびっくりしました(笑)。ハモリがないだけでこんなに違うんだなと。あとこの最後の、〈ワラエワラエモット ワラエワラエモット〉のところは、どんどん囁きが大きくなっていくんですけど、これは当初予定していなかったんです。レコーディング当日に未夢が「ウィスパーヴォイスを入れて怪しい雰囲気にしたい」って言い出して、一応録るだけ録っていいよって言ったらああいう不思議な感じになりました。

――レコーディング中のアイディアで完成図が変わったりするんですね。

未夢:でも、うちは先に固めてからレコーディングしているので、そういう変更は少ないほうだと思いますよ。

Leo:慎重というか、当日に急にやるのは嫌というか。だから既にできているものにプラスアルファする感じです。

未夢:弾丸 NO LIMITは音楽に対して真面目なんですよ。他のバンドのレコーディングの話を聞くと、レコーディングの日に初めて歌うとか弾くこともあるみたいなんですけど、うちはデモの段階でしっかり固めていくので。

Leo:その上で、例えば「メランコリィ」で悠介が「ここはアドリブでいきたい。何パターンかソロがあるから一緒に選ぼう」って言ったり、「Reminiscence」でちかが「こういうフレーズも考えたけど、こういうのもあるよ」って言ったりするので、ディスカッションをしつつ作ります。

未夢:行き当たりばったりの提案ではないです。

悠介:各自で考えて、限界まで固めるところは固めて、当日にしかできないことを足していく感じですね。

――全員が真摯な姿勢で向き合うから、こういう作品が完成したんですね。

未夢:そうかもしれません。今回、メンバーに触発された部分がすごくあって。レコーディングのときに自分に足りないスキルというか、痛いところを突かれることがあるじゃないですか。最初はムカつくなと思うこともあったんですけど、僕にはこの部分が足りてなかったんだなと気付かされて。メンバーがこんなに頑張っているんだから僕ももっと練習しないと、と思うようになりました。

悠介:僕らも全体的に難しくなってきて、事前準備が多くなりましたしね。

ちか:練習しないと絶対に弾けないので時間をかけました。寝ずにレコーディングにいった日もあったし。

Leo:だからこそ音の質感も違うし、ロックな音でできていると思いますよ。

07. Graffiti

――この曲も既にライブでやっているんですよね。

未夢:やっています。この曲は歌モノなのでノリに関してはそんなに気にせずやりました。

――ライブでの反応はいかがでしたか?

未夢:全然盛り上がらなかったです(笑)。ただ、盛り上がりを目指す曲ではないし、こういう曲は自然に育っていくものだと思うので、心配はしていないですね。ライブで最後にやるような曲の位置付けなので、弾丸の曲に欠かせない1曲になるんじゃないかなと思っています。

――ライブと言えば、7月5日のSHIBUYA REXは新衣装での初ライブでしたね。

ちか:眼帯がつらかったです…。いつかさりげなく付けるのをやめようかなと思ったりしているんですよ(笑)。距離感がつかめなくてステージから落ちちゃうかもしれないし。

Leo:でも、衣装打ち合わせのときに、ちかが眼帯を付けたいって言って、マネージャーに「いつか絶対に付けなくなるでしょ? そういうのダメだから」って言われたんですよ。でもちかは「いや絶対にずっと付けますよ! 大丈夫です!」って言っていたのに、もう「いつ付けるのやめようかな」って言い出してちょっとビックリしてます(笑)。

ちか:じゃあ、つらいけど頑張ります。

Leo:ライブでミスっても眼帯のせいにするでしょ?

ちか:する!

悠介:(笑)。この眼帯、実はキャラクターになっているので、ライブでぜひ見てください。

――7月30日に弾丸 NO LIMIT主催3マン「三銃士~灼熱の新宿編~」、8月28日には4回目のワンマンライブ「MUZZLELESS」が行われますね。

未夢:今まで、本当の意味で満足感が得られたワンマンをしたことがないので、今回はお客さんも僕らも納得がいくような、過去最高のライブにしたいと思っています。絶対熱いイベントになるので、楽しみに待っていてください。

Leo:「MUZZLELESS」というタイトルのように、俺らは口輪を外して噛みつきにいきます。本当に最高だったとみんなで思えるようなライブにして、今年の夏を終わらせたいですね。重大な発表もありますし、これからも攻めていきたいと思うので、ぜひついて来てほしいです。

ちか:これは確実に言えることなんですけど、三銃士もワンマンも眼帯は外しません! ずっと付けておきます!

悠介:『マズル』という作品自体、挑戦が多い作品だったんです。ライブでも挑戦の気持ちを忘れずに、楽しいものを作っていきたいと思います!

(文・後藤るつ子)


ARTIST PROFILE

弾丸 NO LIMIT

<プロフィール>

未夢(Vo)、Leo(G)、ちか(B)、悠介(Dr)の4人からなるロックバンド。2014年、赤坂BLITZで行われたライブイベントResistar Records PRESENTS 「治外法権-新春だょ全員集合!!2014-」に出演。新レーベル[Riostar Records]発足の発表と共に第1弾アーティストとしてお披露目ライブを行い、活動を開始。同年5月に1stシングル『不完全な僕の…』を、10月に1stミニアルバム『ブラック・ポジティブ』をリリース。2016年1月に3rdシングル『ソノ嘘ホント』をリリースした。7月30日に前年に引き続き主催3マン「三銃士~灼熱の新宿編~」の開催、そして8月28日にはワンマンライブ「MUZZLELESS」の開催が決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.dangan-nolimit.com/

【リリース情報】

マズル
2016年7月20日発売
(Riostar Records)

マズル
【初回盤】
(CD+DVD)
RIOC-031/032
¥2,800+税
amazon.co.jpで買う
マズル
【通常盤】
(CD only)
RIOC-033
¥2,800+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

初回盤
[CD]
01. 言イ訳モラトリアム
02. メランコリィ
03. 失声已む無く
04. Reminiscence
05. Damn it!!

[DVD]※初回限定盤のみ
01. 言イ訳モラトリアム -Music Clip-
02. Shooting Off Shot
03. ヤメタイ人生 (LIVE) 2016.1.3「治外法権-新春だょ全員集合!!2016-」 at TOKYO DOME CITY HALL

通常盤
[CD]
01. Mercurial
02. 言イ訳モラトリアム
03. メランコリィ
04. 失声已む無く
05. Reminiscence
06. Damn it!!
07. Graffiti

【ライブ情報】

■弾丸 NO LIMIT主催「三銃士~灼熱の新宿編~」
7月30日(土)新宿RUIDO K4
出演:弾丸 NO LIMIT / LEZARD / グラムヘイズ

■弾丸 NO LIMIT ワンマンライブ「MUZZLELESS」
8月28日(日)SHIBUYA REX