2018.9.2
ユナイト@恵比寿LIQUIDROOM
UNiTE. ONEMAN TOUR 2018「強くてNEW GAME」

バンドとして心が折れそうになった時期を乗り越え、6月に3年ぶりとなるフルアルバム『NEW CLASSIC』をリリース。これまでの作風とは一線を画し、彼らの新機軸となった今作で新たな一歩を踏み出したユナイト。彼らが決して過去を否定しているわけではないことを示すワンマンツアー『強くてNEW GAME』のツアーファイナルが、9月2日(日)、東京・恵比寿LIQUIDROOMで行われた。まだ沖縄での裏ファイナルが残ってはいるものの、全国18箇所に及ぶツアーで『NEW CLASSIC』の楽曲がどのように成長したのか、そしてユナイトのこれまでとこれからをどう提示したのかをここに記したいと思う。

ほぼ定刻、暗転し幕が開くとメンバーは板付きで登場し「リーベリ」からライヴはスタート。結(Vo)の伸びやかな歌声が会場を包み、ギターソロでは椎名未緒(G)とLiN(G)が息の合ったユニゾンを見せた。つづく「無限ピクセル」では会場を色とりどりのフラッシュリングやルミカが彩る中、“ここで終われるはずがないよ”と歌い、はやくもユナイトとしての決意を示してくれた。

「さぁリキッド!U’s(ユナイトファンの総称)の想いを届けてよ!!」と結が叫び、それに応えるようにU’sが声をあげるとライヴは「universe」でスピードアップ。「瞼に残光、」では勢いをそのままに自らの選択で今この場所にいることを歌い、「アンハッピータイムリーパー」の冒頭では結が「過去に戻ってもこの道を選択するよ!」と胸を張ったのが印象的だった。さらに会場のミラーボールがまわった「Romantic☆Trampoline」ではフロアがダンスフロアと化し、「絶望クリエイター」では一転、結の雄々しいシャウトを合図にヘッドバンギングの嵐が巻き起こった。

ここからはユナイトの強みでもあるメロディの美しさが際立つしっとりとした曲を、と「五月已」「good night」を届け、「栞」ではメロディの美しさもさることながら楽器陣の巧緻なアンサンブルが耳を引いた。

そしてライヴは後半戦、口火を切った「ubique」ではハク(B)がクールな面持ちで軽快にスラップを決め、「small world order」では莎奈(Dr)が軽やかで歌うように表情豊かなドラムを叩いた。そして業界初の縦型MVという意味でも、これまでのユナイトにはなかったという意味でも話題を呼んだポップな中華風EDMナンバー「隕石系スタジオパンダ」では、結が「この曲はツアーで育ったよね!」と言ったように、ツアーを通してファンと共に曲そのものを育てた様を感じられる1曲だった。

「僕らの始まりの曲」という紹介で始まった「レヴ」は言葉の通り、ユナイトが現在の五人になって最初の曲であり、いまこのタイミングであえて始まりの曲を演奏するということに意味を感じずにはいられなかった。当時から4年が経ち、様々な困難があったがユナイトの革命の火種はまだ消えていないことを示すワンシーンだった。

ライヴは終盤戦に差し掛かる。ユナイト随一のハードさを誇る「ice」では、「今日一番U’sの狂ってる姿を見せてよ!」と煽ると、それに応えるようにどんどんと乱れていくフロア。さらには昂ぶるフロアに触発され結がハクの顔を引き寄せ口づけたシーンには悲鳴があがった。そして「今の僕らを届けます」と披露されたパーティーファンクチューン「-ハロミュジック-」では、未緒とLiNのエッジィなカッティングを軸に、メリハリの効いたハクのベース、莎奈のダイナミクスのあるドラムと、ユナイトの「今」がこれでもかと詰まっていた。

「ここまで生きてくるなかで、辛い事、楽しい事、嬉しい事、悲しい事、色々な事があったと思うけど、それがあって今僕らはこうして一緒に音楽を楽しむ空間を作ることが出来ている。だから僕はそのすべてに感謝して、最後この曲をみんなに贈ろうと思います」と本編最後に演奏されたのは『NEW CLASSIC』の中で最も高さと広さを持つ「ホワイトスイマ→」だった。その高さ、広さはまるでこれまでのすべてを許して、包んでくれるような大きさがあった。曲中に「出会ってくれてありがとう」とフロアに結が投げかけると、フロアからはお返しと言わんばかりに大合唱が起こり、心地よい余韻を残してライヴは幕を閉じた。

ユナイトは必ずアンコールに応えるバンドではない。ただ、この日の鳴り止まないアンコールに彼らは応えてくれた。アンコールに用意されたのは「アイ-‘ation-」。このツアーを通じて感じたU’sへの感謝を込めて歌われたこの歌で、結はU’sに向けてだけではなく、メンバーの事もひとりひとり指差して歌っていたのが印象的だった。

こうしてユナイトの新たな一歩となるツアー、『強くてNEW GAME』はひとまず幕を閉じた。彼らが決して過去を否定して変化したわけでないことは、間違いなく会場に駆けつけたオーディエンス全員に伝わったことだろう。これは「リセット」ではなく、過去を引き継いだ「ニューゲーム」なのだ。彼らはしっかりとこれまでのすべてを連れてゲームのコンティニューボタンを押し、さらに新しいステージへ連れて行ってくれるはずだ。

まずは残された沖縄でのボーナスステージともいえる裏ファイナルと、9月23日に予定されているLINE LIVEで発表される今後に関するお知らせ(明るい)を楽しみにしていてほしい。

◆セットリスト◆
01.リーベリ
02.無限ピクセル
03.universe
04,瞼に残光、
05.アンハッピータイムリーパー
06.Romantic☆Trampoline
07.絶望クリエイター
08.五月已
09.good night
10.栞
11.ナユタの秘密
12.ubique
13.small world order
14.隕石系スタジオパンダ
15.レヴ
16.ice
17.-ハロミュジック-
18.ホワイトスイマ→

ENCORE
19.アイ-‘ation-

(文・小崎恒平/写真・MASANORI FUJIKAWA、さいちょー)


【オフィシャルLINE LIVE】
9月23日(日)ユナイトオフィシャルLINE LIVEにて20:00より発表あり!
https://live.line.me/channels/48883

【ライヴ情報】
●ユナイト 2018 ハロウィン ワンマンライヴ「May the Force be with you!」
10月31日(水)下北沢GARDEN
OPEN 18:15 / START 19:00
チケット料金:前売¥4,300 当日¥4,800(税込・ドリンク代別)
※未就学児童入場不可
チケット一般発売:9月8日(土)
イープラス https://bit.ly/2CtoeiM

●椎名未緒フィーチャーイベント「レムリア」
11月24日(土)渋谷REX
OPEN 17:00 / START 17:30
チケット料金:前売¥4,000 当日¥4,500(税込・ドリンク代別)
※未就学児童入場不可
チケット一般発売:9月8日(土)
イープラス https://bit.ly/2wQEunU

●ユナイト&キズ 2マンツアー 「水と油」
11月28日(水)名古屋E.L.L OPEN 18:00 / START 18:30
11月29日(木)OSAKA MUSE OPEN 18:00 / START 18:30
12月3日(月)渋谷TSUTAYA O-WEST OPEN 18:00 / START 18:30
チケット料金:前売¥4,200 当日¥4,700(税込・ドリンク代別)
※未就学児童入場不可
チケット先行期間:10月12日(金)18:00~10月17日(水)16:00
チケット一般発売:11月3日(土)

キズ オフィシャルサイト http://ki-zu.com/

●UNiTE. ONEMAN TOUR 2018 「強くてNEW GAME」
9月8日(土)沖縄 桜坂セントラル <TOUR 裏FINAL> OPEN 16:00 / START 16:30
9月9日(日)沖縄 桜坂セントラル <TOUR 裏FINAL> OPEN 16:00 / START 16:30

チケット料金
前売¥4,300 当日¥4,800(税込・ドリンク代別)
前売¥4,800 当日¥5,300(税込・ドリンク代別)※9/2恵比寿LIQUIDROOM公演のみ
※未就学児童入場不可/営利目的の転売禁止・転売チケットの入場不可
チケット情報:http://www.unite-jp.com/schedule/oneman

ユナイト オフィシャルサイト http://www.unite-jp.com/
ユナイト オフィシャルツイッター @official_unite