2018.2.11
PENICILLIN@新宿ReNY
「26th ANNIVERSARY HAPPY BIRTHDAY & VALENTINE’S DAY LIVE SPECIAL」

PENICILLINの結成26周年記念公演「26th ANNIVERSARY HAPPY BIRTHDAY & VALENTINE’S DAY LIVE SPECIAL」が2月10~11日、新宿ReNYにて行われた。2月14日が結成記念日のPENICILLINにとって、この時期にライブを行うことは恒例となっているが、例え“いつもの”ライブであったとしても、何年と積み重ねてきていても、いや、むしろ何年も積み重ねてきているからこそ、1年の中でやはりこの記念公演は特別なものである。

迎えた二日目、新たな1年の幕開けを示すように「NEW FUTURE」でスタートを切ったステージは、圧倒的な存在感を放つHAKUEI(Vo)、ヘヴィかつ華のあるテクニカルなプレイで魅せる千聖(G)、抜群の安定感とトリッキーさを併せ持つO-JIRO(Dr)、そんな3人を支えるサポートベースのHIROKIにより、様々な場面を経ながら幅広いラインナップで展開していった。

序盤のMCでHAKUEIは、26周年を迎えられたことに対し「色々あるけど、今年もステージに立てて嬉しいです。当たり前のように迎えているけど、奇跡です。こういう瞬間を大切にしていきたい」と話すと、初日に発表された件に触れた。今回の周年ライブでは“いつも”とは異なる点があり、10年半に渡ってPENICILLINのライブをサポートしてきたHIROKIが、26周年の東京・大阪での全4公演をもって卒業することとなった。メンバーが学生時代からの交友関係にあり、特別な存在であっただけに、ファンにとっても衝撃的な発表となったのだった。

「PENICILLINは進んでいくし、地球は回っているわけで、同じ空の下、皆で生きていくわけでしょ? 今日も盛り上がってくださいね!」と、どこか寂しさの漂う場内の空気を払拭するように、HAKUEIはオーディエンスに言葉を投げかけた。そこから披露された「メランコリア」「CRASH」「飛翔遊戯」の展開は、こちらの深読みだとしてもあまりに美しかった。憂鬱も涙も切り裂いて、誰にも負けないダイヤの翼で、どこまでも遠く大空へと羽ばたいていく…そんな彼らの未来を思った。

中盤では、O-JIROの「26年間やっていても楽しいんですよ。今年は026=O-JIROの年ということで、楽しんでいきたいと思います!」という宣言で和やかなムードに。さらに千聖の「PENICILLINの歴史の中で、HIROKIさんがいたこの10年半を“HIROKILLIN”と呼ぶのはどうかなと」という提案に、場内が笑いに包まれる一幕もありながら、「×・×・×」を皮切りにステージは熱量を上げ、「BVB」では千聖、HIROKI、O-JIROも順にヴォーカルパートをとりオーディエンスを湧かせた。

「平昌オリンピックが始まりましたね。なぜかPENICILLINにはオリンピックにまつわる曲がありまして」と「Justice」へ。曲中、HAKUEIがスキージャンプを真似たポーズを取るという、なんともお茶目なワンシーンも見られた終盤戦は、さらに激しさを増し、「Blood Red Snow White」「快感∞フィクション」「イナズマ」という連投をもって、本編を終えたのだった。

オーディエンスによる〈Happy Birthday Dear PENICILLIN〉の歌声に迎えられ、チョコレートケーキでお祝いをしたアンコール。HAKUEIは改めてHIROKIの卒業に触れると、「続けてきたからこその寂しさでもあり、乗り越えられることでもある。そういうことをファンの皆と共有できるバンドもなかなかいないと思う」と話したのだった。そして「懐かしい曲をやろうと思います」と、インディーズ時代の2曲を披露。「螺旋階段」では温かな光とオーディエンスの合唱で多幸感に包まれ、空気を一変させるHIROKIのリフからスタートした「Melody」では、HAKUEIがHIROKIを後ろから抱きしめる場面も。

さらにダブルアンコールでは、千聖からの「オン・ベース、HIROKI!」というコールと共にライブ鉄板曲をドロップ。フロアに満場の拳が上がった「Desire」ではHAKUEIがHIROKIにマイクを向けたり、千聖とHIROKIがセンター位置で向かい合いプレイし、両手でハイタッチ、そして、HIROKIがO-JIROのもとに駆け寄ると、ラストナンバー「FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE」でこの日一番の熱狂を描き、HIROKIは幾度も「ありがとう!」と叫んだのだった。

誰もが簡単に成し遂げられることではない26周年という記念日でありながら、この一夜を通して感じたのは、感謝と敬意をもってHIROKIを送り出そうとしているHAKUEI、千聖、O-JIRO、そしてファンの果てしなく温かな愛情だった。彼らは一つの節目を乗り越え、また新たな領域へと突き進んでいくだろう。大丈夫、ダイヤの翼を持っているのだから――。

◆セットリスト◆
01. NEW FUTURE
02. Rosetta
03. JULIET
04. 太陽
05. メランコリア
06. CRASH
07. 飛翔遊戯
08. 冷たい風 -20th Ver.-
09. ×・×・× -20th Ver.-
10. バラ
11. Japanese Industrial Students
12. BVB
13. Justice
14. Blood Red Snow White
15. 快感∞フィクション
16. イナズマ -20th Ver.-

En1
01. 螺旋階段 -20th Ver.-
02. Melody -20th Ver.-

En2
01. Desire -20th Ver.-
02. FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE

(文・金多賀歩美/写真・加藤正憲)

※写真は2月10日&11日公演


【ライブ情報】
●「26th ANNIVERSARY HAPPY BIRTHDAY & VALENTINE’S DAY LIVE SPECIAL」
2月17日(土)大阪・梅田 Shangri-La OPEN 17:30 / START 18:00
2月18日(日)大阪・梅田 Shangri-La OPEN 16:30 / START 17:00
チケット:各公演 ¥6,500(税込/D別)発売中

<プレイガイド>
・e+ http://eplus.jp
・ローソンチケット http://l-tike.com 0570-084-003
・チケットぴあ http://t.pia.jp 0570-02-9999
INFO.:夢番地大阪 TEL.06-6341-3525

●「QUARTER DOLL PRESENTS FC LIMITED LIVE 2018 26th Penicillin Shock」
3月26日(月)東京・目黒鹿鳴館
3月27日(火)東京・目黒鹿鳴館
※ファンクラブ限定ライブの為、一般発売はありません。

PENICILLIN オフィシャルサイト http://www.penicillin.jp/