ライブレポート

2017.12.10
wyse@新宿ReNY
「Live Tour 2017 Breathe」

12月10日、wyse「Live Tour 2017 Breathe」のファイナル公演が新宿ReNYにて行われた。ツアーファイナルという言葉だけを耳にすれば、ごく一般的なものであるが、wyseにとってこのステージは、それ以上の大きな意味を持つ特別な日だった。

1999年2月14日に結成したwyseは、6年後の2005年2月13日、渋谷公会堂公演をもって解散。6年間の沈黙の後、2011年2月14日に再結成し、その後6年間活動を続けてきた彼らは、2017年2月12日に行われたワンマンライブにて所属事務所からの独立を発表した。そして8月23日、ニューアルバム『Breathe』で実に約16年ぶりとなるメジャーデビューを果たし、その最新作を引っ提げ、解散以来約13年ぶりの全国ツアーをスタートさせたのだ。メンバー4人の決断により、新たな道を歩み出した2017年。wyseにとって“初めての7年目”、この一連の物語を完結させる終着地が、ツアーファイナルである新宿ReNYなのだった。

銀テープが舞い、華々しい幕開けを飾ったのはメンバー4人のことを綴った「Primal」。〈予測出来る未来のその先へ〉と歌うこの楽曲がオープニングナンバーとして選ばれたことに、彼らの思いを感じずにはいられない。今現在のwyseの根底にあるもの、そしてここから始まる2017年12月10日という日のステージの結末を示唆するかのようだった。そこに続いた楽曲が最新作の1曲目「Open Your Eye’s」、リード曲「Heart」であったことも、さらにそれを確信へと導いてくれた。

その頃、既に月森(Vo)の顔には大粒の汗が光っていた。「13年ぶりの全国ツアーで、各地から思いを受け取って帰って来たぜ! 熱いライブにしようぜ!」そんな月森の言葉から、「Vision」「J・E・T」「Rolli’n Rolli’n」と、wyseの魅力の一つでもある月森とTAKUMA(Vo、B)によるツインヴォーカルが冴え渡り、場内の熱を上げていく。ライブが進んでいくうちに改めて感じたのは、この抜群の相性を誇るツインヴォーカル(しかも、TAKUMAがベーシストであること)と、これほどまでにリードとバッキングの役割が入れ替わり、二人のギタリストが対等な立場でプレイするバンドというのは、希有な存在だということだ。しかも、彼らはそれを所謂バンドの“売り”にはしていない。この4人が奏でる音がwyseである――彼ら自身にとっては、ただそれだけのことなのだ。

各地での思い出話で和んだ場面では、MORI(G)から「各地で自分たちが思い描いていた以上のレスポンスがあって。それがここに繋がっていると思うんだけど、ReNYの今、最高の景色が見られています!」という嬉しい発言もありながら、ライブは中盤戦へ。「Plastic Monkey」「Feeling」「やってらんねぇ」「Fake Monster」と、ハードナンバーの連投にフロアの熱はさらに上昇。中でも最新作に収録されているHIRO(G)作詞作曲による「Fake Monster」は、このツアーを通してより破壊力を増し、今後もwyseのライブの鉄板曲になっていくことは間違いないと感じる進化を遂げていた。

「その時々、Withの対象が変わる気がして。ツアーファイナルで帰って来た今日は、その全部が一つでも欠けちゃいけないという気持ちで届けられるんじゃないかと思います」(月森)と、wyseが上京した際の楽曲であり最新作にも収録されている、彼らにとって大切な1曲「With…」、そして2005年の解散前ラストアルバム『Colors』の最後に収められていた「Friend」が披露された一幕は、この場所に居合わせた多くの人々の心を震わせたことだろう。時を経て、今ここで4人が音を奏でていること、ここに満員のファンがいること、それは紛れもない現実であり、真実なのである。

「去年の今頃、色々と話し合って、メンバー全員がwyseを好きなんだということがわかりました。同じことを繰り返すだけではなく、生きているんだということを音に、行動に表せたと思います。未来を作るための決断だったので、みんなで未来を作れたらと思います」とTAKUMAが現在の思いを告げると、「Glorious Story」へ。〈どんな未来でも きっと大丈夫 その重ねた手を強く信じて〉という彼らからのメッセージが真っ直ぐに届く。wyseの未来は輝いているに違いない、そう思わせてくれた瞬間だった。

さらに、〈失うモノなど もう 何ひとつない〉と歌う「I’m a dreamer」を経て、「未来のことはわからないけど、悲しませるためにやっているわけじゃなくて、やるからには喜びを、笑顔を作るために頑張るから、よろしく! 過去に戻るんじゃなくて、未来に行くから」(TAKUMA)と「in the Moonlight」をプレイし、最高の笑顔が溢れる中「忘れられない夜をありがとう!」と、メンバーはひとたびステージを後にした。

アンコールでは、「ライブにはほんの少しのサプライズが必要だと思っています」と、新曲「Break Off」を披露。この楽曲が来年2月7日にシングルリリースされることが発表され、「ちゃんと未来への道を作っているから、歩いて来てね!」(TAKUMA)とメッセージを贈った。そして「Air」「終わらない夜のマーメイド」で多幸感に包まれると、「BLAST」で再び熱狂の空間を作り上げたのだった。

「いろんな未来があると信じています。そんな俺らのことを信じてください」(TAKUMA)という言葉から、「I believe」をファンの大合唱と共に奏でたダブルアンコール。満足気に頷くMORIとHIRO、満面の笑みを見せる月森とTAKUMAの姿が印象的だった。「本当に熱いファイナルでした! ありがとうございました!」という月森の挨拶をもって、このステージは終幕を迎えた…はずだったが、鳴り止まない声に応え、予定にはなかったトリプルアンコールが実現。ラストを締め括ったのは「chain」だった。蛇足を承知で付け加えるならば、wyseのファンクラブ名、そして設立した会社名も「CHAIN」。つまり、このワードも彼らとは切っても切り離せない大切なものの一つ。この日一番のOiコールが響き渡り、まさに大団円を迎えたのだった。

2017年12月10日、wyseにとって2017年の集大成とも言える一日が幕を下ろした。この日、幾度も楽曲と彼らの口から発せられた“未来”という言葉。彼らはまだ見ぬ未来へ向かうために、今を全力で生きている。近い未来、2018年2月10日に開催が決定しているTOKYO FM HALLでの結成19周年記念公演を皮切りに、『Opening of the 20th year』という冠のもと活動を展開していくという。wyseはまた新たなスタートラインに立ったのだ。彼らと共に“未来”へ歩を進めよう。どんな“未来”でもきっと大丈夫――。

◆セットリスト◆
01. Primal
02. Open Your Eye’s
03. Heart
04. Vision
05. J・E・T
06. Rolli’n Rolli’n
07. Vanising
08. 3 years later,I…
09. RinNe
10. J’s Song
11. Rainbow
12. 無色の雪
13. Plastic Monkey
14. Feeling
15. やってらんねぇ
16. Fake Monster
17. L.A.S.P.U.P. -Unperformed Performer-
18. With…
19. Friend
20. Glorious Story
21. I’m a dreamer
22. in the Moonlight

En1
01. Break Off
02. Air
03. 終わらない夜のマーメイド
04. BLAST
En2
01. I believe
En3
01. chain

(文・金多賀歩美)


【リリース情報】
New Single『Break Off/キミグラデーション』
2018年2月7日(水)発売
(販売元・発売元:コロムビア・マーケティング)

[Aタイプ]
「Break Off」/「キミグラデーション」
(Bonus track)
Primal/Magic/Vision/Countless Trigger/Slow Time/終わらない夜のマーメイド/Fake Monster/My name is Japanese Breaker/Like sewing up/Glorious Story

[Bタイプ]
「Break Off」/「キミグラデーション」
(Bonus track)
Heart/Plastic Monkey/誘惑なパラダイス/Vanilla Sky/RinNe/Air/Miss txxx/L.A.S.P.U.P./無色の雪/Chain

[Cタイプ]
「Break Off」/「キミグラデーション」
(Bonus track)
Open Your Eye’s/Rainy/To Shy/float/Tears of snow/Feeling/Rollin’ Rollin’/BLAST/With…/I believe

各シングル 共通¥1,700+税

【ライブ情報】
Opening of the 20th year Special Live
「360° 〜1999-2018〜」
2018年2月10日(土)TOKYO FM HALL
OPEN16:30/START17:00
チケット 4,800円/5,300円(別途D代)

wyse オフィシャルサイト http://wyse-official.com/
wyse Twitter @wyse_official