ライブレポート

2015.9.21
Moran@Zepp DiverCity
Last Live「夜明け前、最後の夜に永遠を紐解く方程式を夢む」

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7年半に渡って活動を続けてきたMoranのラストライブが、Zepp Divercityで行われた。闇を肯定し、マイノリティへの音楽を作り続けてきた彼らが、最後のライブに託した「永遠」とは――。

幕開けは「痕跡とキャンバス」。ステージを覆っていた白幕が落とされると、フロアを埋め尽くしたHolicたちの大歓声が5人を迎え入れた。「Eclipse」では照明の落とされたフロアに色とりどりのフラッシュリングが瞬き、「もっとやろうぜ!」とSoan(Dr)が笑顔で煽れば、vivi(G)も愛らしいハンドクラップを披露し、会場の熱をどんどんあげて行く。
「さぁ、パーティーを始めよう」
そんな言葉で「紅差し」を投下すると、響くピアノとシャッフルビートに、フロアに巨大なモッシュの渦が巻き起こり、「もっと距離を近づけてほしいんだよ、Holic!」というHitomi(Vo)の叫びがさらなる狂騒を掻き立てる。

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と、不意に全ての音が消え、あたりが闇に包まれると、viviが爪弾く不穏なアルペジオが鳴り響いた。その手に捧げ持たれたバラの花束が落ち、静かに始まったのは「望めないと知る結末に、理由が僕を慰める」。憂いをまとった音でMoranの“静”と“暗”を奏でると、続く「The Hermit」では静かに降り注ぐ雨の音の中、黒い傘を差したHitomiがファルセットを美しく響かせた。まるで吐息のようなタイトルコールから始まった「rub」は徐々に轟音へと変貌を遂げ、「同じ闇の中で」では優しいピアノの音と共に舞い降る雪が慈愛に満ちた歌を優しく包み込む。どこを切り取っても美しく、彼らの美学が随所に織り込まれたステージから、一瞬たりとも目が離せない。

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本編も後半に入り、5人は再びその勢いを加速させていく。Siznaがテクニカルなギターを情熱的にかき鳴らした「人間の人間による人間の為の恋路」、Oiコールが響き、拳が視界を埋め尽くした「Reverse」では、Soanの主導でフロアから割れんばかりのメンバーコールが沸き起こる。さらに、まだまだ物足りないとばかりに「彼」をドロップすれば、スライディングしてベースを弾き倒すIvyを筆頭に、5人が激しくプレイ。恒例のSiznaの煽りで「Maybe Lucy in the sky」を投下する頃には、会場の中の熱量は怖いほどで、いつも以上のテンションでギターを掲げてステージを駆け回るSiznaに負けじと、フロアも沸点超えの狂騒感に包まれた。

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名曲たちを惜しみなく詰め込んだ本編のラストは「浮遊病」。Hitomiがメンバー一人ひとりのところに向かい、肩を組みながら歌いあげ、「存在の軽さに重しをしてくれた君たちに、心からの感謝を」――そんな言葉で締めくくられた。

間髪入れずに響いたアンコール。ここでHitomiからタイトルにある“永遠を紐解く方程式を夢む”の意味について語られた。
「俺は、“永遠を夢見る”より、ここにいるみんなと、途方もない永遠というものを解き明かしていくことにロマンティックを感じたんです。「俺たちは永遠だぜ」って言うのは簡単なことだけど、永遠というのはそんな簡単に手に入るものじゃない。絶対に手に入らない永遠にみんなと少しでも近づけるか、それを夢見たツアーでした。このライブが終わる頃には少しでもその答えに近づけたらと思います」
そんな言葉に次いで奏でられた「以降、白紙のクロニクル」ではSiznaのアコギにIvyのベースが絡み、ほの暗いステージで、膨大な時が待つ未来への思いが紡がれていった。

もちろん、このままでは終わらない。トーチの炎に照らされ情熱的に奏でられた「堕落へと続く偏愛の感触」、デジタルなサウンドの「ロワゾ・ブルー」ではジャンプでフロアを揺らし、ラストの「Blubs」では眩い銀テープが降り注ぐ中、笑顔で歌うHolicたちに「素敵な夢を本当にありがとう。枯れては再生を繰り返し命は巡っていくんです。いつかまたその球根が新しい芽を出すまで…」という未来への希望を予感させる言葉でアンコールを締めくくった。

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「もしMoranという闇を失っても、ちゃんと太陽の下で生きていけるように」
この日2度目のアンコールで奏でられたのは、ラストシングルのタイトル曲「夜明けを前に」。インタビューでSoanが「大きいホールの中で起こる大合唱をイメージして作った。一緒に歌う、呼応しあうことで、人と人の気持ちが伝わるし届けられると思う」と語っていたが、沸き起こった大合唱は彼らが思い描いた以上のものだったに違いない。
何度も何度も祈るように歌われる〈静けさに 耳を傾けていた 君の心音が 穏やかに響く こんなにも 夜の愛しさを 分け合う事ができたね〉、その言葉をかみしめるように歌いきると、まばゆい光の中、静かに幕が閉じ始めた。振り絞るように告げられる「いつかまた再会できることを心から願っています。これからみんなで光の中を歩いて行かなくてはいけないのだけれど、陽はまた落ちてまた闇はそこに帰ってくるから、どうか怯えないで。心からみんなのことを思っています」というHitomiの言葉と共に。

白い幕越しに映し出される5人のシルエット。そして告げられる感謝と別れの言葉。すすり泣きが響くフロアに、Hitomiから最後に「たくさん泣いてくれてありがとう。僕の誇りです」という言葉が投げかけられた。

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誰もがここでライブ終了…と思ったが、なんとこの後に3回目のアンコールというサプライズが! 「マニキュア」に始まるアッパーな曲揃いのセットリストにフロアの熱は一気に上昇し、Hitomiの「空調切っちゃってください!」の言葉でさらに激熱な空間を作り上げると、「Stage gazer」「Silent Whisper」、さらに待ちわびた名曲「Party Monster」をドロップ。最後は笑顔で7年半の活動にその幕を下ろしたのだった。

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長い長い物語のような3時間半に及ぶラストライブ。決して覚めたくはなかった夢から覚め、我々は光の中へと向かっていく。その大いなる糧となるこの夜のことを、決して忘れることはないだろう。

◆セットリスト◆
01. 痕跡とキャンバス
02. Element
03. Eclipse
04. ハーメルン
05. White Out
06. 紅差し
07. 暁に燃ゆ
08. 望めないと知る結末に、理由が僕を慰める
09. The Hermit
10. Wing or Tail
11. rub
12. 同じ闇の中で
13. 遥かの青
14. 人間の人間による人間の為の恋路
15. 目下の泥濘
16. 幸福についての尺度
17. Reverse
18. 彼
19. 今夜、月のない海岸で
20. Lyric of the DEAD
21. Maybe Lucy in the Sky
22. Break the Silence
23. 浮遊病

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24. 以降、白紙のクロニクル
25. 皮下に滲む
26. Fairy tale
27. 堕落へと続く偏愛の感触
28. 明日への剥離
29. ロワゾ・ブルー
30. Vegaの花
31. Bulbs

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32. 夜明けを前に

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33. マニキュア
34. LOSER’S THEATER
35. Stage gazer
36. Silent Whisper
37. CELLO SUITE
38. Party Monster

EN4
39. Maybe Lucy in the Sky

(文・後藤るつ子/写真・Dora)


【Moranからコメント動画が到着!】

【「夜明けを前に」のMV撮影を行ったMoranから新たなコメント動画が到着! 「Moran スペシャルコメント~Ivy(時々Soan)編~」ぜひチェックを!】


【リリース情報】
今冬発売決定!!
●2015.9.21(mon)Zepp Diver City Moran Last Oneman Live「夜明け前、最後の夜に永遠を紐解く方程式を夢む」Live DVD
●Moran MV BEST(Last Single「夜明けを前にを撮影、収録」)
●Moran All Time BEST 2008-2012(未収録音源「rub」「マニキュア」収録)
●Moran All Time BEST 2012-2015(「Soan新曲収録」)

詳細はMoranオフィシャルサイトをチェック!