ライブレポート

2014.12.31

黒夢@Zepp Nagoya

「TOUR 2014-2015 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.2『毒と華』」

 

9_IMG_0680_M

 

高崎晃の飛び入りというサプライズを含む大阪での狂宴終了から丸1日を経た大晦日の夜、黒夢は名古屋にいた。

2014年最終公演の会場は、ZEPP NAGOYA。かつて年間を通じてのツアー日程が公表された際、「名古屋公演の本数が極端に多いことの意味も察して欲しい」と清春が語っていたことを記憶している読者も少なくないはずだが、実際、黒夢として年間を通じて行なわれてきた全53本のライブのうち、この夜を含めて彼らは計6回にわたってZEPP NAGOYAのステージに立っており、11月15日にDIAMOND HALLにて行なわれた〈BOYS ONLY〉を含めれば、年間7本の名古屋公演を実践してきたことになる。ここまで名古屋にこだわるのは、当然ながらそこが黒夢にとって聖地ともいうべき場所だからだろうが、所縁深い街のシーンを活性化しようという彼らの心意気もうかがえる。

 

1_IMG_0028_M

 

2_MG_0099_Y

 

場内が暗転し、オープニングSEの「ZERO」が聴こえてきたのは、午後10時48分のこと。メンバーたちが配置に着き、清春の「名古屋!」という扇動に、フロアを埋め尽くしたオーディエンスが大音量で呼応する。幕開けに据えられたのは「I HATE YOUR POP STAR LIFE」。ものすごい体感スピードだ。しかも間髪を入れず畳み掛けるようにして、次から次へと攻撃的チューンが連射され、観ているこちら側も曲間で息を継ぐ暇がないほどだ。しかも清春は愛すべき街を叱咤するかのように「名古屋!」という呼びかけを連発する。

 

「黒夢初の名古屋でのカウントダウン。楽しんでください! 言い忘れてた。名古屋の黒夢です!」

 

3_MG_0900_Y

 

冒頭の5曲を経たところで、空気が一変する。アコースティック・セットが組み込まれているのだ。しかも黒夢は、“いかにもアコースティックが嵌まりそうな曲”ばかりをそうしたアレンジで聴かせるわけではない。通常ならば踊りだしたくなるようなアッパー・チューンをジャジーにキメてしまうあたりには、さすがにこの顔ぶれの懐の深さ、適応力の高さが生半可なものではないことを感じずにいられない。

 

4_MG_9730_Y

 

5_W5A5216_Y

 

その後、「MASTURBATING SMILE」「FASTER BEAT」の波状攻撃でフロアはふたたび炎上。そして続く「SUCK ME」の途中、清春はメンバーたちに視線を送り、演奏を止めさせた。

「2015年まであと90秒。今年は黒夢で、すげえいろいろ良い思い出が作れました。来年もついてきてください! 名古屋でカウントダウンできて幸せです!」

その直後、新年の到来を呼び込むカウントダウンで場内の熱気が最高潮に達したことは言うまでもない。そして、2015年の黒夢が最初に披露したのは、MISFITSの「LAST CARESS」をSEに用いながらの「FAKESTAR」だった。

 

6_IMG_0055_M

 

7_MG_9686_Y

 

こうして黒夢の2014年は幕を閉じ、同時に2015年という新たな年がスタートした。もちろん演奏は日付が変わってからもたっぷりと続き、度重なるアンコールの最後の最後、「Like@Angel」の大合唱が終わり、メンバーたちがステージを去る頃には、時計の針がすでに午前1時50分をまわっていた。その少し前、清春はステージ上からこんなふうに呼びかけていた。

 

「よくやってると思います、我ながら。好きな音楽をやって、好きなように生きてます。お互い好きに頑張ろうね。そしてお互い好きに楽しんで、できるだけ美しく、できるだけあざとく、できるだけ正直に、歳を重ねていきましょう!」

「2月まで、これを楽しみましょう。最高の日々を楽しみましょう。僕も人時君も幸せです。だからもう……本当に愛してます!」

 

清春はさらに、「2015年も、他は関係ありません。僕らがいちばん最高です!」とも言い切っていた。そう、黒夢は今も黒夢以外の何ものでもなく、しかも清春と人時のパートナーシップは過去最上級といえる状態にある。年が変わろうとその事実は変わりようがないし、2015年も黒夢は唯一無二の存在として独走を続けることになるのだ。

 

8_IMG_0169_M

 

そして、このロング・ツアーは当然ながらまだまだ続く。清春の言葉にも含まれていたように、2月9日、すなわち彼らにとって21回目のデビュー記念日に、この夜と同じZEPP NAGOYAでの公演をもって、このツアーは最終着地点へと至ることになる(広島での振替公演をのぞく)。この夜の名古屋はとても冷え込み、深夜には雪も降っていた。しかしZEPP NAGOYA館内のまるでサウナのような熱気は、清春と人時が姿を消してからもその場に充満したままだった。2015年もこの熱を、存分に味わい尽くしたいものである。

 

 

◆セットリスト◆

SE. ZERO

01. I HATE YOUR POPSTAR LIFE

02. CLARITY

03. 13new ache

04. someone

05. heavenly

06. FREE LOVE,FREE SEX,FREE SPEECH(ACO.)

07. くちづけ(ACO.)

08. A LULL IN THE RAIN(ACO.)

09. LOVE ME DO(ACO.)

10. アロン

~ BASS Solo ~

11. MASTURBATING SMILE

12. FASTER BEAT

13. SUCK ME!

~ HAPPY NEW YEAR !! ~

SE

14. FAKESTAR

15. C.Y.HEAD

16. SICK

 

<ENCORE1>

17. HELLO CP ISOLATION

18. ROCK’N’ ROLL

19. CANDY

<ENCORE2>

20. 優しい悲劇

21. ミザリー

22. 棘

23. for dear

<ENCORE3>

24. 後遺症

25. KINGDOM

<ENCORE4>

32. Like@Angel

 

 

(文・増田勇一/写真・山内洋枝、森好弘)