ライブレポート

2014.9.21

Moran@赤坂BLITZ

Oneman Live「The Chaotic Movement」~あるいは再挑戦という名の帰還~

 

Moran main

 

今年1月に、ここ赤坂BLITZで行われた「The Romantic Movement」~誰が為にも闇は鳴く~。そこで発表された「The Chaotic Movement」~あるいは再挑戦という名の帰還~が、この夜開催された。

 

ぽっかりと口を開けた洞窟とボタニカル。深い森を思わせるセットを背に、白い衣装をまとった5人がステージに姿を現した。

沸き起こる歓声を縫って鼓膜を震わせたのは、静かに降り注ぐ雨の音。

この日の1曲目は「The Hermit」。黒い傘を差したHitomi(Vo)の独特の憂いと色香を帯びた歌声に、浮遊感のあるギターが絡み合い「The Chaotic Movement」は実に抒情的に幕を開けたのだった。

と、その静けさから一転、響き渡る華やかな電子音は「but Beautiful」。

 

「始めようか! 踊ろうぜ!」

 

特攻の破裂音が、静から動への切り替わりを高らかに告げると、ハンドクラップと共にSiznaとviviのギター陣は両の花道に飛び出し、フロアを激しく煽る。目の前がパッと開けるような、サビの解放感溢れるコーラスで、あっという間に空気の色を塗り替えてしまった。

 

Moran1

 

この夜らしい狂乱がその片鱗を見せ始めたのは、ルージュのような艶めかしい光の下、シャッフルビートが炸裂した「紅差し」。ギター隊が見事なシンクロを見せた「ある策士との遊戯録」では〈1、2、3、4!〉の力強いコールに爆発的な熱が生まれる。Hitomiとviviのキスに大歓声が起こったこともここに記しておこう。

 

 Moran3

 

印象的なギターリフで始まった「メランコリア」、打って変ってダークメルヘンを思わせる3拍子が「秒魔」の幕開けを告げれば、Ivy(B)の指が、Soan(Dr)のキックがはじき出す重低音が会場内を重く黒く塗り替えていく。

魅せることをとことん追求したMoranのステージ。次々に投下される楽曲と華のあるパフォーマンスは一瞬たりとも目が離せない。

 

「今日は大抵のことは、カオスだったねってことで許されちゃうんじゃないかな」

そんなHitomiの言葉が更なる狂乱を誘った後半。

ステージの両端にある花道上手にはHitomiとSizna、下手にはviviとIvyが陣取り、「ホロウマン」をドロップ。ステージもフロアも、一糸乱れぬ様は圧巻で、ぞくぞくするような一体感を見せてくれる。

 

 Moran3

 

Ivyの咆哮が響いた「Lyric of the DEAD」、タオルの嵐が巻き起こった「ホログラム」と、緩急のあるセットリストでフロアを蹂躙した本編。そのラストは、

「アイデンティティに重さを取り戻します。必ずやるから。だから大丈夫、信じて」

という言葉で、会場に満天の星空を作り出した「浮遊病」。静かに、しかしはっきりと、彼らの確固たる意志を提示したのだった。

 

 

アンコールで登場したHitomiの手には、赤いバラ。

「すごくバラが似合いそうな曲なんです」

という紹介と共に、10月8日にリリースされる新曲「堕落へと続く偏愛の感触」が初披露された。奏でられたのは切なくも情熱的なメロディ。Siznaが掻き鳴らすアコギにvivi、Ivyの弦楽器隊が複雑に絡み、Soanの繰り出すリズムがそこに彩りを添えていく。

 

いつまでも耳に残るその余韻に浸っていると、突然のまばゆい光と轟音と共に「ロワゾ・ブルー」、「Bulbs」へ。

留まるところを知らずに上がり続ける熱。アンコールのラストでHitomiが連呼した「すげー!」という言葉は、最高の景色を描いて見せた客席に贈る何物にも代えがたい賛辞だった。

 

 

やまないアンコールの声に応えて登場したメンバーは、Moranには珍しい全員Tシャツ姿。Siznaの超高音ヴォイスの煽りとフロアの興奮が相まって、テンション高く始まったダブルアンコール。

ここから、この日のタイトル「Chaotic movement」の本領を発揮することになる。

Soanのアジテートで「エスター」を投下すれば、Hitomi、Sizna、vivi、IvyがCO2を噴射! 溢れかえる熱とパワーが会場を満たして苦しいほどだが、Hitomiは更に貪欲に全員を煽り倒し、Chaoticな空気を濃厚にしていく。

 

Moran4

 

続いてドロップされた「今夜、月のない海岸で」にはこんな補足がされていた。「だから今夜はChaoticなバージョンで」。

そして描きだされたのは、まさに見事なカオス絵図。

〈お前の為に綴る唄を〉〈私の為に綴る唄を〉のコールアンドレスポンスも、徐々に絶叫と悲鳴へと変化していく。文句なしに過去最大の音量をフロア中から引き出し、ラストはとびきりのパーティチューン「Party Monster」へ。このまま華やかに幕を閉じる…はずだったが、Hitomiの「もうちょっとやろうか」の一言で、予定外の1曲が急遽追加に!

一体どの曲なのか気になるHitomiに、曲のセレクトを一任されたSizna曰く、

「Soanが吠える曲、皆さんがサビで『エァァァ!』っていう曲です」

困惑するHitomiをよそに投下されたのは「彼」。最高のサプライズでChaoticな夜を完遂したのだった。

 

Moran5

 

この日、文句なしに「The Chaotic Movement」を体現して見せたMoran。

最後は「俺たち、ゴールはまだまだこんなところだと思っていないから。だからもっともっと先を目指していきます」という言葉でこの日を締めくくった。

突然の活動休止のニュースが駆け巡ったMoranだが、彼らが見据える未来はまだまだ遠くまで続いている。

まずは、史上最大公演数のワンマンツアー「博愛よりも偏愛を」で、その未来の一片をその目に焼き付けていただきたい。

 

◆セットリスト◆

01. The Hermit

02. but Beautiful

03. White Out

04. 紅差し

05. ある策士との遊戯録

06. メランコリア

07. 秒魔

08. Wing or Tail

09. 以降、白紙のクロニクル

10. Element

11. 南へ

12. ホロウマン

13. Lyric of the DEAD

14. ホログラム

15. マニキュア

16. Break the silence

17. 浮遊病

 

EN1

18. 堕落へと続く偏愛の感触

19. ロワゾ・ブルー

20. Bulbs

 

EN2

21. Maybe Lucy in the Sky

22. エスター

23. 今夜、月のない海岸で~Chaotic ver.~

24. Silent whisper

25. Party Monster

 

Special En

26. 彼

 

(文・後藤るつ子)