ライブレポート

2013.8.24

ユナイト@川崎CLUB CITTA’

『祭っちった。』

 

ユナイト0824全景

 

これまでも、自らのホームページを使い、謎のカウントダウンを行ったり、ライヴ終演後に謎の映像をアップしたり、大型カラオケ店とのコラボ企画で1日店長をしてみるなど、様々な企画で、観る者にユナイトというバンドを楽しませてきた彼ら。そんな彼らが、またしても他に類を見ない独自なイベントを企てたのだ。それは、一言で言うならば、【祭】。200%ユナイトを満喫出来てしまうという、彼ら発信の夏祭りであったのだ。

 

『祭っちった。』と名付けられたこの祭は、8月23日と24日の2日間、川崎CLUB CITTA’で行われた。この祭りは、2日間で3部のライヴに分かれており、各公演が、6月から3ヵ月連続でリリースし、尚且つ全作品が予約完売を記録したSerial story CDの上巻『small world order』、中巻の『色即是空 -イロスナワチコレソラナリ-』、下巻の『ハートレス クラシックメモリー』をフィーチャーしたセットリストによって構成されていた特別なライヴだったのである。

 

このSerial story CDとは、メインコンポーザーである椎名未緒の書き下ろした小説を楽曲に落とし込み、上巻から下巻に分けてアプローチした3部作で、豪華盤には原作の短編小説が付けられていたという、これまた彼らならではのコンセプチュアルなモノだったのだ。

 

1日目にはライヴを2公演行い、2日目には、ライヴ前にレクリエーションとして、13時から15時まで会場内を開放し、衣装展や愛用のギター展示、メンバーによる絵が展示される等、5人の手作り感溢れるアットホームなおもてなしが行われ、17時からは、この夏を締めくくる集大成的なライヴを届けてくれたのだった。

 

結0824ゆきみ0824

 

ライヴ3公演目となった最終公演は、『small world order』の衣装で登場し、小説『ひとひらの世界』を思わせるセットリストで楽しませてくれた。柔らかな素材感を活かした、色鮮やかな衣装を纏った彼らがステージに登場するとオーディエンスは大きな歓声で彼らを包んだ。1曲目に届けられた「Eniver」は、眩いばかりの光を放ち、オーディエンスを手放しの笑顔に変えた。この日は、鮮やかな曲調でまとめるのかと思いきや、1曲の中にも激しさとポップさを常に共存させている彼ら故、柔らかに包み込んだかと思えば、次の瞬間にはオーディエンスに大きく体を振りかぶらせ、激しく頭を振り乱させるという、激しい緩急を繰り返しライヴを盛り上げていったのだった。その安定した演奏と、華やかなライヴパフォーマンスは、7月6日からスタートした夏ツアー『恋なんていらねえよ、夏』で磨き上げたライヴ感であったと言えるだろう。

 

ライヴのラストには、ボーカルの結が、「一つだけ、真面目なことを言ってもいいかな??」と告げ、『恋なんていらねえよ、夏』を終え、こうしてU’s(ユナイトのファンの呼び名)と手放しで楽しめる祭という場を終えた今、改めてU’sの存在を大切に思うと語った。そして、どうしても直接言いたかったという「ありがとう」を叫ぶと、3周年に向かって一緒に歩いてほしいと願ったのだった。本編ラストに届けられたのは「クオリア」。彼らから届けられる星をテーマに描かれた美しい世界を、微動だにせず、真っ直ぐに受け取っていたオーディエンスの姿がとても印象的な時間だった。

 

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そして彼らは、本編終演後、ヴィジョンにて、ユナイト結成3周年に向けての特別企画『Rt3A』(全10段)がスタートすることを発表したのだった。そんな『Rt3A』の第1弾となる、Serial story CDの完全版『美空結び』(10月9日リリース)を、彼らはこの日のアンコールでいち早く、集まってくれたU’sに届けたのだった。

 

2013年8月24日18時45分。ユナイトは2013年の夏を締めくくった。しかし。そんな夏の終わりは、3周年目に向かう第一歩でもあったのだ。2011年の3月29日に結成されたユナイト。彼らは今、大きな希望を胸に、3周年という未知なる世界へと歩みを進めたのである。『Rt3A』の第10弾が行われる、結成3周年目となる2014年3月29日。彼らは私たちを、どんなサプライズで楽しませてくれると言うのだろう? そこに向かうまでの過程を楽しみながら、U’sと彼らと共に3周年を祝えることを、今から心待ちにしているとしよう。

 

(写真・大参久人、佐藤寧花)